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化成品兵器ソマン

 GDとも呼ばれている。サリン、タブンなど高い毒性を示す有機リン化合物の中でGDは最も高い毒性を示す。ただしそれではすまん話である。その貯蔵庫を破壊、また高い効率でろ過できるガスマスク材料が必須である。現状、神経ガスからの保護を目的として、活性炭や金属酸化物がガスマスクのフィルターとして広く利用されている。ただし神経ガスをトラップし中和できる、より高い効率の材料開発が検討されている。その中、金属有機構造体であるMOF、有機基で連結された金属イオンあるいはクラスターによって構成されている多孔質結晶材料が使われた[1]。すなわちZr6クラスターが、ピレンに安息香酸部位が組込まれた配位子で連結されたMOFNU-1000が開発された。この化合物は、31Åという広いチャンネルを持つ。これによって有機リン化合物が内部の触媒部位に入り込むことができる。そこではZr(IV)中心が分子の加水分解を促進する。この反応は、より小さな孔のMOFでは不可能である。実際NU-1000は通常のCuが組込まれたMOF960倍の速さで分解を促進し、ガスマスク内と同様の湿気の条件でも、従来のものより80倍速くGDを分解した。それでもMOFを塗布したマスク、無用な世界がよい。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 March 30, p. 6.

DOI: 10.1038/nmat4238

15.4.18

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