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2012年8月

MALDI質量分析は

 600ダルトンより重い生体分子を探索するには有用である一方、小分子の分析にはそぐわない。MALDIではマトリックス分子のクラスターが低分子のシグナルを隠してしまう。かくして新技術が必要であった[1]。そんな中、スウェーデン、ウプサラ大学の研究者らは、この低分子のシグナルも検出できる様にマトリックスの修飾を検討した。α-シアノ4-ヒドロキシシンナム酸(CHCA)は、よく利用されているマトリックスであるが、そのベンゼン環の四つの水素を重水素に置換えた化合物を用いた。そのお陰で、マトリックスのシグナルが4,8,または12ダルトンずれた。それぞれ重水素化CHCAの単量体、二および三量体に相当する。この手法が効果的であることを示すために、研究者らは、ネズミの細胞組織に適用し、天然物であるベルベリン、合成医薬品であるアミロリド、と神経伝達物質であるアセチルコリンの三種類の低分子が同定できることを示した。マトリックスのトリックいかがでしたか。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 August 6, p. 35.
DOI: 10.1021/ ac301498m
12.8.31

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米国では現在

 500万人以上の方がアルツハイマー病で、その数はわずかながらも増加している[1]。2050年までには1600万人が記憶喪失の病に罹患すること、その結果、医療の発展がなければ、年間1.1兆ドルの費用がかかると予測されている。製薬会社は、患者の脳内で凝集あるいは誤った折りたたみ構造をしたタンパク質であるアミロイドβを標的にしているものの、医薬品開発の前途は多難で、しかも安価な治療薬が必須である。そのような状況の中、植物からの抽出物も注目されている。その一つ、ターメリックの地下茎から取り出される香辛料であるクルクミン、どこかの区民でなくても入手できるものが、注目されている。ネズミを使った実験では、脳内の炎症や活性酸素の量を減少させた。またやっかいなアミロイドβの会合も抑制できる。さらにある基礎研究では、クルクミンは抗アミロイド剤ではないかとも位置づけている。インドでは実際、数千年にわたってクルクミンは医薬品として多用されてきた。クルクミン摂取が多いインドの地域では他に比べてアルツハイマー病の人が少なかったという調査結果もある。ただしクルクミンの吸収は体内では小さい。これは「痛いな(い)あ」と構造修飾した誘導体の効果も検討されている。また別の課題として臨床実験のための資金が不足しており、確かな臨床データがまだない。それでもそれを含んだ商品が栄養補助食品として広く販売されている。
 日本では、クルクミンは「ウコンの力」にも埋め込んであるはずである。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 30, p. 44.
クルクミンは形式上、アセチルアセトンとm-メトキシp-ヒドロキシベンズアルデヒド(二当量)とをアルドール縮合反応させると導かれる。
12.8.30

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酸化マンガンは

 鉛、銅、亜鉛などの毒性のある金属を捕まえて隔離することができる環境保護のスポンジであり、凡人ではない。これによって炭坑の排水の浄化も効果的に行うことができるが、その効率をさらに向上させるために、一般にはバクテリアと考えられている微生物が、可溶なMn(II)を酸化し、酸化マンガンを沈殿させることができるかを検討していた[1]。その結果、成功の鍵はバクテリアではなく菌であった。光学顕微鏡、シンクロトロン、X線吸収スペクトル、蛍光顕微鏡とを組み合わせて得たデータは、炭坑排水処理システムでは、通常の子嚢菌が繁殖している間に、細胞外にスーパーオキシドを生産し、先の酸化反応を行っていることを示していた。スーパーオキシドは、Mn(II)と反応し、菌が繁殖する場で、マンガンは我慢しきれず、茶色のMn(III)、Mn(IV)酸化物の沈殿になる。この成果は、環境修復する酸炭坑排水に貢献できるものである。
 なお子嚢(しのう)とは、「有性生殖によって生じる袋状のもの」とあった。でもよくわからない子嚢、難しいのう。

[1] Chemical & Engineering News, July 30, p. 43.
DOI:10.1073/pnas.1203885109
12.8.29

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デトネーション

 (detonation)、爆発物の燃焼速度が音速を超えること」とある。窒素原子を含む起爆薬のデトネーションは非常に速く、化学で取り扱うことが困難である。またこれらの化合物は非常に敏感で、ビンカンの有無に関わらず、予期しない爆発の危険性が高く、実験室での研究も難しい。そこで摩擦や熱に反応する起爆薬であるアジ化水素酸の分子動力学シミュレーションが初めて行われた[1]。すでに起爆剤が誘発する二次の爆発のデトネーションについては、せかさんでも、ナノセカンドのオーダーで起こることが明らかにされている。それに対してアジ化水素酸のデトネーションは始まりから分解までわずか10ピコセカンド以内で、振動の時間スケールのオーダーである。これは自然界で起こる最も速い反応の一つで、それより速い反応は、超高速な光子が誘発する反応のみである。研究者らは、この超高速化学はN4, N5イオンやポリ窒素のようなたくさんの窒素原子をもつ高エネルギー、高密度材料のデトネーションにも適用できると考えている。
 Detonation、イントネーションは調べてみましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 30, p. 43.
DOI:10.1103/physrevlett.109.038301
12.8.28

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現役のステージから

 記念演奏会は始まった。高校の校歌に続いて、吹奏楽コンクールの課題曲。今では楽器編成も豊かになり、ステージには弦バスやオーボエも登壇している。自分たちが高校の頃にはオーボエ部員の覚えはなかった。長年高校生を指導してきたOB指揮者さんの挨拶やマーチもあって一部終了、二部はこの部活動を府レベルまで押し上げたメンバーも含むOBステージ、府大会金賞受賞曲が響く。往時のコンクールの結果発表のシーンがよぎればさらに感慨深い。村井君は拍手だけの参加である。最後は現役生とOBの合同ステージ、とは言え舞台の都合上、現役生の一部は見学となった。その後のアンコール、こちらは見学していた現役生も舞台の下から加わった「アフリカン・シンフォニー」彼らは振り返えらんと指揮者も見えない。なので音楽に合わせて自分の出番に奏でる。あっと言う間の二時間だった。その後の懇親会、絶好調の校長先生のご挨拶、133名のアフリカン・シンフォニーにも感動された。自分もそんなの知らんふぉに〜である。
12.8.27

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一枚の暑中見舞いに

 身体が反応した。「お時間ありましたらいらして下さい」とある。35年ほど前か、吹奏楽部には部誌があった。ぶしつけなことを書いたかどうかも覚えていない。それから18年後、当時の部員から手紙が届いた。吹奏楽部の部長として・・・である。コリコリと返事を書いた。変人と思われたかも知れない。それから数年後、出した返事への感謝や部活動の様子などとともに「会いたい」という内容の手紙をもらった。膨らんだイメージを壊すに違いないと、しばしためらった。今更整形するのも手遅れである。でも「新大阪駅〇番ホーム○号車を降りた付近」で待合わせをした。目印は楽器のケース。村井君はしばらく前に韓国に行っていたので、高麗人参ガムを手みやげに出向いた。その後、折々の挨拶を賀状では交わすものの、会う機会もなく、彼女は東京へ移り住み、子宝にも恵まれた。それから15年ほどたった今年関西にもどった。そこで母校の吹奏楽部の創立50周年記念演奏会のステージに出る。OB通信に改めて目を通した。OB会費の支払いを回避せず、当日を迎えた。
12.8.26

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高校に入学して

 部活動を見学する[1]。軽音楽同窓会に登録するも、突然ブラスバンド(ブラバン)部への入部を強引に誘われる他片(たいら)等。なす術もなく顔を出して、弦バスをあてがわれた。二年先輩の教えや教則本を見ながら練習に励む。弦を指で弾く動作もあるため水ぶくれができる。それをつぶしては腕を上げていく。部の先輩・同輩・後輩、顧問の先生も絡むドラマが展開する。夏合宿の夜、抜け出して満天の星をみた。見てはいけないものを見ようとして罰も受けた。文化祭では、指揮する先生に内緒で別の曲を演奏したこともあった。それから20年余りたった。住む場所も職業も違う。かつての先輩や先生と年齢差は変わらずとも距離は近い。その彼ら、彼女らを集めて演奏をしてほしいという。今はバーを営む他片君を軸に、高校の頃、しばらく前、現在が錯綜する。連絡が取れないメンバー、取ることができても個別の事情で楽器を持てない元部員。それでもバンドの形を整え、いざ本番前の練習をした。でも演奏の場がなくなっていた。それで「ええんそうや」とは誰も思わない。
 ちなみに小説「ブラバン」にはフライパンは登場しなかった。

[1] 津原泰水著「ブラバン」(新潮文庫)。
12.8.25

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糖類を紡いで炭化水素にする

 甘くて魅惑的な合成研究の結果、糖類や糖類アルコールを芳香族化合物やポリエンに変換できる新しい温和な方法が開発された[1]。これによってセルロースのバイオマスの主成分でおます単糖類を日用化成品や燃料に変換することができる。これまで脱酸素脱水反応は、ジオールやエポキシドの酸素原子をもぎとる際に利用されているが、この反応を、ポリオールの脱酸素に利用することは課題があった。それに対してここでは3-ペンタノールを還元剤として用いると、メチルトリオキソレニウム(CH3ReO3)がこの反応を高い効率で促進する。たとえばこれによって、六つの炭素を持つ糖であるD-ソルビトールは、高分子の化学原料として利用できるヘキサトリエンに変換される。また別の例では単糖類から、フラン、ベンゼンやフェノールなどの芳香族化合物を導いている。今後の計画は反応効率のさらなる向上、多糖類への適用、触媒を担持し再利用できるようにすることである。
 なお単糖類の研究担当は日本人学生とToste先生の二人でした。た〜んとういるわけじゃなかったんだね。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 30, p. 42.
DOI: 10.1002/anie.201203877
なお記事のタイトルは、SPINNING SUGAR INTO HYDROCARBONSで、続いてIn some sweet synthetic work,で始まる。

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くらげのように泳ぐ

 薄くて八方向に分岐するポリマーシートが完成した[1]。研究チームはまず、幼いクラゲの生き生きした動きの詳細を解読した。ついで集めたデータをもとに三つの単純な成分から、それに似たものを組み立てた。これらの最初のものはスピンコートした22μmの厚さのポリジメチルシロキサンフィルムである。この層にくらげの筋肉繊維の配列をまねたパターンに、タンパク質であるフィブロネクチンを印刷した。最後にネズミの心臓細胞をその上に蒔き、それらが導電性を示す組織を形成するまで、培養した。「やばいよう」ということもなく、模造品(mimic)が完成し、「くらげもどき」と名づけられた。このもどきは、パルス電場にさらすと、くらげのように泳ぐ。この成果は、組織工学によって作製される動きのある臓器の発展に寄与できるだけでなく、このくらげもどきは、心疾患のための医薬品をテストするにも使われる可能性も高いと研究者は述べている。ただしこのクラゲ「くらげのあえ物」にはあえへんものである。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 30, p. 40.
DOI: 10.1038/nbt.2269
12.8.23

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オゾン層の破壊

 無論、フロンが原因だ」と答える。が加えて別の要因が溯上に上げられている[1]。NASAの対空任務に伴って、夏の全米の大気に関する一連のデータを10年以上に渡って研究者らは収集してきた。それらのデータは、対流の嵐がしばしば濃度の高い水蒸気を成層圏におしやることを示していた。高い湿度は、成層圏にある液体硫酸塩/水のエアロゾルを膨張させる。ついでエアロゾルの塩酸の溶解度が上昇する。その結果、硝酸塩素を含む連鎖反応を経て、塩素がオゾン層を破壊する活性フリーラジカルClO•に変換される。研究者らの計算では、高い湿度は、それほど湿気が高くない状態と比較して、オゾンの破壊の速度を二桁大きなものにするため、激しい嵐がオゾン層破壊の一因であるとされている。今後、嵐が水を吹き込む領域での、BrO•やClO•のようなフリーラジカルについての研究や気候変動と成層圏のオゾンの相関を明らかにすることがさらに必要である。オゾンと嵐、あら知らなかったわ。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 30, p. 12.
DOI: 10.1126/science.1222978
12.8.22

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車内に携帯電話を

 忘れた。手痛いミスである。駅を出てしばらくして気がついた。また終着駅だったことは幸いした。駅構内の「精算所」に行けばよいと教えてもらった。車掌さんが発見したらすでに届いているはず、そうでなければ車庫に入った列車内を捜索するとのことである。残念ながら車掌は「なしゃそう」と判断された。そこで形、色、どこの社のものかを聞かれた。またストラップがついているかいないかの確認、「あります」それでもそれが飲み屋の割引ストラップであることは言わなかった。これらの情報とどの辺りに乗車していたかを連絡していただく。しばらくして「見つかりました」という返事をもらった。その前には、斜めの線がやたら入った資料を確認されていた。列車の運行時刻の詳細かなにかのようである。で○時○分に到着予定の列車でここまで持ってきていただけるとのこと。スムーズに対応していただけて感謝の言葉もない。その十数分の間に「精算所」を多くの人が訪れていた。ただし「精算所の、お兄さんでしょ」と言われた方はなかった。
12.8.21

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真珠の玉虫色のかすかな光は

 意気地なしの材料が起源ではありえなかった。軟体動物が、一体どうするかはわからないけど、非晶質の炭酸カルシウム(CaCO3)を、ポリサッカリドであるキチンの多孔質層に沈殿させることで真珠層をつくる。鉱物が結晶化し、大量のCaCO3が生まれ、有機材料の層でそれらが分けられている。一方この単純な成分にも関わらず、研究室で同様のものをつくるのは難しかった[1]。今回研究者らは、この軟体動物の方法をまねて、ポリアクリル酸とポリビニルピリジンの多孔質層を使い、そこへ非晶質のCaCO3を沈殿させ結晶化させた。さらに多層構造にするためにこの操作を繰り返した。堅牢で玉虫色である天然真珠を再生産するためには、有機材料を多孔質にすることがポイントであった。それによってCaCO3の結晶がミネラルの層をつなぐことを可能にしている。多くの真珠を超えるエンジニアリング材料があるものの、今回の合成は水系で室温であること、また安価である。そのため「コーティング材料として、買うてんぐ」と推薦もしやすく、将来の材料製作法としても大いに期待できる。真珠の信じゅられない話でした。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 30, p. 10.
DOI: 10.1038/ncomms1970

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1946年頃

 二人は駆け落ちをする。とある家の二階で間借暮らし。そこで「うみ、そら、りく」三人の子どもを授かった。航海する父へ国際信号旗でメッセージを送る幼少のうみ、でも父が海に命をささげてしまったことはしばらくたってから知った。母は学問の世界で留守がちである。三人は祖母の家に暮らす。そこでは下宿人の女性も一緒である。長女うみは彼女たちの食事の世話もしつつ、港南学園に通う。学校には60年ほど昔に建てられた建物で今は文系部活動の拠点である「カルチェラタン」があった。リニューアルしたい理事長、それに従う校長、でも文化的建物を少数派の高校生たちは残したい。まずは生徒たちを説得するため「お掃除」、女子生徒と埃まみれになった男子生徒たちの奮闘もあって建物は見ちがえる。取り壊し反対支持が過半数になったことを伝える新聞、ガリ版刷りでがんばり。でも事情を知らない理事長は取り壊しを決定する。生徒代表の直談判で理事長訪問が実現、哲学者「ディオゲネス」で生徒と共感。女子生徒の独唱で始まる「紺色のうねりが」の合唱で君子が豹変した。

[1]宮崎吾朗監督「コクリコ坂から」(2011).
12.8.19

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図書館を

 所管する省庁はあっても、それを守るために武装する物騒な部隊は実際にはない。でもここにはある[1]。自分たちの国でも、出版物に検閲があって、「これはやばい」と見なされた意見を記した印刷物は、その著者を捕まえて罰を与えた時代もあった。で今回のこの世界では、政府機関の様でそうでもない「良化委員会」が書籍を没収する。その行為を防ぐ部隊が、組織的に編成されている。とは言え図書館内部でも「命がけで書籍を守ろう」vs「政府系に協力しよう」の両派がある。そんな情勢の中、高校生の彼女は手にした本を没収された。それを守ろうとして頓挫、でも守ってもらった。そこで彼女の「王子様」が誕生した。図書館の特殊部隊の隊員である。その任務にあこがれて入隊。厳しい訓練と容赦ない言葉の指導教員。重要な任務を任されるもドジも重なる。あるとき、書籍ではなくそのチームの最高位の上司の警備の任を与えられた。不本意、それでも無事終わるかと思われた任務、上司とともに脅迫犯に同行するはめになった。そこでは「はめを」じゃなくって「義足を」はずした。

[1] 有川浩著「図書館戦争」(角川文庫)
12.8.18

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量子力学の研究成果は

 水のクラスターに、貴様のヘキサマーはこれだよと提示している。水素結合によって最も少ない数の水分子で三次元構造を形成することができるのが六量体である[1]。それはまたバルクの水の構造と動力学を理解するために使われる原型である。そのクラスターのシミュレーション結果では、かご(cage)とプリズム(prism)構造が、リズムよく、絶対零度付近では、ほとんど同じ割合で存在していた。60 Kでは、cage型の割合が増加、さらに温度が高くなると第三の構造として本(book)が、のほほんと登場してきた。エネルギーとエントロピー効果の相互作用が、クラスター種の割合の変化をもたらし、エントロピー的には、柔軟なcageとbookクラスターが好ましかった。これらの間のわずかなエネルギーの違いは環境に敏感であることから、以前報告された水のクラスターに関する超音速拡張実験において、異なるキャリアガスを使った場合に異なる量の構造が観測されたことも理解できるかもしれないとされている。
「Bookクラスターにびゅっくりすた〜?」

[1] Chemical & Engineering News, 2012, July 23, p. 30
DOI: 10.1021/ja304528m
12.8.17

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ロンドン夏季オリンピックが閉幕した

 そこには化学企業が提供し、性能と持続性を期待して選ばれたポリマー、繊維や他の材料もふんだんに、普段以上にあった[1]。北京オリンピックで着用されていた水着Speedo社のレーザー・レーサーが禁止された。その替わりに、選手に浮揚感をもたらすサメ肌の生地であるポリウレタン水着が売れたんである。自転車用車輪として、炭素とp-アラミド、ボロンファイバーの複合材料が、またボートの船首には、航空宇宙分野で使われる炭素繊維の積層板が採用された。また8人乗りそう艇では、カーボンファイバーだったものがウレタン樹脂になり、硬い船体が、漕ぎ手のエネルギーロスを抑え、力を増幅させることを可能にしている。オリンピックスタジアム全体は、ダウケミカルのポリエチレンとポリエステルで覆われ、紫外線で重合させたインキでプリントされていた。さらにホッケースタジアムの人工芝にはポリエチレンが使われ、天然芝より、弾力性、耐久性の点で優れている。しかも選手がスライド、タックルする際には安全性も確保される。またハンドボール会場では、発砲スチロールによる床絶縁が施されていた。
 ここに登場したケミカル、君わかるかな?

[1] Chemical & Engineering News, 2012 August 6, p. 10.
12.8.16

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生協書籍部

 に立ち寄った。「猫色ケミストリー売れてますか?」「前作ほどは」確かに前作は文庫にもなった。「今回も面白いですよ」となぜか宣伝をする。で「売れ筋は何ですかねえ」と一年ほど前と同様の質問をする。「有川浩さん」を披露された。「初めて聞きました」と素直に返す。たまたま目の前には「三匹のおっさん」という単行本があった。「三匹の侍」は見たことあるけどと思いながら、もぐもぐしていたら、「ミリタリーもん、自衛隊」などの言葉をもらった。そんなん読みたくないと思っていたら「作家の浩は男性みたいですけど、女性で」との一言に身体が反応していた。動きを見透かされるが如く「文庫本になっているのもあって」と「図書館シリーズ」が並ぶコーナーに移動した。ミリタリー風、でも「もえ系のデザイン」。前ふりがなければ決して手にしない一冊をつかんだ。「これ買います」と素早くレジに移動。驚き笑いの彼女、積極的なレジのスタッフ「角川文庫なのでプレゼントのストラップをどうぞ」とトラップされた。
12.8.15

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カーボン・ドット(CDs)は

 特異な特性を有する炭素のナノビットなのである。今回オレンジジュースがビタミンC源であるにとどまらず、その熱水処理で、非常に強い光輝性のCDナノ粒子をどっと合成できることがわかった[1]。インド、ルールケーラーの研究者らは、果肉の入っていないジュースを120 °Cで2時間半加熱した。この間にジュースの成分であるスクロース、グルコース、フルクトース、クエン酸にアスコルビン酸が熱で炭素化する。オレンジからできたものの直径は1.5 と4.5 nmのレンジで、表面にはカルボキシル基が広がったCDsを形成する。CDsは遠心分離によって別の粒子と分けることができる。40 mLのジュースから最大400mgのCDsを得ることができる。研究者らは、ジュースから誘導されたドットは高い光安定性、低い毒性を示すため、細胞イメージプローブとして応用できる可能性も高いことを示している。オレンジジュース法、俺んちでもできるかなあ。

[1] Chemicals & Engineering News, 2012 July 23, p. 30.
DOI: 10.1039/c2cc33796g
12.8.14

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ボラジンは

 電子受容性なボロン原子と電子供与性な窒素原子が交互に結合し、六員環を形成する無機ベンゼン類縁体である。ボラジンは水素貯蔵能や強い蛍光発光を示すような電子および光学特性を有していることから興味が持たれている。またそれによってアニオン認識センサーや有機電子材料として利用することが可能である。それに対してボラジンが有する六つのB-N結合の間にベンゼン環を1,4位で組込んだ化合物が合成された。そこではシリル化あるいはスタニル化されたトリフェニルアミン、BBr3やトリイソプロピルフェニル銅を用いたカップリング反応が利用されている。「拡大ボラジン、書くんだい」と記事には図も記されているが、新しいタイプの大環状化合物で、勘定しないと何員環かはわからないが、電子受容−供与置換基の選択や環サイズによって、光電子工学特性の制御が可能である。ボラジンのことラウンジでも考えてみよう。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 23, p. 29.
DOI: 10.1002/anie.201203788
12.8.13

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ポリウレタンフォームの

 クッションについて、その着火実験がチャッカリと行われた。難燃剤が入っているにも関わらず、入っていないものと同様に瞬時に燃えてしまった[1]。織物でカバーされた椅子の場合には、難燃効果がはっきりと示された。この問題を重く見て、米国の消費者製品安全委員会らのメンバーや様々な方々が事実確認などを行っている。
 難燃剤、以前はペンタブロモジフェニルエーテルが使われていたが、難分解性、生体への蓄積の可能性や毒性から製造中止になった。それに替わって2,3,4,5-テトラブロモ安息香酸2-エチルヘキシルエステル(TBB)が難燃剤Firemaster 550の成分として利用されている。難燃効果とは別に、TBBは1995年当時には明らかにされていなかったことが最近になってわかってきた。すなわちハウスダスト、下水スラッジ(汚泥)、北極の動物からも検出され、改めて安全性を確認しなくてはいけないとされている。
 「難儀やねん」ではない難燃剤の開発が待たれている。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 23, p. 7.
12.8.12

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化学、英語では

 chemistry。でもchemistryには他に、(複雑なものの)要素、性質、相互関係や(二人の間の)相性、親和力などの意味がある。「元素同士の素晴しい相性がもたらす世界、それが化学です」などと出前講義で話すこともある。かつて全日本サッカーチームの選手が「チームのケミストリーもかなりよくなってきて」みたいなことをインタビューで答えていた。で話は8月8日の首相と総裁のトップ会談の記事(8月9日(木)読売新聞):「これまでも、首相は「谷垣総裁を尊敬している」と公言し、谷垣氏も「首相とはケミストリー(相性)が合う」と語ったこともある。2人の相性の良さも、合意を後押しした。」とあった。相性が合うか合わないかで政治をするべきかどうかはさておき、SPACE ALCの例文を改めて確かめた。
The chemistry between you two has gone sour.:あなたたち二人の相性はこじれてきています。
というのもあった。
12.8.11

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地球上の硫黄サイクルについて

 言おうとしている。それは、これまで考えられていた以上に多様で、マリン化学、炭素サイクル、大気の酸素レベルや気候変動に影響をおよぼす[1]。CaSO4のような溶解した鉱物からあるいはFeS2の酸化的風化によって得られる硫酸塩は、川を流れて大洋に届き、そこでは微生物が有機炭素を使ってその塩をS(2-)と酸素に変換し、後者は大気に放出される。これまで大洋の硫酸塩の濃度は過去5億年間の間、ゆっくりと変化すると考えられてきたが、硫黄同位体を使ったデータは、海洋の濃度は、およそ1億5千万年あるいは5億年前にあった地殻変動に伴って大いに変動したことを示している。また別の論文は、堆積岩の層への硫酸塩の堆積は過去5億年の間、変化に富んでいることも明らかにしている。これらの成果は、大洋のpH、栄養素として利用すること、さらに大気の酸素を制御、また硫酸エアロゾルの生成によって気候変動においても、硫黄は大きな役割を果たしていることを示している。昔の説に硫黄サイクルを、言いくるめられないよう、大洋の硫黄もキャッチアップしていきましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 23, p. 30.
DOI: 10.1126/science.1220656 and 10.1126/science.1220224
12.8.10

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アメリカ人の平均体重は

 50年前に比べておよそ11 kg増加し、肥満関連のヘルスケアに年間1470億ドルの費用がかかっている。甘み成分である砂糖が話題である[1]。
 ダイエット砂糖が1970年代に登場した。新しくても高フルクトースコーンシロップ(HFCS)と呼ばれている安価な砂糖代替品である。その後、テーブル砂糖かHFCSかどちらが身体に悪いかなど議論もあったが、現状カロリーを比較すれば違いはない。一方で身体に入った場合には、この二つは違った生化学的な経路に入る。インシュリンを制御するグルコースでは、エネルギーを身体中の細胞に供給する。一方でインシュリンとは関係のないフルクトースは、肝臓でグリコーゲン、中性脂肪、コレステロール生産の役割を担う。そのためどちらの糖鎖であろうが、摂取のし過ぎは、肥満、2型糖尿病、高血圧、心臓病、癌さらにはおそらく自閉症の要因になりうる。
そこで内分泌学者で糖に対する戦いの第一人者であるLustig先生は『HFCSも砂糖も同等に悪い、それらは毒である』と断言され、今年になってからは続けて関連するレポートも出された。この流れを受けて、よりカロリーの低い甘味料の検討や、ニューヨーク市長は、超大型の甘いソフトドリンクの販売禁止を試みようとしているものの、飲む権利とのバランスで困難である。当面はたばこと同様「この製品は砂糖を含んでおり、肥満や健康障害を引き起こす可能性があります」という表示をすることぐらいが可能であるだろうとのことである。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 16, p. 44.
12.8.9

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シクロブタンの炭素(CH)を

 すべて窒素に置換えたテトラアゼチジンは、構造的には比較的単純ではあるものの、確かには合成された例のない分子である。それに対して、この種の最初の明確な例を発見したという報告があった[1]。研究者らは20年以上に渡って、ESRスペクトルを使って光延反応におけるPPh3とアゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル[2]との組合せでのラジカル種の発生を研究してきた。彼らはホスフィン−アジドカルボン酸エステルラジカルに加えて、時々なんとなく美しい、ほとんど対称な9本線のスペクトルとして、持続性のあるラジカルを観測していた。そんな中、高度でかつ手頃な計算法を利用している研究者らの協力を得、このラジカルがテトラアゼチジンラジカルカチオンであること、これはホスフィン−アジドカルボン酸エステルラジカルのアゾジカルボン酸エステルへのMichael型の付加が、まあいけることによって生じると類推している。相当に長寿命で室温でも数時間は持続しているラジカル、マジカルではない化学種、間近でも見てみたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 16, p. 41.
DOI: 10.1021/ja303019y
[2] N=N結合があって、その二つの窒素上それぞれにiPrOC(O)が結合している。
12.8.8

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オリンピックの結果に

 びっくり感激の日も続く。こちらは米国メリーランド大学で開催された国際化学オリンピック[1]。金34、銀58、銅87のメダルが72カ国から参加したティーンエイジャーに授与された。日本化学会からのメールは、日本からの参加者4名が金,銀を二人ずつ獲得したこと、ゴールドメダリストの一人は二年連続、実験試験でトップだったのは日本初などが伝えられていた。かたやC&Eニュース。韓国からの参加者4名は全て金メダル。台湾、ロシア、インドが三つの金に一つの銀、中国は金2に銀2(なぜか日本ついては触れていない)。ドイツの金メダリストが個人最高のスコアだったことを伝える。でUSチームは、手堅いパフォーマンスで、一人が金、三人が銀であった。今回のメンバーは最も若いチーム編成だったはずであるが、選択した課題がなんであれ、高い能力で活躍していたとメンターは語る。15歳の金メダリストは「地方予選を受けた際に、まさかこの日がくるとは考えもしていなかった。夢みたい」とコメントする。
 第45回の大会は2013年モスクワ開催予定。そのうち「も〜すぐやわ」という日も来る。

[1] Chemicals & Engineering News, 2012 August 6, p. 8.
12.8.7

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トンボ

 道頓堀にもたぶん現れる。そのうちショウジョウトンボ、ナツアカネ、アキアカネの表皮からオモクローム色素を産総研の研究者らは抽出した[1]。これらの種のオスは、性的に成熟すると鮮やかな赤色に変わる。そこで抽出物を解析したところ、成熟したオスは、キサントムマチン(xanthommatin)と呼ばれる色素やその脱カルボキシル化した色素の還元型をより多く有している一方で、メスや未成熟のオスはこれらの色素の酸化型を相当に多く有することがわかった。研究者らはさらに、酸化型が多い方に、還元剤の溶液を注入することで赤色に変化すること、成熟したオスに酸化剤を注入すると劇的変化はないものの、赤から黄色の変化が見られたことも明らかにしている。この成果は、レドックスが媒介する身体の色の変化が動物において発見された最初の例である。また研究代表者は、「分子動力学については未解明な部分も多いが、他の昆虫と違って、トンボは成虫期になって色やそのパターンを変化させている」とコメントされている。
 記事には、赤色のオスのナツアカネのうしろを黄色のメスが縦につながって飛んでいる(tandem flight)写真もある。赤色が求愛のあかしだったとは。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 16, p. 10.
DOI: 10.1073/pnas.1207114109
12.8.5

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グラスゴーでの試合

 凄〜いで始まった予選リーグ。スペインファンにとってはペインな結果になってしまった。その後U-23ジャパンは、ニューカッスルでもハッスルしてモロッコに勝利。ホンジュラスとは、コベントリーにて引き分けて、エントリーできていた決勝トーナメントに移動した。その最初の試合を通〜らへんと、大会が終わる。勝利すればさらに二試合、活躍の場を授かる。試合が始まると、激しくボールを奪い合わなくてはいけない状況にもなる。あくまでボールを追う。奪われそうになって相手選手のユニフォームを引っ張る。足にタックルする。素早い動きの中で審判はそれを見破り、笛を吹き、時にはカードを出す。「今のは反則か?」と、スロー映像をするやろ〜と待っていると、確かにボールではなくて相手を妨げる動きが見える。フェアな試合でも、接触の仕方次第で負傷する、足をつる、足をひねるなど、普段から鍛えぬいたアスリートにも起こりうる。男女とも残り二試合。やっとロンドン。どんどんすばらしいシーンを発信してほしい。「メダルはそこに見〜たる」、けどそれはしばし封印した雰囲気で。
12.8.5

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フッ素ガスが自然界にもあったことから

 二百年来の論争のひとつ「悪臭のする蛍石は砕いたときに、なぜあれほどひどい臭いなのか」が解決された。1816年、蛍石アントゾナイトは、蛍石を掘ったる人、すなわち鉱山労働者をバイエルン病と呼ばれる病に至らせることが記され、その鉱石にあるヨウ素、塩素、オゾンを含む化合物が悪臭の要因であるとされた。1891年にはフッ素ガスが疑わしいとH. Moissan(フッ素原子の発見者で後のノーベル化学賞受賞者)が指摘したものの、多くはそうではないと考えていた。そんな中研究者らは、ドイツ、Wölsendorfの高速道路脇、このエリアはかつて鉱山労働者が病になった地域に近いが、その場所からアントゾナイトを採取し、豆粒の大きさに細かく砕き、固体NMRスペクトルを測定した[1]。これによって石の中にはフッ素ガスが含まれることが明らかになり、これが自然界でのフッ素ガス発見の最初となった。自然界ではウランが鉱物に堆積し、徐々に蛍石と反応しフッ素ガスが発生し、鉱物のマトリックスの中に「ここでマットりックス」と言わんばかりに捕捉される。さらにこの過程で生成したカルシウムクラスターによって鉱物は黒色になると提案されている。ではフッ素ガスの実際の臭いは?ガーリック臭か、希釈したときには香水の如くか。独仏で見解に違いはあるものの、毒物には変わりない。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 16, p. 8.
DOI: 10.1002/anie.201203515
12.8.4

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γ,δ-不飽和カルボン酸に

 臭素を反応させるとアルケン部位にブロモニウムイオン中間体を経て、カルボキシル基が分子内で、しないわけではなくて、環化が進行し、我慢していればγ-ラクトンを与える。これは医療用に利用できる可能性のある天然物合成の一つである。この反応を用いて臭素が組込まれたラクトン環外の炭素とラクトン環内の連続する炭素中心にキラリティーを生じさせ、しかも高いeeでこの変換を達成する反応が開発された[1]。すなわち、まずよく知られたキラル触媒であるBINOLをモチーフとして構造修飾を行った。BINOLの3位にフェニル基を組込み、そこから遠い位置の水酸基の部分にアミジン置換基を導入した。系中で発生するブロモニウムイオンは、このアミジンの安定化を受け、みじんも動揺しない。さらにフェニル基による立体化学の発現も受け、高いeeでキラル中心を発現した生成物を与える。このエキゾチックなエキソラクトン化、Martin先生らによる待〜ちんに待った系であるが、今後は反応機構の詳細も検討される予定である。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 9, p. 29.
DOI:10.1021/ja305117m
12.8.3

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テレフタル酸

 照れにふたするものでもない。1,4位のジカルボキシル部位とエチレングリコールの水酸基で共重合させるとポリエチレンテレフタレート(PET)ができる。今や飼い主がいようがいまいが、PETは溢れている。ただしこの機能性を向上させるために、ガス透過性などを有する添加剤が研究されている。かつてテレフタル酸ビス(2-(ベンゾイルオキシ)エチルエステルが検討されたが、経済的に見合わないと断念されたことがあった。その後、南カロライナにある特殊化成品開発会社であるEthox化学がテレフタル酸ビス(2-フェノキシエチル)エステル(PEM)を発案して合成した。2009年後半コカコーラ(Coke)はこれを、より高い効率のガスバリヤ特性を示す、高分子組成の一部として特許申請を行ったがEthoxでの発見の経緯が含まれていなかった。そこでEthoxは自らの知的所有権および所有権を守ることを期待してCokeと交渉したけど不調に終わったため、「訴訟?そうしよう」という決断をされた[1]。
 ちなみにPEMのガスバリア特性はソーダの保存期間を継続させることができ、ビールでさえもプラスチックボトルに入れることを可能にする。「ガスバリアのために、がんばりあ」とエールを送るしかない。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 July 9, p. 8.
12.8.2

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ヘリセンは

 へりから右手あるいは左手にらせん状にねじれたキラル分子である。それらの誘導体の光学特性が研究され、レドックスがひきがねとなる分子スイッチを創製しうる可能性が示されている。そんな中Ru錯体を、「平気さ」と苦戦もせず、ヘキサヘリセンの末端アルキンに付加させることができ、Ruビニルヘリセンが調製された[1]。ついでその修飾したヘリセンの電子特性が研究され、Ruを還元あるいは酸化させることによってキラルスイッチを駆動できることがわかった。この場合、金属と配位子との間に強い相互作用が生じ、ヘリセン部位はかなりのスピン密度を有している。この設計はヘリセンの骨格はそのままで、電気化学的にキラルスイッチできる最初の例である。このヘリセンの有機金属分子工学は、高度なキラル多機能性材料を設計する上での新しい指針を示している。なおこの共同研究はレンヌ(フランス)とニューヨークで行われた御ニューである。よ〜く見てみよう。

[1] Chemical Engineering News, 2012 July 9, p. 29.
12.8.1

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