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2014年9月

システイン残基の

 ジスルファン結合(S-S)は、タンパク質やペプチドの構造を正しい位置に固定する一助になっている。ただしシステイン残基の数が増えるにつれて、ステイんすることが難しくなり、様々なジスルファン結合を形成しうる。その結果得られた混合物は、様々な活性を示す化学種が含まれ、期待する化合物を単離することは難しい。そのような混合物の複雑さを単純化するために、ジチオールアミノ酸が開発された[1]。研究者らはセリンプロテアーゼ抑制剤やニコチンアセチルコリン抑制剤をモデルシステムとして用いた。それぞれのペプチドで、ペアになった隣接するシステインをジチオール一つとアラニンで置換えた。得られたペプチドは三次元構造をとり、もとのペプチドよりも強く標的にバインドすることができる。対称に配列したジチオールのため、ジスルファン異性体を形成する可能性が除外され、混合物の複雑さが、今後削減できる。研究者らは、ペプチドやタンパク質の進化分子工学に、このジチオールを利用することを計画している。ここでは複雑さを、ジチオールがお〜ると、自重ルさせている。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Sep. 8, p. 23.

DOI: 10.1038/nchem.2043

14.9.30

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Pd触媒が

 クロスカップリング反応では主役である。ただしNiのような、より豊富で安価な金属で、より環境調和な雰囲気で利用できる金属に置換えることに興味が持たれている。その中昨年、Ni触媒による鈴木・宮浦炭素炭素カップリング反応が開発され、少量のNi触媒とバイオ由来の溶媒である2-メチルTHFが使われた。この有史に残ったUCLAの研究者らは今回、芳香族炭素-窒素結合形成する相補的な方法を開発した[1]。標準的な条件では、DMEに溶かした1 mol%以下のNi触媒とNHCカルベン配位子とボロン酸と塩基を、ここでも2-メチルTHF中で反応させる。これによって芳香族スルファミン酸や塩化アリールとモルホリンや他の環状アミンとが反応し、グラム量の複素環化合物が得られる。この論文は、編集委員からも賞賛を受け、メディシナル化学者も、しなる程の切れ味でリード化合物同定に利用でき、しかも環境調和のシナリオも描けそうな系である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Sep. 8, p. 24.

DOI: 10.1021/cs501045v

14.9.29

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土井たか子さん

 女性初の総理大臣になるならこの人しかいない」と思った17歳の頃。予算委員会かあるいは記者会見かは覚えがないし、話の内容も覚えていない。当時メディアの露出度が高かった与党の著名人とは違って、「あ〜う〜」などの、はさみ言葉がなくて、ソフトでしかも毅然とした語りが自分を捕えた。46歳の頃の土井さんである。しかも庶民目線、弱者の視点を感じる論の展開だった」と思う。護憲を貫かれた。社民党の党首も務められ、1989年には消費税導入反対を党是の一つとして、参議院選挙で党は大幅に議席を伸ばした。かたや時の宇野総理大臣は辞任された。それでも確定した消費税3%の制度が廃止されることはなかった。ただし導入の是非や功罪については、議論が大いに盛り上がった。それからおよそ四半世紀後、あれよ・あれよと、10%に引き上げられようとしている。このことや昨今の憲法をめぐること、土井さんはどんな風に感じておられたのでしょうか。ご冥福をお祈りします。

14.9.28

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フルオロアルキル基を

 分子に導入することは、医薬品の生理活性や、プラスチック,電子材料の特性を制御できる重要な方法である。その中、CF3アニオンは反応の鍵中間体であるとされてきたが、このアニオンが、ありおるんやとトラップされたことはなく、出ては直ちに消えるようなものだった。その中、おらがオラー先生らのグループがこの課題に挑戦した。CF3-は脱フッ素化を引き起こし、ジフルオロカルベンとフッ素を可逆で与えると考えられていた。一方で今回、熱力学的な計算が行われ、低温ではそれが安定に存在しうることを示していた。そこで、アニオンを安定化させるためのパートナーが大切であると考えられた(人間も同様だね)。この場合カリウムが最も安定化させることができ、クラウンエーテル錯体として、低温NMRで確認され、構造も明らかにされた。-78 °Cでは数日間安定である一方、高い求核性を示し、CO2との反応ではトリフルオロ酢酸カリウム塩を与えた。「低温でのみイオンが安定」って言っていいおん、である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Sep. 8, p. 4.

DOI: 10.1002/anie.201406505

14.9.27

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酸化チタンは

光によって励起すると過酸化水素を発生させることができることは既知であったけど、それが海岸では、害を及ぼすレベルかどうかはわからなかった[1]。実際、海岸の水の中には日焼け止め剤由来の酸化チタンが含まれる。そこで研究者らは、2013年8月、スペインのマジョルカ島に、まあ寄るかと、日中に集結し、水のサンプルを集めた。過酸化水素濃度は正午には278 nMでピークに達し、これは藻を刺激するのに十分なレベルである。ついで日掛け止め剤が過酸化水素を発生できることを示すために、市販の日焼け止め剤を、汚れていない海岸地域から集めた海水で薄めた。そこに夏の正午の日光に相当する紫外線を水に照射した。その結果、10202 nMとおおよそ450倍のレベルの過酸化水素が、加算され、推測ではなく、実際に起こることもわかった。研究者らは、この研究が端緒となって、日焼け止め剤が、藻類の社会に対するどう影響するかの研究が推進されることを望んでいる。「H2O2が、そういる」とは藻類は思っていない。

[1] Chemical & Engineering News 2014 Sept. 1, p. 50.

DOI: 10.1021/es5020696

14.9.26

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クロスカップリング反応は

 有機合成における中心的な反応になりつつあり、改良が施され、より環境調和、大スケールでのコスト削減も行われている[1]。その中の一つ、アリールジアゾニウム塩をカップリングパートナーとして用いる鈴木・宮浦反応が開発された。通常はハロゲン化アリールを用いるが、これは「元気か」と聞いても中程度の反応性で、厳しい反応条件と、高価な配位子を用いる より活性な均一系触媒を必要とする。またハロゲン化アリールの調製法の一つは、Sandmeyer反応で、ジアゾニウム塩からハロゲン化物を導く。そこでジアゾニウム塩の直接利用は反応の段階を少なくすることも可能である。より反応性の高い塩の利用で、多くの場合、活性が低くて安価な触媒でも反応が達成される。反応式の条件はPd(OAc)2 1 mol%EtOH中、30 °C, 24 hである。これによって、モルスケールで、アンジオテンシンII抑制剤の中間体が調製された。博士課程の学生A. P. Colleville氏が、これ見〜ると発表した系である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Sep. 1, p. 49.

DOI: 10.1021/op5002353

14.9.25

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モルヒネやアスピリンは

 痛みをやわらげる効果はあるものの副作用もある。前者は中毒性であり、後者は胃腸の出血を引き起す。これらの副作用のない鎮痛薬として「Alda-1があるだ」ということが報告された[1]Alda-1は、体内で害のあるアルデヒドを無毒の酸に分解できる酵素であるアルデヒドデヒドロゲナーゼ-2の活性を向上させる。研究者らは、遺伝子工学でこの酵素がないネズミを作り、足に炎症性の化合物を注入した。その結果、ネズミの足には4-ヒドロキシノネナールのようなアルデヒドが蓄積し、しかもマウスは痛みに対する我慢の度合いが低下していた。そこでAlda-1をこれらのネズミと通常のネズミに投与したところ、どちらもAlda-1の恩恵を受けた。すなわちAlda-1は酵素がないことを修復し、それが存在する場合にはその働きを活性化させている。さらに研究者らは急性の炎症以外の痛みでも効果があるかどうかを次に検証する予定である。痛みの症状がAlda-1で、変わるんだワン」である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Sep 1, p. 48.

DOI: 10.1126/scitranslmed.3009539

Alda-1: N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,6-ジクロロベンズアミド

14.9.24

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ポリリン酸は

 PO4から酸素原子をリン原子がシェアすることで、直鎖あるいは環状になったオキシアニオンで、時には形もおっきいし、でありよる。通常の直鎖の系の例は、生化学的なエネルギー貯蔵に含まれるADPやATP、タンパク質・脂質合成、炭水化物の代謝で重要なヌクレオチドに見られる。さらに直鎖の系は、洗剤や難燃剤の成分としても重要である。それに対して1800年代から研究が行われている環状のポリリン酸については、水溶性な系でなければ安定でないため、利用方法についてこれまでほとんど解明されていなかった[1]。それに対してMITのチームは、湿ったアセトン中、脂溶性トリフェニルホスフェニウムカチオンと組合せて、テトラメタリン酸塩とトリフルオロ酢酸無水物とを反応させ、水素原子二つが組込まれたオキシアニオンを合成した。新しい反応剤はスズやクロムのアミドと反応し、最初のテトラメタリン酸金属錯体を与え、メタノールとの反応でメチルエステルにも変換された。これによってアミノ酸やヌクレオシドの環状オキシリン酸塩による、ホスホリル化の妥当性も示された。ただ環状構造で頑丈かどうかは不明である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014, September 1, p. 48.
DOI: 10.1021/ja5058339
14.9.23

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硫酸エステルクリックケミストリー

 1990年代、Scripps研究所のSharpless先生とその共同研究者らは、クリックケミストリーの概念を提唱した。既知の反応を利用するが、その中で単純な戦略は、炭素ヘテロ原子結合を含む新しい化合物の環境調和型合成のためのビルディングブロックを使っている。モデル反応もでるけど、それは銅触媒によるアジドとアルキンの環化付加で、創薬、ケミカルバイオロジーさらに材料科学の点で有用である。今回先生らはクリックケミストリーをさらに拡大した[1]。ここではフッ化スルフリル(SO2F2)から調製できるSO2Fを使い、たとえば炭素硫酸塩をつなぎ、硫酸ジアリールエステルを調製している。可能性のある商用的な応用を示すために、SO2F2とビスフェノールと様々なクロロシランを反応させ、ポリ硫酸塩を調製した。これはポリカーボネートと類似の頑丈で高い透明性を有する高分子だけど、その合成の難しさから、これまであまり広くは研究されていない化合物群である。クイックにクリックケミストリーも進展している。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 25, p. 22.

DOI: 10.1002/anie.201403758

14.9.22

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アスピリンは

 違った形で結晶化しうる。多形である。「そうだったけい」しかもそれらは異なる安定性を示すが、多形になる理由はほとんど解明されていない。その中今回、メチル基のパッキングによる違いであることが、計算科学によって提唱された[1]。医薬品が多形である場合、それらは異なる生体利用効率を示す。研究者らは、アスピリンの二つの知られた形のファンデルワールス相互作用を検証した。それらの中の異なる配座の配列を、結晶格子の振動状態とリンクさせた。フォームIでは、分子の違った層の中のメチル基は4.5 Åの幅で分離していた。一方でフォームIIでは、3.7から5.5 Åの幅で分離していた。フォームIの均一な分離は、電子や格子の動きのカップリングを促進する。その結果、振動モードのエネルギーを低下させ、結果として、エントロピーの増大と、システムの自由エネルギーを低下させて、フォームIIIに比べて熱力学的に、より安定になるとのことである。類似の効果は、別の材料の構造的な違いを説明できる可能性もある。鎮痛薬の挙動を考えること、頭の痛い課題だったかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 25, p. 23.

DOI: 10.1103/physrevlett.113.055701

14.9.21

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紀元2674年

 神武天皇を祀る橿原神宮には、そう記されている。巨大な灯籠の横を通ろうとして鳥居をくぐる。玉砂利が広がる本殿前。お守りなどの支払いを、ここ橿原いでも行い神様にお祈りする。参拝を終えて吉野に移動。日本最古のロープウェイで山頂に到着。遅めの昼食、外は絶景である。桜の季節の展望はいかにも、というスポットに、すぽっとはまる。かつては南朝の本拠であった金峰山寺に出向いた。そこから階段450段を下ると、頭脳の守護神である「脳天大神」が祀られているという。行きはよいよい、帰りは息たえだえ、を覚悟して下り始める。昔ある大僧正が瀕死の蛇を手厚く葬ったのが始まりらしい。ここでは蛇は大神のお使いである。お参りを終えて休憩室に向かうところで、ゆで卵をいただいた。おったまげることはない。蛇の好物の卵にちなんでいる。しばし休みつつ石段を登りきった。その後、吉野中千本辺りまでを散策。いつもの如く夜遅くまで興じた。次の日、吉野も「よろしいのう」と思いつつ、近鉄電車に乗った。

14.9.20

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過塩素酸アンモニウムは

 ロケットやミサイルの推進剤として使われているけど、これは。地下水汚染、酸性雨、オゾン層の減少などの環境面で課題がある。今までは過塩素酸のそれは代えれんそうやと思われていたけど、今回新しい推進剤としてテトラニトロアセトイミド酸(TNAA)が合成された。研究者らは、よく知られている反応性の低いエネルギー材料である1,1-ジアミノ-2,2-ジニトロエタン(FOX-7)を室温で発煙硝酸と反応させてTNAAを収率93%以上で合成した。新しい化合物は。完全な酸化を促進するのに十分な含酸素量である。また過塩素酸アンモニウムと比べるとTNAAは、衝撃に対しては安定で、計算結果は、それがより効果的な推進剤であることを示している。ただし熱や摩擦に対しては、少し安定性を欠く。またTNAAとトリフルオロメタンスルホン酸とで共結晶塩を形成し、これが別のエネルギー材料の前駆体としても利用可能である。TNAAが棚に並ぶ日も近いか、あるいはそれは多難かな。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 25, p. 22.

DOI:10.1021/ja5074036

14.9.19

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腫瘍除去や

 重大な損傷の外科手術の場合に、骨にできた大きなギャップが自然治癒しない場合がある。骨が再成長するのを助けるために、研究者らは、硫酸カルシウムと牡蠣(カキ)の殻を組み合わせた骨セメントを使う新しい処方を報告した[1]。カキの殻は人の骨と類似の鉱物や、骨の成長を促すシグナル伝達分子を含んでいる。研究チームは、硫酸カルシウムと様々な量のカキの殻の粉を組み合わせた複合材料を用意した。生きたうさぎの大腿骨に直径8 mmの穴をあけ、ここに先の複合材料を埋め込んだ。8週間後新しい骨が成長しているかどうかを検証した。様々な割合の材料の中で、重量%18%のカキの粉を含むそれが、最もよい結果であった。それは硫酸カルシウムだけの時と比べて、およそ二倍の新しい骨の成長が見られた。これらは前途有望な結果だけども、材料の試験をさらにする必要もある。たとえば牡蠣の殻が免疫応答を引き起すがどうかなどである。骨の折れる研究だけども、カキを使った活気的な成果である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 25.

DOI: 10.1021/am501448t

14.9.18

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年間数百億ドルが

 米国からメキシコに蜜輸入されている。主に違法医薬品ディーラーによってであるが、そのわずかしか、ぼ〜としているわけではないけど、ボーダーで発見することができない。この通貨密輸とドラッグギャングを阻止し、ギャフングと言わせるために、研究者らは、紙幣から出る揮発性の放出物を分析できる素子を開発した[1]。税関検査官は訓練した犬に隠された紙幣を嗅ぎ分けてもらっているけど、訓練や世話に経費もかかり、常に有用であるわけでもない。それに対してまず、アルデヒド、フラン、有機酸が米国通貨に特徴的であることが発見された。ついで熱的脱着、固相微量抽出、GC/MSを使って、旅行者の衣服や持ち物からガスを抽出、濃縮、分析し数秒から数分で、わずかな量の化合物を検出する。二、三年後には実際に使える系になるだろうとのことである。このシステム、Bulk Currency Detection Systemと名付けられている。Currencyがわかるし〜と言う可憐な系である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 24.

14.9.17

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ヒドロスタニル化を

 ラジカル条件下、アルキンに施すとビニルスズが生じる。これはクロスカップリングやほかの反応の鍵ステップである。これまで報告された反応機構は、主にラジカル中間体依存である。AIBNやトリエチルボランのような開始剤を使っているために、ラジカルプロセスのみであると考えられがちである。それに対して酸素の重要性が報告された。このラジカル反応を、酸素を完全に除去(これ自体、難易度の高い作業であるけど)した条件下では進行しない。今回の提案では、ビニルラジカル中間体が生成した後に、酸素によって酸化されて、カチオン性のビニルスズ中間体の生成が、かちよるんである。併せてスーパーオキシドも生成する。カチオン性中間体は、別のスズヒドリド分子から、水素を、日取りを決める事なく、ヒドリドとして引き抜き、ビニルスズを与える。一方でスズカチオンは、スーパーオキシドによって酸化されてスズラジカルに、涼しい顔で、変化して、別のアルキン分子に付加して反応は続く。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 24.

14.9.16

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分子量の小さなアルカンを

 低温で選択的に、アルケン以外の官能基化された生成物に変換するプロセスは、古くからあるチャレンジングな課題である。最近の米国の天然ガス生産のブームとも相まって、このプロセスがより重要になってきた。その中、金属を使わず、単純なヨウ素酸塩を触媒量の塩化物と組合せるだけで、選択的に、メタン、エタン、プロパンを酸化できる系が報告された[1]。アルカンの変換効率は、トリフルオロ酢酸のような極性溶媒中では20%以上の変換効率である。得られたトリフルオロメチルエステルは、アルコール前駆体として利用できる。反応は85%の選択性で単官能基化された生成物を、温度ならびに圧力いずれも広い範囲で達成できるため工業化にも有利で、天然ガスの主成分である三つのガスを変換できるめずらしい系である。反応機構の詳細は明らかではないけど、アルカンに対して通常はほとんど反応しないヨウ素酸塩に対して、塩化物が、「それでええんか」と作用することで、高い効率の反応剤が発生しているのではないかと研究者らは考えている。アルカンの変換、あかんと思われていた反応が実現した。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 24.

DOI: 10.1021/ja502657g

14.9.15

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パンダって

 なんだ。知らない人はいない、多分。ただし雄のパンダが求愛のために出す化合物については知られていない[1]。パンダは、その気になっている雌のパンダと出会うために、長い距離を超えて臭いマークを残す。その求愛行動の範囲はそれほど広くない。一方、動物園ではほとんど絶滅しそうな種を保持する努力を行っていて、そのためのフェロモンの特定が期待されている。その中、その可能性のある化合物の検出が行なわれた。大学ではまず、フェロモン候補である揮発性化合物を収集し固相の微量抽出ファイバーに集めるための適切な条件を見出した。それによって、ヘキサン酸のような短い鎖長の脂肪酸が同定でき、これが雌のパンダが発情するときには、濃度変化があることがわかった。この変化の生物学的な重要性は、動物園でのパンダの挙動に関する研究が完了するまでは明らかにはならないけれども、これによって動物園でも、より自然な形で飼育できることが期待される。飼育の方法、まだシークレットかもね。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 23.

ACS national meetingより

14.9.14

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新千歳空港

 お土産売り場横の広場、ワインの無料試飲。「ワインのお好みはありますか」「ないんです」とは言わずに「チリの赤ワイン、ちりませんか?」スルーされた。でも赤ワインが二本登場。まずはアルゼンチンワイン。酸っぱいかな、いや口に含むと柔らかい感じが広がる。でもコクもある感じ。なんだか感想を言うのが難しい。田崎真也さんが目隠しで2000本ものワインから選んだ逸品だという。PASCUAL TOSO下にはCabernet Sauvignonと記されたラベル。カメラで切り取る。ボルドーワインもいただいて四階に出向いた。ここ新千歳にも温泉がある。癒し系にアミューズメントエリア。えりゃあ人が多い。スーパーラウンジで過ごす。発着する飛行機。忙しく移動する搭乗予定の方々。戻って保安検査場。出発時刻を聞かれる。二時間弱あります。ここはJALのチケットしか通すことが出来ないという。別の入口を紹介された。長蛇の列に愕然とする。さらに移動して空いた検査場にたどり着いた。10日間の学会行脚が終わる。「頭は過飽和、家宝は寝て待て」多分違う。

14.9.13

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Rieke Metalとは

 活性が非常に高いゼロ価のMgZnで、これからGrignard反応剤や有機亜鉛反応剤を発生させると、これらも高い活性を示す。従来の発生法では反応しえなかった出発化合物も反応できること、低温反応を可能にすることで高い選択性をもたらすことができる系である。睡眠薬とは直接関係ないけど、ネブラスカ大学Reuben Rieke先生が1970年代半ばに開発を始めた系で、その後先生は1991年に、Reike Metalsという会社を設立された[1]。今では、ネブラスカ州リンカーンで、有機金属化学や高分子化学に関わっている多くの従業員が、雇用されている。その中今回、投資会社Blue Diamond CapitalRieke Metalsを買った。これによって、Riekeの顧客が、現在はR&Dコミュニティが主であるのを、医薬中間体や導電性高分子のようなマーケットまでも、拡大できる機会であるとしている。MetalDiamondによって買われたようです。

[1] http://www.riekemetals.com

[2] Chemical & Engineering News, 2014, Aug. 18, p. 16.

14.9.12

 

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仙台での討論会

 π電子系の分子が満載。10年ほど前とは様変わり。その間の測定機器の精密化、精度の向上の寄与。数十ナノメートルもの巨大分子の構造がX線で見事に解明される。計算科学でもそれに挑む。分子が長波長の光を吸収する・発光する。その波長の微妙な差の調整に挑む。あるいは置換基効果を丁寧に解きほぐす。高分子化して白色発光を達成する。モルフォロジーも重要であるとのこと。電池に応用する分子、カチオン型にアニオン型、トンネル効果、スピン−軌道相互作用など、まさか自分がその分野の言葉が飛び出すセッションの座長とは、殺生でしょん、と思いつつなんとか終わった。外国人特別講演、テキサスなまりの英語、ナノ化学を語る。最後のパート、三価リン化合物、Se/Teにコバルトカルボニルで、新しいクラスターができている。この組合わせ、どうやって思いついたのか。「自分もよくわからんけど、やること満載」とのこと。コロンビア大学にて立案された「コンビあ」、ころんでもビジュアルになる。

14.9.11

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サソリに

 お誘りされても遠慮する。サソリあるいはミツバチが持つ毒が、人にとっては時に、気の毒に」になってしまう。ただしある種の毒の中のペプチドは、がん細胞にバインドし、腫瘍の成長や拡大をブロックすることができる。ただしこれらは健康な細胞も攻撃するために、抗がん剤として開発に成功した例はなかった[1]。その中、毒素の送達システムを開発する合理的なアプローチの例が報告された。研究者らは、サソリの毒からの毒素ペプチドであるTsAP-1の誘導体を、球状の高分子ナノ粒子に埋め込み、NanoVeninと名付けたものを構築した。ついでNanoVeninを、実験室でがんのような細胞に施した。それは赤血球や他の正状細胞は見過ごし、がん細胞だけを殺した。しかも毒素そのものを使ったときの10倍以上の効率だった。さらにミツバチの毒素であるメリチンもナノ粒子でカプセル化したときにも、効果的な抗がん作用があった。実際に肺がん細胞でも確認したところ、通常細胞にはダメージを与えず、がん細胞のみを始末していた。「しまった」とがん細胞が感じたときには遅かったらしい。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 9.

DOI: 10.1039/c4cc04748f

14.9.10

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サンドキャッスルワーム

 と言う名の毛虫は、水中で筒状のシェルターをつくるのに使う接着成分を生合成する。いかにも整合性もある。これにヒントを得て、子宮内手術をより安全にするために、また血管が腫瘍に栄養を与えるのを防ぐのに使う接着剤が開発された[1]。医師が胎児に手術を施すとき、子宮内の胎児を守るための羊膜が破裂する可能性がある。それは癒えることはなくて、しばしば早産のリスクをもたらす。これをうまく解決できる接着剤が必要であった。そこで研究者らは、先ほどの毛虫に注目した。それはかなり電荷を持った高分子電解質である接着成分を生産し、逆の電荷を持った成分と酵素によって結合させ、シェルターをつくる。ただし毛虫から直接接着成分を得て利用することは、せっちゃくだけどできなかった。そこで逆の電荷を有する高分子電解質を合成し、それを結合させ、水と混ざらない高分子溶液を調製した。ついでその溶液を、生物組織に応用し、交差結合、硬化させて、組織を結合させた。この成果を聞けば、サンドキャッスルワームも、三度ハッスルするわ〜かもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 8.

14.9.9

 

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一羽の傷ついた白鷺が

 湯で足を癒していた。それを漁師が見て,温泉を発見したという和倉温泉。輪島方面に向けてバスは走る。能登丼をどんといただいてキリコ会館。この地のお祭りで使われる灯籠を見学。大小様々で、時に1トン以上もあるものを250人ほどで担ぐ、キリコ同士が衝突して倒すこともある。田んぼの神に食事を捧げる。成人男子は山盛り以上になったご飯を口にする。元横綱輪島関、西田佐知子さんとのツーショット。足早にそこを後にして千枚田。滞在時間は25分。降りるまで10分駆け下りた。西からの涼風が身体にしみる。真っ青な日本海に段々畑の黄緑・緑・濃緑。田んぼのオーナーになることもできる。オーナー多いなあという中には著名人の名もあった。潮風の吹く場でも米が育つ。珠洲市塩田。涼しい海岸まで降りることが出来た。岩に、はりつくヤドカリにアサリ。潮の満ち引きの狭間の生き物である。帰路は能登島経由。ここは歌の上手な方も多いかもしれない。和倉に戻った。真っ暗になる前だった。

14.9.8

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地下に下水管が

 整備されたのは100年もの間の投資の成果で、大正解である。たとえば米国では、1兆ドルとも査定できる。ただしこの投資が今、スルフィドが引き起すコンクリート崩壊の脅威の中にある。報告では、スルフィド源である硫酸塩を、水処理施設から除去することで、これを防ぐことが出来るとのことである。化学物質の下水管に対する影響を、よりよく理解するために、研究者らは2年間水処理施設周りでのサンプリングを行い、コンピューターによるシナリオ分析を行った[1]。下水管の中のバイオフィルムや堆積物の中の嫌気性バクテリアは、硫酸塩を硫化水素に還元し、これが不快臭と毒性をもたらす。ただし硫化水素は、パイプ表面で空気にさらされると、好気性バクテリアによって酸化される。それによって生じる硫酸は、カルシウムシリケート製のコンクリートパイプを1年間に数ミリメートルの速度で、浸食する。これらの要因である硫酸塩は、生活さらには工場廃水にも含まれているけど、水処理の段階で、コロイド状の固形物や天然の有機物を除去するのに使われる凝固剤由来が多い。そのためポリアルミニウムクロリドや塩化鉄など、硫酸塩フリーの凝固剤に置換えることで、スルフィド問題は解決しうるとしている。凝固剤対策、僥倖を待たずに,対応したい。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 18, p. 8.

14.9.7

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CHEMDRAWが誕生して30年

 David Evans先生と奥様のSallyの結婚生活を維持するためだった[1]1983年秋Evans先生は、カリフォルニア工科大学からハーバード大学に移った。それまで科学と数学を教えていたSallyは職を失いボストンで同様の仕事を捜すのには遅すぎた。そこで夫の研究室で働いた。最も大変で退屈な仕事の一つが化学構造式を書くことだった。当時は製図用具、型版、はがすことができるアルファベットなどを使って、何時間も製図板に向かって作業をしなくてはならなかった。同じ頃Corey研究室では、Stewart Rubensteinがコンピューター支援の合成プロジェクトに関する研究を行っていた。コンピューター、科学、化学に興味のあった彼は、Sallyとも懇意になり、その頃登場したMacintosh(Mac)に話が及び、そのグラフィックス作成プログラムMacDrawをベースに化学構造式作図も可能にできると考えた。SallyStewartEvans先生やグループのメンバーからのフィードバックも加えてリファンされていった。1985Gordon コンファレンスの休憩時間にデモが行われた。あいにくの天気で聴衆もたくさんいた。そのコンファレンスの最も注目を浴びる講演になった。CHEMDRAWという名は、Evan先生が最初の年に使って広がった。Rubenstein1986年に会社を立ち上げ、MacからWindows版さらには、iPadsでも使えるモバイル版も入ることになった。Evans夫妻は今年の12月に52回目の結婚記念日を迎えられる。Evans先生らが端緒になってアドバンスしたソフトウエアです。

[1] Chemical & Engineering News, 2014, Aug. 18, p. 26.

DOI: 10.1002/anie.201405820

14.9.6

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日本政府は先週

 エボラ出血熱に有効であるとされるものの未承認の抗インフルエンザ薬を製造する用意があると発表した[1]。実際、西アフリカの国々から、ウイルス疾患の治療に効果的である日本の会社によって開発された薬について問合せがあることを、菅官房長官は、プレスリリースした。もしWHOからの要請があれば、会社と協力して対応するとのことである。医薬品ファビピラビル(favipiravir)商品名アビガン組成式C5H4N3O2Fで富士フィルムの子会社である富山化学工業が製造、今年の始めインフルエンザ治療薬として承認された。アビガンは、ポリメラーゼ抑制剤であり、罹患した細胞内で、ウイルスの遺伝子の複製を抑え、ウイルスが他の細胞に拡大することを抑制する。インフルエンザの治療には、ノイラミダーゼ抑制剤であるタミフルやリレンザがあるが、これらは罹患した細胞からウイルスの粒子が放出されることを抑制する。美顔とは無縁なるも、アビガンのエボラに対する試験は会社では行われていない。ただし別の研究者らがネズミで実験を行い効果があったことを聞いていると、会社のスポークスウーマンは述べている。すでに2万人以上に供給できる体制であり、さらに連続的に製造できるシステムを開発中である。アビガンに加えて、少なくとも三つの医薬品が、エボラ治療の候補として、試験が行われている。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Sept. 1, p. 12.

 

14.9.5

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知的財産を

 保護するために、製薬企業は、薬の包装にホログラムあるいは他のタイプのセキュリティタグをつける[1]。ただし偽造する側も賢く、タグをたぐりよせては、そのレプリカをいかに製造するかを研究している。そのためセキュリティラベルは高いレベルの保護を提供し、通常の技術では製造するのが困難なものでなくてはならない。今回、人の息を吹きかけると可視化できる偽造防止タグが開発された。まずポリウレタンと光活性化できる接着剤であるNOAd63の最適な混合物を、小さな筒状の穴があるシリコンをもとにした鋳型に流し込む。ついで紫外線を照射し混合物を硬化させる。得られた虹色のフィルムは、簡単に鋳型から取り外すことができて、表面には、たくさんの20 nmの柱が形成されている。それをさらにパターン化された高分子電解質で表面を覆うとセキュリティタグができる。人の息の湿気分は、ナノサイズの柱の上で玉のようになるものの高分子電解質の部位ではそうならないため、隠れたイメージが明示されることになる。タグ制作もタフである。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug 11, p. 24.

DOI: 10.1002/adma.201401246

14.9.4

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核磁気共鳴装置を

 動作させる電子回路を小型化することで、安価で携帯型の装置の実現に向けて、一歩前進した[1]。これによって石油化学や製薬工業の科学者が、品質管理や製造過程での化学反応のモニタリングのためのNMR分析を、より簡単に行える可能性がある。さらに他のタイプの移動可能な分析法と組み合わせたNMRの利用を加速させるかもしれない。装置の開発者らは、小から中程度の大きさの分子の分析を標的に、装置の小型化を行ってきた。その中、大きな超伝導マグネットに替えて、より小さくてそれでもパワフルな永久磁石を設計した。ただしこのNMRを制御するためのエレクトロニクスが、比較的大きい(bulky)ままだった。そこで半導体工程の方法を使って、ラジオ波の送信器と受信器とを小さくした。結果は集積化された回路のチップは、一辺2 mmに、一変させることに成功した。さらにこれを試作品の装置にある小さな永久磁石と組合せて装置とした。永久磁石、A級で泰然自若である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 11, p. 24.

DOI: 10.1073/pnas.1402015111

14.9.3

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山火事で

 米国では今年すでに、2百万エーカーが燃えている。え〜か〜げんにしてほしいけど、その原因は置く。ともかく森、草原、農場が燃えることで大気に放出される有機エアロゾルの気候変動に対する変化について、よりよい知見が報告された[1]。気候モデルでは、バイマスが燃えることで生じる空中に浮遊する微粒子は二つのカテゴリーに分類される。すなわち光を吸収する黒色炭素(すす)で、これは温暖化に寄与する。もう一つは、光を散乱させる有機エアロゾルで、これは地球を冷やす。それに対して今回の発見では、茶色の炭素として知られている有機エアロゾルもまた温暖化に寄与することを示していた。実験的に火事を引き起こし、酸素が欠乏した状態での燃料が豊富にあるものの火事では、大量のすすが発生し、ついで茶色の炭素のエアロゾルが、おそらく腐植質の物質と類似の低揮発性有機化合物とともに生じている。この結果は、従来の地球温暖化モデルと実際に起こっていることのミスマッチを、間っ違いなく説明できる可能性がある。

[1] Chemical & Engineering News, 2014 Aug. 11, p. 24.

DOI: 10.1038/ngeo2220

14.9.2

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フロリダ大学の研究チームが

 有機合成における超音波反応容器の熱的効果について、さらに綿密な研究を行った。研究者らは以前、超音波は、既知の速度論的パラメーターとは異なる局在化した熱効果を生み出し、これによって、従来の加熱の方法では不可能であるとされている反応速度の増大をもたらしていることを見出していた[1]。ある場合には、超音波を吸収しないイオン反応物の超音波照射は、詳細は不明だけど、記録された温度よりも20 °Cほど高い温度で加熱されたように反応は進行した。また様々な超音波の強度を使って温度を一定に保ちながら反応を行った時には、ほとんど速度の促進効果は見られなかった。一方で一定の超音波の強度を使って、様々な温度で実験を行ったところ、反応速度が9倍になった。研究者らは、全体の反応温度だけではなくて、反応物の選択的な超音波照射は、超音波現象の中では未だに利用されておらず、これによって新しい応用が期待できるかもしれないと想定している。フロリダのリーダーたちの成果である。

[1] Chemical & Engineering News, 2014, Aug. 11, p. 23.

DOI: 10.1021/jo5011526

14.9.1

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