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ビンセント・ヴァン・ゴッホは

 絵を描く時に、真っ赤を引き出すために、鉛系色素であるPb3O4を含む絵の具を使っていた[1]。今回、この特殊な絵の具は、徐々に白色に変ることやその様子が明らかにされた。古代から、広大に使われている鉛染料を含む絵の具の脱色は、よく知られた現象であり、黒ずむか白くなる。その中研究者らは、X-線粉末回折トモグラフィーを使って、ゴッホの1889年の作品「Wheat Stack under a Cloudy Sky」から得たサンプルの解析を行った。サンプルの中の赤橙色のPb3O4コアとそれを取り囲む明るい青色のPbCO3層との間のスペースには、プランボナクライトである3PhCO3•Ph(OH)2•PbOがあった。これは、20世紀半ば以前の絵画でこの化合物が発見された最初である。またこの発見によって、赤い鉛の分解について新しい見解を提案することができ、二酸化炭素や光を含む機構が提案されている。絵にも鉛が、たんまり使われている。絵画の素晴らしさ、たまりません。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 March 16, p. 26

DOI:10.1002/ange.201411691

15.4.5

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