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2010年8月

有機リン、チオカルバミン酸系

 農薬は広く使われている一方で脳の思わぬ様々なところに影響をおよぼす。今回29種類の殺虫剤、除草剤および殺菌剤の「活性をもとにしたプロテインプロファイリング」と呼ばれる試験が行われた[1]。この方法は神経学的に重要な酵素に対するこれら農薬の影響の解明を可能にする。彼らは一連のセリン加水分解酵素が農薬の標的であると考えた。その結果クロロピリホス、トリブホスやモリナート[2]を含むいくつかがネズミのこれらの酵素を抑制することを発見した。影響を受けた酵素の中には「内在性カンナビノイド作用」[3]を制御するものやシナプス形成を制御するもの[4]も含まれていた。なおここでの実験は高濃度の農薬を投与しておこなったのでさらに低濃度での実験も必要であるとのことである。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010, August 2, 38.
[2] それぞれ英語名はTribufos, Chlorpyrifos, Molinate、化学式はC12H27POS3, C9H11Cl3O3NPS, C9H17NOS
[3] この酵素はモノアシルグリセロールリパーゼで、カンナビノイドが、わカンナイ人のために解説:大麻に含まれる化学物質の総称、だれが「そうしよう」と決めたか知らないが、これらによって身体内で起こる作用としては、記憶障害、多幸感、鎮痛、幻覚などがある。
[4] こちらはアシルプロテインチオエステラーゼで、樹状突起棘として知られているシナップス成分の形成を制御している。と言われてもよくわからないけど
10.8.31

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三級炭素上でのSN2

 反応は進行しない。これは有機化学の基本的な概念の一つである。これが教科書から削除される可能性のある発見が、M. Mascal, N. Hafezi, M. D. Toney(カリフォルニア大デービス校)らによってなされた[1]。1,4,7-トリメチルオキサトリキナン[2]のオキソニウム塩、大きそうな構造である。一般にはオキソニウム塩は典型的な親電子剤ではない。エタノールを使った加溶媒分解を受けず、塩基性を有する求核剤たとえばメトキシド、シアニド、アセテートイオンとの反応では脱離反応が進行する。一方でアジ化物イオン(N3(-))を先のオキソニウム塩に反応させると三級炭素上にアジド基が導入された。これらのことからSN1反応ではなくSN2で進行すると結論づけた。二分子反応であることを確かめるために反応速度を確認したところ、いずれの化合物の濃度にも依存した。これでい〜ぞん、しかも研究者らの知る限り「おそらく三級炭素上での置換反応で二次反応速度式に従う初めての例である」と記されている。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010, July 26, p. 35.
[2]シクロノナンを書き、環の中に酸素原子を書く。ノナンの二つおきの炭素と酸素原子の間に結合を書き、酸素上に形式電荷+を書くとオキソニウム塩にナンノで、ついで酸素の結合した炭素上にメチル基を組込むとこの炭素が三級炭素になる。

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工場の見学を

 させていただいた。GMP対応の品質管理体制もある。GMP:ゴルフ・マージャン・パチンコではない。Good Manufacturing Practice(適正製造規範)という医薬品などの品質管理の手段である。そのために、測定用の天秤は、毎朝標準分銅による校正が必要で、購入した緩衝液などすべてに購入日、使用開始日などを記入、それぞれの使用期限も、開封日から○○日と決められている。液体クロマトグラフィーなどの装置も一年に一度メーカーによる点検が課せられ、その経費も計上されているが相当額(軽自動車が買えそう)である。製品の分析のデータはCD-Rに焼き付けられて保管される。天秤、乾燥器などすべての装置を使った際には使用簿に記録しなくてはならない。「しょうぼん」としている場合ではない。記載もれは許されない。他にも発酵用釜、反応釜なども見学させてもらい、その夜は、町営の館に宿泊、超え〜感じであった。夕食を庵で食した。屋根は藁葺きで、笑って吹き出しそうな話題もあった。
 貴重な体験をさせていただきありがとうございます。
10.8.29

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ゆうちょ銀行が

 参加登録費の振込先である。口座番号として5+8桁の番号がある。これだけを頼りにATMから振込を試みる。振込先:個別指定で「ユ」を選び、ゆうちょ銀行が登場、そこを押すと支店名を聞かれるが、どこにも支店名はないなあと「ゆうちょう」にしていると振り込みができない。先の番号に支店名が隠されている。「初めの5桁のうち2桁目の数字の読みから支店名が始まる。それに3桁目の数字を続け、1桁目が1ならばその後にハチを、0ならばキュウを付けて支店名になる。加えて1桁目が1の場合の口座番号は8桁番号のうち最後の1は不要」ということをパンフレットに従って、銀行のお姉様に教えていただいた。おそらくここまで読んでもわからないと思う。なので無人のATMでは振込はできなかったかもしれない。パンフレットには「事前にご確認ください」とあってフリーダイヤルも記されているがATM付近で携帯電話を使ってはいけない。このゆうちょのシステムを簡単にできるように誰か「ゆうテちょ」と思う。
10.8.28

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Monday night dinner

 の案内とそれへの返事メールが多数届く。Sessler研のグループメール。ACSの学会のある「ボストンでボスと」ディナーである。で昨年このメールアドレスを整備したいというメールをもらった。担当はドクターコースの女子学生。研究室はすでに20年以上持続して、その在籍した数も100名は優に超える。米国では研究室の面積や在籍数が財政事情によって様々である。その中いわば継続性のある研究室になった感である。そこで彼女はかつてのメンバーのメールアドレスの掌握を副ミッションとして引き受けた。「それは研究とは直接関係ない」と言って断る学生もいるので彼女はkindなmindを持つ。また研究室出来たての頃は一枚の掲示で「金曜日のビアパーティ」「来週からグループミーティングやります。これは必ず出席のこと(mandatory)」で済んだ。そんな出来たての研究室や何年もたった継続性ある研究室、またどこの国であっても、それぞれだけど、そんなドクタコースの経験は一度しかできない。
 ちなみに米国などでは基本的に、30歳前に「研究についての自由度」と数年後の評価のチャンスを苦労して獲得できれば、化学に没頭し(とは言えいわゆる雑用も多い)、学生を研究に焚き付ける語りを何度も繰り返し、自らも汗を流す時期をまずは過ごす。それを乗り切り、さらに様々を超えればメンバーディナーの道もあるが「ボス」が転ければほとんどゲームオーバーである。この儚さが、再会の機会を駆り立てる。
10.8.27

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宇宙にもフラーレンが

 存在すると信じられてきた、特に炭素が豊富な星には。ただし曖昧なスペクトルや地球上に落ちた隕石にわずかに見られるだけであった。これまでも宇宙望遠鏡を通して赤外放射スペクトルの観測によってその存在を突き止めようとしていたが、炭素が豊富な星からの放射は多環芳香族系炭化水素の強い放射のため困難であった。今回天体学者J. Cami(ウエスタンオンタリオ大学(カナダ)ら[1]は、寿命が残りわずかな惑星状星雲から吹き出るガスの中から、はっきりとしたC60, C70[2]のスペクトル観測に成功した。Nasa尖頭宇宙望遠鏡を使って「ナサ」れた。一般に惑星状星雲から吹き出される巨大なガスの層は大きな分子を形成するもとであり、その多くは星自身が合成する炭素の様な元素である。これらが星間にたまり炭素化合物へも変化する。Camiの成功は神のお告げかもしれないが、ほとんど寿命が終わりかけの星雲では、通常、水素もあまりないと推測(すいそく)されるため、水素入れろと催促されることもなく、フラーレン生成には理想的な条件であったらしい。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010, June 26, p. 8.
[2]しばらく前から岐阜駅と大学を結ぶバスの前面左上には、C60, C70の表示がある。「フラーレン入りバスで〜す」と見るたびに思う。
10.8.26

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Fullmetal Alchemist

 の生まれは日本 [0]で、今世紀、世界で活躍する。それに対して110年ほど前「大気を変える錬金術」[1]を実現した化学者・技術者がいた。言わずと知れたハーバー/ボッシュ法による窒素と水素からのアンモニア合成である。書[1]では、それより前、硝石が爆薬や肥料としての地位を得た経緯、チリやペルーの出来事にページが割かれている。その後「20世紀には食料危機が必ずくる、それを克服するには窒素肥料の安定供給が必須」というスローガンの中、二人を中心とする研究グループやBASFのチーム、ドイツ国家の投資などで「空気をパンに変える機械」を完成させた。書ではその後のハーバー[2]やボッシュの研究・技術開発への取組み、なかでもナチスドイツが台頭してきたときの二人の憂いは、凝縮されたページからも伝わる。
 という莫大な資料に基づいて著されたコンパクトな一冊である。抑制的に書かれた21章を終えた22章には、独自の視点が満載である。その一部:今や世界の空中窒素固定の量は「天然:アンモニア生成=およそ1:1」である、自分たちの身体の中の半分の窒素はハーバー/ボッシュ法由来であること、主要な川の硝酸塩濃度の上昇、ハーバー/ボッシュ法は世界人口を60億強にしてしまった科学技術である。などなど刺激的である。この本フィレンツェにて京都大学の先生から教えていただいた。

[0] 興味ある人、英語版Wikipediaでチェックを
[1] 「大気を変える錬金術 ハーバー、ボッシュと化学の世紀」トーマス・ヘイガー著、度会圭子訳、白川英樹解説、みすず書房
[2] ハーバーのことは「毒ガス開発の父ハーバー」宮田親平著、朝日新聞社版にもある。
10.8.25

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シクロブタジエンは

 遊び場の化学のように見えるかもしれない」と言う書き出しである[1]。一方でぎこちない90°の結合角を有するため安定性が極端に低いこともあって、この結晶構造を確認できたグループはなかった。1991年かご型化合物のひとつであるカルセランドにこれを閉じ込めて結晶化しようとしたが成功に至らなかった。今回フランス・モンペリエのチームが結晶構造解析に成功した。4,6-ジメチルピロン[2]のスルホン酸カリックスアレーングアジニウム錯体を作り、これに紫外光を繰り返し照射、4,6-ジメチルピロンからCO2を脱離させ1,3-ジメチルシクロブタジエンに変換させた。CO2存在下これの結晶化に成功した。分子は平面四角形という予想された構造であったが、結晶格子内では、少し伸びたゆがんだ長方形の部分もあった。この長方形、重宝するかどうかはわかならい。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010, July 19, p. 33.
[2] δ-ラクトンを書き、環内の四つのSP3炭素それぞれから水素一つずつ引き抜きその炭素をSP2炭素にして、二重結合を二つ作ればピロンになる。異論ありますか。
10.8.24

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えさが豊富なホットスポット

 えさが「え〜」さかいに、ウニ、魚、鳥、アザラシなどの生き物が集まる。植物性プランクトンが放出するDMSP(2—ジメチルスルホニオプロパン酸塩、Me2S(+)CH2CH2C(O)O(–))がこのトリガーとなる。そこで海洋性微生物がDMPSのかすかな匂いを嗅ぎ付けて引きつけられるかどうかが議論の対象となっていた。オーストラリアの研究グループは、実際にそうであることを明らかにした[1]。様々なバクテリア、動物性プランクトンや他の植物性プランクトンが高濃度のDMSPを嗅ぎ付けてダッシュし、DMPSは炭素源や還元されたイオウ源として使われる。時にはジメチルスルフィド(DMS)が副生成物として生じる。海洋食物網が明らかにされたことに加えてこの発見は気象学者にとっても重要である。MDPSやDMSは大気中のイオウエアロゾルの主な源であり、このエアロゾルは雲形成を促し、地球規模での温度に影響を及ぼす。
 海釣りには、有機イオウ化合物を持参してみよう。間違えてアザラシ[2]が接近すればオソロシである。

[1] Chemicals & engineering News, 2010, July 19, p. 33.
[2] アザラシのお腹のあたりになにかあるねえ、あれアザラシのアザらしい」というギャグを聞いたことがある。少々ワザとラシいか。
10.8.23

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ミッキーが行方不明に

 なった。岐阜県出身の21歳が、東京ディズニーランド(TDL)の裏舞台で働き始め、二日目に起こった出来事である[1]。ゲストとして入場したTDLに憧れて働き口を捜し、なんとか準社員として採用された。夢のある仕事ができると抱いていた幻想とは裏腹に、実際には、掃除・片付け・運搬などが業務である。正社員との差や同じ準社員でも勤続経験によって責任度や仕事の範囲も違うことを実感しながら働く。そんな中、ミッキーが行方不明になった。世間や米国本社に知れてはいけない。ミッキーの着ぐるみなどは存在しないことになっている。同じ部署の未成年準社員に疑いの目が注がれ、さらに彼女がアトラクションの一つを停止させてしまったことから一連の出来事の解明のため調査部の人間が乗り込んでくる。高圧的で自分たちの手柄しか眼中にない人たちである。がひょんなことからミッキーの居場所がわかった。同僚と二人して、会社の規則を無視して救出に出向いて成功、彼女の嫌疑も晴れるはずであるが、調査部の担当者は一連の事件の責任を準社員になすりつけようとする。この「夢と幻想」とは対照的な裏舞台を経験できる物語、TDLに行く前には一読したい。

[1] 松岡圭祐著「ミッキーマウスの憂鬱」新潮文庫は2009年、2010年「新潮文庫の100冊」に選んだ。
10.8.22

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ファイルの一部が壊れている

 可能性があります」というメッセージ、今朝ほど作成した文書なのに。とりあえずディスクに保存、改めてWordを開き、別のファイルを開こうとするが同様である。パソコンを一旦offにして改めて立ち上げる。Wordを開こうとするとフリーズした。すべてのデータをハードディスクに保存してパソコン再立ち上げ、やはりフリーズする。Entourage(メールソフト)を開こうとするがこちらもフリーズ。やむなく今では学外使用が主なiBookG4で作業を続けた。それでもメールだけコピーすることができない。みれば2.35ギガのファイルで、言うことキカない。このファイルに「まいる」し、Entourageにやっとレンジ、と思いつつofficeは別の版を注文して復帰させた。それでも過去のメールだけは「インポートに失敗しました」となる。ポーットしとらんと働けと何度か指示を出すが、マシーンは正直であった。記憶の範囲で必要メールの再送をお願いしたら、短時間の間に皆様から「ファイル、イルよね」という感じでお送りいただいた。助かりました。
10.8.21

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TBK1

 新しいアイドルユニットのグループ名ではない。Tank-Binding Kinase 1と呼ばれる酵素である。リン酸基を別の分子に転移させることができ、炎症を引き起こすことが知られている遺伝化合物の生成を促進する作用がある。さよう(左様)です。今回植物二次代謝産物である天然フラボノイド六種類がこのTBK1の働きを抑制すること、その結果、炎症が抑えられることが明らかにされた[1]。なかでもルテオリン(Luteolin)の抑制効果は最も高いこともわかった。このルテオリンはセロリ、ハッカ、ピーマン、カモミールティーに含まれる。また程度の差はあれ、抑制効果を示す他の種類のフラボノイドは、リンゴ、タマネギ、熱帯のブドウ、オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類にも含まれる。今回の発見は、TBK1抑制を標的とすることで、抗炎症化合物を探索するという道筋を開いた点からも重要である。
「セロリをペロリと食べてヘルシーに」というセオリーを考えたい。

[1] http://www.ars.usda.gov/is/pr/2010/100708.htm
10.8.20

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メリーゴーラウンド

 に揺られて親に手を振った遠いかすかな記憶、木馬にのって棒につかまる。この木馬に替わってホウ素が組込まれたクラスターゴーラウンドが質量分析、気相光電子スペクトル実験で確認された[1]。B19(-)クラスターは、ほぼ円形で平面な構造であり、二重になったπ芳香族系を形づくる。B原子1つを中心にB原子5つが五角形に囲み、この6つで2π電子系、その外側に13個のB原子が10π電子系の環を形成する。さらに理論計算は、この分子が内側のB6と外側のB13環が、常に低い遷移状態を経て、結合の開裂と形成をくりかえし五角形のハブとB13の車輪が逆向きに回転していることを提案している[2]。一方で先のスペクトルで確認を行ったチームは、この二重芳香族系では環電流が逆向きに生じることは気づいていたが、構造回転の可能性は考えておらず、実験的に確認する方法を考案中である。また他の理論家は、この分子をある程度の量、確保できるかどうかはわからないけど、二重芳香族の次は、逆向きに回転する三重芳香族系の構築もターゲットであると述べている。それでもB-29の再来は避けて欲しい。

[1] Wang, L.-S.; Boldyrev, A. I. et al., Nature Chemistry, 2010, 2, 202.
[2] Chemicals & Engineering News, 2010, July 12, p. 9. http://pubs.acs.org/cen/news/88/i28/8828notw9.htmlでは結合開裂と形成が視覚化されている。
10.8.19

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グラファイトに

 ファイトしながら挑む。黒鉛と呼ばれる様にかつては鉛が含まれていると信じられていたが実際は炭素鉱物。これが原子一つ分くらいの単一層になったものはグラフェンである。特異な電気、光などの特性を示し、材料科学では人気ものである。今回このグラフェンオキシドがアルコールの酸化やアルキンの水和の触媒として使われた[1]。C. W. Bielawskiら(テキサス大、オースチン)の成果である。なかでも一級アルコールの酸化は一般的にカルボン酸に至る場合が多いが、ここではアルデヒドを得ることができる点、特徴的である。テキサスでの成果、すテキでサスがである。グラフェンオキシドは界面活性剤の様な挙動を示すため、油—水二層系での反応も設計できること、金属が触媒する反応に対して、炭素原子を含む材料を触媒として使おうという分野にさらに新しい例を加えていることなど指摘されている。テキサスチームは、反応機構さらにはこれがグラフェンオキシドに限った反応ではなく、他の修飾したグラフェンでsも可能性があって、今回の発見は、氷山の一角であると述べている。グラフェンの研究だけあって方向性はグラつかフェン。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010, July 19, p. 8.
10.8.18

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変化球が多くなった

 らしい。高校野球の試合をいくつか見た。ピッチャーの投げたボールがバットにかすかに当たり、そのボールが打者やキャッチャーに当たる。ひざや足の先、ときには痛みを耐え忍ぶのが困難なところにもヒットしていた。心配した審判員が背中をさする。味方の選手を急いで呼ぶ。痛み止めスプレーをその場所へも噴射する。さぞや爽快だろうなどと思っている場合ではない。その頻度が多い様に思えた。で高校野球に詳しい人の言:昔は変化球と言えばカーブかシュートだったのが、最近は高校生でもスライダー、チェンジアップ場合によってはフォークを投げる。それで打者の手元で変化して、空振りせずにバットをかすめて、変な回転がついて身体に触れて、怪我も増えるわなあ」とのこと。ただ変化球多投は、肩に悪「かった」はずである。まずは直球をしょっちゅう快投して、快刀乱麻を断って[1]欲しい。

[1]快刀乱麻を断つ:もつれた事柄を、もののみごとに処理することのたとえ
10.8.17

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バンガローで

 ガンバローならぬ貸別荘「和み舎ひるがの」ツアーに誘ってもらった。車でおよそ2時間、降りると涼を感じる。バス・トイレに一升炊きの炊飯器、コンロ、冷蔵庫、バーベキュー(BBQ)テラスもある。ビールサーバーもあって7L樽を取り付ける。樽は一つで足るか?結果、一つにしたら7時頃には空になっていた。往復小一時間かけてドリンクの買い足しをしてもらったグループもあった。BBQが一段落した後、花火へ行く。真っ暗な中、近くの原っぱとおぼしきところで、噴出花火・手持ち花火に興じる。10名で点火するので瞬く間に消費される。ほぼ終わり頃、通りすがりの人、犬の散歩中である。「この場所は別の人の所有だから。見つかると怒られるよ」と注意を受けた。「すみません」「ありがとうございます」などと言いながら「誰だったのか」話題になる。きっとあの方が土地の所有者で、遠回しにおっしゃったのではないかということで、失礼致しました。戻ってキッズルームで遊ぶ。数字と漢字のお勉強である。最後はうつろになりながら「西入(しゃーにゅう)かも」と言われる。それも「しゃーない」がなんとか終わった。午前3時を告げていた。お疲れさまでした。
10.8.16

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プロトンの半径は

 0.87フェムトメートル(fm)と記載されている。が実際はさらに小さいという報告がなされた[1]。ミュー粒子(muon)と呼ばれる素粒子が、実験に「みゅ〜」と現れた。電子と同様に陰電荷を持ちスピン1/2であるが質量は電子のおよそ200倍である。このミュー粒子を電子の代わりに水素原子に入れ込み、水素原子とプロトンになった状態とのエネルギーの差を検証するためにレーザーパルスを使い、その違いからプロトンの電荷の半径(陽電荷の広がりの指標)を計算した。その結果、プロトンの電荷の半径は0.84184fmであった。これはプロトンの電子散乱や水素原子のスペクトルを含む実験から2006年に確定した値(0.8768fm)とかなり違っている。この値の変更は、基底状態から水素原子をイオン化させることができる最も低いエネルギーの光子を示すRydberg定数のような物理定数に影響するであろう。しかもすべての基礎的な定数はお互いに連関しているので、一つが変更になれば、他すべても変更になる。アボガドロ数でさえも とのことである。
 どんな装置を使った実験なのか、また素粒子についても素人なので、いくら「知ろうと」思っても理解を超えているが、このプロトンに関する発見は、メガトン級であるらしい。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010, June 12, p. 9.
10.8.15

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フミン酸とは

 高分子有機化合物で、植物などが微生物によって分解することによってできる化合物の一つである。炭素、水素、窒素、酸素が主な成分でわずかにイオウも含まれる。海中にも存在する。その海中では水銀の量は小さいにも関わらず、海産物に水銀がたまる。神経毒であるCH3Hg+が食物網に蓄積されこれが人間にも影響する。だけども太陽光が降り注ぎ一重項酸素が発生すればこのCH3Hg+の光分解が進行しそのリスクは低減されるはずである。この反応の詳細をデューク大学のグループが検討し [1]水中のCH3Hg+に結合する配位子によってその分解の程度が異なることを明らかにした。鍵はフミン酸である。不眠不休の成果であったかは知らない。たとえばCH3Hg+が低濃度でフミン酸にチオールが含まれていればこの光分解は進行する。一方海水中で、チオールより塩化物が多い場合には、桁違いにこの反応が遅くなる。
 フミン酸のこと、かつて大阪フミンであった自分が、大阪にてアップしました。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010, July 12, 31.
10.8.14

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レーダーから機影が消えました

 という声がNHKラジオから流れた。午後7時の車中、帰省途中であった。実家についてしばらくすると、このニュースが独壇であった。その日は羽田空港などが映像のほとんどであったが、翌朝にはまさに墜落現場の上空からの報道も入る。「生存者もおられる模様です」が助けることができない。そんな報道を尻目にお世話になっている研究室に出向いた。当初の話はふっ飛んで、この起こってしまった事故の経緯を見る。「自衛隊には情報が入り当初から救助のスタンバイ、でも出動命令がなかなか出なかったらしい」などの話にジレンマを覚え、理不尽な死に無念を感じた当時であった。それから25年、報道を見て、改めて理不尽な死に言葉もなかった。
 が実は「理不尽なことで亡くなられた」方のことを慮る。これができない。原爆の日の慰霊、8月15日のこと、頭では理解しようとしても、それを超えない。「レーダーから・・・」という自分もその時にいたこと、耳からであれ系時に体験したこととそうではないことの次元格差である。
10.8.13

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化学オリンピックだったよ〜ん

 7月19-28日に東京で開催された化学オリンピック、日本チームが金メダル二つ、銀メダル二つを獲得、二年連続金メダル獲得者も誕生という速報がしばらく前に、日本化学会からメールで飛び込んできた。ただ我が国のプレスは日本ピンポイントである。C&Eのニュースの見出し[1]は「化学オリンピック:チーム(アメリカ)は金2、銀1、銅1を獲得、中国が1位」である。およそ270名の高校生が68の国から集い、メダルを競った。合計32の金メダル、58の銀メダルと86の銅メダルを授与した。その中で中国は金4つで、他のアジアの国々も健闘し、韓国とタイがともに金3つに銀1つ、開催国日本が・・・とあった。この競技では化学の知識を問う問題、実験のスキルを問う課題にそれぞれ5時間かけて挑み、東京周辺のアトラクションツアーや文化活動に参加したことも紹介されている。来年はトルコ・アンカラ、再来年は米国・カレッジパークで開催予定である。日本開催が終わっても忘れてしまわずに支援を続けましょう。来年はアンカラに行かんとアかンカラ。

[1] Chemicals & Engineering News, 2010 August 2, p. 14.
10.8.12

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自己紹介で

 名字「Murai」を海外でも名乗る。すると1、お前があのC-H活性化をやったMuraiか(いやMurai先生は自分の先生です)2、お前はあのC-H活性化をやったMuraiの親戚か(いやMurai先生は自分の先生です)3、MuraiはSmithのように日本で数の多い名字か、などとしばし話が持つ。合成、反応開発、錯体どんなものが対象であれ、化学大好きな西洋人は、世界で関連する分野、印象深い仕事を誰が行ったのか、発音がわからなくても名字(場合によってはフルネーム)で記憶したものを投げてくる。向山先生は、Mukiyama、茶谷先生は、Shataniになったりするけど気にしない。幸いToshiaki のToshiがSushiになったことはまだない。
 今回の学会でもWoolins試薬のWoolins先生、Aldrichと契約して最初にもらったチェックは2.5ドルであったとか、典型的なBritish英語にスコットランドなまりを混ぜて冗談の連発である。その一瞬に、清水先生(首都大東京)らのジカルコゲニドの光学活性結晶の論文を、著者の名前を含めながら引用し、It's a really good paper.と一言付け加える。
 一方で日本人の会話では「○○置換基をつけて多重結合を安定化したあいつ、なまえ出て来んけど、ドイツの?どいつやったかなあ」みたいな感じである。
10.8.11

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サウナに川泳ぎ

 付きのディナーがフィンランド学会終了後にあった。市の歴史について時間をかけて聞かせてもらった後、アルコール摂取量を気にしながら食事をとり、サウナ、川泳ぎ時間になった。夜9時であるが明るい。オークレイ先生(カナダ)もサウナに行くと言う。二種類あってスモークサウナは、オークレイ先生言われるに「お〜暗レイ」でなにも見えない。確かにそこにはビキニ姿らしい地元の女子学生がいたが視界ほとんどゼロであった。しばらくサウナで過ごし、オウル川で泳ぐ。サウナではGunther博士(この会議のまさに創始者の方)といっしょに汗を流す。その後に川へ、水温19°Cにたじろぐが寒さは感じない。そこへGunther博士夫人も入られる。お二人は2008年夏に金婚式のお祝いをされた。潜っていかれる。「大丈夫ですか」と聞くにも、岸から1 mほどのところで水深が2 m以上である。ここにもラトビアからの学生がいた。「背泳ぎもうまいねえ」と言うと「バタフライは難しい」とのこと。その後、汗ながしながら「ラトビアでは小学校の体育の時間に水泳は習わない。親が教えるか、小学校の後にスポーツスクール(とはいっても午前中は通常の講義)に行けば、夏は水泳、冬はスキーを習う。もっともそこを卒業してもオリンピックゲームプレイヤーになるのは、ほんのわずか」など教えてもらった。この英会話、ほんまに汗かいた。でここに書いた。
10.8.10

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口頭発表数

 39名のうち9名が日本人であった会議が終わった。ただしアジアからの招待講演者はなく、一方で北米からは7名であった。これはこの会議が始まって以来のことである。参加者数は65名程度で14名が我が国である。この奇妙なバランスに気がついている他国からの参加者も自分に「奇妙な」とささやいた。国際組織委員会のメンバーは招待講演あるいは座長を担当されていたが、その中インドのSingh先生だけは唯一、自分たちと同様に、650ユーロを支払った一般参加であった。2004年2月にはインド、ムンバイで150名以上が参加したこの会議を主催された、いわば功労者である。「自分自身には参加登録費免除などの処置はいらない、でも広く世界に目を向けて呼びかけなくては」とおっしゃっていた。最終日に、日本からの参加者がポスター最優秀賞を獲得できて幸いであった。それでも国際会議を主催する側は、international 真心[1]が必須である。
 3年後はカーディフ(UK)である。UKのお金「ポンド」にいつ換金するかが難しい。ポンドはまた「こんど」と思っていると円との立場が逆転する。

[1] 場合によっては、international下心が語学力、積極性を向上させる駆動力になる。
10.8.9

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キャンディ「GIFU」が

 フィンランドにあると教えてもらった。実際に見つけたので手に入れた。赤い箱と黒い箱の二種類、こちらの学生に読みを聞けば「シス」と言う。直接対応させることができる英単語はないが、立体化学ではない。「気持ちが前向きになる」そんな感じの説明であったか。歌手やアナウンサーなどが声を出す前に食すと効果があるという。「実は自分はGIFUから来た」と言ったら彼女たちは多いに驚いて喜んでいた。帰って食べようとしたがこれが口に馴染まない。数人の人に勧めたがほぼ同様である。なかには完食した人もいた。改めてフィンランドの学生に聞いた。小学生は食べないけど、大学生くらいになったら自分も含めて時々食べる、悪くない。空港では免税で手に入れることができるので、いいお土産であるという。箱をよく見れば「キシリトール入りサルミアッキ」である。Wikipediaによればサルミアッキは「塩化アンモニウム」自体も意味する、これも含んだキャンディである。北欧以外ではあまり、はやっていないお菓子らしい。「味見でアッケ」にとられたキャンディ、食べなくては、あ「キャンディ」と言われても難である。
10.8.8

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ワイルドライフパークに

 行く。平日に「悪いど」と思うけど学会プログラムの一つである。そこは動物園。様々なふくろう(owl)がいる。ハリーの世界[1]を彷彿させる。So many owls at Oulu.に近くの外人も笑う。白クマさんに茶クマもいる。愛嬌がありそうなので握手でもと思うが、おそらく一撃をくらう。トナカイの餌付けの時間である。一頭は立派な角を持つ。他もそんなトナカイ「となるかい」なあと思う。しばらく歩くとムースのところにスムースに到着、ムースは日本語では「へらじか」とあるがもう一つ別の意味もあった。「ムッス」と笑ってしまった。二頭のオックス(牛の一種)が放されている。二頭が近づいたので「オッス」かという瞬間、お互いの頭をぶつけ合った。その音に眺めていた人は一瞬身を引いた。
 雨の中バスで「サンタ・クロース村」に移動。夏のサンタ[2]にお会いした。夏でも写真撮影に忙しい。子どもたちに配るべきプレゼントに囲まれていた。ふくよかな身体から柔和な語りで日本語も出る。北極圏にあるこの村、訪れた人の購買欲を、知らず知らずそそる構造である。

[1]J.K.ローリング著「ハリー・ポッターシリーズ」
[2]今回の学会の国際組織委員の一人であるP. Laur先生ではありません。
10.8.7

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発表のキャンセルがある

 かつてロシアからのエントリーはキャンセルというのが多かった。今回インドのそれが目立った。幸い参加できているインドの人に事情を聞いた。国際学会に出席するための参加登録費、旅費を自分でまかなうことはインドでは、シんどイ。そこで政府にこれらの支援の申請をしたいけど、その為には学会主催者からの招待状(参加を許可しますと書かれた書状)が必要である。一方で主催者側は、参加登録費を出さない限りこの招待状を送ってはくれない。たとえば今回の費用は650ユーロで円換算にしても高額である。こちらの会場にいた彼は、まずはポケットマネーから支払い、その書類を得ることができたと言う。そこで「主催者側が積極的にその書状を出せばよかったではないか。たとえ参加登録費があとになっても」と持ちかけた。すると「その書状を当初の目的に使わず、ヨーロッパに移民するために使う国の人もいるので、主催者の対応はまっとうである」と言われた。ちなみに話をしたきっかけは「あなたはこの分野に詳しいのでポスターの話を聞いて欲しい」だったけど、インドの人からインドアで国際事情も教えてもらった。
10.8.6

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ノキアの話を

 「のんきや」の気分で聞く。1970年当時は、軍隊のための高度な通信システムを売るオウル(フィンランド)にある小さな会社であった。ワルシャワ条約機構でもなくNATOでもなく、その狭間で広い領土内で軍が通信するのに使われた。それを一般向けに転向した時に、軍事用の最高の技術が生かされた。いまでは「そこノキア」と言わんばかりの勢いで世界を席巻している携帯電話会社になった。1980年頃の町の人口は7万人ほどであったのが今では11万にも達する。町に住む人の平均年齢は36歳、小、中、高から大学へと充実した教育システムを持つ。一般に26-28歳が結婚の平均年齢で、結婚後は子どもを授かろうとする。などのことを経済担当の男性の方、健康福祉担当の女性の方から聞いた。彼女は今年51歳、娘さんは23歳で結婚された。すでに5歳の孫がいるという。仙台で2年過ごし、岐阜大学病院で講演もされたらしい。フィンランドで鵜飼を話題にされた。愉快になってしまった。
10.8.5

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ライチネン先生が

 一念(いちねん)発起して、組織委員長を引き受けられたSe,Te国際会議。今回が11回目、1971年New Yorkで第一回が開催されてからすでに39年である。当時の発起人の一人であるGronowitz先生がこの春ご逝去された。なので先生の生涯のほんの一部が紹介された。82歳で他界された人の一生をわずか15分ほどで聞く。第二次世界大戦中に家族は生き別れ、妹は早くにこの世を去り、父はパスポート偽造で捕まる。そんな中スウェーデンで学び、いくつかの大学で過ごし、ルンド大学に落ち着き1993年に退職。チオフェンやそのセレン、テルル同族体に早くから着目して研究、77Se NMRへも造詣が深かったことなどを聞かせていただいた。ついでGunther先生が編集する過去10回のコンファレンスmemoryである。開催地紹介のたびにグーグルの航空写真が出る。時に草原地帯がズームになる。「グーグルは何もないところをなぜか示している」と解説も入る。あの頃はみんな若かった」ことが「わかった」
10.8.4

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ヘルシンキを探索

 世界遺産であるスオメンリナ島にわたる。南部には砲台や分厚い壁が残る。時を超えて整然と波が打ち寄せる。スウェーデンとロシアとの戦争、クリミア戦争、フィンランド内戦と19世紀には戦場と化した場であったらしい。だからシベリウス「フィンランディア」だったのかと気がついた。フィンランドはその後第二次世界対戦中には、ソビエトの侵攻を受けナチスドイツと近い立場であったため、賠償金を支払うという理不尽なことにもなったらしい。島を離れてシベリウスのモニュメントも訪ね、最後は「かもめ食堂(群ようこ原作の映画)」の最後のシーンとしても登場するという公共プール、サウナもあるというというので出向く。8月10日まで休みとある。ヘルシンキでヘルシーな気分になるも100%とは行かず。気をとりなおしてアテネウム美術館を訪ねた。そこには浮世絵もあってね、伝統木版画について日本で作成されたビデオが字幕もなしに紹介されていた。字幕なしに感「じまく」った日であった。
10.8.3

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イタリア・メモ

・フィレンツェ市内からホテル近くまでもどるバス、タバコ屋さんで事前に切符が買えずにバスに乗った時には、ドライバーから買う。夜遅く混雑するバス、切符を買おうとしたら「今日は売り切れた」と無料になった人がいた。何とも気風(きっぷ)がよい。
・機会あるごとに「日本の小説家、誰か知っている?」と唐突に聞く。「バナナ・ヨシモト」の知名度が高い。イタリアの文学賞も受賞されている。なかには小説の内容やセンスを説明してくれた人もいた。ただ自分が読んだのは「キッチン」だけなので、きっちんと理解ができない。もちろん「ハルキ・ムラカミ」の名前も出る。
・フィレンツェ空港で搭乗手続き、ゲートで待つ。搭乗が完了していざ離陸かと思いきや、なかなか飛ばない。天候不良であるという。快晴だけど風が強い。2時間半ほどたって離陸し20分ほど飛んでピサに到着、斜塔が見えた。そこで1時間ほどかけて給油でヘルシンキに飛び立った。どうも飛行経路がわからない。機内にあわせて6時間ほどは着席していた。当初の二倍である。隣の若者ヘミングウェイ著「老人と海」を読みふけっていた。
10.8.2

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およそ550万人

 デンマークの人口、兵庫県の人口に匹敵するくらいか。マスターコースの学生の1/3はドクターコースに進学、授業料は無料、大学あるいは指導教授から給与が支給される。どちらでも学部生の実験あるいは授業を担当する。国では基本的に、結婚したあとも、夫婦どちらも外で働く。そのためにこどもを預ける施設は色々ある。学部の男女比は1:1だけど、女性教員は35名中4名である。一院制の政府は、女性のみを対象としたポストを支援する政策を提供することもあるが、この話をしている先生は、この制度には課題も多いと言う。教員はアメリカ方式のように、職を得たときから研究については独立、3年の後、評価を受けて30%は転職を余儀なくされる。公用語はデンマーク語、講義もそれで行うけど、教科書は英語版を使う。専門性の高い教科書をデンマーク語で執筆しても販売数がペイしない。イタリア人学生が研究室に留学している。なので彼の名札には「デンマーク」とマークがあるのに、I am Italian.と言っていた。説明が「言いたりんやん」と思いつ、Good luckと激励する。
10.8.1

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およそ220万人

 ラトビアの人口。岐阜県のそれより少し多い。ラトビアはバルト三国の一つである。だからと言って「いバルト」いうことはない。公用語はラトビア語、ロシア語を使う人も多い。英語は12歳いまでは8歳から学ぶと言う。英会話力の高さを指摘するが、本人はさらに上を志向している。有機化学のコースを志望して、2年生から研究室に通いPh.D.コースの学生の実験を手伝う。通常は講義があるので、一日3時間ほどしか研究室で実験はできない。それでも積み上げた結果をポスターで紹介。プンメラー転位を使ってMeS(–)を発生させて、リボース骨格を持つニトロアルケンに付加させる結果である。「もっと質問はないか」と何度も聞かれる。来年6月に卒業である。NMR測定は、電話で予約した後、サンプルを持って車あるいは学内を走るバスで出向く。卒業後は、マスターコースに進学予定、その後ドクターコースへ進学するときは、海外の大学、オランダ、デンマーク、ドイツなどのヨーロッパ諸国やアメリカに行く学生も多いらしい。いずれラトビアへのトビラを開いて、訪ねてみたくなった。
10.8.1

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