« 2012年11月 | トップページ | 2013年1月 »

2012年12月

男女が交わるとき

 より滑らかさを求めて潤滑剤を使う[1]。この商品、米国だけでも21900万ドルのマーケット規模である。ただし最近の報告ではこれを使うことで、疾病にかかりやすくなることがあるという。たとえばある実験では、通常あるいは通常ではない交わりの際[2]、まさに交わる部位(vagina and rectum)の細胞にダメージを与えることが示された。しかもややこしいのは、これらを使えばHIV感染防止になると信じられてきた点である。たとえばノノキシノール-[3]HIV感染を防止しうるとされていたが、2002年には、そうではない実験結果も得られた。実際、南アフリカやタイで一日に3,4回これを使っていた場合にHIV感染のリスクが向上した。

ダメージを受けやすいかどうかは製品の浸透圧と関連するとの報告もある。ネズミの実験では、より高い浸透圧の潤滑剤にさらされるとネズミは、より感染しやすくなる。たいていの製品は人間の身体の浸透圧よりも高いらしい。とは言えそれほど影響なしとする報告もある。現段階では「同じパートナーとたまに使う分にはリスクは少ない」一方「一日に4回、避妊具なし、二人以上の相手」の場合ではリスクはアガリスクということは言えるらしい。2013年には「より明快な解が、見えるから」という希望的観測が最後に示されている。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 10, p. 46.

[2] 通常ではないとは、たぶんたとえば同性同士

[3] 1-(4-nonylphenyl)-1,4,7,10,13,16,19,22,25-nonaoxaheptacosan-27-ol

12.12.31

| | コメント (0)

医薬品と関連する

 骨格のひとつであるポリ環状化合物をポリエンからつくる[1]。「ありえん」わけではない。Ir触媒とZn(OTf)2触媒を促進剤としてポリエンのカスケード反応が誘導される。図には、出発化合物1-(3,5-ジメトキシフェニル)-8-ヒドロキシ-4-メチル-3,9-ジデセンで反応が宣伝されている。カスケードを開始するためにポリエン内のラセミアリルアルコールがIr触媒と反応する。この相互作用は、最初の環化反応の立体化学を制御する。得られた環にエンコードされた情報が、続く環化にも効果的に伝わる。このプロトコールを利用して研究者らは9種類のヘテロ環も含むポリ環状化合物をよい収率と99%以上のeeで調製している。全ての反応が市販品の溶媒と反応剤を使って室温で達成できている点特徴的で、実際に利用できそうな便利な系であると指摘されている。Carreira先生の開発した、スイス連邦工科大学での反応も、すいすいと効果的に、進行している。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 10, p. 45.

DOI: 10.1021/ja310386m

12.12.30

| | コメント (0)

先のインド渡航

 十日ほど前から本格的な準備をした。「お腹こわすよ〜ん」という警告で、しばらく前にペプトビスモールを入手。でもこれを飲んだ後はヨーグルトがいる、けど、インドのそれはお腹がグルグルときてしまってアウトとも聞いた。という話で、顆粒のビフィズス菌があるとの情報を得た。インド滞在中のご主人を訪ねて体調不良になっちゃった先生にもアドバイスをもらった。紀州梅肉エキス。買いにくいときはアマゾンも利用可能。消毒用のアルコール:いつもの亀甲ボトルを一本、水(500 mL)のペットボトル5本。水道水そのままは、一緒にいたインドの人も飲まない。数回濾過した分が配される。でもミネラルウォーターとは違う。時に開封ずみの満タンペットボトルが登壇する。多分それは濾過水である。ポリ袋、ウエットティッシュ、水に流せるティッシュも同行、噴霧式ハエなどの駆除剤、使っても苦情はなし。でも多いに役立った。いわゆる「60日一本」が取り付けらていてもスイッチ故障も多かった。大方誰も現地の人は気にしない。虫除け、かゆみ止め、カンボジアで買った麦わら帽(笑わないでね)も眠っていたトランク。ランキングはつけ難し携行品だった。

12.12.29

| | コメント (0)

NASAの火星探査機

 キュリオシティーが火星で有機化合物を発見したと、プレスリリースされた[1]。塩素化メタンであるCH3Cl, CH2Cl2, CHCl3を砂地で検出した。さらにこの発見はサンフランシスコの米国地球物理学連合で発表されたが、これらの化合物の存在が、生命体の存在についてのヒントであるかどうかは明らかではない。化合物中の塩素は火星のものであることは確かめられている。一方、炭素源も火星由来であることを確認する必要もある。一過性で他からの可能性もある。たとえ確かめた結果、それが火星由来であることがわかっても、慎重に炭素同位体を分析し、別のサンプルも収集し、それらをもとに有機物の起源が、生命か非生命であるかと結論づける必要があって時間もかかりそうである。「われわれは無料のソフトウエアが走る世界の速度で、科学している?!」とミッションプロジェクトを担当する科学者は述べている。火星探索、一気呵成にとはいかないらしい。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 10, p. 44.

12.12.28

| | コメント (0)

苦節5年

 役立たずで、課題の多かった化成品の副産物であるフルオロホルム(CF3H)を医薬品や農薬の化学原料として利用できる一般的な方法が開発された[1]。焦げ付かないコーティング、冷媒、絶縁体、汚れにくい織物生産プロセスでは数トンのCF3Hが排出されている。この毒性のないガスはオゾン層への影響はあまりないけど、温室効果ガスの可能性を指摘されている。寒い冬にはいいかもしれないが、化学会社はこれを分解するか、あるいは永久保存のために経費を投じるかに直面している。その中、CF3HCF3基を様々な分子に組込む方法が開発された。塩基としてKN(SiMe3)2THF中で使う。そこに粉末硫黄を加えるとCF3SO3Hが生成する。CF3HとクロロシランとからRuppert-Prakash反応剤として知られているMe3SiCF3や、ボレートとの反応では、レートはわからないがCF3BF3Kに至る。さらにカルボニル基の直接CF3化も達成している。「CF3Hの利用は安価であるものの、気体であるため実験室での使用には向かない。でも工業化では期待できる」とのことである。フルオロホルム変換のホームができたかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 10, p. 12.

DOI:10.1126/science.1227859

12.12.27

| | コメント (0)

MRI の造影剤

 もうええわい」という時は未だに来ない。今度こそラストと思いながら、コントラストの、よりはっきりした化合物の開発がなされている。今回ペプチドに組込むことで、Gd造影剤の特性を調整できることがわかった[1]MRI造影剤の金属カチオンは、溶媒和した水分子のプロトンと相互作用し、磁場の中でラジオ波を照射するとプロトンの緩和時間が短くなる。よりよいシグナルとノイズの比(S/N)が得られれば、より高質なイメージを得ることができる。ただしこれまで、よいS/N比は、低磁場側で提示されるだけだった。それに対してここでは、アラニンをDOTAとして知られているテトラアザ大環状化合物に導入し、固相ペプチド合成を適用することで、一つあるいはそれより多いアラニン修飾Gd錯体を鎖状あるいは環状のペプチドに組込んでいる。その結果、硬いペプチドの骨格がGd錯体の回転を抑制できるため、高磁場領域での、よりよい画像が達成されている。Gdにとってもgood(gd)である。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 3, p. 33.

DOI:10.1021/ja309187m

12.12.26

| | コメント (0)

回虫あるいは線虫

 人間の小腸にも寄生しうる。これを省庁が規制することは難しい。その彼らも時に病原菌の攻撃を受けることがあるが、それを回避するために、低分子の毒素を化学修飾していることが明らかにされた[1]。ここでは緑膿菌から放出される1-ヒドロキシフェナジンおよび大腸菌からのインドールに注目した。これらいずれも線虫の体内に入れば、死に至る可能性がある。ところがその段階でO-またはN-グルコシル化を、線虫の一種であるシーエレガンス(C. elegans)は行う。まさにえれ〜でがんす。その結果、先の化合物が無毒化されることになる。加えて合成できたグリコシドのホスホリル化も施すことができる。また核磁気共鳴スペクトル、質量分析によって多段階な毒素の代謝経路も同定された。これらの理解をさらに深めることで、寄生性の線虫に感染した時に利用されている既存の医薬品の効果の向上にもつながる可能性もある。線虫についての考察、千里中央でもやってみましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 3, p. 33.

DOI: 10.1021/cb300520u

12.12.24

| | コメント (0)

栄養素のひとつ

 コリン不足で、怒りんぼうになるかどうかは知らない。ただ腸内細菌はこれをトリエチルアミンとアセトアルデヒドに分解するが、この変換は1910年に最初の報告がなされ、魚のような体臭を発する疾病と関連する代謝経路の始まりである。がその詳細が100年来の謎だった。今回、コリンと似た分子であるエタノールアミンを分解するものと類似の酵素を持つコリン分解微生物のゲノムが解析され、グリシルラジカル酵素をエンコードしている遺伝子を含む一連の遺伝子が見つけだされた。また遺伝子は魚臭のするトリエチルアミンをつくることも示された。バクテリアの電子常磁性共鳴法で、グリシンが中心にあるラジカルの存在も実証している。酵素はコリンのC-N結合を切断するが、この種の酵素は今のところ他にはない。この情報を基に、腸内の微生物が群がっている部分を解析し、これらがトリエチルアミンの関連する疾病と関わっているかどうかを決定することも出来るはずであると指摘されている。今回の成果は「コリンの変テコリンな反応」を理解するための大切な一歩である。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 3, p. 33.

DOI: 10.1073/pnas.1215689109

コリン:1-N,N,N-トリメチルアミノエタノール塩、四級アンモニウム塩でカウンターカチオンは塩化物、水酸化物イオンなど

12.12.24

| | コメント (0)

危険物取扱者免状を

 取得するためには試験を受ける。概ね各県で2回実施されて、危険物に関する法令、物理学および化学、化合物の性質や火災予防や消火の方法の項目の試験45問に答える。これら三つのうち後の二つは普段見聞きすることや一通りの問題を解いて内容を確認すればなんとかなる。それに対して危険物の分類、指定数量、建物からの距離などの多くは、あまり意識していないのでしっかりとインプットしなくてはいけない。できれば学生時代に取得しておきたい。ただし合格してもケアが必要である。10年前「免状の写真の書換、しんの?」と言われた。そういう決まりであると言う。慌てた。危険物ならぬ危険人物になったかと思った。すでに12年経過していた。近くの消防署に問い合わせて出向いた。幸い再受験することなく書換えることが、その時はできた。今回は忘れずにネットにある説明に従って書換申請書もダウンロードした。書換事項が四項目、氏名、本籍、写真それに「生年月日」だった。誕生日を変更した人を自分はまだ知らない。

 もしやと思った人は免状を早速確かめましょう。

12.12.23

| | コメント (0)

アーバンライナー

 朝でも昼でもアーバンライナー、野蛮なことは決してない。スマートでスムーズに二大都市である大阪と名古屋を結ぶ。私鉄の特急としては全国有数の長距離列車である。大阪鶴橋を出て東大阪から奈良県に入る。左手には畝傍山、耳成山、と「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の、衣干すてふ 天の香具山」と謳われた山も含めて、いわゆる大和三山が見えるはずである。車窓からの景色は、曇り空に加えて霧も深くて、なんにも見えんけんねえ〜と思っていると三重県に入った。全席指定のチケットはネットでもチケットレスで購入できる。表示された座席番号を控えておく。誰かと座席を引っ換えることはできるけど指定されていない座席に着席していると乗務員から尋ねられることもある。かつてはノンスットプで終点まで2時間以内で疾走していた時もあった。今は途中で停車する。次の停車駅は「津」。全国で最も短い市名である。使命感でダジャレを考えようにも難敵である。熟考むなしく。ついに津ぃに着いてしまった。

12.12.22

| | コメント (0)

水星の軌道を回る

 宇宙船メッセンジャー、何にもせんじゃあ〜ではない。水星の北極にある永遠に陰になっているクレーターが氷を含むこと、しかも多分、氷と有機化合物の混じったものであるという証拠を送ってきた[1]。太陽に最も近い太陽系の惑星であるため、水星は通常、相当にカラカラに干からびていると考えられてきた。しかし20年前に、地球にある望遠鏡によって、水星の北極および南極に、反射による明るい斑点が観測され、これが氷の存在を示唆していた。メッセンジャーからのデータは、明るい斑点と暗い斑点が、北極のクレーターにあることを教えてくれ〜ており、その辺りの温度は100ケルビン程度である。これらの斑点の位置は以前の観測結果と一致している。宇宙船の中性子スペクトロメーターによれば、明るい部分には水素が多い。また暗い領域は、揮発性の有機化合物がたまる場所であり、これらは彗星だった頃か、小惑星衝撃によって蓄積されたものと研究者らは考えている。クレーター観測に明け暮れ〜た〜成果である。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 3, p. 32.

DOI: 10.1126/science.1231106,10.1126/science.1229953, and 10.1126/science.1229764

12.12.21

| | コメント (0)

医薬品でも使われる

 ヘテロ芳香環化合物は、時に有機溶媒への溶解度が低く、タンパク質への配位子として作用しうる。これらの特性のため、医薬品にふさわしい分子として利用もできるが、さらにその構造修飾も検討されている。その中Baran先生らは、温和な条件下、スルフィン酸亜鉛塩がジフルオロメチルラジカルをヘテロ芳香環に組込むことができることを報告していた。それ以降、四つのタイプの亜鉛塩の需要増は特筆すべきであるらしく、Baran先生もバラ色である。それでもそこに留まらず、この化学を10種類のスルフィン酸亜鉛塩に広げ、道具箱とし、これから取り出した反応剤を使って、50種類の新規化合物を含む52種類を導いた。既知の化合物については、現在3500ドル/1 gのものを1.1ドル/1 gから提供している。収率はそれほどではない場合もあるが、反応時間は短い。さらに溶媒として細胞溶解液、ウーロン茶も利用できる。む〜ろんウーロン茶を初めから使う人はいないけど、この成功例は、多くのものが混ざった溶液でも期待の反応が進むこと、ラジカル種とへテロ芳香環との反応性の高さを実証している。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 December 3, p. 7.

DOI: 10.1038/nature11680

12.12.20

| | コメント (0)

二分子衝突の

 詳細を理解するためには、原子あるいは分子の散乱の量子状態の動力学を知る必要がある[1]。でもそれには今の計算法あるいは実験法では多大な費用もかかる。これまで最も複雑なタイプの衝突で科学者が特徴を明らかに出来ているのは、水素のような等核二原子分子である。これなら「逃げんし」よいのかもしれない。が新しい実験では、二つの二原子ラジカル、すなわちHO•NO•の間の衝突の動力学を精査した。ちなみにこれはコンピューターでは詳細を明らかにはできていない系である。実験ではこれらのラジカルのビームを衝突させ、回転とスピン軌道の非弾性散乱衝突断面積を観測した。この実験結果は、比較的単純な理論モデル、それらは長期の相互作用を取り扱い、短期間の効果に伴う複雑さを避けているものだけど、それと一致することを示していた。コンピューターの能力が追いつくまで、この理論的取扱いは別の複雑な衝突、たとえば宇宙化学で、極めて重要な役割を果たすラジカルを含む系を対象としうることを、この結果は示している。単純モデルももてるか。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 26, p. 31.

DOI: 10.1126/science.1229549

12.12.19

| | コメント (0)

傘の開いていないマッシュルーム

 嵩張らなくてよいかもしれない。でもある種の微生物によって腐敗病になってしまうことがある。その結果、かさかさとは真逆の、どろっとしたひどく悪臭のする状態になる[1]。ただしこの伝達物質がわかっていなかった。そこで研究者らは、マッシュルームが罹患する可能性のある微生物の遺伝子を取り出し、一連の確かな遺伝子を発見した。ただしそれらは実験室で培養したバクテリアでは不活性だった。代わってマッシュルームをスライスしたものの質量分析を行い、その統計ファイルから伝達物質を発見した。研究者らは、その分子をジャガリシン(jagaricin)と呼んでいるが、環状リポペプチドだった。ジャガリシンをマッシュルームにスマッシュするが如くに加えると、腐敗病で見られるような病斑が生じる。なお、ジャガリシンじゃが、単独では作用シンらしい。また研究者らは、マッシュルームは菌類であるため、ジャガリシンが、いわゆる毒キノコに対して有用かどうかもチェックしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 26, p. 31.

DOI: 10.1002/anie.201206658

12.12.18

| | コメント (0)

トマトの防衛兵器の

 構造式も併記されている[1]。コナジラミ、ハダニ、アブラムシは、グロッサリーストアに陳列されるトマトを食い物としている昆虫の類である。フルーツも餌食とし、530億ドル産業である船の積み荷全体を破壊しうるウイルスを広げる。このような状況の中、研究者らは、野生のトマトの変種で見つかった草食動物を騙すことができるテルペンである7-エピジンギベレンを、耕作されているトマトに再導入するために、どの遺伝子がその生合成に含まれていたかを同定した。ついで遺伝子工学と伝統的な品種改良で、遺伝子を商業用のトマトの苗木に組込んだ。その結果、木は7-エピジンギベレン[2]を茎や葉っぱのみで生産し、果実には蓄積していなかった。なので「トマトフレーバーを振り返れ〜ば〜」変化していないはずである。ちなみに7-エピジンギベレンの立体異性体の一つが、バジルやターメリック、ショウズクには存在するが、それはトマトを食する草食動物を不快にさせることはない。動物たちは異性体とは居ていたいらしい。

[1] Chemical & Engineering News 2012 November 26, p. 31.

DOI: 10.1073/pnas.1208756109

[2] 7-epizingiberene (C15H24).

12.12.17

| | コメント (0)

混雑する新快速

 座席の間で、つり革を持って立つ。左手に座る高校生、所狭しと、電子辞書を持って英語の勉強。今月半ば以降のスケジュールが目に入る。タイトである。対等に同学齢と競うためには必要なのかもしれんけど、なかなかご苦労様である。大学生になったら「しばし、多いに遊べ」と言ってあげたい。ぼや〜んとつり革を持っていたら、足首から少し上の辺りに衝撃を受けた。「うっ」と声を出してしまった。でも感触は柔らかだった。後ろを見ると女性客が気を失って倒れている。全く意識のない様子。別の女性客が声をかけて起こそうとする。一瞬正気に戻った。座席を譲ってもらうも、ほとんど倒れかけで着席「少し落ち着きました」とのこと。駅についたので、自分の荷物を少し移動した。その瞬間、自分の荷物に寄りかかっていた荷物から板チョコが二枚飛び出してしまった。こりゃ〜痛〜チョコやと思った。先の席を譲られた方のバッグである。幸い本人に戻ったけど、甘くて苦い経験だったに違いない。

12.12.16

| | コメント (0)

選挙日当日

 投票に行けないかもしれない。で期日前投票に行った。随分前は市役所だけがその場所だったので、「投票所、遠ひょいでしょ」と思いながら時間をつくって出向いた。ここ最近は、月から金曜日は、近くのコミュニティーセンターへ行けばよい。まずは宣誓書に記入。これは先生であろうがなかろうか必須。投票日当日、投票所に出向けない事情を選ぶ。その後は通常の選挙と同じである。選挙人名簿と照合する。整理券にはバーコード。それを発明された方がお亡くなりなったというニュースと重なる。特許取得するも早すぎた発明だったらしい。60年代に特許権を15千ドルで売却。お陰でこれほど普及しているのかもしれない。選挙に戻る。「小選挙区、比例代表、国民審査、三つとも今日なさいますか?」はて?と一瞬戸惑った。分けることもできるらしい。でも足しげく通うこともないので、一回で完了させてもらった。

 皆さん是非行きましょう、投票に。「うひょ〜」という結果はないかもしれないけど。

12.12.15

| | コメント (0)

筋肉のようなナノチューブの糸

 材料科学者は、糸(YARN)を一本あるいは二本を紡ぐことで強い糸をつくる。たとえば糸の重さの10万倍の重さのものの持ち上げが、いとも簡単にできる「より糸」である。ただしこの場合には、まさに糸を編んでいく方法である。それに対して、多層のカーボンナノチューブをもとにした糸で、重いものを持ち上げることができる筋肉の様に働くものが開発された。持ち上げる行為の鍵は、これまでは糸を取り巻いているものが液体の電解質であったものを、ワックスの様な固体の充填剤で置換えた点である。電気を使いワックスを融かすことで、糸はねじれ、物体を持ち上げる動きが起動する。他の充填剤は化学吸着や照明によって糸のねじれが生じる。また糸を羽根に取り付けることで、2百万回以上の可逆の回転でおよそ11500rpmの速さのローターもつくり出している。さらに電気的に作動できる投石機にも展開している。これら筋肉糸は、ロボットやカテーテル、マイクロモーター、マイクロ流体回路のためのミキサーなど様々な応用を見据えることができる。NANOTUBE YARNS、「いや〜ん」じゃないよね。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 19, p. 38

DOI:10.1126/science.1226762

12.12.14

| | コメント (0)

貴金属を使って

 人髪を染める方法が開発された[1]。染められた金の髪は青い光の中では、赤色蛍光発光する。赤色蛍光は金がナノ粒子を形成し、髪のシステインアミノ酸にあるイオウと化学的に結合することと関係している。青い光がナノ粒子に照射されると、励起した電子が表面プラズモンを形成し、それによって発光がもたらされる。ただし近くのヘアサロンに急ぐ前に次のことも考慮に入れてほしい。白い髪を染めるためには7時間を要する。で16日後に金色がかった色が出てきて、パーマネント蛍光の赤いアクセントを得る。さらにアクセントのために悪戦苦闘する。たとえば毛染の過程では、クロロ金酸(HAuCl4)と強い塩基(pH12.5)が必要で、これはこれまでのアルカリ毛染めよりも遥かに腐食性のある条件である。さらにアンモニウムチオグリゴシラート([NH4][OC(O)CH2SH])pH9,10の条件も必要になる。プラス面としては、髪の毛に沈殿する金は法外に高いわけではない。長い髪の場合には30ドルほどらしい。それでもこのヘアケア、平気やあ〜という人は少ないと思う。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 19, p. 38.

DOI: 10.1021/nl303107w

12.12.13

| | コメント (0)

シナジー(synergy)

 なじ〜みがない人もいるかもしれない。二つのものが共同することで1+1以上のものを導く効果である。研究者らは、有機合成化学とポリマー化学の間のシナジーを利用して構造的に均一のポリフェニレンの合成法開発に成功した[1]。これらの高分子は材料科学の分野、たとえば有機ELのための薄膜など、での応用が追う様に増加し続けている。テトラメチルピペリジンが基本骨格となるTEMPOと呼ばれているラジカルあるいは空気中の酸素がアルキルあるいはアルコキシ置換のヨードアレーンGrignard反応剤を酸化する。続く重合は、交差機構で進行し、成長する高分子鎖の活性末端はアニオン性、ラジカル中間体と新しいモノマーユニットを加えるたびに交互に変化する。研究者らはこれまで、科学的にアニオン−ラジカル交差あるいはその逆の制御は行ってきたが、今回の系は、これら二つを規則的に交互に変更する初めての例である。しかも高価であり得て、ポリマー構造をこわしかねない金属の混入を避けるための洗練した精製方法を採用する必要がない。これによって活性な官能基で末端をキャップしたポリ(メタあるいはパラフェニレン)、ポリナフタレンやスチレンのブロック共重合体が提供されている。Murarka先生らの成果に人も群がるかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 12, p. 28.

DOI: 10.1002/anie.201206096

12.12.12

| | コメント (0)

海中の化石は

 メタンガスを海底に放出するものの、ほとんどのガスが海面や大気に出ず、それを見たん人もない。代わって海底堆積物に住む微生物がそれらを消費しているが、その機構ははっきりとはしていなかた。過去数十年の研究では、嫌気性でメタンを栄養源とする古細菌と硫酸還元バクテリアが共同してメタンを消費していると考えられていた[1]。この機構ではメタンの酸化と、水素あるいは電子をバクテリアに伝達する有機化合物が含まれ、これが硫酸塩を還元するとしていた。これに対して今回の成果は異なるモデル:「泥火山の堆積物から培養した微生物種の研究を行い、古細菌はメタンの二酸化炭素への酸化と硫酸塩のS(0)への還元の両方を行っている。還元によってスルフィドが豊富な環境では、コロイド状になった硫黄のいくらかがHS2-に変換され、海底のバクテリアがそれを消費しスルフィドや硫酸塩に変換している」ことを提案している。研究者らは現在、この硫酸塩をS(0)に還元する酵素やこのプロセスの中間体の解明を行っている。まさに希望を持ち続けた地球規模の課題へのチャレンジである。インパクトのレンジも大きいか。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 12, p. 6.

12.12.11

| | コメント (0)

雪景色の中

 会場へ向かう。少し前傾の体勢のほうが危うくはない。講演では「そんな安定なリンラジカルがあるとは」とか思っていると、サンプル瓶に不安定化学種が収まっている。化学種の学習も終えて、盛岡のそば「わんこ」と思った。でも「わんこそば」は忙しいとのこと、反抗することが難しいらしい。確かにそばで「そば食べ」を見ていても臨場感があった。午後の講演、講演賞、ポスター賞の発表、お世話していただいた研究室・スタッフの方々の紹介、いつものシーン、でも改めてジーンとくる。お礼を言ってこの日の宿へ向かった。雪景色である。聞いた話では、積もった雪が凍ってしまって雑木が凍る地域はよほどの冷えがあるという。「ひえ~」確かに寒い。でもお世話になった宿では多くの人たちが団欒を過ごされていた。川沿いに積もる雪、議論もつもる。フィギュアのGPファイナルに感激しつつも、締切せまる原稿のフィギュアも頭によぎった。翌朝「おくりびと」の冒頭シーンの如くの中、帰路についてしまった。次こそ、宮澤賢治さんにお会いしたい。

12.12.10

| | コメント (0)

特別講演が始まって

 およそ10分、なんだか床が揺れ始めた。討論会は、県民情報交流センター、通称アイーナ、あ〜いいなという感じの立派な建物の7階で開催されている。贅沢に確保した吹抜け、透明ガラスのエレベーター、会場の反対側に出ると、足下から天井まで全面透明の窓、そこから街の様子が見える。その会場が揺れ始めた。会場内天井に設置された沢山のスポットライトも揺れる。落下物に注意、とは対応策が咄嗟には浮かばない。会場内では何が起きたかをインターネットで調べている先生方も見えた。それでも状況がわかんない。館内緊急も入る。討論会は続けてとよいとのことで講演に戻った。で説明をしようとすると館内放送の声に遮られる。この状況が何度か繰り返された後、講演者も話に集中することができた。ジインの分子内環化でチタノセンを合成しそれからホスホールを導く。前例のないホスホール合成に留まらず。電子輸送材料から有機薄膜太陽電池まで展開されていた。聴衆の心も揺さぶる講演に地面の揺れを忘れていた。終了後、非常階段を使って会場を出た。

12.12.9

| | コメント (0)

こまち

 で盛岡に向かった。東京駅にて、のぞみからこまちへ乗換え、困っちまうこともなくスムーズに移動できた。でも「こまち」に「はやて」が連結されている。これが流行っているのか、速いってかは知らない。新青森、秋田に向かうけど、道中盛岡までは一緒である。これらは違った色合いで旅情を刺激する。走り出してしばらくすると、右手には埼京線の列車、愛嬌で手を振るも気がつかない。家路を急ぐ人たちが過ごしておられる様子。夜のとばりが寂しく降りる。全席指定で切符と同じ席に座っていると検札はないらしい。大宮を過ぎてしばらく走ると外は暗闇が広がる。少し明かりが点在し始めた。この辺りに住まわれる方々は今もご苦労なさっているに違いないと思う。さらにしばし過ごすと人の動きが慌ただしくなってきた。仙台駅到着間近である。ここからは空席が目立つ車内かと思いきや、北へ向かう乗客が多数、乗り込んで来られた。皆様、盛岡まで、ご利用かな、などと思っていると、再び列車は急加速し始めた。

12.12.7

| | コメント (0)

フランスの

 Grotte du RenneSaint-Césaireの遺跡にある、石器、骨でつくられた遺物や身体の装飾品の隠し場所は、40000年前までにネアンデルタール人によってつくられた。ということがドイツ、ライプツィヒにあるマックス・プランク進化人類学研究所の研究者によって報告された。研究者らは加速質量分析により炭素14を用いた年代決定を行い。40品目ほどの遺物の年代が、その場所で見つかっているネアンデルタール人の骨格と同じであることを示した。これまでこれを彼らがつくったのか現生人類がつくったのかが議論の対象であったけど、人類はネアンデルタール人の後に、この地に来たことの証拠が示されている。今回のデータはネアンデルタール人が装飾品を作成していたことを示しているが、自分たちでその方法を考案したというより、人類からノウハウをコピーしたように思われると研究者は指摘している。なぜなら、人類が西ヨーロッパに到来した後に、彼らも、装飾品の作成、そうしょうと始めたためである。古代の謎解明は遺跡から、成果は一石二鳥。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 5, p. 31.

DOI: 10.1073/pnas.1212924109

12.12.7

| | コメント (0)

脂肪族、芳香族アミンは

 農薬、医薬分野では、いい役を果たす重要な反応剤である。多段階の変換反応によって、これらのアミンは導かれているが、金属残留物の除去の課題、さらにある種の官能基は反応条件ではもたないので、もったいないことになってしまう。そんな中、O-(2,4-ジニトロフェニル)ヒドロキシアミンを利用して数グラムの一級芳香族アミンを直接アリールボロン酸から合成する系が開発された[1]。研究者らの計算によれば、アミノ化は、アリール基の移動挿入によって進行している。一方別のチームはメトキシアミンとブチルリチウムの組み合わせでピナコールボランからアミンを得ている。ピナコールボランは多くの他のホウ素化合物より安定で、これまではアミノ化反応は進行しなかった。それとは対照的に今回の反応剤はアリール、アルキルピナコールボランのどちらともグラムスケールの反応が可能で、アミンの窒素に隣接する炭素の立体化学も保持されている。これらはKürti先生、Morken先生らによって別々に開発された成果である。Morken先生、次は「儲けんと」いかんか。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 5, p. 31.

DOI: 10.1021/ja309637r and 10.1021/ja305448w

12.12.6

| | コメント (0)

Tea ceremony(茶道)を

 シアトル在住の頃に学んだ。当時、裏千家が経費を賄って様々な都市にお弟子さんを派遣していたという。シアトルもそれにあっとる街だった。なので先生の茶道・華道への造詣は今も深い。テキサスに移って8年、たぶんロマンスが成就した頃ではないかなとも思う。ユタ大学のJACSオフィスから年間400を超える投稿論文が送られる。クリスマス前の投稿数は増加する。投稿がスタートではあるものの、とりあえずクリスマス前に済ます研究者も多い。取扱う論文の半数は中国からの投稿、これを含めて、できる限りの公正な審査、審査員へも負担をかけすぎないことを心がける。さらに今ではJACSはすべての投稿者のe-mailアドレスを要求しているものの、一人がいくつものアドレスを保有できるので本人かどうかわからない点,課題である。でそこでJACSをよりよいJournalにするために何が必要かと言う質問をもらった。自分は「Constructive opinions from reviewers」とお答えした。他にも盛りだくさんで、会食の終えた頃、ホストの先生もほっとされたに違いない。

12.12.5

| | コメント (0)

Ullman反応の発見から

 すでに110年が経過している。ハロゲン化アリールのホモカップリングを金属銅が引き起こす。Ultra man反応ではない。ただし今回、UllmanC-Nカップリング反応の条件が最適化されてウルトラな系に育った。10 mol%の銅触媒存在下、ヨードベンゼンとリチウムカルバゾールを室温アセトニトリル中で反応させる[1]。ここに小型の13W蛍光電球あるいは100Wの水銀ランプを照射することで期待の生成物を得る。Houk先生が把握した反応機構は、一電子移動機構を含んでいる。反応は、光子が銅錯体からハロゲン化アリールへの電子移動を促し、炭素-ハロゲン結合が切断されて、ラジカルイオンペアが生じ、ついでC-N結合形成が進行する。別の過程として光誘起を経ないUllmanカップリング機構を含み、炭素−ハロゲン結合の切断と銅への付加が協奏的に進行する。今後はこの新型のUllman反応で、売るもんが生産されることが期待される。

[1] Chemical & Engineering News, 2012 November 5, p.8.

DOI: 10.1126/science.1226458

12.12.4

| | コメント (0)

飛騨牛

 地元とはいえ普段は食さない。数年前、高級品だと言われて購入して「旨い」と味わった先生が、その会社がまがい物を販売していることを知ってショックを受けられていた。この日は本物である。会食の前に挨拶をとのこと。皆さん、中には遠くからこの地へお越しいただけたことに感謝。ついでその日から師走。「し忘れたことをやりきる月」と話が尽きないと困るので、乾杯をさせてもらった。まずはタンを焼く。これでドレッシングか何かで味つけたネギを包む。舌を巻く。美味に舌鼓をうつ。それでもレモンも欲しい。入れもんとレモンをお店の人にお願いした。どんどんと供される肉類やサラダ、お皿に盛られている。ご飯もいただいた後、バスでスポーツプラザに移動。研究会が続いた。自分たちが発見した反応を県外で初めて適用していただいた先生にもお会いできた。日本の20代、30代も元気はつらつだった。これを50代が台無しにしてはいけないと退散した。

12.12.3.

| | コメント (0)

ベンガルール国際空港から

 帰国の途についた。3都市5カ所の研究機関の訪問。入国した当初は、(I am) excitingsurprised だったのが、途中からimpressedになって最後はshocked very muchだった。充実した設備や研究費の豊富さもさることながら、お会いできたすべての方々が、多いに元気で自由闊達。自分の化学をクールにわくわくしながら伝えようとする。学生たちが先生に敬意を払うと同時に、どの先生方からも、日本の片田舎からきた自分を手厚くもてなしたいという気持ちがビシビシ伝わってきて、時に身体が震えた。講演した後に、ピンポイントで研究の独自性を高く評価してもらった時には、返す言葉もなかった。すべては5月下旬にIla先生、岐阜大学訪問の折、新幹線を待つしばしの間に、インドの地図を書かれてインド訪問を強く誘っていただいたことから始まる。まさかこれほど貴重でかつ実り多い経験をさせていただけたとは、感謝の言葉もない。それでも「次は北インドね、期待んしてるわよ」と再び誘われた。

12.2.2

| | コメント (0)

30 cmほどのプレートに

 白ご飯、ガーリックライスやナンを盛る。様々な種類のカレーベースのおかずが大鍋で供される。それらを好みに合わせてステンレス製のカップに入れる。カップを先のお皿の上にのせて食事になる。ナンになんなりと盛り合わせて包み込む。ただしカップに盛ったカレールーは、ジャガイモや大豆、なすなどをベースにした粘り気のあるタイプからしゃぶしゃぶのスープタイプなど様々。香辛料の効いたルーも多い。食事で失敗しないようにとスパイシーなものも口に運ぶ。バイ菌とも、ばいばいさせてもらえると妄信。ホットな味に身体は火照る。これが食欲をそそり、気がつけば食材を随分と口にしている。生のニンジン、タマネギのスライスをライスと混ぜてもよいし、嫌いですという場合には控えるとよい。最後にアイスクリーム、ヨーグルトも奨められるけど、これが日本人には危ういという話を聞いたので遠慮してきた。化学構造式が複雑な糖鎖系を身体は通さへん。もっと単純なたとえばC2H5OHがよいと伝える。初めに書いたプレートの代わりに、あるレストランでは横幅が40 cm以上もある深緑のバナナの葉っぱに盛りつけたこともあった。ヴェジタリアンならではという。こちらでは地域、特に北インドと南インドでは、違った味つけのカレーがふんだんにある。日本に長くいたという研究者の一人は「インドのカレーは日本のみそ汁みたいなものです」と話してくれた。

12.12.1

| | コメント (0)

« 2012年11月 | トップページ | 2013年1月 »