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2014年6月

簡単に組立てることができる

 センサーは、セキュリティシステムやロボティクスの柔軟なタッチセンサー式の肌としても利用できる。その中研究者らは、静電気を含む現象である摩擦電気(triboelectric)効果を利用したデバイスを組立てた。そのセンサーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートと、その両端に、電極として作用するインジウムスズ酸化物(ITO)の二つのフィルムから構成されている。素子の一番上の層は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)であり、同じフッ素化高分子でできたナノワイヤが取り付けられている。だれかがセンサーに触れたとき、FEP層は、その表面に電荷を集め、ITO電極に電圧が生じる。この電圧は、外部回路に電力を供給するのに十分に大きい。このデバイスは、人がスマートホーンのスクリーンを指で触れる通常の圧力よりも弱い、すなわち0.03 kPaほどの小さな圧力でさえも検出することができる。ジョージアでの成果、いずれ、これ常識や、になるかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 9, p. 24.

DOI:10.1021/nl5005652

14.6.30

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ニトリルシアニド

 NCNO2は、紙の上では、エネルギッシュで比較的単純に見える[1]。計算によるモデルは、それは高エネルギー密度の有用な化合物の可能性を、長年提案してきた。さらにそれは、大気や星間化学でも重要な役割をしている可能性があった。ただし分子の反応性は高く、これまでだれも調製・単離・同定したことはなかった。その中研究者らは、NO2BF4t-BuMe2SiCNとのニトロメタン中での反応を、温度と濃度制御を注意深く行った条件で行い、収率50%で、NCNO2を合成することに成功した。室温では安定なガスであるその化合物の振動スペクトルは予測と一致した。化合物は、ロケット推進剤として使われるだけでなく、別のエネルギー材料合成のビルディングブロックとしても可能性がある。そのため、さらに研究が推進される可能性や、星間宇宙で観測された他のニトリルとニトリルシアニドが、似とるしあにい」ということも指摘され、天文学者も追跡しそうである。ただしそれを担当していただける天文学者、なかなか、いてんもんかもしれんですが。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 9, p. 28

DOI: 10.1002/anie.201404209

14.6.29

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千葉の

 近場にいたので立寄った。実際には、つくばEXで秋葉原に移動。御茶の水にて、お茶飲まずで飲酒。話に興じた。そこから総武線にて千葉に出向いた。快速停車駅で乗り換えると到着が早い。なので該当する駅で降りた。駅の表示をみると次の列車は10分ほど後であるとのこと。こりゃあ変だなあと、同じ電車に乗る。次の快速停車駅で降りて再び確認。やはり次の電車までの待ち時間が変わらない。わからない、快速は急ぐので、待ち時間が短くなることを身近で確認出来るはずである。よく見るとその駅には、プラットフォームが4本ある。けど目の前の列車は、自分が乗ってきた列車とは逆方向に発車した。こちらの2本が東向きなら、あちらの2本が西向きというのが、地元JRの常である。違っていた。普通列車用と快速用という分類になっていた。一旦階段を下りて、隣のホームに移動すれば期待の列車に巡り会う方式だった。どちらの方式かは、ぷらっと、ホームで確かめるのが肝要である。

14.6.28

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数十億年前

 火星とほぼ同じサイズの星、ティアが、なんでぃあ・わからないけど地球に衝突した。その余波でできた破片のほとんどはティアのものであるが、それが融合し現在の月になったというのが月の誕生についての支配的な仮説である[1]。ただし月の石と地球の石との違いが見出せず、ティアが起源であるかどうかの証拠がなかった。そのような違いを知る一般的な方法の一つは、17O/16Oの同位体比を特定することで、この比は太陽系にあるそれぞれの星に特徴的である。今回ドイツ・ゲッティンゲンの研究者らは、新しく作成した月のサンプルを最新の同位体比質量分析技術で解析した。その結果、月のサンプルの17O/16O比は、地球のそれより12 ppmシフトしていることがわかった。この違いは、巨大衝突仮説を認証できるのに十分である。次の目標は、ティアの多くがどのように月になったかという謎を解きほぐすことである。ティアについてのフロンティアでした。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 9, p. 28.

DOI: 10.1126/science.1251117

14.6.27

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キセノンを

 着せるのん」と言ってもできない。一方でこのガスを吸引することで運動能力が向上する。キセノンは、亜酸化窒素いわゆる笑気ガスと同様に、タンパク質受容体・イオンチャンネルと相互作用し、低酸素誘因因子として作用する[1]。なので特にロシアでは長年、麻酔薬として利用されている。またこれが運動能力を高める時には、細胞内の酸素不足を解消せよという指令を出すタンパク質であるHIF-1αの生産を活性化させ、それによって赤血球生産を促進する第二のタンパク質であるエリスロポエチン(EPO)が働きだす。合成EPOは長年、ガンや腎臓疾病の患者の貧血治療に使われている一方で、特に自転車競技のような持久力を必要とするアスリートには、悪名高き禁止薬物である。そこでアスリートはキセノン吸引で、高地トレイニングと同様の効果を期待する。しかもガスなので数時間以内に体内から消えるものの、その運動能力の向上効果は数日間持続する。そこで世界アンチ・ドーピング機構はキセノン、アルゴンを禁止薬物とする方向だけども、これらの検出方法については言及していない。「キセノンのせいなのん」と特定することは難である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 9, p. 11.

14.6.26

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石油化学製品の一つエチレンは

 これまでナフサやエタンを、伝統的な水蒸気分解で製造してきた。それに対して、エチレンをより安価なメタンから、つくらなあかんと1980年代には、AcroUnion Carbideは触媒開発に挑んだものの、志半ばで挫折している。それに対して、Siluria Technologiesと巨大技術企業であるLindeが、この酸化的カップリング反応の触媒開発に成功した[1]。それはMITAndela M. Belcherが開発したナノワイヤ触媒に基づいている。これによってSiluriaは今年中にはテキサスで1日1トン生産のデモをする予定である。さらに2015年後半には、商業化を達成したいこと、そのためのプロジェクトも推進し、北米以外でも実現可能性に関する研究を始める用意もある。「Siluriaの系は、比較的低い温度でかつ高い選択性で操作できるため、時代の先を行っている」とコメントされている。誰もが知るSiluriaになる日も近いか。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 9, p. 9.

14.6.25

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クロスカップリング反応では

 sp3炭素を組込むことは容易ではない。これはこれまで知られている系が、二電子機構であって、これを一電子過程にシフトできれば、容易ではない反応を進行させる用意ができると研究者らは考えた[1]。すなわちIr光レドックス触媒とNi触媒を組合せることで、アルコキシアルキルあるいはベンジルトリフルオロホウ酸カリウムと芳香族臭化物とのクロスカップリングが達成された。ペンも使うPenn chemistsらの成果である。いくつかは不斉反応へも拡大している。一方でPrinceton chemistsらも同じ触媒の組合せで、アミノ酸やα-酸素あるいはフェニル置換のカルボン酸と芳香族ハロゲン化物とのクロスカップリング反応を行い、その系をN,N-ジメチルアニリンのC-H官能基化による芳香族置換基導入へも拡大している。これらの光レドックス触媒や、Ni挿入化学との組合せで、たとえばカルボン酸などの工業用原材料を使ったsp3混成炭素のクロスカップリング反応を始め、様々な系を考えることも可能であると述べられている。光レドックス、犬もドッキとする系である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 9, p. 9.

DOI: 10.1126/science.1253647; DOI: 10.1126/science.1255525.

14.6.24

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超高分解能NMR技術として

 期待されているpure shift 1H NMR、通常のNMRよりよい分解能を示す一方で感度があかんど、である。ここでpure shift NMRは化学シフトのみを示し、多重線を示すスピンスピンカップリングを除外している。今回最先端のこの技術より、はるかに感度が向上した方法が開発された[1]Pure shift yielded by chirp excitation (PSYCHE)[2]と呼ばれるこの方法は、10倍ほどの感度である。これは一回にスピン一つのみから得られるシグナルを見るラジオ波のパルスシーケンスを使うことで達成されている。それを使ってエストラジオールとシクロスポリンANMRスペクトルが測定された。いずれもかなり質の高い結果であった、この方法では、かなり重なってしまうスペクトル領域が、個別のレゾナンスなんです、とはっきりと分離できている。プロトンプロトンデカップリングなしでは、これらのシグナルの分離は、数ギガヘルツの磁場が必要であり、NMRじば産業として適さず、新しい方法のさらなる改良で、その応用範囲も広がる可能性も高い。

[1] Chemical & Engineering News, June 9, p. 8.

DOI: 10.1002/anie.201404111

[2]記事のタイトルは、Getting psyched about spectraで、このPSYCHEpsyched(ハッピーな)をかけている。

14.6.23

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タンパク質が

 異常な折りたたみ構造をしたプリオンは、人や動物が消費すると神経変性の疾病を引き起す。そのため北アメリカや欧州の政府は、異常タンパクが残る罹患した動物は焼却することを義務化あるいは推奨している。それに対してカナダの研究者らは、扱いにくいプリオンを堆肥にすることで、対比することにした。家畜の糞や動物の死骸を、市街ではなくて多分郊外で、混ぜて、100トンの堆肥の山をつくった。そこに羊の疾病であるスクレピーの要因であるプリオンで覆ったステンレススチールも加えた。7ヶ月後、研究者らは、そのペレットからタンパク質をハムスターの脳に注入した。感染したハムスターの数から、堆肥化することでプリオンの感染性が99.999%減少したことが、対照実験との比較で明らかになった。実際には、動物は、餌として食べるため、脳への直接注入に比べて、感染の効率はさらに低いと研究者らは指摘している。ここでは、何がプリオンとカップリングをん、したかは、わかっていない。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 25.

DOI: 10.1021/es500916v

14.6.22

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X線複屈折イメージング

 (XBI)では、「複屈折する物質の屈折率は、直線に偏光した放射の方向の配向に依存するという事実」を有効に利用している[1]。この場合、完全に秩序だった結晶は不要で、代わりに、物質のなかの違っているであろう部位に光を照射し、物質内の結合をマッピングする。いわば偏光顕微鏡のX線版であるXBIFBIではない)では、原子団まわりの結合様式について、構造上の情報を得るために、特定の原子の吸収端に近いエネルギーで、偏光X線を使う。これを利用して、カーディフ大学の研究者らは、チオ尿素がホスト分子で、臭素を含む分子をゲストとして含む包接化合物のテストが行われた。この場合、C-Br結合の配向を明らかにするために、臭素の吸収端のX線が調整され、それが照射された。その結果、化合物の中の1-ブロモアダマンタン分子の配向を決定することができた。他に、単結晶内の異なる原子の配列する領域の同定にも成功している。複屈折利用、苦節何年なりかや。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 25.

DOI: 10.1126/science.1253537

14.6.21

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太陽電池のための

 水を酸化するのに使われる半導体光陽極は不安定である。もろくてすぐに活性を失う。その中、酸化チタンがこれを保護するブランケットとして使えることが報告された[1]。酸化チタンはすでに、日焼け止め剤、色素、光触媒の成分として広く知られている。その中Caltechの研究者らは、酸化チタンを借りってくると、陽極を4から143 nmの厚さで、原子層成長法によってコーティングした。コーティングは、電子欠陥もあって、正孔伝導も促進し、十分な光を透過できる程度に透明であること、また活性触媒の腐食も防ぐことができる。たとえば、コーティングによって、シリコン光陽極は、連続的に100時間以上、性能的には劣ることなく稼働した。またガリウムヒ化物や、ガリウムリン化物の安定性も向上させた。加えて、酸化チタンのような化学的に安定なコーティング中の欠陥状態の分布やエネルギーレベルを操作することもできるため、酸化光化学で使われる狭いバンドギャップ半導体のホストを安定化することにも応用できそうである。「このコーティング、誰か買うてぃんぐ」と実用化も目指す。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 25.

DOI: 10.1126/science.1251428

14.6.20

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指紋は

 犯罪を解決するための鍵である。諮問するまでもない。ただし課題がある。指紋は犯罪が起きたときに残されたものか、あるいはそれ以前かどうかを判定する確かな方法がない。その中、血痕の年代推定の犯罪科学の方法に触発されて、オランダの研究者らは、指紋でも同様のことをするもんと新しい方法を開発した。犯罪分析で血液の年齢を推定するために、ヘモグロビン酸化生成物のレベルを測定している。そこで指紋で見つかった脂質とタンパク質の酸化の程度を、蛍光スペクトルを使ってモニターする。この方法によって、男性の指紋については、3週間前までを、1.9日の不確かさで55%程度の確率で推定することができる。一方で女性の指紋につては、肌から出される信頼できる生体分子の量が、より少ないため、現段階では難しい。このジレンマを解決するために、指紋の脂質とタンパク質を研究するさらに高度な技術が必要である。指紋で押し問答には、なっていないようです。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 25.

DOI: 10.1002/anie.201402740

14.6.19

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ヒレナガで

 沿岸に棲むイカから取り出した、レフレクチンとよばれるタンパク質で作成した薄膜は、最先端のプロトン伝導体と同等のプロトン伝導性が、出るどう」ということが報告され、プロトントランジスターへの応用も期待されている[1]。もし生物における電気信号で、プロトンが重要であれば、プロトントランジスターは、たいへんこわれやすい生物系と頑丈な伝統的エレクトロニクスを結びつけることができると、研究者らは述べている。レフレクチンは独自のアミノ酸配列を有し、かなりの数の親水性の電荷を有する部位と、疎水性の芳香族部位を持っている。この配列によって、レフレクチンは、両親媒性であり、心配せんでも、溶液と薄膜の両方で、ナノ粒子に会合できる。フィルムは、疎水性部位とプロトン伝導の親水性のチャンネルと分離しているのではないかと考えられている。この構造は、デュポンのプロトン伝導スルホン化フルオロポリマーである、ナフィヨンと、同じよん」とも指摘されている。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 24.

DOI: 10.1038/nchem.1960

14.6.18

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天然ガス生産が

 ブームになっている中、メタンを直接、より長いアルカンや芳香族化合物に変換する方法が開発されている。メタンをアップグレードするには、不活性なC-H結合を制御しながら活性化する必要がある。これまでの方法は、ゼオライト触媒に、ライトが当てられていたけど、500 °C以上の反応温度を必要とする。別の方法として、低温で光エネルギーを利用しているが、酸化金属光触媒の効率と安定性の点で不十分である。それに対して今回、ケイ素をドープした窒化ガリウムナノワイヤ光触媒が開発され、室温紫外線照射下、メタンをベンゼンと水素への高効率変換を達成している。研究者らがGaNを使ったのは、それが有する大きなエネルギーバンドギャップであり、広い表面のナノワイヤを形成したときに、これが有効に作用するためである。ナノワイヤの垂直な面が炭素をガリウムに、水素を窒素にさらす状況をつくり、光が誘起するC-H結合解裂のための最適な場を提供する。はずれた水素原子が水素分子を、メチルラジカルがエタンに変換される。脱水素の後、エタン三分子からベンゼンを与える。「このナノワイヤ、そんなのはイヤ」というお方はいないと思います。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 24.

DOI: 10.1021/ja5004119

14.6.17

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中東呼吸器症候群とは

 新種のコロナウィルスによる感染症(MERS)、「来るな」と言っても、2012年に初めて人へ感染した事例が報告された。この春米国で、MERS感染の数がなぜか増加し、公衆衛生当局は警戒をしている。600以上の確認された感染のうち30%は致命的であることがわかっている。MERSに対する特別な治療法はない。その中、この疾病に打ち勝つために、医薬品やワクチンの探索が行われている。異なる二つの小さなグループが、すでにFDAが承認した医薬品の中から、可能性のあるMERSリード化合物を探しだした。確認テストをした後、二つのグループから共通した二つが公表された。クロロキンとクロロプロマジンである。どちらの化合物も、細胞が細胞外かの分子を取込み吸収する作用を、抑制する。すなわちこの発見は、それらの化合物がMERSの細胞への侵入を妨害していることを示している。研究者らは、小動物でこの結果の確認をしようとしている。MERS感染でも、「ま〜ずま〜ずです」になりますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 24.

DOI:10.1128/aac.03036-14 and 10.1128/aac.03011-14

14.6.16

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虫除けスプレーを

 ヨーロッパでは、数百トンのレベルで肌につけている。これによって血を吸うブヨ、小昆虫などに、かまれるのを回避し、「かゆいし〜」状態から逃れている。ただし防虫剤成分の安全性が完全には理解されていない。そのギャップを埋めるための調査が行われ、メーカーもその経緯を注視している。調査は最近導入された殺菌性製品規制(BPR)に基づいているが、合理的であると同時に膨大である。データを集めるのに数年を必要とし、一旦承認されても、製品ごとに再び承認を必要とする。2009年にデンマークでは22の活性化合物を、商用の防虫剤として認定したが、現段階で5つの許可が更新された。そのうちの二つは広く使われている、N,N-ジエチルメタトルアミド(DEET)とブチルアセチルアミノプロピオン酸エチルエステルである。評価のためのコストや年数から、メーカー側は冷ややかである一方、BPRによっても、リスクの高い化合物が承認される可能性や、毒性評価は乳児や高齢者に対する場合も必要であるとも指摘されている。いずれにしてもすべての評価を終えるために、少なくとも2024年まで続けられるらしい。「蚊にかまれても、かまへん」とスプレーなしで、プレーするのがよいのかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 16.

14.6.15

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悩み多き青年

 人生の真理を求めている彼が、「世界はどこまでもシンプルである」と言う哲学者を訪ねた[1]。対話が始まった。哲学者の考えは、哲人たちの教えに、アドラー心理学が範である。それをあなどら〜ず、真摯に学び浸透したことを青年に語る。「トラウマは存在しない」「すべての悩みは対人関係」どの話題・指摘についても青年の癇に障る。対話を重ねるうちに、自分の過去についても、話始めた。が「人生を物語のように考え、目標を立てて、今はその準備期間であると考えるものではない」と教えられる。「計画的な人生など、それが必要か不必要かという以前に、不可能なのです」という話には、「ええい、くだらない、なんて馬鹿馬鹿しい考えだ!」と思わず反発する。「幼いころからバイオリニストを夢見て猛練習の末に夢を実現させるような人生は「目標と計画なしではありえない」」と切り返す。「はたしてそうでしょうか。その夢見た人は、目の前の楽曲だけを見、この一曲、この一小節、この一音だけに集中していたのではないでしょうか」「「いま、ここ」だけを真剣に生きるべきなのです」「どう生きたのか、その刹那を見ていくのです」

[1] 岸見一郎、古賀史健「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社)(2013)

14.6.14

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C-H結合は

 周知のように反応性が低い。ただし近年、その頑固な結合をおだてて、より協力的にする方法が開発されている。たとえばこれは、シクロ環を、つくろことによって達成され、Pdのような金属が極性の官能基の配位を受け、ついで近傍のC-H結合を切断、五員環あるいは六員環の中間体を形成する。ついで環状中間体の炭素金属結合は、様々な反応剤と反応し、金属を放出すると同時にC-H結合の炭素原子が官能基化された生成物を形成する。その中今回、二級アミンに近接するメチル基にPdが配位、四員環パラダサイクル中間体を与える系が開発された。このタイプの四員環シクロメタル化は前例がない。さらに中間体は、酸化剤のような反応剤と反応させることで、アジリジンやβ-ラクタムのような、ひずみのある含窒素複素環化合物に変換されている。「この成果は、医薬品化学者が使えるアミン類の幅をさらに広げることも可能にする」と研究者らは述べている。なお現段階では、かなり立体的に嵩高いアミンのみが使われているが、すべての二級アミンに適用できる反応としての最適化も進行中である。パラダサイクルでパラダイス誕生か、大好きです。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 June 2, p. 4.

DOI: 10.1038/nature13389

14.6.13

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卵白で

 自分の書いた絵をコーティングして、絵画を保護することが、何百年もの間行われていた。その中、このコーティング保護特性に対する分子基礎が報告された。油絵の表面を模倣できるポリフルオロエチレン(PTFE)を使って絵画が作成された。ついでその表面を卵白に含まれるアルブミンで十分に湿らせた。赤外吸収スペクトル測定の結果は、卵白のα-ヘリックスとβ-シートの組成が何度も変化することがわかった。α-ヘリックスは73%まで減りっ、β-シートは44%増加した。この変化によって、酸素が透過することを難しくし、続けてコーティングすることも難しくしていた。PTFEの膜に卵白を四層重ねた段階で、酸素の透過速度はゼロになった。このことから、安定なβ-シート構造が増加することによって、タンパク質は、より固く積重ねられ、そこに酸素が吸着できるように変化しており、これによって、PTFEまで遠かないけれども、透過できないような構造になったのではないかと、類推されている。卵白は、タンパクだけど、淡白ではなかった。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 26, p. 41.

DOI: 10.1002/anie.201400251

14.6.12

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フラグメントを利用したアプローチとは

 できるだけ小さな一つの環のフラグメントを同定し、それらをつなぎ合わせて、高い親和性を示すバインダーを組立てて、酵素抑制剤を開発する方法である。FDAもこの方法を承認し、これによって研究者らは、未解明な機能を有するヒトゲノムにおける多くのタンパク質に対する基質を予測することに、熱心に取組んできた。それに対してフラグメントは、そのような応用には信頼出来そうにないという報告がなされた[1]。これを検証するために研究者らは、三つの異なる種からの酵素に対する既知の基質を解裂させ、酵素がそれぞれのフラグメントにどのように作用するか測定を行った。その結果、驚いたことに、ほんのわずかな違いが、酵素の活性を劇的に変化させることがわかった。たとえフラグメントがこれまで、いくつかの酵素基質の発見の一助になっていたとしても、十分詳細に調べられた代謝物のライブラリーのほうが、目的には、より合致していると、研究者らは考えている。フラグメントに面と向かって取組んだ成果である。ライブラリーにもぶらり〜と立ち寄ってみよう。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 26, p. 40.

DOI: 10.1021/ja501354q

14.6.11

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統合失調症のような

 脳疾患を治療するためには、可能性の高い医薬品の開発だけではなくて、「血液脳関門を、通過させないと、いかんもん」という課題もある。この難題はなんだい、と言わずに解決にチャレンジしてきたチームの一つが今回、脳イメージングと研究室での分析法を組み合わせた戦略を開発した。科学者はまず、酵素であるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)をブロックする有望な抗がん剤であるMS-275から始めた。これは脳に入り込み長時間有効な抑制剤であると報告されていた。それでも分子のある部位を放射性元素でラベルして、オナガザルの脳に入り込んだかを、陽電子放出型断層撮影(PET)で確認したが、そこには見られなかった。ついでHDACの活性をチェックしながら、化合物を修飾し、再びPETスキャンをした。いくつか行った末に、脳に浸透できる一連のHDAC抑制剤に行き着いた。研究者によれば「この戦略は、脳に浸透できる可能性のある薬剤の最適化法として利用できる」としている。脳に浸透と脳震盪(しんとう)とは違う。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 26, p. 40.

DOI: 10.1021/cn500021p

14.6.10

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体内での

 インスリンの分解を遅らせることは、2型糖尿病を治療する方法になるかどうか、長い間、疑問に思われていた。インスリン分解酵素(IDE)と呼ばれている亜鉛金属プロテアーゼをエンコードする遺伝子が糖尿病感受性遺伝子として、数年前に同定された。今回DNA鋳型大環状化合物ライブラリーから、ぶら〜りかどうかはわからないけど、IDEの生理学的に活性な高選択的抑制の可能性のある化合物が発見された。さらにIDEを抑制することで、ネズミの場合にインスリンのレベルだけではなくて、グルコースを制御するアミリンとグルカゴンにおける二つの別のペプチドホルモンのレベルも抑制されることも見出された。ネズミの研究では、抑制剤を投与すると、食べ物によって口から入ったグルコースに対する耐性は向上したが、注射によって与えられたグルコースに対する耐性は低下した。この相反する結果から、IDEはグルコース恒常性にふくまれる別のホルモンを制御していると考えられた。実験結果はさらに、IDEがアミリンやグルカンを制御していることが明らかにされた。これらの成果はIDEの抑制戦略が、治療の点からも、望ましいと提案されている。「抑制で、身体もよくせい」である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 26, p. 40.

DOI: 10.1038/nature13297

14.6.9

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早期公開

 そう気にならない時もあるけど、これは投稿していた論文の掲載が決定後すぐに、最終投稿原稿に手を加えられずにWeb公開されるシステムで、その名称は違っても、ACS, RSC, 多くの出版社の論文誌が採用している。その後、文章の校閲、校正を経て、著者にゲラが届く。それを確認して最終原稿になり、しばらくして本公開になる。掲載決定直後にWeb上にあった論文は消えるけどその論文のDOIは継承される。この最終版と始めの版では、編集を専門とする方の手を経るために、完成度のスマートさが格段に違う。加えて日本化学会・速報誌Chemistry Letters誌は、世界に先駆けて、独自のサービスを提供している。是非、本公開されている論文をWebから入手して確かめてほしい。References and Notesの項目に注目である。引用されているほとんどすべての論文にワンクリックで飛ぶことができる。リンクで飛んだ先の論文の本文を見ることができるかどうかは状況によって違うけど、必要な関連論文のアブストラクトは、たちまち確認できる。

 これを可能にしている日本化学会学術情報部のスタッフ凄いでしょう。少ない人数でも、すでに5年目に入るサービス、なくなると「さ〜びしいす」になってしまう。

14.6.8

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Outlookが

 アウトになった。送信済メールの整理をしていたら突然、閉じた。再び開くと受信箱にあったはずのメールがなくて、件数が0件と表示されている。新しいメール受信をしたら、未読メールが見えるという状態でも、それらに対応する部分がない。パソコンの書類の中にあるファイルをコピーして、もう一台のパソコンに入れれば見えるはずというアドバイスで、6ギガもあるファイルをコピーした。でも結果、コピー元のパソコンの状況がほとんど再現されただけだった。幸いにして先ほどは何も表示されていなかった受信箱が、自身なさげに情報を表示している。しばし対応の後、半年ほど前にバックアップをとっていたファイルをノートにコピーしたら、当時の状況がすべて再現できた。2013.12.26である。それでも最新のメールを見〜るために、デスクトップでは、Mailを使うことにした。

 そこで、14.6.6.16時頃から19時頃までに、村井君にメールを送っていただいた方で返事がまだない方、もう一度メールをお送りいただければありがたいです。またアウトになったOutlookを部分的にでも復帰できるすべをお持ちの方、ご教示ください。14.1.1から14.6.6.16時前までの送受信した内容へのアクセスが、いくらアクセクしてもできないのです。

14.6.7

 

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酸化チタンが媒介する

 太陽光による化学反応は、自己洗浄ガラスや、曇り防止コーティング、水の分解による水素発生など様々な応用がある[1]。また酸化チタン半導体を、一旦、白金やほかのナノ粒子でドープすると、光触媒活性が向上するが、これは励起した電子が素早く金属上にホップし、基底状態にもどるまえにトラップできると理解されてきた。それに対して今回、半導体からの金属への電子移動が、光触媒では重要ではないかもしれないということが報告された。研究者らは、過渡吸収ならびに時間分解蛍光スペクトル法を使って、Au/TiO2, Pt/TiO2を含む一連のオーダーメイドのナノ粒子の光物理とエネルギー移動過程を検証した。それに基づき、従来の電子トラップモデルとは対照的に、励起した電子は、半導体表面の金属ではなくてH+の還元を促し、ついで水素原子が半導体から金属上へ移動、それらが触媒的に結合し、水素分子を与えることが提案された。光触媒についても、しっかり考えてみよう。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 26, p. 11.

DOI: 10.1073/pnas.1405365111

14.6.6

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炭素繊維は

 通常、高分子の溶液をスピンすることでつくられる。たとえばポリアクリロニトリルを薄い繊維に変え、それが炭素化される。得られた繊維は、高分子の糊の、のりもよく、つなぎ止められ、パルプのような、軽くて構造的にも強い複合材料になる。それに対して研究者らは、グラフェンやカーボンナノチューブのようなナノ材料を使って炭素繊維を調製することを検討していた。通常の炭素繊維と違って、ナノ材料繊維は、巻いたり編んだりするのに十分に柔軟で様々に応用できる。その中、酸化グラフェン水溶液で大きな表面をコーティングし、ついで水を蒸発させることで、繊維がつくられた。乾燥したフィルムの一方の端を軽くとめ、一方の端に電動ドライバーがとりつけられた。それによって紡がれた糸ができた。愛おしい。この方法で調製された酸化グラフェンの糸は、通常の炭素繊維と同様の強さで、伸縮も自在だった。このテキスタイル(繊維)の特性は、直径300μmで、およそ5μmの厚さのフィルムで構成されていることに由来している。素敵なテキスタイル、スタイルも気にしたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 26, p. 8

DOI:10.1021/nn501098d

14.6.5

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二酸化炭素を一酸化炭素に

 高い効率で選択的に還元するプロセスは、液体燃料を合成できることから、その触媒は高エネルギー化成品として重要である[1]。研究者らは今回、非貴金属電解触媒でそれを達成した。前駆体としてビスマストリフラートを使う。炭素電極の上にアモルファスビスマスを、温和な条件で電着させる。その結果得られたビスマス触媒は、既存の金さん・銀さんを使ったCO2還元触媒よりも、一桁高いオーダーの電流密度を達成している。高い電流密度であることは「触媒を使った素子の利用は、COが、電極面積あたり、たくさん出るんきょく」ということを意味している。CO2の触媒的固定化の専門家は「工業的なプロセス化には、コストの問題やCOとともに水が発生することなど解決すべき課題もあるが、CO2の電気化学的還元の分野への多大なる貢献である」と述べている。医薬品にも利用されているビスマス化合物。ここではCO2還元を、ビスマスで、すますことができる。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 19, p. 31.

DOI:10.1021/ja501923g

14.6.4

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ボロンの価電子は

 中性で三配位の場合には六つ、電子不足でルイス塩基から、延期されることもなく、簡単に電子対を受け入れて、安定な付加体を形成する。化学者は、このボロン原子を焚き付けて、結合を回避して、さらに電子不足な状態にし、ボロンの価電子が四つの二配位ボリニウムイオンを形成できるかについて、検討を行ってきた。一般には、アミンのような嵩高い電子供与の部位を組込み、安定なボリニウムイオンを形成させるが、これでは反応性を低下させてしまっていた。それに対して日本の研究者らは、電子不足ボリニウムイオンR2B+を創製する単純な方法を開発した。市販で入手できるジメシチルフルオロボランからケイ素反応剤を使って、フッ素原子を脱離させ、ボリニウムカチオンを発生させる。そこには配位しないカルボランあるいはボラート対イオンが存在する。得られたジメシチルボリニウムは、ルイス酸性を保持し、通常は反応性の低い二酸化炭素からの電子対を受容しつつ、それぞれが離れた様な状態に落ち着くことも明らかにしている。凡人には生むことが難な、ボリニウムである。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 19, p. 30.

DOI: 10.1038/nchem.1948

14.6.3

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ペロブスカイト型

 太陽電池の驚異的な性能に、太陽光の熱烈なファンは不安もなく、乗りかかっている。その結晶構造を持つ、光を吸収する有機金属ハロゲン化物材料は、太陽光を電気に変える高い効率や、比較的安価に調製できる点から、将来有望である。ただし至らない点も隠されている。ほとんどすべての研究は、鉛をもとにした結晶であって、鉛以外はあんまりない。鉛が持つかもしれない毒性に関する課題を解決するために、鉛フリーの材料開発の着想に至った。研究者らは、CH3NH3SnI3を用いた太陽電池が、鉛ペロブスカイト類縁体として調製された。研究者らは、組立方法を工夫し、空気に敏感である点を解決し、プロトタイプのそれでは、太陽光から電気への変換効率を、ほぼ6%で達成した。さらに素子の吸収過程の解析より、ヨウ化物臭化物混合ペロブスカイトを使うと、より多くの可視光を捕捉しうることもわかった。研究者らは、鉛系で達成されている変換効率15%を目指して、さらに改良を続けている。ペロブスカイト型について、書いときました。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 May 12, p. 29.

DOI: 10.1038/nphoton.2014.82

14.6.2

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アードベッグ(Ardbeg)

 シングル・モルトウィスキーのボトルが金浦空港免税店にあった。シングル・モルトを盛ると、きっと癖があるに違いない、でもどこかで聞き覚えのある名前に手が出た。帰国後それは村上春樹さんの紀行文[1]にあったことに気がついた。スコットランド西部アイラ島にある蒸溜所のひとつアードベッグ産。数千種類のブレンドウィスキーのかなりの銘柄に、これも使われているはずである。栓をひねる前、箱にある地図と解説に見入る。何代にも渡って同じ銘柄を、同じこくと香りで醸造し蒸溜している地。のどかな情景・静寂でも鼻をつく臭い。村上さんの文庫に掲載の写真も相まって、想像力をかき立てる。箱には「いぶった泥炭の臭い、とても美味なフルーツケーキと革、暖かくて深い香ばしさ、これらが奏でるシンフォニー、いつまでも甘美で・・・」などとあった。いよいよオープンマインドで興奮しながらオープンする。アイラ島の一品に、参らないわけにはいかない至福の一瞬である。

[1] 「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」新潮文庫、2011.8.14ブログにも登場しました。

14.6.1

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