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2011年7月

専業主婦に

 質屋、医師、廃品業者、ペットショップ、社長、歯科医師、公務員など、そこで困難な事件をコナンが解決するというわけではない。担任の先生が入院されているというのでお見舞いに行く。こちらのお話はしっかりと理解されているとのことだけど、先生が自分を表現できる手だてがない。同窓生が手作りした筆談用小道具をお渡しするけど使いこなすには至らない。さぞやもどかしい思いをされているのだろうと思いながら退室した。プチ同窓会である。30年ブリに東京から参加できるという同窓生がトリガーとなって企画してもらった。16名が集まった。かつてのラブロマンスも話題になる。マンスリーならぬイヤーズのおつき合いだったらしい。子供たちが独立して秋には「おじいちゃん」になるという人、専業主婦希望の兼業主婦、政治情勢や法改正が劇的な変化をもたらす業種、長きに渡って介護にも専念していたのが最近見送ったこと、家族がバラバラなっちゃいそうになったのがなんとか踏みとどまる事ができている人など、盛りだくさんな話題に時間を忘れた。0時2分発の電車に飛び乗った。
11.7.31

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屋外はセミ

 屋内はセミナー」でまずは涼をとってもらう。四人の方々の成果を拝聴させていただいた。100万化合物を探索して可能性のある化合物7つに絞る。さらに分子構造を替える。ついで構造活性相関を解き明かす。自己免疫疾患を改善するための薬剤である。この薬は飲み続けなくてはいけない。疾患の原因を抑えて、それを克服できる対策は?みたいな質問もあった。実際には、一回だけ服用すれば風邪が完治する薬ができると、今ほどには風邪薬は売れないかもしれない。イオンペアになった不斉触媒、こちらも構造を替えては、その活性を確認する。目的は違っても同様のアプローチ、なので有機合成はすごい反面、ねばりとそれなりの実験操作の技が必要になる。化合物の収率や鏡像体過剰率にもこだわり、しかも反応系をNMRで追跡する。化学シフトや積分値の変化から反応のからくりを見る。この地道な実験は「からくり明かしには、空くじなし」ぐらいの気合いがいる。それでもわからないままの時も多い。おそらく「越すに越されぬ川の如し」である。ポストクロスカップリングの潮流も教えていただいて、多くの方々と懇親もさせてもらった、渾身の力で。
 次の日、重たい汗をかきながら大阪に向かった。
11.7.30

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テストを

 実施した。水曜日と木曜日の講義、合格点に満たない学生さん向けに来週がある。ただし今回の分をクリアしたかどうかを通知しなくてはいけない。ネットのシステムからできるのはよいが、ともかく急ぎ採点をしなくてはいけない。テストで他がストップする。それでも容赦なく、なんだか業務が入る。水曜日の分をお知らせしたら、木曜日には、水曜日分のテストの返却について来客がある。もちろん受けた学生諸氏である。テストの解答のコピーができていないので確認だけにしてもらう。来週に備えなくてはならない学生さん、残念ながら来年またどうぞになっちゃった学生さん、なんとか部分点はないかとあぐねるけど、問題の主題とずれている分などは、加点し難しである。わカッテンねんけど、何度も答案を見た。木曜日分もお送りした。ただし来週は水曜日の午後に再会する予定である。そこに再チャレンジの場をアレンジした。一人も休まずに準備万端で出向いてもらえることを祈ってま〜す。
 こちらもテストでストレスがたまる。まさにストレステストである。
11.7.29

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ニトレニウムイオン

 は、窒素原子上に二つの置換基、いわば手が二本で陽電荷を有する化学種である。「陽電荷を有するため、電子は、ようでんか」と思われるかもしれないが、窒素上には、非共有電子対が一つと電子の入っていない軌道がある。カルベンと等電子構造である。そのカルベン種がイミダゾールの窒素で挟まれた炭素に組み込まれたN-複素環カルベンが安定な化合物として20年前に登場し、触媒化学や材料化学の分野にインパクトを与えた。その後カルベン炭素をSi, Ge, B, Pに置換えた誘導体も報告されてきたが、その炭素が窒素に置き換わった例はなかった[1]。今回カルベン炭素が先のニトレニウムイオンと組み替えた誘導体が合成された。しかもCH2CH2PPh2基が二つアームとして組込まれ、これによって二つのPとニトレニウム窒素がRhやRuに配位した錯体も調製された。ただしレニウム(Re)錯体はなかった。いずれニトレニウムレニウム錯体を生む系もできるだろう。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, July 4, p. 16.
11.7.28

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第43回国際化学オリンピック

 には70カ国、それぞれから最大4名の代表者が合計273名、ホスト国Turkeyに着た〜[1]。オリンピック委員会は33の金メダル、62の銀メダル、83の銅メダルを授与した。中国からの参加者4名は全員金メダルでそのうち1名は最高得点、韓国も金メダル4つだった。ここでは化学の知識と実験スキルが問われる。金一つ、銀二つ、銅一つをトルコは取ることができた。米国チームは金、銀それぞれ二人ずつで昨年の東京大会を上回った。メンターはこの結果を誇りにし、「結果が出る前から、選手たちのパフォーマンスは群を抜いていることは明らかだったし、彼らは、お互いよく知り合いになり、他の参加者たちとも友達になることができた」と話している。参加者は、「視野を広げることができたこと、世界でどのように化学が教えられて、どのように学んでいるかを理解できるようになったこと、違ったバックグラウンドを持つ人たちに会うことの面白さ、競争することでチーム力としての化学を見る機会になったこと」などを述べていた。次回は米国メリーランド大学、カレッジパークである。カレッジパーク目指す皆さんをエンカレッジしたい、エンカいでも催して。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, July 25, p. 8.
2011,7,27

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砂嵐(すなあらし)が映る

 テレビを素直にみたけど、シャーでは、しゃ~ない。家電量販店に出向く。「大好評つきにつき入荷は一ヶ月ほど先になるというテレビ」がならぶ。我が家のテレビはまだ使えるけど、ビデオデッキの出っ来が低下している。なのでデジタル対応デッキを購入することにした。ストレートに「もう少し安くなりませんか」と聞いた。支払いを済ませて家でセットした。分厚いマニュアルをちらりと見ながらケーブルをつなぐ。なにせテレビはモノラル再生のものである。今時の装置との相性を気にした。つなげると初期化をしなくてはいけないけど、その14インチテレビでは何が指示されているかもわからない。適当に「はい、いいえ」を選んだ。完了でBS番組が表示された。スカパーの無料版も流れているが地上デジタルが入らない。共同アンテナなのでだいじょうぶと思っていたが「そのアンテナではアカンテナ」というお知らせを見逃していたようである。不アンテイな感じだけど、とりあえずはよしである。

11.7.26

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エタンは

 天然ガス中の主成分の一つである。ただしこれを燃料以外に使うためには反応性の高い分子に変換する必要があって、たとえばポリエチレン製造用のエチレンにするためには水蒸気改質によるが、800℃以上の温度も必要で、エチレン1トン当たり3トンの二酸化炭素も排出される。それに対して「チタンとエタン」の組合せが常温での変換を可能にしている[1]。ここではチタンアルキリデン錯体を使う。形式上チタンと炭素の間は三重結合である。さらにジ(パラトルイルアミン)の二つのベンゼン環のそれぞれのオルト位にジアルキルホスフィニル基が組込まれた化合物をチタンに配位させた錯体である。これを化学両論量用いた反応では、エタンの脱水素反応を21℃で達成できた。一時的に生じる有機金属種はエタンのC-H結合を活性化し、さらに隣接する炭素上のC-H結合も切断しエチレン−チタン錯体が出来たん後に、有機アジドや亜酸化窒素によって定量的に二電子酸化が進行して、エチレンが放出される。
このエタンの反応、誰が教エタン?

[1] Chemical & Engineering News, 2011, July 4, p. 26.
11.7.25

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アナログが

 ブログねたになる。テレビ買換えのための広告やカタログには、アナログテレビはすでにない。決まらずに24日正午を迎えた。58年の歴史だったらしいけど、あっけなく終わってしまった。「おいぼれは必要なし」みたいな感じである。60年ほど前には、この技術にすべてを投じた人たちもいたに違いない。最新技術は必ずいずれ別のものに置き換わる。芸能界のアイドルと、さして変わりはない。フィルムカメラをデジタルカメラが凌駕してしまって、さまざまな企業の経営戦略にも波及したこともある。ただし芸能界にしてもカメラにしても視聴者やユーザーが主体だった。なので「自分は○○にこだわりがあって、そちらを応援する」というのが許された。でも今回の「アナログ放送をデシタルにしたる」というのは供給する側が主役で、テレビとしての機能を瞬時に奪われたマシーンも多いい。村井君は、弔いのための行事なり記念館なりが、あってもいいと思う。
11.7.24

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アーテミシニン

 は抗マラリア活性を示すセスキテルペンラクトンのひとつ。ヨモギ属の植物クソニンジンから分離・命名された(Wikipediaより)。いわばヨモギ属からもぎ取ってきた化合物で、分子中にC-O-O-C結合を有する。ただこの化合物の作用機序については様々な議論がある。一説には過酸化物の部位がマラリア寄生虫を退治する前に活性化されるのではないかとされている。しかしその活性化は、ヘモグロビン中の鉄によるものかあるいは鉄は関与しないのか不明であった。それに対して今回、鉄は手伝いしないという新たな証拠が見つかった[1]。アーテミシニンがヘムのような鉄を含む種の放出を防ぐために、ヘモグロビンを消化するマラリア寄生虫の酵素をブロックする際に、寄生虫はアーテミシニンに対して極端に感受性が低くなる。また寄生虫は、アーテミシニンの効果を避けようとしてヘモグロビン分解を一時中断する。このことは、アーテミシニンが坑マラリア性を示すより長く、過酸化物の部位は血流中では残っていることを示している。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, July 4, p. 25.
11.7.23

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試験前の講義で

 先生を不機嫌にさせると、試験の難易度に直結するかもしれない」と言って講義を始めた、静けさを保ってもらうために。先週はエナンチオ面区別反応を分子模型で体験してもらって、今回ビナフチル骨格が平面ではないことを見てもらった。まず全員がナフタレンをつくる。ただし模型のセットはsp2炭素が6つなのでナフタレンにはタレヘンわけである。そこでこちらで用意した4個を配布する。おおよそ240個のタマに白インキでチョボをつけたものを渡す。すべてのナフタレンが平面構造をしている。その2位に色付きのタマを差し込んでもらって、二人がペアになって1位で二つをつなげた。プロジェクターの光で影絵の様にすると臨場感のあるビナフチルが浮かびあがった。授業の後半には「まとめのプリント」「試験の心得」と「試験にでるかもんだい」を配布した。最後に感想を書いてもらった。中に「テストの難易度に期待します」というのもあった。チャレンジ精神の旺盛さを意気に感じて、最高難度の問題作成に挑もうと思った。
「・・・先生それちょっと違うだけどなあ・・・」と言われそうである。
11.7.22

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台風の接近でも

 授業は通常通りだった。さすがに普段よりも出席者が少なかったので9時まで待機することにした。その間に質問を受けた。授業では説明しなかった反応機構について。きっと「ああでもない、こうでもない」と議論した末に「わからんなあ」になって、からんでもらったのかもしれない。酸無水物が一旦生成して臭素化で落ち着いたけど、難易度の高い内容だった。その前向きさに感動しながら講義を始めた。「彼らもやるじゃん、考えることそのものが人を成熟させる」と思ったのは束の間、感動がこりゃ「あかんどう」に変わった。この日は「やかましい」と、おそらく都合四回も言ってしまった。人生初めての経験である。気象条件、交通事情の悪さの中、どうやってたどり着いたが話題だったかもしれない。先週分のクイズの答案を返却するときの喧騒には怒鳴ってしまった。最後は「厳正なテストをするから」とほとんど捨てゼリフ、静かに聞き入る学生さんには申し訳ないなあとも思いつつ。しかも毎年、厳正なテストをしているのだけれども、レベルが数段上がってしまった。と落ち込みながら部屋に戻った。
 とは言え、学生諸氏はどんな状況であろうと「授業に出席した限りは、とりあえず静かに聞く」の原則を忘れてはいけない。その場で講演者を怒らせてはロクなことはないという予感も持つべしである。たとえ台風が6号であっても
11.7.21

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ワラビー

 って何?「わからんび〜」と考える。カンガルー科に属する動物で、カンガルーより小さい。なので軽々〜と移動できるかは知らない。このワラビー、ワラビは食さないと思うけど、葉っぱを食すと、牛が草を食べた時に出す量のわずか1/5のメタンガスしか放出しない。これに関してオーストラリアのチームはワラビーの腹の中のバクテリアを見つけ出し、この消化機構の違いを検討している[1]。ほ乳類で見つかる多くのお腹の微生物と同様に、ワラビーが持つWG-1と名付けられている嫌気性微生物は、エネルギー生産のために、炭水化物を糖鎖に分解するのを援助している。多くのメタンを生産する代わりに、その微生物は、ヘキソースの異化反応や二酸化炭素の固定化のために遺伝子を使い、トリカルボン酸を還元的に分解し、コハク酸エステルの生産を誘導している。コハク酸エステルは環境調和であり、動物にも有用である。研究者らは、WG-1についてさらに詳しく研究することで、牛などの反すう動物のお腹の微生物を改良することもでき、メタンガス発生を抑制することも可能になるかもしれないと指摘している。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, July 4, p. 25.
11.7.20

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アナログ放送終了まで

 あと6日!」という表示が14インチ画面の左下にある。そこで女子サッカー決勝戦を観戦。とはいえ18日19時からのBS再放送。それでも試合に入ってしまった。前半のアメリカの攻撃をかわす日本。後半、日本の攻撃からアメリカのチャンス、日本の守りをぎりぎりでかわした後、モーガン選手が悲ガンの先制点。しばらくして日本がアメリカゴールに迫る。混戦の中、宮間選手が押し込んだ。延長前半、ワンバック選手のヘディングが決まった。単なるわんぱくな選手ではない。技が切れる。その後も2点目を獲得されるのではないかとドキドキした。延長後半コーナーキックのチャンス、のちのインタビューでは澤選手が「みやがニヤ〜(ゴールポスト手前)にける」と言ったらしいけど、それでニア〜としてもできないゴールシーンである。短縮映像では、攻めるゴールの右手前に澤選手がいて、ボールを120度くらい曲げてゴールにシュートした部分が映る。これだけでも凄いけど、澤選手はゴールの左奥(コーナーキックの場所とは反対側)にいて、宮間選手が蹴るかどうかの瞬間にゴール右へ走った。しかも相当なスピードである。終了間際、岩清水選手がレッドカードをもらってしまった。ペナルティエリアの外だったけど、そのアメリカの猛攻もしのいだ。このシーンも見逃せない。
11.7.18

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松山ケンイチ主演

 「ノルウェイの森」を鑑賞した。映画が公開されて7ヶ月もたっているので、いまさらかもしれない。村上作品の映画化チャレンジの最初である。自分自身が感じとった原作とシンクロする場面もあれば「ありゃ」と思うシーンもあるけど、映画スタッフが感じとった小説のインパクトのあったシーンが主題かと思う。なのでワタナベ君が暮らす寮のシーンも少ない、国旗掲揚式もない。一方で1967年当時の学生運動のシーンに時間を割いている。ヘルメットに竹槍をもった運動家が、時に大学の講義を中断することをお願いし「もっと大変なことが世界では起こっているのだ」と主張する場面もある。もしや今の内閣の中枢におられる方の中にもこのメンバーの一人がいたのではないかと頭がよぎった。がこれはあくまで脇道である。ワタナベ君が緑と会う。緑は「父親はウルグアイに行ってしまった」と話す。実はお父様はウルグアイではなく、具合が大変悪く、病院で息を引き取られる。ここでなぜ緑がワタナベ君を好きになってしまったのか、大切なシーンが脱落している。レイコさんの衝撃的な過去が話される機会を伏せたまま最後のシーンになってしまった。原作を読んでいない人はぜひ原作を読んでから、映画を見て「ここがなあ・・・」などと話すことも悪くはない。
11.7.18

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ニトリは、

 インテリア・家具販売大手企業である。そこで「ニトリルください」とお願いしても、おそらくは相手にされない。けれどもニトリル由来の製品も数多く扱っている。炭素数6でシアノ基が二つのアジポニトリル、これを二通りの化合物に変換、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンである。1930年頃、日本では蚕を買い込んで、桑の葉っぱを餌にして育て、その繭から絹を集めていた。それがアメリカにも輸出されて女性用ストッキングなどに加工されていた。がその輸入が不調になり始めた頃、同様の肌触りを持つ合成品を開発できないかと、絹の持つペプチド結合(アミド結合)に注目して開発されたのが、先のアジポニトリル由来の二種類を縮合して導く6,6-ナイロンである。「鋼鉄よりも強くクモの糸よりも細い」がキャッチフレーズだったらしい。ナイロンにもいろんな種類があるけど、6とつかないものは「ろくでもない」となったのかもしれない。「ニトリ」の看板が、昔聞いた話を思い出させた。その当時、ニトリはまだ「ひよこ」だったかもしれない。
11.7.17

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α−ピネンは

 C10H16の化学式を持つ双環性モノテルペンの一種である。1S,5S体と1R,5R体があるが、前者はヨーロッパの松に、後者は北アメリカの松に多く含まれる。どちらもpine tree (松)由来でpineneと呼ばれている。この成分をマツクイムシはキャッチすることができる。親切にもキャッチしたムシは、仲間を無視せずに「ここに松あり、集まれ〜」見たいな指令をだす。化学式C8H14O2の双環性エーテルであるフロンタリンを使っている。丸善の分子模型のセットにはsp3炭素が9つあるので、フロンタリンの組み立てにも、むろん足りる。キラル炭素が二つあってS,R体とR,S体がある。これらをアジア象さんたちも、発情期に使っている [1]。10代のゾウはS,R体が過剰で濃度も薄く分泌時間も短い。20代のそれはラセミ体に近く、濃度は少し濃い。30代はラセミ体に近く、濃度は濃くて、分泌時間も長い。この情報が、男らしさならぬオス象らしさを示し、排卵期のメス象が感知すると、いい仲になる。一方で妊娠中の象に対してこのシグナルは、「その象こわいぞう」となって避けるらしい。

[1] D. R. Greenwood, D. Comeskey, M. B. Hunt, L. E. L. Rasmussen, Nature 2005, 438, 1097.
11.7.16

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ファンタジーに登場する

 フェニックスは、灰から再生する。ハイカラです。ハリーポッターではダンブルドア先生の居室で羽を休めている。それが如く、山火事で生じる煙が、種の発芽を刺激し、燃え尽きた森を再生させることができる。オーストラリアの研究者らは、燃えた草木の煙にある数千の化合物から、グリセロニトリル(1-シアノ-1,2-エタンジオール)がある特定の種を刺激する可能性を発見した[1]。これは、科学者や農家の人々が睡眠中の種を目覚めさせる一助になり得る。研究者らは以前、類似の作用を示す煙中の別の化合物をkarrikinolideと名付けた。しかしオーストラリアに群生する赤や緑のカンガルーポーという植物は煙に応答するもののkarrikinolideには反応しなかった。そこで研究を続けたところグリセロニトリルや他のタイプのシアノヒドリンが作用することを突き止めた。研究者らは、シアノヒドリンからシアニド、それは種の発芽促進を刺激することが知られているが、が放出されることで作用すると信じている。それでもシアノヒドリンがドリンクとして作用するわけではない。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, June 27, p. 30.
11.7.15

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天敵のほんのかすかな

 尿の臭いが、ネズミやラットを慌てさせるのには十分である。いわばこの臭いをラットは嫌っとる。その臭い成分のなかで2-フェニルエチルアミンが動物たちに忌避行動を起こさせることがわかった[1]。研究者らは、38の異なる種類のほ乳類の尿検査を行い、ライオン、虎、アライグマなどの肉食動物は、草食動物に比べて、最大3000倍の2-フェニルエチルアミンが尿に含まれることを明らかにした。この化合物はネズミの嗅覚受容体や感覚ニューロンを刺激することから、これらの動物の脳における嫌悪感を感じる回路をスイッチオンすることを示唆している。研究者らは、ライオンの尿から2-フェニルエチルアミンを取り除いたものを用いて同様の実験を行ったが「ライオン嫌いオん」という反応は示さなかった。そのことから研究者らは「これらのことは、ほ乳類において、環境で検出される単一の揮発性化合物が、危険と関連する精巧に仕組まれた行動特性を、引き起こすことを示している」と述べている。さらに天敵の臭い認識の分子レベルでの解明は、天性の行動を示す神経回路の研究に対する糸口も与えると期待されている。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, June 27, p. 30.
11.7.14

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恐竜は、

 いまから6500万年以上も前に絶滅したと言われている、は虫類から進化した生物。英語ではダイナソー(dinosaur)で、偉大なそ〜である。その恐竜の体温はどの程度だったかについて、同位体量分析で、一体どうなっているか解析された[1]。13Cと18Oはお互い優先的に結合し、これらを多く含む炭酸塩が、歯、骨、隕石などを含む多くの鉱物で観測されている。特に歯のなかの13C-18Oが多い炭酸塩の正確な量の特定は、歯が形成された時の温度と関連している。体温の高い動物では、歯のエナメル質のこれらは、体温の低い動物よりも少ない。多くの現在も生きる動物の歯を同位体法で解析し、大きな植物を食べるダイナソーの門歯の場合の典型的な値を確定し、化石のそれと比較した結果、ダイナソーらも36–38℃の体温だったと類推している。
 この同位体を使ったテクニックは、様々な地球科学の課題の謎解きにも利用できる。たとえば貝の化石分析で、当時の大洋の温度を導くことも可能である。また研究者らは、恐竜が暖かい血(warm-blooded)の動物だったのか冷血(cold-blooded)だったのかも明らかにしようとしている。ただこの方法は血も涙もない場合には適用できないだろう。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, June 27, p. 15.
11.7.13

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JR市ヶ谷で降りて

 靖国通りを東へ歩いた。市ヶ谷辺りは、がやがやしていたが、麹町郵便局を右手に見て、やがて靖国神社の塀が目に入る。「みたままつり」の提灯が並ぶ。このまつりも今年は節電モードになるらしい。LED照明を使うことも書かれている。本殿にお参りをしてさらに東へ向かった。木陰で涼をとりながら日向も歩く。化学会館で編集委員会。近頃の状況を教えていただいて「もっといいものにするために」様々な案もお聞きした。編集部の方々の地道な作業と戦略的な提案に今回も頭が下がる。投稿・審査システムをscholar oneにすっから〜ということで使い方の講習会。システムが変わる分、不便になる点もある。その指摘に担当の方は確認をしながら慎重に説明されている。「そろそろビール時間だよね」と言う密かな叫びに「システム移行日を決めてやるしかない」という発言をしていただいたのに感謝。懇親会でも議論は続いた。情報発信のかたち・評価体制について・布石についてなどなど、話題はつきない。「何時頃、帰られますか?」の呼びかけに我にかえり、岐阜にも帰った。
11.7.12

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ジュラルミン

 という言葉は、リボンの騎士(手塚治虫原作)で初めて知った。悪だくみする人物で、相棒はナイロン、子供の名前はプラスチックだった。そのジュラルミンは合金の一種で、アルミニウムと銅が主成分、それに様々な金属も含有させる。航空機の機体材料のひとつでもある。なので漫画でのキャラとは違って、ジュラルミンに対する国民のイメージは良好だと思う。合金はその後、アニメでは超合金に進化し、リアル世界でもアリエルになって実際にも使われている。そんな中、ボーイング787就航が話題になった。この787の50%はカーボンファイバーでできているという。ジュラルミンがその地位を譲りつつある。軽量化できた機体で、行きたいところへ長距離飛行も可能、いわばボーイングマイウエイである。「炭が主翼になって空飛ぶ時代か」と思ったりもする。Wikipediaにも情報がある。それによれば温水洗浄便座がオプションで取り付け可能らしい。高度1万メートルで、臀部洗浄の日も近い。
11.7.11

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息を吸って

 はいてと言われて肺の検査を受けた。まずはゆっくり、つぎに思いっきり、はいて、でもまだ残っているので絞り出すようにはきましょう。この時、鼻は大きなはさみでつままれたままである。これ以上出せない頃を見計らって、吸って、吸ってと限界まで吸う。今度ははく。一秒量というものも測定された。データの再現性が乏しく、同様のことを三回ほど行った。担当の方の「もっと〜、まだまだ、はけますよ〜」という励ましにも関わらず満足はしてもらえなかった。このデータをもとに肺年齢が計算される。「肺年齢が高いとハイソサイエティに入れんねん」というものではないが、医師面談で話題になった。実年齢よりも高い。喫煙者はこれが高齢になることが多いらしく、厚生労働省が禁煙の動機付け「いわば喫煙者をおどかすため」に策定した指標らしい。が実際には自分のような禁煙者のほうが、因果関係がわからない分、「はて」と思うのかもしれない。なので「肺」の専門医にご相談してみようかとも思った。でもハイシャサンじゃないよなあ。
11.7.10

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電話代が

 年間2万円ほどお安くなりますという電話があった。色々説明を聞いた。がややこしい。「パンフレットを送ってほしい」と言った。すると「住所のご確認を」と言う。無言の時間が続く。「そちらに記録してある住所を言ってもらえれば確認しますよ」と言うと「こちらには住所はありません」「ではいったいこちらへの電話番号などはどこから入手したのか」と聞いた。岐阜市の指定された局番のエリアに0000から順番にかけているようなものだと言う。相手の名前や電話の契約形態もわからないけど、ともかくコンタクトしているらしい。なので「住所を教えるわけにはいかない」と言ったところ「近くにパソコンがあれば、ホームページを見てもらいながら説明したい」「URLを教えてもらうと後で見る」「Googleで検索すると上から五つ目くらいに出てきます。ただホームページには書いていないこともあるので、画面を見ながら説明したい」と言われた。電話の主は大変なお仕事に就いておられると同情しつつも邪険に電話を切ってしまった。これじゃ〜いけん。
11.7.9

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レスベラトロールは、

 赤ワインにも含まれる成分[1]で、トランススチルベンの一方の芳香環の3,5位と、もう一方の芳香環の4位に水酸基がある。世界中の植物種はこのオリゴマーを形成し、真菌感染症の攻撃を回避する。またこれらのいくつかは、坑がん活性、抗HIV活性を示す。ただ天然からは、ほんのわずかな量しか採取できない。またテルペンのような天然オリゴマーはおたがい、一つか二種類の方法でしか連結しないのとは対照的に、レスベラトロール自身は、多種多様な方法で結合してしまうため、難易度の高い合成の標的でもある分、素敵でもある。オリゴマーも様々で、お困り〜になっている。そこでSnyderらは、レスベラトロールの二量体から出発して、位置選択的な臭素化反応を用いて、三量体、四量体合成に成功した[2]。これらは従来合成された中で、最も高い次数のオリゴマーである。またSnyderらの臭素化法は、こないだ〜ではなく、以前に彼らが開発した方法である。「彼らは大変すばらしい化学を用いてオリゴマー合成を達成しているが、一連のレスペラトロール誘導体の実用的応用をもたらすかはわからない。大きなポリフェノールは伝統的に創薬からは除外されてきた。ただ目に見える実際の価値がわからない多くのものがライフを豊かにしてきた。そのため現段階では、この研究成果が持つ高い芸術性が好奇心を十分に満足させてくれている。」とコメントされている。

[1] 村井君のブログ09.12.24
[2] Chemical & Engineering News, 2011, June 27, p. 14.
11.7.8

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激しい運動の

 後には、低脂肪チョコレートミルクがいいらしい[1]。10人の訓練されたサイクリストが、何の細工もせずに、中程度の力で90分間バイクに乗り、ついで10分間休憩した。ここで通常の炭水化物飲料やカロリーなしの飲料をとる場合に比べて低脂肪チョコレートミルクを消費したほうが、より力強くなりスピードもアップできた。一般に最大酸素摂取量は、アスリートの有酸素持続性や運動を維持できる能力の指標になる。この最大酸素摂取量も向上していた。この検証には32名の健常な男女が含まれていた。しかも研究では、それの飲料者は筋肉がさらにつき脂肪分が減少、贅肉も落ちていた。研究者は「この機構はよくわかっていないので検討を要するけど、天然プロテインと炭水化物との混合でできる何かが鍵になって、プラスをもたらしている」と述べている。
 で「チョコレートミルク飲もう」とはいかない。上の検証は、一日一時間、一週間に5日のサイクリングを4.5週間継続する合間に飲んだ話である。エクササイズなしに飲んだら、エクストラサイズになるかもしれない。

[1] http://www.utexas.edu/news/2011/06/22/milk_studies/?AddInterest=1283
11.7.7

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出前講義に

 出向いた。76名の高校生二年生に話をした。真剣度が格段に高くて、こちらも充実の65分だった。なので通常の内容にお札の話も加えた[1]。一万円札一枚作成には、おそらく一万円以上経費がかかる技術が秘められている。カラーコピーをしようとしても最近のコピー機では「印刷できない書類・・・」と警告が出る。よしんばコピーに成功しても深凹版印刷も複写できない。これはインキが高く盛り上がった印刷で、盛り上がっていないインキはインチキであると見破られる。コピーには、すかしもなくて恥ずかしい。紫外線照射では、違った感じが浮き出される。蛍光発光性化合物も塗布されているはずである。分子模型を使ったあとに、「質問はありますか」と尋ねたところ八つほどいただいた。「周期表の113番元素の記号だけがアルファベット三文字なのはなぜですか」「これは、記号はまだない元素で、UUT(ウンウントリウム)という仮称」という解説に「うんうん」とうなずいてもらったに違いないと思いながら、講義の幕を閉じた。

[1] 国立印刷局(http://www.npb.go.jp/ja/intro/gizou/index.html)
11.7.6

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政府のリストが

 怒号と称賛を巻き起こした。米国、保健社会福祉省(HHS)が後援する国家毒性プログラムにより編集された報告書に、ホルムアルデヒドとスチレンを含む8つの化合物が発がん性物質として加えられた[1]。ホルムアルデヒドは現在、工業樹脂として木質複合剤、紙、プラスチック、合成繊維、さらには殺菌剤としても使用されている。環境保護団体は、産業界の圧力に屈せずにこれをリストにしたことを評価している。一方で産業界は、ホルムアルデヒドの追加は、証拠不十分であると反発し、米国学術研究会議の報告では、ホルムアルデヒドを発ガン物質から除外しているが、これをHHSは無視しているとも述べている。スチレンについても、ポリスチレンとして、食品容器、接着剤、ポリエステル樹脂など様々な場面で使われている。2004年以降、その需要は減少しているが、今回リストに上がったことで、ファストフード店での使用が敬遠される結果になる可能性が高い。先月、アメリカ連邦議会の63のメンバーがHHSに科学的に十分な証拠がそろうまでリストにしないように進言していた。メンバーはさらに、このリスト化によって、スチレン工業で働く数千の人がリストラに会うだろうとも警告した。ただしリスト化反対のストの計画については触れていない。アナリストに聞いてみるとわかるかもしれない。

なお他の6つの化合物には、o-ニトロトルエンも含まれている。

[1] Chemical & Engineering News, 2011, June 20, p. 11.

11.7.5

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学科のソフトボール大会

 に参加した。我が方は、それなりの守りの堅さと打撃力のあるメンバーである。今回は投手の投球制限回数が2回であること、試合時間30分でゲーム途中であっても試合終了というルールだった。チームは投打の活躍で予選リーグは一位通過できた。ただし女子学生にヒットを打たれて、ミスにミスも重なり2点献上した。ルール上、女子の生還は2得点になる。都合5試合だったが、試合の度ごとにコートを移動した。最後のコートでも高得点が見込まれた優勝決定戦だったけど惜しくも敗退した。相手の好守備に首尾よく阻まれた。村井君は塁にも出たが3度ダブルプレーになってしまった。そのうち2度は、レフトへの飛球を好補されてランナーが塁に戻ることができなかった。帰塁で類似のことが起った。「アウトカウントとランナーの位置・走塁について」雑誌会をやる必要もあるかもしれない。また皆さん、塁間をより速く疾走できるように自主トレも怠らずにやりましょう。疾走の後には、おいしっそうな松茸が、秋には再び登場するかもしれないので。
11.7.4

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7月の陽が

 ふりそそぐ。そろそろ夏休みだあ〜と思った感覚が湧き出す。でも遠い昔である。海開き・山開きを尻目に大学の試験が下旬から8月上旬に組込まれている。おそらく10年以上も続いている。一方でこの間の大学生の基礎力低下を指摘する声も大きい。この休みの体制と学力低下・向上の間には関係があると自分自身は思っている。「暑くなるまえにここまでは仕上げておきましょう」「その後は涼をとりながら身体も動かし」で「秋になれば読書にいそしむ」だったのが、エアコンの効いた部屋で学び、外に出ればムッ〜とする風を受け、試験が終わって、原発の見える海へ行ってもクラゲに会うシーズンである。なんだかもったいない。村井君の気持ちとは裏腹におそらくこれからも固定である。それに対して自動車関連業界は木・金休業で土・日操業体制に入った。全国規模の社会実験である。こちらは「意外といい感じ」「木・金レジャーもええじゃ〜ん」などなど好評のうちに終わり、来年もやりましょうとなることを期待しています。
11.7.3

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液体窒素を

 核磁気共鳴装置に充填する。毎週の作業で、NMRの使用頻度に応じた輪番制である。年末・年始や学会シーズン、夏の一斉休業の時などのスケジュール調整もなんとかやってもらっている。学生さんは、エレベーターでこの液体窒素(液チ)用タンクを一階まで運び、液チで一杯にしたタンクを再びエレベーターで6階に運ぶ。今年まで17年間、続いてきたシーンである。が先日、他大学の先生が、液チタンクと人がエレベーターに仲良く乗っているのを見られて「この行為は自分の大学では禁止されている」と話しておられた。タンクの転倒で液チが充満すれば人の生命に関わる危機である。なのでタンクを乗せたらチェーンをしてタンクだけをエレベーターで上昇させ、人は階段を駆け上がる。遅れると「液チタンクと行き違い」になることもあるし、液チタンクだけがエレベーターを上下することもある。それでもエレベーター内事故より、どエレ〜betterである。当方も考えなくては。

11.7.2

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ブタンジオール

 には、1,2-、1,3-、1,4-、2,3-があって、1,4-以外は光学異性体がある。1,1-は安定に取り扱えないので、いちいち触れないが、これを扱っている文献はある。2,3-については、ココアバターやミカン科の植物で見られる。これらは兄さん好みでもあるはずである。他は工業原料としても利用されているが、1,3-は血糖降下薬である。でしばらく前、1,4-ブタンジオールが中国製の玩具に混入していたことがあった[1]。オーストラリアとアメリカでは、これで遊んでいた子供がめまいなどの体調不良に陥った。プラスチックの可塑剤としては通常、1,5-ペンタンジオールが使用されている。この可塑剤、高そうなので、代替品として安価な1,4-ブタンジオールが使われた。けれどもこのジオールは体内で酸化されて、γ-ヒドロキシ酪酸に変化するが、これはデートレープ薬と呼ばれている。深い眠りを誘う化合物である。デートの際には、ブタンジオール不携帯であることを確かめましょう。

http://pubs.acs.org/cen/news/85/i46/8546news11.html
11.7.1

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