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2015年11月

神経芽細胞腫

 は、小児ガンの一つで、未成熟な神経細胞で発生し、活発で、通常の化学療法薬に対する抵抗性も大きくなっていく。今回これらの抵抗性の腫瘍を攻撃する新しい方法が報告された[1]。攻撃的な神経芽細胞腫はしばしば、MYCNと呼ばれる遺伝子の多重のコピーを持ち、そのタンパク質に関するコードが別の遺伝子の発現を制御する。そこで神経芽細胞腫の患者さんから得たMYCNと関連して発現した遺伝子の分析によって、FACTと呼ばれるタンパク質錯体をコードする遺伝子に照準が合わせられた。研究者らは、MYCNがこのタンパクの転写を引き起すとき、FACTが変化しMYCNの転写の増加を手助けすることを見つけた。FACTを、現在別の種類のガンで臨床試験が行われているCBL0137で抑制すると、これによってフィードバックループが遮断され、ネズミでは、腫瘍の成長が遅くなった。この化合物をシスプラチンのような従来の化学療法薬と合わせて使うと、さらに効果が向上した。抵抗性の抑制に成功したことfactです。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 9, p. 25,

DOI: 10.1126/scitranslmed.aab1803

15.11.30

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コルチゾール

 いわゆるストレスホルモンのレベル上昇が、陣痛を引き起こすことを産科医は知っている。ただしこの機構の謎が、母子ともに、より健康な出産になるように、陣痛の調整を助ける努力を妨げている。その中今回研究者らは、転写の変換と活性化因子3(STAT3)がコルチゾールによって、陣痛を引き起すこれまでには知られていなかった役を担っていることを明らかにした[1]STAT3PTGS2と呼ばれる遺伝子の発現を促進していたことから、研究はSTAT3からスタートした。まず胎児の膜組織では遺伝子コードPTGS2によって、酵素がプロスタグランジン(PG)を生産する。それが母体から胎児が出る助けをする平滑筋での変化を引き起す。羊膜組織を分析することで、コルチゾールの高いレベルは、STAT3よりもむしろ、リン酸化STAT3に相当していることをも明らかにされた。すなわちコルチゾールは一連の生化学的な変化でSTAT3を修飾し、それが PTGS2に作用、陣痛が促進される。このシグナル伝達の解明によって早産を予防する治療法を考案できるかもしれない。PGを胎児がつくる。たいしたものです。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 2, p. 37

DOI: 10.1126/scisignal.aac6151

15.11.29

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再生できない

 化石燃料の代替としてバイオケミカルに注目していた研究者らは、原料すべてを「木材」から得られる化合物を用いた合成に初めて成功した[1]。キシロケミストリー(xylochemistry)と呼ばれるこの戦略では、木々がつくる樹脂(juicyかどうかは知らない)、油、セルロースバイオポリマーから必要な化合物を選ぶ。ここではその戦略を実証するために、イリシフォリンBとよばれる二量化アルカロイド化合物の全合成が行われている。原料は木材由来のフェルラ酸、メタノール、ベラトロールである。加えてモルフィン誘導体であるジヒドロコデインの全合成も行っている。先のイリシフォリンBは抗癌活性特性を有し、ジヒドロコデインは鎮痛剤である。さらに研究者らは、自動車用のコーティング材や接着剤、プラスチックをつくることも目的としている。なおこの研究はNHCカルベンの先駆的研究者Arduengo先生らによって、アラバマ州タスカルーサで行われている。これで世界も助かる〜さを目指す。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 2, p. 37

DOI: 10.1002/anie.201508500

15.11.28

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リチウム・空気電池の

 心臓部をオーバーホールすることで、より高性能な設計が考案された[1]。これは研究段階であるバッテリーを世に送り出す一助になり得る。リチウム・空気電池は、空気中の酸素を使ってバッテリー化学が起動し、重量あたりリチウムイオン電池のおよそ10倍のエネルギーを貯めることができる。ただし電子が稼働する間に生じる、主にLi2O2のために、動きが鈍くなってしまう。Li2O2はおよそ2 μmのサイズに結晶化し、これは血相を変えても止められず、多孔質炭素電極に詰まってしまい、つまらなくなる。Li2O2はまた充電の際にも分解せず、エネルギーロスの多い高電圧が必要にもなる。この限界を改善すべく、研究者らは、より大きな穴を有するグラフェンをもとにした電極を調製し、レドックスメディエーターとしてLiIを電解液に加えた。新しい電池では、直径およそ15 μmLiOHの結晶が形成され、それは電極に入るものの詰まることはなく、低電圧で分解し、電荷容量と寿命を向上させることができる。つまり「詰まり」が課題でした。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 2, p. 36

DOI: 10.1126/science.aac7730

15.11.27

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ぜんそくによる

 気道の炎症や収縮を防ぐ薬が、年老いたネズミの学習や記憶を改善することができることが報告された[1]。この発見は、その化合物やその類縁体が、加齢や神経変性の疾病によって失われた人の認知機能を復活させる治療法でも,利用できる可能性を示唆している。研究者らは、以前の研究結果が、げっ歯類ではぜんそくで見られる炎症に関わるシグナルタンパク質が、加齢と関連する脳の炎症や認知障害と関連していることを示していたため、ぜんそく薬であるmontelukast (Singulair)の研究を、全速力で、実施することにした。6週間の間、4歳と20歳のネズミにmontelukastを与えた。その結果、薬を与えない年老いたネズミと比較すると、与えられたネズミは学習と記憶の標準テストにおいて、よりよい結果を出し、若いネズミと同等だった。年老いたネズミの脳では薬によって、炎症の徴候の減少と記憶に関わる新しいニューロンの発生が増加していた。研究者らは現在この薬をげっ歯類において試験している。げっ歯類の試験、月謝がいるかどうかは知らない。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 2, p. 36.

DOI: 10.1038/ncomms9466

15.11.26

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ヘビの毒と

 ペプチドヒドロゲルが、チームを組んで新しい材料が出来上がった。これは外科手術の間、患者が抗凝結剤を投与されている場合でも、手術室での血液のロスを止める一助になる[1]。研究者らは、バトロキソビンと呼ばれる酵素、これはヘビ毒であるけど、血液凝固剤として利用可能であることを突き止めていた。ただしこの酵素は、溶解性がかなり高く、傷口や切開部からすぐに、隠さんでもいいのに、拡散してしまっていた。その中今回の研究グループは、以前開発していたナノファイバーに自己組織化する合成ペプチドをもとに新しいヒドロゲルを開発した。まずそれらのペプチドのアミノ酸配列を設計し、バトロキソビンのような活性な化合物が受け入れられる様にした。得られたバトロキソビンヒドロゲルは、シリンジから押し出されると流れるが、その押し出しの圧力がなくなると、そこに留まっていた。ついでヒドロゲルをネズミの肝臓の傷に応用したところ、他の市販の医療用製品では失敗していたものの、今回の材料は数秒以内で血液の流出を止めていた。血のにじむような努力で、血が止まったのかもね。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 2, p. 36.

DOI: 10.1021/acsbiomaterials.5b00356

15.11.25

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石油化学と

 かんきつ類産業からの副生成物を組合せることで化学者は、水や土からある種の有毒な金属を除去できるポリスルフィドを創製した[1]。材料は、同じ量の硫黄と(+)-リモネンを、溶媒を使わず単に混ぜるだけでつくられる。硫黄とリモネンのどちらも豊富にあるものであり、前者は石油改質過程で年間6千万トン(ようさんです)が量産されている。後者はかんきつ類の皮から年間7万トン抽出されている。ただし課金は必要かもしれない。なおこの副生成物を使った材料開発は、オーストラリアFlinders大学で行われているが、ここで得られたポリスルフィドは、機能性コーティングに組込んだりすることで、毒性のPd(II)Hg(II)を除去することができる。材料が十分な量の水銀にバインドすると、色が茶色から黄色に変化する。この特徴は、このポリスルフィドからつくられたデバイスの寿命をモニタリングすることに適用可能である。硫黄とリモネン、この理念が新しい。

[1] Chemical & Engineering News, 2015

DOI: 10.1002/anie.201508708

15.11.24

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宇宙船カッシーニが

 土星の月であるエンケラドスの水柱の間を航行した[1]。この歴史的な作戦行動は、生命を維持する月の能力を検証する一助になる。科学者は最近、氷で覆われたエンケラドスの下に塩分を含む大洋があることを発見した。木星の月であるヨーロッパでも凍りかけの大洋があると考えられており、太陽系で居住出来る場所を探す将来の興味をかきたてている。その中今回の発見は、大きな一歩である。これまでカッシーニは、月の氷の表面の裂け目から吹き出す水柱で何度も、吹き飛ばされていた。ただしそれは今回表面から30 kmの所であり、これによって、水柱を通して、液体の化合物成分をスペクトルが捕えることもできた。これまではNaClCO2やメタン、ホルムアルデヒドのような有機分子を検出していたが、今回の接近では、地熱化学によって生じる水素も検出できたことから、エンケラドスの熱水活動の程度も見積もることが出来る。「水柱、わしらが観測したんや」と宇宙船が語っている。ちなみに宇宙船、抽選で乗ることはまだない。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 2, p. 9.

15.11.23

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Pd化合物は

 低分子をカップリングさせる馬車馬のような反応剤として利用されてきた。ただし同様の反応をタンパク質との間で実施する例は少なかった。これはわんぱくではないタンパク質が、水溶液、低温、温和なpHを必要とするものの、ここではPdが作用しないためでもあった。今回生化学者と触媒化学者のグループがこの課題に挑戦し、Pd触媒によるタンパク質の構造修飾の方法が開発された[1]。ただしすでに類似の反応は開発されていたものの、それらは非天然アミノ酸や天然アミノ酸に官能基を組込んだ化合物が用いられていた。ここではアリールPd反応剤が使われ、システイン残基の硫黄原子上に芳香環を結合させている。反応は5%の有機共溶媒を含む水溶液中で、室温ほんの数分で完了し、定量的である。しかも得られた生成物は安定である。これによって分解に強いタイプのものや、抗体と抗ガン剤との複合体を含む数個の修飾生体分子が提供されている。反応の迅速さと適用範囲の広さが特徴であると、軽やかな口調で述べられている。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 November 2, p. 7

DOI: 10.1038/nature15739

15.11.22

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マグネシウム陽極と

 硫黄陰極を持った電池は、市販のリチウムイオン電池よりも、理論的に四倍のエネルギーを蓄えることができるため、電気自動車には魅力的である。ただし多くのネルギーをためて、何度もチャージできる実用的なマグネシウム電池は、なかなか達成されてこなかった。その中今回、リチウム塩をマグネシウム電池の電解液に加えることで、電池の寿命を延ばすことができることが報告された[1]。一般に充電と放電を繰返すと金属は陽極から溶け出し陰極上に付着してしまう。この過程で硫黄とマグネシウムが反応し、不要で不溶なスルフィドができて電池の貯蔵容量が下がる。そこでリチウムイオンが硫化マグネシウムと反応し、それらを斯様に可溶にするので、減少を防ぐことができないかと考えられた。実際リチウム塩を電解液に加えたところ、電池は30回の充電・放電を繰返すことができた。これでも実用レベルではないが、以前のMg−S電池が、二回のサイクルで貯蔵容量のおよそ70%を失っていたこととは対照的である。Mg-Sが、まじっすか、という発展を遂げています。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 26, p. 24.

DOI: 10.1021/jacs.5b07820DOI: 10.1021/jacs.5b07820

15.11.21

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ハワイ年会まで

 一ヶ月未満になった。案内も見まんねん、で何度も届く確認メール。難儀やどと思いつつ、英語長文に目を通す。とりたてて変更はなかった。聞けば発表のキャンセルがあって、口頭発表全体がポスターに変更されるセッションもあるかもとのこと、そんな殺生な、である。ただし案ずるなかれ。2010年のポスター会場は広々とした部屋が確保されていた。今回ポスター発表予定の方は、自分が使えるエリアをまずは確かめる。えりゃあ大きい、しかも横長。確かに2010年の写真は、横長ボードでA0サイズのポスターをそれに合せて掲示しても、その横には数10 cmほど空きスペースがあることを示していた。もちろん国内学会のように縦長方式でも掲示はできる。この時にはA0ポスター2枚掲示も可能である。それでも空きスペースの利用方法の例。その1:推定の励起状態や遷移状態の模型、目的化合物の香りを楽しめるキッドを添える。ただし後者の場合、税関検査で連行されるリスクを伴う、救われない。その2:折り紙の鶴を入れておく。聞いていただけた方へのプレゼント、手にすればかすかなアロマ、あらま〜で高得点が期待できるか。

15.11.20

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日照りや高温などの

 精神的に疲れる状況下では、植物の細胞内の葉緑素は損傷を受け、損でしょう以上に、害のある反応性酸素種(ROS)を生産する。今回研究者らは、植物が、葉緑素がダメージを受けすぎる前に、ROSを発生している葉緑素を崩壊させる信号を細胞に送る酵素が生産されることを明らかにした[1]。まず光酸化ストレスに敏感なシロイヌナズナの菌株がつくられた。ついで透過型電子顕微鏡で、細胞が損傷を受けた葉緑素を壊し、それが細胞から漏れだす様子を観測した。これらの壊れた細胞小器官では、若い植物は緑色にならなかった。ついで研究者らは突然変異株を繁殖させた。これも光酸化ストレスを受けるものの緑色に変化した。これは葉緑素の損傷にもかかわらず、破壊されていないことを示していた。この場合、変異によって、植物のU-box4E3ユビキチンリアーゼと呼ばれる酵素が作用せず、このことは葉緑体の崩壊は、ストレスシグナルとして作用する酵素に依存していることを示していた。この機構を理解することは、日照りや高温に耐性を示す植物をつくる一助である。葉緑素の協力あっての成果です。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 26, p. 23.

DOI: 10.1126/science.aac7444

15.11.19

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単純なアルケンを

 より複雑な化合物に変換する方法として、C=C二重結合のカルボアミノ化反応が報告された。この反応は、官能基化されたアミンを合成する新しい方法であり、それはしばしば生理活性を示す分子の成分となる」という言い分もある。今回コロラド州立大大学のRovis先生らのグループで開発されたRh触媒反応は、アルケンの二重結合にC-CCN結合を付加させる反応である。分子間反応で、エノールの酸素原子がフタルイミドに結合したエノキシフタルイミドが炭素と窒素の供給源である。ここでエノール部位は炭素原子が付加する。反応はシン付加で進行し、新しい結合はどちらも、アルケンの同じ面で形成されている。嵩高いシクロペンタジエニル配位子をRhのために開発し、メタノールを溶媒として使うことで反応がスムーズに進行する。この研究チームは現在この反応を、不斉反応に拡大しようとしている。「ここで拡大できた系も、どこかに書くんだい」著者らの意気込みである。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 26, p. 23.

DOI: 10.1038/nature15691

15.11.18

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血管拡張薬でもある

 ニトロプルシド([Fe(CN)5NO])2-)を硫化物と結合させると、鮮やかな赤紫色の中間体を形成し、さらに深青色の中間体にすみやかに変換される。この1840年にドイツの科学者L. Gmelinが、のめりんこで発見した反応の、前者は[Fe(CN)5(HSNO)]3-であり、後者は[Fe(CN)5(SNO)]4-であると提案されてきたものの、それらの構造の確認がなされていなかった。この最も強い呈色反応の一つの170年間の謎の解明に今回、カナダクイーンズ大学の研究者らは17O, 15N, 13C NMRスペクトル、紫外可視吸収スペクトル、赤外吸収スペクトルと量子化学計算を駆使して挑戦した[1]。その結果、赤紫色の中間体は、[Fe(CN)5N(O)S]4-であり、青い分子は、[Fe(CN)5N(O)SS]]4-であることを解明した。この新発見は拡張薬としての作用機序も解明する手がかりになりそうで、研究も跳躍しそうである。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 26, p. 23.

DOI: 10.1002/chem.201503353

15.11.17

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彗星で

 エタノール(C2H5OH)と単純なグリコールアルデヒド(HOCH2C(O)H)が発見された[1]。この観測は、彗星で発見される複雑な有機分子の、急速に拡大するリストラする必要のないリストにつけ加えられた。またこの成果は、「そのような分子が初期の太陽系が構成されるあいだに、氷の小さな粒子の上で形成された」という理論を支持するものである。報告は、彗星でこれまで観測されていなかった四つの別の分子、すなわちメチルイソシアナート、アセトン、プロパナール、アセトアミドの発見に次ぐものである。新しい実験ではLovejoyと呼ばれる彗星から回転スペクトルを得ている。このLovejoyは、特に活発な彗星であり、かなりな量のちりやガスを宇宙に放出しており、これが豊富なサンプル源であり、すでに発見さているエチレングリコールやホルムアルデヒドも同定されている。今後彗星の表面にあるものや氷を地球に持ち帰って、これらの低分子が形成される過程を明らかにしたいと、研究者らは考えている。彗星の研究も、威勢がよい。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 26, p. 6.

DOI: 10.1126/sciadv.1500863

15.11.16

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口紅や

 アイグリッター、顔用ペインター、これらの多くは中国製だけど、そこには鉛のような有害な化合物が含まれている可能性があると、上院議員の一人が、健康活動家の研究をもとに、警告している[1]。議員は、化粧品の中の鉛の量を制限し、製造業者が化粧品の中のすべての含有物をリストにすることを求めている。他の国から入ってくる、ハロウィーンや他のコスチュームの顔用の化粧品は、少量の鉛や他の重金属を含み、特に秋は、子供たちの健康にとって、脅威であり、教育上もよくない。議員は2009年の調査結果:「10種類の顔用化粧品すべてが鉛を含み、六つはニッケル、コバルト、クロムも含んでいたこと」も引用している。これらの金属にさらされることは、認知機能障害とも関連している。世界中の健康に関する機関は、鉛被爆の安全なレベルは、とりわけ脳が発達中の子供たちにはない、としている。議員からの手紙に対して、FDAは顔のペイントが発しんなどを引き起すことは認めているが、これらの製品の中の重金属の危険性についての調査はおこなっていない。鉛は、カナダや欧州で販売される化粧品では、禁止されているものの、米国では禁止されておらず、米国の親たちは、子供たちや自分自身をこの有害金属を含む製品にさらしている、とも議員は述べている。鉛含有、あんまりや」である。

[1] Chemical & Engineering News, October 26, p. 5.

15.11.15

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Dark chemical matter (DCM)

 邪悪な材料?。違います。様々な薬理活性分析をやっても、未だにそれを示さない化合物である。それでもDCM化合物は、医薬品リード化合物を発見する出発点であるということをノバルティスの研究者らが報告した[1]。研究者らは、会社が持つ手法やNIHからの活性試験650以上の結果を分析した。テストされた14%の分子が自社の手法で、また36%の分子が、NIHの手法で全く活性を示さなかった。DCM化合物は、より溶解性が高く、脂溶性が低く、低分子で、芳香環が、活性を示す化合物よりも少ない。ただしこれらの違いだけでは、活性がないことを説明しきれず、DCM化合物の多くが不活性な原因の特定には至っていない。これらは構造的には活性を示す化合物と劇的な違いはなく、類似の側鎖が両方の化合物で見られている。これまでの試験で不活性であることは将来もすべてそうであるとは言えず、実際DCM化合物に別の試験をしたところ、抗菌活性が見られた。この場合その化合物の独自性と特異性が、より明らかである。DCM化合物はPAINSとは極にある化合物であり、前者もハイスループットスクリーニングで有用性が確認されるかもしれない。ちなみにPAINS[2]とは活性ありとペイントされたものの擬陽性な化合物である。

[1] Chemical & Engineering News, October 26, p. 4.

DOI: 10.1038/nchembio.1936

[2] pan assay interference compounds

15.11.14

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周期表の右端を占有する

 希ガス。気をきかすわけではないけど、不活性で分子をつくることはできないとされていた。この考えが間違っているということがわかってから50年以上、当時は一連の希ガスが報告されていた頃だけど、今でも新しい反応が公開されると注目に値する。今回二つのタイプのキセノン分子が報告された[1]。一つはXF2ReO3Fとを無水フッ化水素の中で反応させると、橋架け錯体[XeOXeOXe][μ-F(ReO2F3)2]2を与える[2]。カチオン部位は前例のない酸化キセノン(II)であり、希ガスオキソカチオンでしかもジカチオンである。二つ目のケースは、酸化剤であるXeF6をクロロフルオロカーボン溶媒中で、アセトニトリルと混ぜ合わせると、衝撃に対して敏感なF6XeNCCH3F6Xe(NCCH3)2•CH3CNを与えた。これらはXe(VI)-N結合を有する最初の分子である[3]X線結晶構造解析とコンピューター解析によって、キセノンの電子構造や結合能についても解明されている。キセノン、季節もんではありません。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 19, p. 29.

[2] DOI: 10.1021/jacs.5b08765

[3] DOI:10.1002/anie.201507635

15.11.13

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最も大きな

 配位数を持った化合物として、CoB16-が合成された[1]。このサンドイッチ錯体は、二つのB8環が中心のCo原子に16個の結合を介して結合している。これは利用できる原子軌道をもとにした理論的には最大の数である。特にボロンはこの種の配位数には有用で、電子不足なこの元素は、ついつい、電子対を複数の他の原子と共有する傾向があって、強い結合のネットワーク構造を形成する。研究者らはコバルトとホウ素をペレットに押し込み、それをレーザービームで気化させた。ついで質量分析で混合物からCoB16-を選択し、光電子スペクトルで分析した。得られた実験結果とコンピューター分析結果も関連づけられた。これまでの最高の配位数は、トリウム錯体Th[(H3B)2NHMe2]4の15であった。この化合物は今も凝集状態で単離された配位数の最も大きな化合物である。研究者らはCoB16-が合成化学者を刺激し、ナノマテリアル材料の構成要素として利用可能な単離できるクラスター合成の新しい方法が開拓されると、信じている。配位数の増大、ハイスピードで進むでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 19, p. 28.

DOI: 10.1038/ncomms9654

15.11.12

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クロロフルオロカーボンや

 ヒドロクロロロフルオロカーボン(HCFS2)は、平凡な化合物ではない。冷却剤やスプレー缶の降圧剤としてプレーできる。一方でこれらが大気に放出されると、地球を保護するオゾン層を破壊し、おぞんましいことになりかねない。国際協定は、これらの化合物の使用を制御しているけれども、昨年の調査では、2012年にはそれらのいくつかが増加し続けていることを示していた。この結果を受けた測定の結果、HCFCs. CH2ClF, CF3CH2Clは、2012年頃が最も多く、その後3年間で50%程度減少していることがわかった[1]CH2ClFは冷却剤として限定的なブランドになり。CF3CH2Clは工業的にはもはや使用されていない。これらの化合物は、HCFCsを工業生産する時の、主に中間体や副生成物として放出されている。そこで減少はおそらく、これらの製造工程の変更によるものであると思われる。ただし別の発信元からの放出は、急激な減少には至っていない様子である。なので用が済んだわけではなさそうです。継続的な観測も必要です。

[1] Chemical & Engineering News, 2015, October 19, p. 28.

DOI: 10.1002/2015gl064709 and 10.1002/2015gl065846

15.11.11

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オスのミバエが

 食べ物をみつけたとき、そのテリトリーを9-トリコセンと呼ばれるフェロモンでマークをつける。これには「とりっこせんように」という意味はない。一方でそれはメスを誘惑し、メスはその辺りで産卵する。これによって生まれる子供たちには十分な食糧が与えられ、生き残る機会が拡大する可能性も高い [1]。化学マークはまた、他のキイロショウジョウバエにとっても、ディナーがそこにあることの印でもあり臭いに誘われてそこに集う。さらに研究者らは9-トリコセンはOr7aとして知られている臭い受容体を活性化することも発見した。この受容体は、複数のアルコール、アルデヒド、E2-ヘキセナールなどの揮発性化合物によっても活性化されるが、これらの低分子はダメージを受けた植物から放出され、小さな昆虫の別の食物源になって、その近くも産卵場となる。これらの研究結果は、様々な化学的には別の信号がOr7a受容体を活性化し、同様の行動、すなわち食物源が散乱する場所近くでの産卵を促すことを示している。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 19, p. 28.

DOI:10.7554/elife.08688

15.11.10

 

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太陽エネルギーを集め

 それを半導体粒子に移動するプロセスは、色素増感太陽電池(DSSCs)のような広く研究が行われている光起電素子における電力を生産する最初のステップである。DSSCでは、太陽光は光吸収分子の層で電子を励起するが、これらは色素あるいは増感剤であり、励起した電子をTiO2のような半導体に注入する。ついで電子は電極に移動し電流が生じる。その中ポリピリジン配位子を含むRu錯体が最も有望な増感剤であるものの、Ruは稀少、高価、毒性もあることから、それの代わり、おかわりしなくてよい、安価な鉄が注目されていた。ただし従来の鉄錯体の性能は低かった。が今回、励起状態の寿命が従来のもののおよそ1000倍のN-複素環カルベン錯体が調製された[1]。また注入の収率は92%でありRu100%に近づいている。配位子に組込まれたカルボキシル基も有用で、錯体は寿命の短い高エネルギー状態より、より長い寿命の低エネルギー状態からの電子を効果的に注入できる。この成果は、分子増感剤に関する新たな研究の火付け役になるであろう。鉄錯体の開発、手伝った人も多かったに違いない。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 19, p. 5.

DOI: 10.1038/nchem.2365

15.11.9

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インジウムは

 透明な伝導性フィルムであるインジウムスズオキシドが、テレビやほかの電子ディスプレイで使われているように広く行き渡っている。ただしインジウムの使用が拡大するにつれて、その毒性の可能性や環境中での行き先にも感心が寄せられてきた。そこでMITの研究者らは、哲学者H. D. ソローの「ウォールデン池とその環境」という有名な雑誌に記されている湿地帯、みんなも知ってるみたいなGowing's Swampから、コアサンプルを抽出した[1]。ついでコアをスライスし、放射性同位体を使ってインジウムや他の金属を分析した。その結果、1800年後半に上昇し始め1970年頃がピークだった。その頃米国では、石炭燃焼や金属溶解のような活動で大気中に出る微粒子をより厳格に制御することが始まっていた。それ以来、インジウムの濃度が、沼地では、間っ違いなく、かなり減少した。この研究は、現在のエレクトロニクス工業や製品の廃棄によって大気に放出されるインジウムの量は、北米の歴史的な場所よりもかなり少ないことを示していた。インジウムの印象、インド人の方にもお聞きしたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 12, p. 31.

DOI:10.1021/acs.est.5b03182

15.11.8

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年を取るにつれて

 人の24時間周期が一日の24時間から外れて行く傾向がある。この調節異常は、様々な消化や代謝の問題、ガン、アルツハイマー病とも関連する。研究者らは加齢による、分かれへんようになる生物時計の衰えは様々な原因があると考えているものの、単純な解決法があるかもしれない。それが栄養補助食品であることが報告された[1]。大豆、グリーンピース、ブルーチーズを含む食品の中にあるスペルミジンのようなポリアミンであり、年をとったネズミが通常の24時間周期をとりもどす一助になる。同時に研究者らは、高齢のネスミでは24時間周期が乱れ始めると同時にポリアミンのレベルも減少することも突き止めている。そこでこれらに補助食品を与えたところ、より年をとっていないネズミと同様のタイミングの24時間周期が戻り始めた。この研究を人に広げる場合、未だに確立には至っていないけれども、ポリアミンサプリメントが、生物時計を時間どおりに動かす可能性がある。ただしサプリメント、さぼらず面倒からずに服用する必要がある。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 12, p. 31.

DOI:10.1016/j.cmet.2015.09.011

15.11.7

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フグを

 食べる人は、自ら命を落としかねない。フグは、強力な神経毒であるテトドロトキシンを持ち、これがよい食材に悪影響を及ぼし「フグを食べて満腹、でも不遇な」目に遭う。フグの食べることができる部位は、種によって違っていて、ある種のそれは毒が広がり過ぎていて全く食べることができない。この危険性のため、日本の法律は種ごとにラベルすることを義務づけている。また米国では一種類のフグだけが合法である。その中、食の安全性を向上させるために日本の研究者らは、液体クロマトグラフィーと質量分析を使って、12種のフグの遺伝子の型を特定する方法を開発した[1]。そこではポリメラーゼ鎖反応が使われて、それぞれの種の16SリボソームのRNAに対するミトコンドリア遺伝子からの特異的な配列が増幅されている。ついで増幅したDNAを消化させて高分解能LC/MSで分析した。これによって、同じ配列を有する二種類のフグを除いて、すべての種を区別することができた。フグについての複数の優れた研究者の成果です。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 12, p. 31.

DOI: 10.1021/acs.jafc.5b03703

15.11.6

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ゴマノハグサ科

 の紫色の寄生植物witchweedは、アフリカでは、極悪非道な捕食植物である。毎年この寄生植物が10億ドルに匹敵する米、モロコシ、アワ、サトウキビをむさぼり食う。その際、疑うことを知らない穀物が土に放出する化合物の臭いをその植物は嗅ぎ出す。これらの化合物、ストリゴラクトンと呼ばれる一連の多様なホルモン、独り言はないけど、共生する根の菌を呼び寄せるために、多くの植物によって生産されている。このストリゴラクトンは、先の植物の発芽も活性化し、結果として生まれた寄生植物が、栄養を餌として奪う。ここで研究者は、ストリゴラクトンの種類は多いのにも関わらず、紫の寄生植物がそれらの多くを嗅ぎ出すことができるのか疑問に思った[1]X線結晶構造解析によって、寄生のストリゴラクトン受容体のバインド部位が別の植物のその受容体より大きいことをみつけた。そこが大きいほど、検出できるラクトンの種類も多くなり、餌も増える。このことは、寄生植物を抑える戦略を考えるヒントにもなり得る。受容体の状態が重要たい。

[1] Chemical & Engineering News, October 12, p. 31.

DOI: 10.1126/science.aac9476

15.11.5

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四置換アルケンは

 医薬品や機能性材料では、重要な構造の骨格である。そのためそれらを導く多くの方法があり、たとえば中間体としてポリボリル化アルケンが使われる。その中、ボリル化化合物を導く別の方法が開発された[1]。ここでもドリルは使わない。そのグループは以前、末端アルキンの脱水素ボリル化の最初の例を報告した。そこではIr触媒と多座のSiNN配位子とピナコールボランが使われ、アルキニルボランに至る。今回は、この反応をさらに発展させ、二つ以上のボリル基の導入でトリボリルアルケンを合成している。第二段階目が新しく、三重結合のジボリル化は、アルキン三重結合のB-B結合への挿入で達成されているわけではない。むしろ二つのB-H結合を含む脱水素過程が繰返されている。この段階の奇妙な点の一つは、別の触媒が必要とするものの、それは最初の段階で使った触媒から誘導できる。すなわち反応をCO雰囲気とすることで、CO配位子がもとの触媒に付加してこれが二段階目を触媒する。生成物のさらなる展開が探索されている。トリボリル化、トリポリ(ギリシャ)ではなくて、カレッジステーションで開発された。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 12, p. 30.

DOI: 10.1002/anie.201507372

15.11.4

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イモガイ

 意外なもんで、魚や海の虫を飲み込むまえに、それらに銛(ヤス)のような歯を使って、麻痺させる毒を注入する。科学者は以前、その麻痺させる化合物はポリペプチドであると同定していた。それらのいくつかはこれまで、注射で体内に導入することができる合成医薬品であるジルコノタイドのような、人のための鎮痛剤として改良されている。今回ユタ大学の研究者らは、ポリペプチドが、イモガイが持つ唯一の麻痺させる化合物ではないことを報告した[1]。二つの異なるイモガイ種から、もがいた結果、小分子が同定された。それらはナノモルの投与でも、ネズミは麻痺して、まいった状態になった。そこでそれらの構造が決定され、ジェニュアニン(genuanine)と名付けられた。それはグアニン誘導体で、イモガイで発見された最初の小分子である。それは寄生する微生物が作り出しているのか、カイが合成しているかは不可解であるが、低分子が毒性に重要な寄与をしているようである。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 12, p. 30.

DOI: 10.1021/acs.orglett.5b02389

15.11.3

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触媒は通常

 高い反応性を示すか、高い選択性を示すかで、この両者を兼ね備えた系はあまりない。たとえば高価な触媒の中には、一級アルキル基の様な最も反応性の低いC-H結合をアミノ化できる十分な反応性を示すものがあるけど、それは値段に加えて毒性を有し、選択性が低く、アルケンのような別の官能基も、ここにあるけんと思って反応させてしまう。一方で安価で低毒性の鉄触媒は、強いC-H結合をアミンに変換するには元気がない。その中今回Mn(III)-t-ブチルフタロシアニン/アンチモンヘキサフルオリド錯体は、アルケン部位を損なわず、頑固な結合のアミノ化を達成できることが報告された[1]。まず水酸基を硫酸アミドに変換する。ついでそこを先の触媒の組合せを作用させると、少し離れた位置のアルキル基のC−H結合が切断されてC-N結合が生成し、環状硫酸アミドを与える。これによって抗ガン活性を示す天然物であるベツリン酸を、別にん合成している。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 12, p. 11.

DOI: 10.1038/nchem.2366

15.11.2

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ランナーズ・ハイ

 走者に向かって手を振るわけではない。有酸素運動した時に、強い高揚感がわき上がり、痛みや不安な気持ちが軽減されることを経験する人も多い。これは麻薬ペプチドであるβ-エンドルフィンの血中濃度が増加することと関連していると考えられている。今回脳の内在性カンナビノイド系、これはマリファナであるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)の影響を受ける部分だけど、これが、少なくともネズミでは重要であるかしれないことが、報告された[1]。この系が注目されたのは、エンドルフィンは、血液脳関門を通過することができない。一方で、走った後の人の血液では、アナンダミドと呼ばれるエンドカンナビノイドが高いレベルで見つかり、脳に到達し、ハイを引き起こしうると考えた。そこでネズミを二つのグループに分け、一方は運動用の回し車で5時間走らせ、もう一方はお座りさせたままだった。その結果、しばらくして、走っている方は不安感が、もう一方のグループより軽減されたふるまいをしていた。しかも走ったネズミたちは、ホットプレートの上での応答で類推したところ、より強く苦痛に耐えていた。最後に、同じ実験をエンドカンナビノイドかエンドルフィンのアンタゴニストを与えたネズミでも行った。後者の効果は小さく、一方で前者は、走ったネズミでも、座ったネズミと同様だった。走ったネズミとともに発した成果でした。

[1] Chemical & Engineering News, 2015 October 12, p. 10.

DOI: 10.1073/pnas.1514996112

15.11.1

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