« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »

2009年11月

文字戦争が韓国で

 嶺南大学でのシンポジウムの余韻が残る。この間にいただいた名詞は、ハングルのみ、漢字入り、英語付きなど、様々である。シンポジウムの間に、「最近は漢字を使わないのか」と聞くと、しばらく前はそうであったが、今はそうでもないと教えていただく。気になったのでWikipediaを見た。「韓国における漢字」という項目があった。
 それによれば、「ハングルだけ」、「漢字混じり」など議論が沸騰している。「五十年文字戦争」と名付けた新聞もあるという。1948年「ハングル専用に関する法律」が施行された。1970年漢字廃止宣言、1972年にそれが撤回される。が「中学校、高校では、選択科目」「小学校での漢字教育は禁止、教えた先生が懲戒免職」とある。その後も一進一退である。最近ではハングルを専用すすめる派の人も、四文字熟語などを理解するためには、漢字が必要であると認め始めているらしい。政治家も「文字」を争点にしない。「もじもじ」している。
 後半部分には「東アジアでの共通文字である漢字」なので、韓国では、就職試験に漢字を課すこともあるとあった。

「漢字も勉強せな、あかんじ」と改めて感じる。
09.11.30

| | コメント (0)

免税店をのぞく

 釜山の空港免税店、定員さんのほとんどが女性、この限られた場は男女共同参画ではない。商品に近づくと、日本人であることが見破られて「安いですよ。それは20%オフです」「二つ買うとおまけにこれがつきます」と矢継き早に声がかかる。Just lookingと日本語がわからないふりをして、自分自身が買いたい品物を手に取っては、開け閉めしたりする。事情のわからない店員さんが来られてまた「こちらは20%オフですよ」という。「あのね、まずは使い勝手のよいもの、自分が持っていると豊かになった気分にしてもらえるものを捜しているのじゃわい」とつぶやく。
 チョコレート売り場、またまた甘い誘いがくる。「少し食べてみてください。こちらは18個入りで、お得です」「お得でも研究室は21人なの」と言っても分かってもらえない。なんとか商談成立、韓国ウオンと日本円合わせてもいいですよ。と言われる。・・・550ウオンです。というので、小銭も出す。が50ウオン足りない。おじさん思わず50ウオン足りないと申告する。日本円で払えばいいものを、即座に「50ウオン、私が払っておきます」と言っていただいた。日本円では4円ほどでも、その気持ちがうれしい。「じゃあ、こっちのクッキーも」と声がでそうになった。ウオンだけに彼女の勝ち(She won)でした。
09. 11.29

|

慶州(キョンジュ)を訪ねる

 慶州市、仏国寺、良洞(よんどん)民俗村を案内していただいた。この地域は古くは新羅(しら)が統治し、首都であった。その頃、日本・百済が唐・新羅と戦った、白村江(はくすきのえ)の戦い。仏国寺はそこにある751年に創建されたとされる仏教のお寺、朝鮮王朝時代で400年頃前、異国の軍のせいで、かなりの部分が焼失。壬辰倭乱とこちらでは呼ばれる。文禄・慶長の役である。豊臣秀吉が主役。
 良洞に移動、村は李氏と孫氏が主に築き、500年ほど維持されている藁葺き屋根の家屋もある。山間の地形、村を流れる川に家屋が調和する。村全体の構成は、黒澤明「七人の侍」を彷彿とさせる。家屋の中には、たくさんの瓶(かめ)があるところ、野菜を干しているところもあり、チャングムが頭によぎる。ガイドさんが「あちらは小学校です。110年前にできました」「日韓併合より前からあります」と説明する。
 日本とも、様々な関わりがあった地域である。今回のジョイントシンポジウムのような友好も歴史に刻まれることを願った。
09.11.28

| | コメント (0)

苦去甘来

 シンポジウム始まりです。韓国、日本それぞれ5名は、30分講演をする。韓国の先生5名のうち、4名は、ドイツ、カナダ、アメリカで学位を取得されている。日本側は、学士、修士、博士すべて同じ大学からですと紹介が短くて足りる。講演は、どちらもすごい内容盛りだくさん、村井君の分はわからないが、学生さんの自身作を紹介する。昼食にビールをいただいたけど、午後一番の村井君は起きて話していたことは、確かである。夕方まで、化学におぼれてしまった。三つの講演の座長も担当させていただいた。
 その後、懇親会へ行く。座長で紹介した先生が横にすわる。なぜか日本語がうまい。「キムチが、・・・キモチわるい」とか言いながら、日本語ペラペラの二人の韓国人が盛り上がっていた。その先生、オタワ大学にいた当時、日本人女性とつきあって結婚したいという事になったらしい。でもボストン(アメリカ)で、それぞれお互いの親に話したら、どちらも「だめ(×)」と言われたそうである。ちなみに「」のなかは彼のこの日の言葉です。しぐさ付きでね。
 別の方に、韓国の今時のお酒の飲み方を教えていただいた。直径2.5センチ、深さ3センチほどのグラス二つ、一つは焼酎、もう一つはコーラを入れる。500 mLほどのコップに、先のグラスをその順で重ねる。それをコップに入れて、ビールごと飲む。始めビール味、ついで濃いお酒、最後に甘いコーラが味わえる。これもコーチンカイネン(苦去甘来)と言うらしい。ほんまカイネン。
09.11.27

| | コメント (0)

関西空港から釜山、大邱(テグ)へ

 ヨンナム–近畿ジョイントシンポジウムのため、関西空港から、釜山へ飛ぶ。ヨンナム大学学生の車で、テグへと移動。高速道路をぶっ飛ばす。時々、制限速度まで下げる。その少し前に、なぜかナビからベルが聞こえる。80 kmほどの距離をおよそ1時間で移動、夕方歓迎の食事会に出向く。今回の日本側リーダーの先生から「お酒が存分のおもてなし」であると聞いていた。テグで「テグすね」引いて待っておられるかと緊張する。郷土料理をいただいた。本場のチヂミもいただいた。舌が「縮み」あがるほどの美味である。
 日本に留学されていた先生とお話。韓国の人口5千万人弱、日本よりさらに少子化の国、大学受験は戦争の如し。夕方5時頃、高校が終わったあと、塾へ行く。時には午前1時頃まで勉強する。その経費は家庭が負担する。無事大学生になると、四年間の途中で、イギリス、アメリカあるいはフィリピンの語学学校に留学するという。そこで基礎化学の講義も受講する。その費用はそれまでにアルバイトなどで貯める。なので卒業のためには5年をかける。就職試験では、専門よりもまず、英語ができるかどうかが問われるらしい。
 韓国では、大統領経験者やその家族の不正が、退任後に色々明らかになる。日本では首相になると出る。この違い、韓国では大統領時代にそれを明らかにすると、検事の首が飛ぶだろうとのこと。政治的な力を一極集中させて、事を運ぶシステムを採用しているらしい。科学関連予算も大統領が変わると採択率が変わる。
09.11.26

| | コメント (0)

連休明けの雑多な日でした

 8:50、大学院講義で教室に行く。学生1名、火曜日だけど、月曜日の時間割の日のためかもしれない。やっと7名になった。普段の半分以下の学生数なので、少しだけ先へ進む。ハロゲン−リチウム交換反応について、置換反応SN1, SN2を思い出してもらう。離れてからくっつくか、それが同時に起こるいわば三角関係かの話である。ただここでは、三角関係のあと、離れていってしまった側(炭素陰イオン)にスポットがあたる。

 特論の成績提出、雑誌会、輪読会の後、午後はマス測定、先週末電流が流れなかったので、この日1時間だけ時間を確保してもらった。がこの日も電流が「でん」。担当の先生が来られる。二つほどスイッチを入れ直すと流れる。同じ操作をやったはずだが、装置は村井君に不機嫌である。今度は、サンプル固定のための小型六角レンチがない。前に測定した先生が登場、六角レンチの場所が発覚。これでよしと思ったら、プローブ先端、長さ5 mmほどのねじが外れている。装置の隙間にでも落ち込んだのか、こちらも落ち込む。別のプローブを使ってなんとか測定を開始できた。が残り時間わずか、次の予約の方が来られた。「マス、使われマス?」「いや・・・1時間後から」で救われた。

| | コメント (0)

ポップコーンの添加物

 バター風味のジアセチル(C4H6O2)が、電子レンジでつくるポップコーンにも添加されている。このポップコーンを製造する工場で働く多くの方が、閉塞性細気管支炎と診断された[1]。めずらしい肺の病気で息苦しくなり、咳もでて、疲労感も感じるらしい。なのでポップコーン肺疾患とも言われる。記事には、これに関する訴訟の現状が述べられている。ちなみにいまではポップコーンには添加されていないが、すでにこの種のポップコーンを食べた人が同様の疾患になるかもしれないとある。実際ポップコーンの熱烈愛好者がテレビで証言した。「毎晩、少なくとも二袋食べていた。でも医者に病気になるかもしれないと言われてやめた」と、がこの場合、ジアセチルが入ってなくても身体こわすと思うけど、弁護士には、消費者から毎日問合せの電話があるらしい。ポップコーンに、こ〜ん惑か。

[1] Chemical & Engineering News, November 16, 2009, p. 24.
09.11.24

| | コメント (0)

フランシウムの場合

 原子番号87フランシウム[1]、半減期が21分、地球上には30gほど存在、最も大きなイオン直径、最も重いアルカリ金属、最も小さな電気陰性度を持つ。
 この元素は、1939年、キュリー研究所でマルグリット・ペレーが発見した。メンデレーフが予言したこの元素を、それまでにも多くの研究者が「発見した」と発表したが違っていた。ペレーは、アクチニウムそのもののα、β崩壊を最初に観測し、そこに新しい元素があることを明らかにした。短期間にその難易度の高い技術を得た研究者の成果である。そこで元素に名前をつけることを依頼された彼女は、フランス生まれなのでフランシウム(Fr)にした。記事にはFrに加えて、Po, Ra, Acが同じ頃フランスで単離されたこと、実用性のないめずらしい元素であるともある。確かに「一家に一枚周期表」でもFrには、フランスの地図の上にキュリー研究所と書かれているが、何に使われているかには触れていない。なんぞ使いようありませんか?
 ちなみにこのブログのタイトルは、「フランシーヌの場合」を拝借した。こちらは1970年頃のヒット曲、フランス人フランシーヌがパリで起こした政治的な抗議が題材である。

[1] Nature Chemistry, 2009, 1, 670.
09.11.23

| | コメント (0)

同窓会でした

 女子9名、男子10名に先生が出席。「先生にご挨拶を」と幹事の女性、先生「いや、もうぼくは最後でいいよ」「先生照れてる場合と違いますよ」と彼女の突っ込みで、お話をいただく「・・・病気になっても病人にならんように・・・」で別のノースリーブの幹事さん、「初めての合コンみたいでワクワクしています・・・」「おい、おまえ、それでさぶないんか」とだれかが突っ込む。・・・当時のこと、友達のこと、今のこと、笑いころげて7時間、でさらに他のクラスのやつも呼んでるという場へも足を運ぶ。同じ学年だった彼、今はお寺のご住職「ええ時には、梅干しをみてご飯食べる。」と教えていただいた。
09.11.22

| | コメント (0)

6年8組同窓会です

 5,6年担任、宇田先生の傘寿のお祝いで集まる。先生は当時、「少年から青年への脱皮」が始まりかける多感なぼくたちを、柔らかくかつ厳しい姿勢で、導かれた。小学生にもわかるお笑いねた満載で、「三遊亭ウダやっこ」というあだ名をつけた友達もいた。6年生の始業式、担任発表がある。当時6年生は10クラスあった。1組から担任の先生方の名前が呼ばれる。5年生からの継続だと「またか」という落胆か、ため息まじりの声が通常である。で8組「宇田先生」と発表があったとき、女の子から歓声があがり、飛び上がって喜びを表現している。先生はさぞや「おもはゆい」気持ちだったろうにと今では思う。その彼女たち長年、機会を見つけては、先生もまじえて食事などをしていたらしい。今回は、おじさんたちにも輪を広げてもらった。「村井君へ・・・もりあがりましょうね」とメールにはあった。いつまでたってもなぜか同じ年齢である。
09.11.21

|

福井は雨だった

 めずらしく家からバスで駅に行く。しかも論文に目を通している。バスが混雑してきた。隣に女性がすわる、痴人と思われては困るので、縮んでいる。なにげに目をやると、ノートを開いている。キラル:・・・、アキラル:・・・、思わず我に返る。お隣さんもこちらを気にする。ページが変わる。接触水素化反応、オスミウム酸化、ヒドロホウ素化と続く。アルケンへの付加反応、しかもエナンチオ区別な系を復習しておられるではないか。「アルケンのここには電子がたくさんあるけん・・・」と伝授しようと声が出そうになるが、「運転手さん、変な人が・・・」という場面が浮かんで断念
 模擬講義に向けて、JR特急しらさぎで福井に向かう。降りると雨模様、田んぼの中、目的の高校があった。「事前にお送りいただいた資料は廊下にあります」とのこと。11名の先生方が講師だったが、本学からの講師2名の資料の山がダントツに低い、他を圧倒している。今回は時間がたっぷりあったので、ハチのフェロモンのお話の前に、ファーブル昆虫記も紹介。ハチは、えさになる虫を仕分けし、しかも必殺仕事人が如く、虫を「植物人間ならぬ」「植物虫」にしてしまうと。
09.11.20

| | コメント (0)

オタワ大学からのニュース

 Fagnou先生が急逝されたことは、オタワ大学理学部でも報じられている。先生の業績を讃え、哀悼の意を表し、家族らへのお悔やみを述べている (http://www.science.uottawa.ca/welcome.html)。15日に行われた告別式の時間や場所の詳細、学生・教員が利用できる式場までのシャトルバスのことなど記されている。Fagnou奨学金の寄附のよびかけもある。オタワ大学が世話をしている。寄附の形式は、「一回限り、月々、複数年」とある。またこれは税金の控除の対象となる。支払いは、研究資金からでもよい(おそらく大学内の人から)。メモリアルページへのリンクでは、写真や様々な方々からのメッセージが掲載され、こちらからもメッセージを送ることもできる。
 ついと所属する学科の先生が急逝された昨年6月のことも思い出される。でも寄附をつのることやネットでメッセージをつのることなど、ついぞ考えなかった。
09.11.18

| | コメント (0)

追悼Fagnou先生

 オタワ大学Keith Fagnou(キース・ファヌー)先生が、11月11日ご逝去された。新型インフルエンザの疑いでオタワ病院の集中治療室に運ばれて三日後のこと、享年38歳、8歳4歳1歳のお子様とMerry Christmasを過ごすことはできなくなってしまった。
 Fagnou先生は、高校の教員を経て、大学院で学び、2002年オタワ大学のAssistant Professorになった。過去7年の間の主な成果は、芳香族化合物のC-H結合の切断をもとに、様々な炭素—炭素結合を形成する遷移金属触媒反応で、ホットな研究領域の中の、まさにfast-rising starであった。本年OMCOS賞も受賞された。昨年夏、京都三条のお店で、「英文速報誌に、総説の執筆をお願い」し、「書きましょう」とのことであった。本年8月20日編集部には、「芳香族C-H結合切断の異なる機構について触れたい。時節を得た内容で触媒反応に携わる人に、新しい着想をもたらす総説にしたい。」というメールをいただいていた。
 彼のホームページには、CHEMWARS EPISODE VII RETRUN of THE C-H BOND というフィルムもある。人柄も偲ばれるが、断腸の思いで、言葉もない。
 ご冥福をお祈り申し上げます。
09.11.17

| | コメント (0)

Grignardクロスカップリングの始まりは

 大学院講義で、Grignard反応を紹介するために、Seyferth先生の随筆を改めて読む[1]。Schlenk親子が1929年、いわゆるSchlenk平衡を発表、・・・・・、Knochel先生らのGrignard反応剤発生法、ついでGrignardクロスカップリングと続く。これはKochi先生らのFeが媒介する(1971年)、こちらの系が最初であると思っていたが、そうではないらしい。1943年Kharaschらが、芳香族Grignardとハロゲン化アルケニルを塩化コバルト(5 mol%)存在下反応させるとカップリング生成物を50-75%で得たのが最初らしい。それから30年ほど過ぎて、Fe, Ni, Pdなどの遷移金属が触媒する系が発見されているという。
 でさらに30年以上も過ぎた今でも活発な研究分野である。Mn触媒の系もあるがFe触媒の系が主役である。中村先生ら(京大化学研究所)の、FeF3、NHCカルベンとエチルGrignardから活性な触媒を調製する系は、結果がテーブルとして紹介されていた。テツが、おテツだいするビアリールカップリングの見事な系である。
[1] Seyferth, D. Organometallics 2009, 28, 1598.
09.11.16

| | コメント (0)

リトル・ピープルが気になる

little peopleスペースアルクでは、1、〔国・組織などにおいて権力を持たない〕普通の人々、2、〔民話に登場する〕小妖精たち とある。この言葉が最初に気になったのは、1Q84である。時として邪悪なものとしてせまってくるもの、なにかの原理主義のようなものか、躍動感があったシステムが硬直してしまったようなものかとも思っていた。で「リトル・ピープル」が小説に登場したのはこれが最初ではない。「ダレン・シャン」[1]にも登場するということを教えていただいた。果敢に12巻に挑戦して無事たどり着いた。この話は1巻に続き、まさに「一巻の終わり」のファンタジーである。こちらのリトル・ピープルは、成仏できない魂が、命を授かり前世に立ち戻って果たせなかった使命を果たしていくような人種である。
 さらにネット検索すると、エジソンも記者会見で使ったとある。それぞれの人の頭の中に住んでいる。年が若いほど、その声を聞くことができるという。
 ますます気になる。
[1] 作者は、「誰やしらん」ならぬ、まさにダレン・シャンさん。アイルランド在住である。英語題目は、The Saga of Darren Shanだが、日本語版では、Sagaに相当する部分は、捜してもない。またこのファンタジーは30カ国語に翻訳されている。
09.11.14

| | コメント (0)

ビジネスの雑誌が大学に触れる

 「大学、総力ワイド特集」という記事があった[1]。ビジネスに関する雑誌なので、大学の総資産、資産運用、社長の数、有名企業への就職者数などのワードで、大学ランキングや大学経営について語っている。「大学で学ぶこと」とか「大学生になれば、思いもしなかった友達、考え、学問に触れる」などという視点はない。ここではそれが当然で、雑誌のミッションを果たしている。が気になった。「株式会社立大学」については全く言及されていない、ビジネスの雑誌にもかかわらず。
 この大学、小泉政権時代の「構造改革特区」の一つとして設立が進められた。大学経営をビジネスの一つと捉え、「市場が「よろしくない大学」を退場させるでしょう。」みたいな方針で、2004年頃からスタートした。5,6校、名乗り出たが、今ではどこも定員を確保するのに苦労している。たとえば「経営」について教える大学院大学も設立されたが、そこが債務超過になり、昨年末、今年度の学生募集の中止を発表した。ちなみにその大学の学長は、中央教育審議会の要職にあった方である。
 先の雑誌にもどる。財務ランキングには、大学名、都道府県、経常収益合計などが一覧になっている。本学の名前もリストに含まれる。その横に、山梨県とあった[2]。本学は「県外移転」か?

[1]週間ダイヤモンド, 2009, 10/31
[2] [1]の雑誌 p. 40
09.11.14

| | コメント (0)

知多にきた

 知多半島を訪ねる。キャスター付きのバッグに小道具をつめこんでいる。「中には毒グモがいて、笛でクモをあやつる芸を」と頭によぎる。これは全巻読み終えたばかりのファンタジーの作用のためか。中は分子模型20セットである。「御乗り過ごしのないようお気を付けくださいね」とエールも送っていただいたので無事ついた。
 高校ではまず、校長先生のご挨拶「・・・学部・学科の魅力を伝えていただいて、興味を喚起させていただきたい。・・・」とのこと、身体に緊張感が走る。今回は50分の模擬授業を二回行った。生徒が入れ替わるので、同じギャグでも問題はない、と思っていたが、その場を担当された先生には、二度聞かせてしまった。バラは「すバラしい」とか新ネタも入れようかと思ったが、話がバラバラになると困るので、やめた。いつもの様に周期表を配る。113番元素の話をする。「半減期ってなんですか」「半分だけ元気なこと」とは言わない。「たとえば100個あるものが50個に、50が25個になる時間」と伝える。「自分がみつければ、元素の名前になるのか」とも聞かれた。「ポロニウム、フランシウム、ゲルマニウムなど」国名にちなんだ名前もあることも紹介
 帰り際、校庭の落ち葉を生徒たちが掃いている。「こんにちは」と声をかけられる。のどかな秋の情景である。
09.11.13

| | コメント (0)

Sibi先生も来られた

 先日の中化連初日、Sibi先生(ノースダコダ大学)も参加された。部屋に来ていただいて、チオカルボニル系の話をする。ジアニオン、蛍光発光性化合物、連続付加などなど、goodの繰り返しで、時に建設的なアイデアをいただく。これも短時間ではやむを得ない。ついでアメリカで働く先生なので、研究費やその審査課程の話になってしまう。Sibi先生もpanel(パネル)であったと言う。壁に張り付いているパネル(板)では、痛々(イタイタ)しい。ここのパネルは評価委員会のメンバーという意味である。10名分の申請書を読む。それぞれ25ページ、100~900点で点数をつける。数字が小さい方が優れている。その結果を持ち寄って、パネルで話し合う。点数が大きく違うときに、なぜ高い点数をつけたのかを主張する。採択率が低い中でもSibi先生は、これは、比較的公平なシステムであると言われる。パネルの名前は、審査の前に公表されている。電話が直接かかってくることはないが、審査前の時期に学会などに参加すると、握手の数が増え、暗黙の目配せを感じるらしい。このSibi先生の話にシビれませんか?
09.11.12

| | コメント (0)

IKCOC-11二日目です

 Ley先生(ケンブリッジ大学)の特別講演で始まる。ついで3件の招待講演、Ni, Au、ついで金属なしの系、三件目は、水が反応を加速するという。
 午後の講演のあと、ポスター発表もあった。180を超えるポスター、時間は2時間である。遠くから見ていて「おもしろい反応・合成だなあ」でも観客がいないところに、これ幸いと近づく。韓国からの参加者である。後から確かめると50名ほどの方が韓国から来ていただいている。反応を見つけた背景、適用範囲、反応経路などを聞いた後、「ボスは京都に来ているか」と聞く。「学生だけである」と言うので,「明日は国際会議を脱出して、京都を探検してほしい」とアドバイス。でも先生からは「しっかり学んで来なさい」と言われたという模範解答。日本からの発表者も同様にすばらしい。チェコ共和国でもGrubbs触媒を使っている話も聞いた。国の名前を「チェコスロバキア」と間違えてしまった。1993年に分離したことも教えてもらった。
09.11.11

| | コメント (0)

京都で国際会議に参加する

 有機化学京都国際会議に参加する。開会式では、琴の演奏があった。日本語と英語まじりの司会を、合成化学をリードされている先生が担当される。その後、この会議を創設された先生、今回の実行委員長の先生の挨拶、ついで会議にちなんだ賞の授賞式につづき、講演があった。G. W. Whitesides先生(ハーバード大学)である。講演は含蓄のある話が満載だったように思うけど、よくわからないところも多かった。英語力のつたなさを実感する。最後の部分では、「大切な課題に取り組みましょう、たとえそれが成功しなくても、それなりのインパクトがある。一方で取るに足らない課題に取組んで成功してもだれも見向きはしない」みたいなことを伝えようとしていたと思う。
 その後の歓迎会、Feringa先生の「オランダには山がないので、京都の山を持って帰りたい。ではその作戦は」という冗句まじりの挨拶で始まった。
 ちなみに会議の略称はIKCOC(アイコック)11である。参加者には、愛国心がめばえるかも
09.11..10

| | コメント (0)

お言葉をいただいた

 「中化連とはいったいどんな学会だろうか」ということから話を始めていただいた。研究活動にも言及される。本学の協定校、ブラジル・カンピーナス大学に出向いたこと。砂糖を生産していたところが、バイオエタノール合成に変わったこと、本学でも、国の方針に従って、研究費を獲得して研究をやっている方々の話も紹介された。その後である。
 それもよいけれど、なかには、「こんなことを研究しておられるのかとお聞きして、ハッとすることもある。」「役に立つかわからなくて、研究を進めておられて、社会のニーズにマッチする場合もある。」「先生方は、しんぼう強く自分の研究領域を発展させていただきたい。」思わず聞き入ってしまった。リーダーのこの視点、こちらも奮励努力しなくてはと刺激される。
 話は、岐阜のカキ、静岡のミカンと続いた。
 学会には、500人を超える方々が、登録されたという。また合同事務局の方々にも大変お世話になりました。皆様、遠路はるばるお疲れさまでした。

| | コメント (0)

中化連です

 中部化学関係学協会支部連合秋季大会が本学のキャンパスで開催される。学会名は長いので、中化連と略して呼ぶ。中華鍋とは関係がない。英語の略はUCRS,なんだかカリフォルニア大学リバーサイド校みたいである。そこで、懇親会の担当を仰せつかる。率先してアルコールをいただいて盛り上げる係ではない。一発芸もする必要がない。司会をする。学会の司会なので、決して目立ってはいけない。本学学長にもご挨拶をいただく。学著秘書に、持ち時間と「ダジャレ、小話入りの挨拶も大歓迎です」とメールする。「え〜、本大会の実行委員長の姓と私の名を合わせると、日本人初MVPが誕生しますが・・・」などで話が始まることを期待する。懇親会は1時間20分ほどの予定である。主賓ではなく来賓、「・・力先生」は、「ちから」じゃなくて「つとむせんせい」などと確認をする。ぼろ(襤褸)がでるかもしれないが、その時はご容赦を
 真ん中でお世話していただいている先生ならびにその研究室の先生方、本当にありがとうございます。成功裏に終わります様に
09.11.7

| | コメント (0)

製造の現場・目にしない化合物のことも考えてみよう

 たいていの電気製品に組込まれている半導体素子、普段は素知らぬ顔でお世話になっている。その素子を作る途中で、化学気相成長(CVD)という方法が使われる。これによって化合物の薄い膜ができるが、ある表面に化合物を吹き付けて膜にすると、膜にならなかった余分なものが残る。ここままだとこの膜は、お先、「まっ」くらかもしれない。なので、余分なものを洗浄するためにも化合物が使われる。製品には組込まれない化合物だが、普段の生活と繋がっている。こちらにはその意識はない。化合物としては六フッ化エタン(C2F6)や六フッ化イオウ(SF6)などが使われているが、これらは、地球温暖化ガス係数が、CO2の10000~20000倍であるらしい。フッ化窒素(NF3)も洗浄に使われる。その製造工場で爆発があった。ここで「安全管理・・安全教育」ということも大切だけれども、知らないたくさんの化合物が、今時の生活に、いっぱい・いっぱい関わっていることも、改めて考えてみたい。
 で、ニュースをみたら、「エアバッグ用ガス発生に使われる点火薬」製造工場での爆発事故も伝えていた。もしもの時の安全装置用化合物を製造していて、命を失われた。ご家族の心中を察してあまりまる。ご冥福をお祈り申し上げます。
09.11.05

| | コメント (0)

フラーレンが触媒する

 炭素原子60個がサッカーボール状に繋がった分子は、C60フラーレンと呼ばれている。1985年の発見以来、多くの方々が研究対象としている。その中、紫外線照射水素雰囲気下、触媒量のC60存在で、ニトロベンゼンを加えると、還元反応が室温で進行し、ほぼ100%アニリンに変換されることが発表された[1]。Xu先生(Nanjing大学)らの成果である。光照射しない場合には、100℃以上の温度が必要でかつ、水素加圧(3〜5MPa(メガパスカル))である。ちなみにパスカルは、国際単位系(SI)の圧力・応力の単位である。何気圧か、知っているとタスカル。1気圧は、101,325Pa(約0.1MPa)である。
 なおこの種の水素分子の付加はこれまで遷移金属触媒を使うか、金属を使わない系は、ホスフィンボラン、ジゲルメンやカルベン種を使う系が知られているのみであった。
 C&E Newsの記事には、西林先生(東京大学)がコメントされていた。興味ある系で、色々な化学分野の人が注目するでしょうと、英語でのコメント。気合いを「こめんと」なかなかできない。

[1] Chemicals & Engineering News, November, 2, 2009, p. 12.
09.11.4

| | コメント (0)

飯島澄男先生が文化勲章を授章された

 カーボンナノチューブを発見された。これは当初は期待されていなかったらしい。でも電子線回折で「針状のものが黒鉛シートの同軸ケーブルを形成していること、炭素原子の六角形が針の軸に沿って、らせん状に配列している」構造も明らかにされた[1]。この論文、著者は当時52歳の飯島先生お一人である。自らフラーレンを合成しようと実験をしていたところ、予想外の結果に巡り会い、自ら電子顕微鏡をのぞき、構造を詳しく解析された。人生をできうる限り、実験現場で活動される姿勢の研究者だからこそ、得られた成果であろう[2]。6年前の本学での講演では、モルフォ蝶の青色は、羽にナノスケールの溝がある構造色であることも含めて紹介されていた。
 で先生の1991年の論文[1]、20年ほどの間に8800回を超える引用がなされている。これほど引用されている論文を、他にはまだ見たことがない。

[1] Iijima, S. Nature, 1991, 354, 56.
[2]同齢になって、「ブログにどんなダジャレを入れようか」と考えている、どこぞのおじさんとは、千里の径庭がある。はい大いに反省します。

| | コメント (0)

「こんな日本でよかったね」

 内田樹先生の著書である。昨年バジリコ社が出版し、早速読んだ。一年後文春文庫になったので改めて読んだ。だから手元に二冊ある。読んでもわからないところも多いのにねえ。昨年は大学院一年生に「人生はミスマッチ」の項をコピーして配った。その一節「本来の教育の目的は勉強すること自体が快楽であること、知識や技能を身につけること自体が快楽であること、心身の潜在能力が開花すること自体が快楽であることを子供たちに実感させることである。」その後、「自分の適性にあったたった一つの仕事」というのは幻想であること、就職情報産業は、それを軸にビジネスモデルを作り上げていることにも触れ、さらに「私たちは学校の選択を間違え、就職先を間違え、配偶者の選択を間違う。それでもけっこう幸福に生きることができる。」・・・その後チェーホフの「可愛い女」の話になる。
 皆さんも手元に一冊いかがですか。

 でも読みづらい方がおられても心配ご無用。ご令嬢内田るんさんのブログ[1]には「中原昌也の小説を読むと気分がスッキリします。あんなに美しい文章なのに涙が出るほど笑ってしまう。父親の本は流し読みで半分もいかないとこでやめちゃうのに、同じ活字でもこうも違うかしら」とある。

[1] ラブラブ企画のブログ6月4日
09.11.1

| | コメント (0)

« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »