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2014年3月

身近な発光体と言えば

 道頓堀「グリコ」、関西人である。稀少元素であると言われていた希土類、最近ではたとえば、「Eu400年使ってもなくならない」らしい。もちろん貴重品である。光電産業を支える重要な物質、少しでも賢く使いたい。発光現象では「分子が、ある波長の光で励起されて、それよりも長い波長の光が出る」ただし光の放出で基底状態に落ち着くのとは別の経路、いわゆる無放射過程も含む。その反応速度を小さくし、放射過程の速度を少しでも向上させる必要もある。材料として、300 °Cでも丈夫な熱耐久性を持たせ、温度に対して発光色が敏感に変化できるものを作成、感温塗料としての応用を見据える。宇宙船が、大気圏に突入、大変危険である。その温度測定に先の塗料を使う。色の変化は、分子に組込まれた二種類の希土類元素の、どちらが発光の主役になるかに依存しているらしい。大胆な射程、緻密な分子設計・合成・機能発現と向上。これに始まった躍動感ある講演に浸った[1]。「光、もっと、ひっかりと学ぶべし」と痛感した。

[1] 2014.3.30「ルミネッセンス化学 アンサンブル:新学理 から花開く革新的発光化学」を拝聴した。

2014.3.31

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クレイジーアント vs ファイヤーアント

 ジャイアントなバトルかもしれない[1]。テキサスはもともと、ファイヤーアント(FA)の縄張りであった。それが名ばかりになる事態に至り始めている。FAは有毒なアルカロイドであるイソソレノプシンA[2]を放出する。なので通常のアリは、それを避ける。それに対して2008年に大量発生した黄褐色のクレイジーアント(CA)FAに挑む。餌を仕掛けた場所に二つの種を入れたところ、FAが獲得しようとする餌をCAが奪う行為に出る。そこでFAは毒アルカロイドを出す。それを浴びたCAは、一旦引き下がり、自分の身体からギ酸を放出し、それを身体に塗って、しばらくして再び戦いに戻る。実際、他の多くのアリと同様に、CAもギ酸を毒として利用している。ここで研究者らは、CAにとってギ酸は毒でもあり解毒剤でもあると考えた。そこでマヌキュアを使ってCAのギ酸放出経路を塞いだところ、FAとの争いの中の生存率が低下した。ここでギ酸の役割の一つとして、FAの毒を中和し、アンモニウム塩を形成することで、脂溶性が低下し、CAの細胞に浸透しにくくなる可能性も指摘されている。アントと、たん〜とつきあった成果である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 44.

DOI: 10.1126/science.1245833

[2] トランス-2-メチル-6-ウンデシルピペリジン

14.3.30

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春季年会は

 関東地区で2年、関西地区で1年のサイクルに、名古屋での開催が、とりあえず今回、加わった。かつては学会開催が大学の宣伝も兼ねるみたいな風で、担当していただけた大学もあったと聞く。でも昨今は、同じ時期に、部活動イベントもぶつかるどう、など会場の確保に苦慮されることも多い。およそ3000人が一同に会する。名古屋大学は広大なキャンパスに、理学、工学、文系学部が、概ね同じ地域に配置し、会場数の確保も無理ではない。それでも点在する会場移動に時間がかかるときもある。自分の場合、「紙のサイズ」ならぬA3とB5を5分程度かけて行き来する。息切れもする。さらにポスター会場へは15分程度の行程を経る。ここで買うていきたいと「コンビニ」も配置されている。幸いにして移動の高低差はあまりなく「道が凍っているさ」ということも、この時期はない。開催をサポートするアルバイトに、アリバイをとられた。本学を卒業したばかりの学生さんが受付にいた。

14.3.29

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第94春季年会にあわせて宣伝二つ

 そんなん、せんでんいいん、という声を後目に。

 日本化学会速報誌、欧文誌ホームページ・リニューアルが提案されました。学術情報部のスタッフの方の昼夜を問わない努力に、様々な支援があって、326 Webリリースしました。見るのはフリーすです。是非、お楽しみください。たとえば「Chem. Lett.ケミレタ、見れた」をネタにしてください。

http://www.journal.csj.jp/chem-lett

http://www.journal.csj.jp/bcsj

 昭和の頃、大饗先生編「有機硫黄化学」という教科書が出版されました。すでに30年以上が経過しています。そこでその平成版を希望される声、執筆したいという声を、化学同人がキャッチし、書籍作成の案が数年前に、出されました。村井君も編者の一人として、声をかけていただきました。昨年末から初校が仕上がり、化合物名や図の中の表記などなど、すべての章を、二校、三校と目を通して、消費増税前、年会の機に、皆様に披露できることになりました。まずは、体育館にある「化学同人」のブースで、ご覧ください。妙齢の方のお誘いがあっても、同人前では、動じんように、すればオーケーです。

13.3.28

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腎臓障害の人の

 血液を無毒化する方法のひとつに、透析がある。遠い親戚ではない。この過程では蓄積された毒、特にクレアチニンから、半透過性の膜を通して、血液は浄化される。ただしこの方法は時間がかかり、高価でもある、また装置も扱いにくい。その中日本の研究者らは、血液からクレアチニンだけを、「くれや、あっちにん」が如く、選択的に吸着するゼオライト高分子材料を開発した。これは水を浄化する方法をヒントに、その毒を選択的吸着できるゼオライトと、血液と相性がよい高分子であるポリ(エチレンビニルアルコール)とを、エレクトロスピニング法でペアにした。得られたナノファイバー材料は、薄くて時計サイズのウエハーにすることもでき、小型の浄化システムとして身につけることもできる。ただし現段階では、臨床応用できるまで、吸着の容量は大きくはないけれども、材料を調整することで、ファイバーの表面積を拡大しうる。研究者らは、腎臓に含まれる他の毒も捕捉できるように材料を改良する方法も探索している。この系、無尽蔵に広がりますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 39.

DOI: 10.1039/c3bm60263j

14.3.27

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傷ついた時

 ニュートロフィル(neutrophils、好中球)と呼ばれる細胞が、免疫系の中で最初に応答するものの中にある[1]。これが負傷した部分に到達すると、外から侵入してくる病原体を、その細胞が取り囲み、それを死滅させる化合物を放出する。ただし時に、ニュートロフィル自身が細胞組織に長居をしすぎて、傷が癒えることが難しい場合があって、関節リウマチのような慢性の炎症疾患になることもある。これを改善するために、ゼブラフィシュの幼虫に、遺伝子工学で蛍光発光できるニュートロフィルを組込んだ。ついでそれを傷つけ、魚が泳ぐ水の中に、様々な化合物を加え、蛍光細胞の様子を観測した。その結果、ニュートロフィルを傷ついた部分から解放させることができる有望な分子の一つはタンシノンIIAであった。これは中国の医薬用ハーブであるタンジンに含まれている。研究者らはその薬剤の作用機序の解明と抗炎症療法の開発に続けたいとしている。いわばタンシノンと楽しんで、「前途有望なタンジンが、いたんじん」ことを発見したようです。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 39.

DOI: 10.1126/scitranslmed.3007672

14.3.27

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気候科学者が

 解決困難な課題の一つは、気候モデルが、空中の有機エアロゾル粒子の量を低く見積もっていることである。実際それらが、もやや雲を生み出し、太陽から地球への照射が行き渡るのを妨げている。森から自ら発せられる揮発性有機化合物が、これらのエアロゾルのもととして重要であると考えられているものの、これらの化合物が固体粒子になる正確な機構を、聞こうとしても答えがない。国際的なチームがこの課題に挑戦し、森から発生する揮発性化合物とりわけα-ピネンの様なテルペンの速い酸化が、この不可解なエアロゾル生成の重要な機構の一つであることが報告された。実験室で、寒帯の森の大気を模倣し、実験を行ったところ、濃縮されたα-ピネンや他のテルペンの酸化は、わずか数種類の酸化反応だけが必要であることが明らかになった。研究者らは、大気で観測されたことと、求むられるボトムアップなモデルとのギャップを、わずかに縮めることができただけであると、述べている。森からテルペンがどっかいっテルペンである。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March, 3, p. 38.

DOI: 10.1038/nature13032

14.3.26

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メタノールは現在

 COCO2さらには、石油由来の水素ガスから、工業的に大スケールで製造されている。この商業的方法では、Cu/Zn0触媒を高圧で使用しており、条件が変わるとメタノールの収率低下と高濃度のCOが副生してしまう。一方で理想的な方法として、CO2と太陽光によって促進される水の分解から発生する水素ガスからメタノール製造ができれば、それは安価で持続可能な燃料や化学原料として供給することができる。その中、計算科学の手法にメタノール製造を頼〜むことにして、解析したところ、Ni-Gaの合金が見込みのある系であることがわかった。その結果をもとに様々な合金が合成され、実際に触媒としての性能を確かめたところ、Ni5Ga3が常圧で、CO2H2をメタノールに変換することがわかった。しかもそれはCu/ZnOよりも優れた結果で、副生するCOの量も少なかった。Ni-Ga調製での、苦~い経験に基づいているかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March, 3, p. 38.

DOI: 10.1038/nchem.1873

14.3.25

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X線構造解析で

 単結晶がなくてもよい方法が日本人研究者らによって以前開発された。有機構造体いわゆるMOFに対象化合物を入れ込むことで解析する方法だけど、その段階では完璧ではなくて、海綿代謝産物の立体化学決定からは、退散せざるを得なかった。その中今回、MITのグループは、この方法を使って原子の結合様式を解明することができることを示した[1]。対象はCF3S化に使われるヨウ素化合物(2-フェニル-2-プロパノールでフェニル基のオルト位にヨウ素が組込まれた化合物とCF3S基からできている)である。以前の報告では、CF3S基と分子内酸素がヨウ素に結合した、いわゆる超原子価化合物であるとされていた。今回の結果では、CF3S基は酸素に結合し、ヨウ素は一価であった。ちなみに、この単結晶が不必要な測定法の難しさは、MOFの作成とそれを純度の高い溶液に浸してMOFの中に化合物を入れ込むことに、かなりの時間を要することである。結晶のこと、お化粧しているときにも、考えてみましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March, 3, p. 38.

DOI: 10.1002/anie.201310897

14.3.24

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ソマリア近くの

 海域を航行する。貨物と支援物質を積載する[1]20名ほどの乗組員、緊急対応の訓練中に怪しいボート、最初の接近は回避できた。二度目、4人のいわば海賊が船に乗込んできた。船長フィリップスの息子ほどの年齢である。船員を守るべく難事をのりきり、海賊の頭(かしら)を捕まえた。お金でことを解決して、救命艇で4人をお見送りしようとしたそのとき、お頭らが、おかしなまねをして、フィリップスが人質になってしまった。ここでも、人質の命第一で、金で解決して、海賊らとお別れする作戦になった。海賊とフィリップスが乗る小さな救命艇の中では、仲間同士の小競り合いもある。しかも大金を手にしたいという雰囲気が場を主導する。一方で一人の人質の救助のため、海軍の艦船にヘリが救命艇を取り囲む。フィリップスは立腹もせず、「最悪、自分もろとも皆も消される」というメッセージを発するも、彼らには通じない。救命艇の中の人の位置を把握する特殊部隊。お金の交渉のため、ボスが海軍の船に移動したその後、狙撃を受けて若い三人の海賊は落ちた。トム・ハンクス扮する船長の慟哭と、それを意に介さない医師のシーンが続く。

[1] ポール・グリーン・グラス監督「キャプテン・フィリップス」(2013).

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柑橘類のひとつ

 シトラス(citrus)、香りを知っておらす方も多い。ただしそれが細菌感染症を発症した徴候は、かんづきにくい。それが、カンキツグリーニング病(Huanglongbing, HLB)に罹患し黄色になった段階では、すでに隣接する木にも感染する可能性も高く、栽培者にとって早めの診断ができるシステムが期待されている。その中、ガスクロマトグラフィーと差異移動度分光分析を組み合わせた持ち運びできる化学センシングが開発された。これによって植物が発する揮発性有機化合物(VOC)を検出することができる。研究者らは、検出器を温室の中に置き、罹患していないシトラスと罹患したそれが放出するVOCの組合せに劇的な違いがあることを発見した。さらにフロリダの果樹園で16ケ月に渡って、感染した木からのVOCも測定し、元気な木と病気の木から発するVOCのパターンの統計的なモデルを構築した。ついでこのモデルを使って、その病が、はやり始めていた他の果樹園で、すべての木の感染の程度を予測した。装置は試作品段階であるが、いかにHLBを早期に発見ができるかをさらに研究中である。VOC測定は僕の任務です。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 11.

DOI: 10.1021/ac403469y

14.3.22

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階段で

 対談するわけでもない。快男児を目指すわけでもない。でもなぜか6階まで歩く日が続いた。「今日が最後かもしれない」と思って一段一段上がると、一致団結しようと身体の部品が調和する。それでもシーンは同じで、構造物に囲まれる。階ごとの踊り場に、有名絵画のレプリカ、話題の人の笑顔、はたまたアンパンマンポスターなんかがあればよいのに、とか思いながら歩くようになった。そのうち段数を数えるようになった。毎日同じである。1階から2階は11段、11段で、二階以降は、9段10段で、これが冗談ではない。実際である。ふむふむ、6階まで合計98段で、7階だと117段、ここで煩悩を通過できる。自分は6階で平行移動なので、煩悩を抱えたままエリアに入る。しかも「身体は、えりゃあ」という雰囲気である。98が頭に残って,周期表を見たら「Cfカリホルニウム」だった。次の日「水素、ヘリウム、リチウム」と数えながら上った。頭ものぼせた。別の階段も使う。同じ棟内、そう遠くない二つ、登り方向、左回りと右回りだった。一体どうして?と立体化学を学ぶ。

14.3.21

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簡単にフッ素原子を

 医薬品候補に、反応の後の段階で導入できる反応は、医薬品化学者にとって、非常に貴重な反応である。ただし電気陰性な元素であるフッ素導入をふくらそうとすることは容易ではない。しばしば反応が予想外の結果を生み出し、実用的でなく、過酷な条件、大スケールではうまくいかないなどの課題が生じる。そのなかBuchwald先生らは、薮の中から答えを得た如く、とりわけ従来法では困難な、含窒素ヘテロ芳香環の炭素-臭素結合を炭素-フッ素結合への変換を、達成した。Pd触媒、フッ化銀、フッ化カリウムに、配位子の選択が鍵である。ビス(アダマンチル)ホスフィン配位子が有効であり、3’-アリール置換基の組込みがさらにポイントである。この方法の利点は、還元生成物がほとんど副生せず、従来法ではその副生成物とフッ素化物の分離が不可能であるという問題が生じない。この発見は「単純なフッ素化剤を使って幅広い臭化物との組合せが可能であることから、真に革新的である」と感じんて、Jin-Quan Yuは、言う。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 10.

DOI: 10.1021/ja5009739

14.3.20

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フロー反応器で

 反応を行う際に、リアルタイムでその中で起こっていることを確認することは困難で、「こんなんである」と見せることもできない[1]。ただしそれが出来れば反応器や、エネルギー効率などを最大限にするために、触媒の分配方法も工夫することができる。その中、Toste先生らは、赤外吸収(IR)X線ビームを使って、15μmの範囲の反応器の中をモニターすることに成功した。実際には、金クラスターが触媒するビニルプロパルギルエーテルのアレニルアルデヒドへの転位、さらにそれがアルコールと反応してジヒドロピランが導かれる反応をフロー系でおこなった。IRが出発化合物と生成物をモニターし、X線ビームが触媒をモニターする。これによって、流速と反応器の中を通過する時間を調整し、生成物の収率と選択性を格段に向上させている。さらに、ほとんどすべての反応が反応器の入口付近で起こっていたため、触媒量を10分の1にし、それを反応容器の入口2 mmの所だけにつめても、反応性・選択性は低下しなかった。フロー系、風呂桶とは違う。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 9.

DOI: 10.1021/ja412740p

14.3.19

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気候変動について

 へんやどう」と感じている人も多い。その中、全米科学アカデミー(NAS)と英国王立協会が、共同で、2月末に、様々な異なる20の気候変動について、報告書をまとめた。これまでのNASの報告が専門家向けだったのとは対照的に、一般の人を対象としている。たとえば報告では、1, 最近の変動は人的活動によるものであると、科学者はどのようにして理解したのか、2, 全般として温暖化しているにも関わらず、なぜ冬や夏でさえも寒いときがあるのか、に加えて、海面上昇、大洋の酸性化、最近の数十年間の太陽の役割なども取り上げている。さらに報告は、今後もこの気候変動を避けることができないこと、できることは変化やそれによる苦しみを受け入れること、温暖化ガスの排出を抑制し、未だに実証されていない地球工学的な努力を追求することも、述べており、その影響を限定的なものにするために、何ができるかを議論する時であると、している。これに対してACSの政策提言では、温室効果ガスの削減のための研究助成、公的あるいは私的な投資を、保護、炭素隔離、非化石燃料源などのエネルギー技術に向けることが記されている。皆さん、気候について、もっと聞こうね。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 8.

14.3.18

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ヘパリン

 パリンと割れるかどうかは知らない。糖鎖が繋がった高分子で、血栓症などの患者さんの血液凝固を抑制できる効果がある。市販で入手できるものが3種類あるが、そのうち未分画ヘパリンと低分子量ヘパリンは、豚の腸から取り出されている。これは様々な様式の硫酸化でできた糖鎖の混合物であることを意味し、バッチによっては効果が不明である。さらに動物起源のためウイルスを含む場合もありうる。一方で市販のもう一つフォンダバリヌクスと呼ばれている五糖類は、合成品で純度も高い。ただし抗凝固作用が過剰になった時に、それを解毒することが難しく、腎臓障害を起こし得ること、化学合成に50段階を必要とする。今回、酵素を使った化学合成法を用いて新しいヘパリンが合成された。新しいヘパリンの特徴は12の糖鎖が連結していること、純度も高く肝臓で分解される。今後この肝臓で排出されることが確かめられると、腎臓に障害を持つ患者さんにも利用しうるが、血小板量の低下などの作用のないこともチェックする必要がある。ヘパリン研究、へばりんように、続けられている。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 March 3, p. 7.

DOI: 10.1038/nchembio.1459

14.3.17

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天然存在比が

 99.999%以上である4Heが、ふんだんにあることは選択の余地はない(only game in (helium) town)。それでも岩が形成される時に放出される3Heレベルの変化は、その地域の地質学的な歴史について多くのことを語っている。そこで研究者らは3He/4He同位体比を使って、地下水の年代を特定し、地質学的な活動を示すモデルを構築した。話は完結せんかもしれないけど、間欠泉で有名なイエローストーン国立公園。ヘリウムガス放出の速度と同位体濃度が測定された。その結果、ウランやトリウムのα崩壊で、地殻にヘリウムが生まれる一般的な速度に比べて桁違い速い速度で、4Heが放出されていることがわかった。この矛盾を説明するために、以下の提案がなされた:「イエローストーンにある岩の中では、数百億年もの間、ヘリウムが蓄積し、最近になって(とはいえ、2百万年くらいかけてであるけど)激しい地質活動によって、放出されている」えろ〜う素っ頓狂ならぬ、イエローストーンでのお話だった。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 24, p. 31.

DOI: 10.1038/nature12992

14.3.16

 

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きはだホール

 人の入りも際立っていた。鈴木章先生の特別講演、アルケニル、アリール、アルキルホウ素化合物を、それぞれのハロゲン化物とクロスカップリングさせる。そのうち立体化学が決まったジエンの合成。三価のホウ素化合物を使っても反応は進行しない。ただしこの化合物、湿気分があっても影響を受けずに、取り扱うことができる。一方で塩基の添加が必須である。アート錯体を形成する。三価ホウ素化合物では、ホウ素に結合するメチル基の電荷分布が、-0.04なのが、アート錯体では-0.22に変化する。これによって、トランスメタル化が進行する。立体化学を制御できた系を発表した後、ハーバード大学で講演をされた。岸義人先生のパリトキシン合成でも、ぱりっときまった。最後に、反応の特徴を述べられて、迫力溢れる83歳の先生の講演が完了した。しばらくしてホール外に出ると、年端もいかない少女に見つめられた。「こんにちは」笑顔「ホウ素の法則わかるかなあ〜」お母様も笑顔だった。小春日和は、こうあるべきである。

14.3.15

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着用できるエレクトロニクスや

 丸めることができるディスプレイの開発を目指して、しなやかな電気回路の研究が行われている。いくつかの研究グループが、固いシリコンウエハーにエレクトロニクスを組立て、それをスライスすることで薄層表面の構築を行っていた。ただしこの場合には、高価なシリコンあるいは組立法が必要だった。その中今回、比較的安価で、シリコンのよくある状態である単結晶シリコンが使われている。ウエハーの上は〜デバイス、さらに薄い二酸化ケイ素フィルムを表面全体に沈殿させる。フォトリソグラフィーと反応性イオンエッチングによって、酸化物フィルムとシリコンの上に5μmの穴をあけた。これをXeF2ガスにさらすと、それが穴から通り、ウエハー表面からミクロメートルのシリコン層にエッチングが施され、素子が組込まれた超薄い層が出来上がる。残ったウエハーを洗浄すると、再びシリコンを使うことができる。これによって0.5 mmの厚さのウエハーから25~50μmの厚さのスライスを6つ組み立てることができる。作成したスライスで、コンデンサ、トランジスタ、リチウムイオンバッテリー、熱を電気に変換する素子も組み立てられており、いずれも、しなやか品物やがな、であった。

[1] Chemical & Engineering News 2014 Feb. 24, p. 8.

DOI: 10.1021/nn405475k

14.3.14

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Gallivan先生らが

 ガリ版刷で発表された論文ではない。2010Nature Chemical Biologyに、除草剤であるアトラジンを発見し、それを分解できるバクテリアを、遺伝子工学で生み出すことができたと報告した[1]。その後、Gallivan研に新しいポスドクが赴任した。そこでその論文に記載の最も重要な部分の実験を行ったが再現することが出来ない。この相反する結果を判定するために、さらに別の博士研究員が採用された。同様に実験を試みたが、彼も再現することができなかった。そこでGallivan先生は、エモリーにあるリサーチコンプライアンスの事務所に、独自の調査を依頼した。調査の結果は、研究段階での不正行為の証拠は見当たらなかったものの、論文を取り下げる(retract)ことが妥当な対応であるということに同意していた。それを受けて、2010年の論文は取り下げられた。研究者らにとっては、エモリー大学での苦いメモリーになってしまった。たぶんそれ以上のダメージである。他山の石とすべし。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 24, p. 31.

14.3.13

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化学療法剤は

 悪性の細胞だけではなく、血液中を流れる間、正常細胞も攻撃し、脱毛、疲労、吐き気などの副作用を伴う。それに対してスコットランドの研究者らは、これを軽減させるために、化学療法剤を修飾し、化合物が標的とする細胞に到達した時にのみ、毒性を発揮できるような系を開発した。まず細胞に対して害を及ぼさないように手なずけるために、王様ならぬ、マスキンググループをガン治療薬に結合させ、ついで事前に触媒粒子をガン細胞に埋め込み、これとガン治療薬が出会ったときに、効力を発揮させるようにした。このアイデアを実証するために、化学療法薬である5-フルオロウラシル、中にはその裏も知る方もおられると思うけど、その窒素上にプロパルギル基を組込んだ。一方で、すい臓あるいは結腸直腸ガンの細胞を含むところに、Pdを埋め込んだポリスチレンマイクロ粒子を加えた。そこに先の修飾ウラシルを加えたところ、5日以内に、80%以上の異常細胞が死滅した。修飾ウラシル、Pd触媒粒子のみでは、細胞の死滅は観測されなかったことからも、脱アルキニル化で活性なドラッグが生じ、グッド・ラックを得たものと思われる。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 24, p 6.

DOI: 10.1038/ncomms4277

14.3.12

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芳香族化合物のシリル化で

 アリールシランを調製するには、100 °C以上の反応温度あるいは光化学条件が必要で、これらの反応の実用性には限界があった。一方、得られるアリールシラン中間体は、エン反応によって、より複雑な化合物にも変換でき、シリコーンポリマーの原料にも、入りこ〜んでいく。その中、Rh触媒と配位子をチューニングした結果、位置選択的反応が達成された。ヒドロシランとしてはHSiMe[OSiMe3]2を使い、水素受容体にはシクロヘキセンが選ばれた。紙面には、O-シメンの反応例が書かれ、このO-イソプロピルトルエンの反応では、イソプロピル基のパラ位にシリル基が組込まれた化合物を収率82%で与えている。10年以上前、宮浦先生らとの共同研究で、芳香族ボロン酸エステル合成を達成しているHartwig先生らの成果だけど、ケイ素の多様性、相対的に安価であることなどを考えると、より一層広がる可能性もある。ただ今後、ヘテロ芳香環を使った反応や官能基受容性も向上させる必要があると、先生は述べている。原著をみればさらに、シリル化の詳細を知りうる。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 24, p. 5.

DOI: 10.1126/science.1248042

14.3.11

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ハトに

 ハッとさせられる時もある。特に御法度ではない。米国内には様々な色合いのハト(Rock Pegion)が住む[1]。濃い赤色、藍色、様々な色調である。この色には三種類の遺伝子が関わっていることはわかっていたけど、それぞれの遺伝子の役割や色が出る機構についてはわかっていなかった。今回研究者らは、この羽毛にうも〜く隠された謎を解き明かした。三つの遺伝子を異なる組合せで変異させると、羽を色づける主なメラニン色素であるフェアオメラニンやユーメラニンの比率に影響を与えた。さらに興味あることに、これらの遺伝子は、人の色素欠乏症や皮膚ガンとも関わる可能性が示唆された。実際、三つの遺伝子のうち二つTyrp1Sox10は、黒色腫の治療の標的である。ユタで集められたたくさんのハトたちの血液や羽から得た遺伝子の配列が決定された。このハトにおける遺伝子と変異の複雑な相互作用を解明することで、人間の皮膚表面での問題についての全体像を広げることもできるかもしれない。新しい知見を、羽毛が生もうとしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 17, p. 32.

DOI: 10.1016/j.cub.2014.01.020

14.3.10

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スター誕生に

 すった〜もんだ」することはない。今回天文学者らは、星が生まれる時にその内部で起こる新しい型の化学過程を発見した[1]。これによって従来の星や惑星系が生まれる基本のモデルが書き換えられる可能性もある。研究者らは、チリ・アタカマにある大型ミリ波・サブミリ波アレイ電波望遠鏡を使い、新星が誕生しんせい」という領域近傍の研究を行った。そこは、星間雲からのガスの流れが送り込まれることで形成する平坦な回転する包からなり、中心の円盤上の部分はより密度が高かった。特に包と円盤の境界では、劇的な化学変化が観測された。包では主に、環状のC3H2を検出したけど、内部に移行すると突然減少し、SOに置き換わっていた。この遷移は、ガスが高速で回転する円盤に衝突することによって、環境が突然変化するためであると考えられた。ガスの速度エネルギーは回転エネルギーに変換され、多量の熱が生じる。それによって、C3H2Oによって壊され、ちり微粒子からSOがガスとして噴出していることが提案された。これまでは、太陽系の進化では、星間雲の組成は一定で、星を形成する出発条件であるというモデルであった。新しいモデルが、もう出る頃だったのかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 17, p. 32.

DOI: 10.1038/nature13000

14.3.9

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二酸化炭素の一酸化炭素への変換を

 安価な還元で有用な化学反応剤に変換できれば、温室効果ガスとして、過剰に存在するそれの課題解決の一助になり得る[1]。無機化学者はそのための触媒を設計することを目指しているけど、大抵の系は複雑な配位子が必要で、その合成に手間がかかっ てました。その中、MITCumminsらは、有機配位子から解放されている可溶なモリブデン酸塩がCO2を容易に還元することを明らかにした。ここでは[MoO4]2-が室温でCO2に配位し、不可逆的に、モノ炭酸錯体を形成する。過剰のCO2とは、錯体がさらにジ炭酸種を形成し、これは構造的に同定されたCO2から導かれたジ炭酸遷移金属塩の最初の例である。さらにモノ炭酸塩は、トリエチルシランと反応し、多くの化学プロセスで使われているギ酸塩(HCO2-)を与える。この成果は「これまで多くの化学者が、CO2固定のために、立体的・電子的に完璧に制御できる系を設計しょうとしていたこととは対照的に、直接的で見事に単純なアプローチで、同様の変換にリーチ(reach、到達)できている」と賞賛されている。いずれモリブデン酸の武勇伝になるかもね。

[1] Chemical & Engineering News, 2013 Feb. 17, p. 32.

DOI: 10.1039/c4sc00132j

14.3.8

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Food Babeとして

 知られているブロガーであるVani Hariさんが、2月4日ネット上で、Subway(サンドイッチ)で、弾力性をパン生地に持たせるための、アジドジカルボンアミドの使用を止めるように訴えた。彼女の談では、同じ化合物はヨガマットや靴のゴムにも利用され、健康不安もあり、ヨーロッパやオーストラリアでは使用が禁止されている、とのことである。別の食品会社もFood Babeキャンペーンで、ある材料を使わないように迫られている。PepsiCoは、ゲータレード飲料のなかの臭素化野菜オイルの使用を中止すること公表した。またKraft Foodは、子供用に販売している食品の中の染料黄色5号の使用を中止した。今回アジドジカルボンアミドに関するキャンペーンを、メディアも後押ししており、Subwayに、その使用を徐々に断念し、別の会社もそれに従うように、言明することが促されている。ただしその健康不安の証拠はほとんどなく、たとえばマクドナルドは、その材料を防御する声明を発表した。実際に、アジドジカルボンアミドは、発泡剤として、四方八方、1960年代からパンに使われていて、FDAによって安全であると認識されている。Subwayに、別の道があるのか、今後の課題である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014, Feb. 17, p. 9.

14.3.7

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分子機械に

 回転、歩行などを含む多種多様な動きをさせることは可能である。ただし微視的な動きを巨視的なスケールに変換することは、必ずしも容易ではない。今回、光に応答するバネの様な材料に様々な動きをエンコードすることで、この課題達成に一歩近づいた結果が報告された[1]。ナノ構造のバネは、アゾベンゼンで構成される分子スイッチでドープされた液晶高分子でつくられている。これは太陽光に反応して動く植物の巻きひげをヒントに発想された、新しい材料は、ねじれた配座を持つように設計され、切断するだけで、違った長さ、掌性、配向でラセン状になってリボンを形成できる。これは平凡ではない。カットされたラセンそれぞれは、紫外光に対して異なる応答、たとえば屈曲やヘリックス反転などを示す。違った動きをする二つのラセンをつなげて、2 mgのマグネットを前後に移動させることができるピストンのような機械も、組み立てられた。この成果によって、電線で送電、せんでんいい方法で、マイクロ流体を操作することも可能になるかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 10, p. 27.

DOI: 10.1038/nchem1859

14.3.6

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固相合成の

 構想が実現されてかなりの年月が経つ。今ではこれは、天然や修飾したペプチドの合成には、必要不可欠な方法である。ただし多段階合成のために、時間もかかり、得られるペプチドが少ないにも関わらず、かなりの量の廃棄物が生じる。たとえばアミノ酸が20繋がった化合物の100 mg合成は、24時間はりきっとると完了するも、数リットルの廃棄物も生じる。そこでマイクロウェーブ反応器を製造する会社の研究者らが、高効率な固相ペプチド合成法を開発した。それによって、サイクル時間が4分にまで短縮され、90%も少ない溶媒で、高純度でペプチドを製造できる。一般に固相合成は、保護アミノ酸をポリマービーズに結合させ、付加させるアミノ酸を加えていき、ペプチド鎖を構築する。この段階的なサイクルは、脱保護、カップリング、再保護段階を必要としていたが、今回、正確に制御した迅速なマイクロウェーブ加熱によって、ペプチドの会合を防ぎ、溶媒の選択によって、効率的な洗浄を可能にし、サイクル時間を短縮できている。この方法によって、4時間以内に、アシルキャリアータンパク質とアミロイドβペプチドが、93%までの純度で導かれている。人足(にんそく)不要の、迅速法である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014, p. 27.

DOI: 10.1021/ol4036825

14.3.5

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1970年代さらには

1980年代に、総合病院の一つであるメイヨ・クリニックは、ビタミンCをたくさん飲用しても、進行した癌患者には効果はないと報告していた[1]。ただしこれに対して別の医療機関の研究者らは、「たしかに経口投与されたビタミンCは、消化管での吸収量が少なくて、肝臓で直ちに濾過してしまうために、静脈にはミリモル濃度しか到達しない。一方で静脈中のビタミンCはミリモル濃度で、治療には有用である」と指摘していた。そこで、ビタミンCを、化学療法剤であるパクリタキソールやカルボプラチンと一緒に、10名の進行した子宮頸癌の患者さんに、静脈から投与された。その結果、それらの化学療法剤だけを投与したときと比べて、副作用が軽減されていた。さらにわずかではあるけど、5年生存率も高くなっていた。ここでビタミンCは酸化促進剤になり、活性酸素が発生、まかっせいてとばかりに、癌細胞だけを損傷させていると考えられている。この小さな一歩が、より大規模な臨床試験を立ち上げる一助になればなおさらである。美味である、ビタミンCが、民んのためになっている。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 10, p. 27.

DOI: 10.1126/scitranslmed.3007154

14.3.4

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グラフェン上に

 絹ナノファイバーを成長させることで、バイオメディカル研究のための、細胞を成長させる土台として利用できる導電性フィルムを組み立てる方法が報告された[1]。ナノ複合材料を調製するために、グラフェン酸化物のシートを、カイコタンパク質の溶液に加える。さらに一滴のヒドラジンを加えて、酸化物を還元してグラフェンとし、変ではないことを確認。黒い懸濁液を70 6時間加熱することで、絹で覆われたグラフェンシートが出来上がる。3.5 nmの絹繊維は、再構成されたカイコの絹よりも、天然のクモの糸に類似していた。これはグラフェンがタンパク質の自己組織化を先導し、新しい方法でファイバーが形成されたためであると、考えられている。得られたグラフェンシートは、純粋な出発化合物である酸化物の、およそ100倍の導電性と、10倍の強さを持つ。さらにこの複合材料で、子宮頸がんの細胞成長を、従来のものより高いパフォーマンスで、容易に達成できることも示された。ファイバーづくりのファイターに声援を。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 10, p. 26.

DOI: 10.1021/mz400639y

14.3.3

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オリンピック開催が

 決まって、「なんだかなあ」と感じた。でもそれを言うことが、はばかられる。その中、三匹のおっさんならぬ先輩方が「ちょっと待ってね」と、鼎談された[1]。「なに言っていんだ〜」ではなく、含蓄も迫力もある。「オリンピック開催が決まったんだからということで一致団結、国民の思いを一つにして」というのが危うい。「論壇風発・違った意見も、デモクラシーは、食らうし〜」が本来だけど、その民主主義が市場主義に置き換わって、経済が第一になる。効率の高さの重要性を、政府が刷り込む。確かにオリンピック東京開催で、それぞれのスポーツ競技の強化で、予算配分もされ、これまで財政的に苦労していた競技団体は、その恩恵を受けることもある。でもここでその招致に総理大臣が出向くことそのものが、世界的にもこのイベントが他のスポーツ大会とは全く違う、政治的な意味合いを持つことを示している。遡ること91年、震災があって、二年後に治安維持法が国会を通過、1935年東京オリンピック開催が決定された。その五年後の1940年、大会は開催されなかった。なんだか今回と流れが符合する。震災・オリンピック招致・特定秘密保護法・集団的自衛権。

時に「昭和残侠伝」「高倉健」や「One Piece」も登場した。で気がついた。「これって、先日学生諸子との飲み会でも話題だったのではないか」と。もしかしたら世代を超えて盛大にいけるかもね。

[1] 内田樹、小田嶋隆、平川克美「街場の五輪論」(朝日新聞社版)(2014)

14.3.2

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プロトアクチニウム(Pa)は

 「きれいあ」かどうかはともかく、相当にレアな金属である。元素周期表で、アクチノイド金属の、トリウム(Th)とウラン(U)の間にある。存在する元素の量も少ないこと、放射性も示すことから、1960年代にこれを使った化学反応の開発、核燃料として利用するために分離が検討されて以来、ほとんど研究がなされていなかった。それに対して最近、次世代核燃料の研究の中で興味がもたれ、その構造や結合の特徴が研究対象となっている[1]。研究者らは(NH4)2PaF7, Na3PaF8Me4NPaF6を含む七種類のPa5+化合物を調製し、結晶構造とラマンスペクトルが明らかにされた。研究者らの仮説では「Paは、dブロック遷移金属とfブロックアクチノイド化学の中間の電子構造である」である。Paは第一アクチノイドで5f価電子を有し、空の6d軌道を持つ。理論では6d5fの軌道はほぼ同じエネルギーであり、Pa5族遷移金属であるNbTaと類似の振舞をする可能性がある。一方でTh5f6d軌道よりもエネルギーが高く、Uではその逆である。その結果、ThO2は歪んだ構造でUO2は直線構造である。そこで今後Pa酸化物の調製とアクチノイド系列の傾向の解明が期待されている。d,fブロックのこと、ブログでも、もっと紹介したい。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Feb. 10.

DOI: 10.1021/ic402877a

14.3.1

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