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オールシスの

 ヘキサフルオロシクロヘキサンは昨年トップニュースになった分子で、これまで知られている分子の中で最も極性が高く、カチオンもアニオンもバインドすることができる。しかもこのカインドなバインディングはこれまで測定された中で最も強い。この化合物は六つのフッ素原子すべてがシクロヘキサン環の同じ面に位置し、六つの水素がすべて逆に向いている。この配列のために分子は大きな双極子モーメントを持つ。今回この化合物は、フッ素原子側を使ってカチオンにバインドし、水素原子側を使ってアニオンにバインドする傾向が報告された[1]。実験は気相中ESIで、一あるいは二配位したナトリウム、塩化物錯体を発生させ、それらの分離に質量分析が使われた。さらに赤外多光子解離スペクトルとコンピューターによって、イオンのバインディングエネルギーが見積られた。その結果、クラウンエーテルや最も塩基性の大きいアミノ酸を除いて、ナトリウムイオンへのバインドが大きな例はなく、塩化物イオンに対しても、中性分子ではこれより強くバインドする化合物はないんど、であった。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 May 16, p. 8.

DOI: 10.1021/jacs.6b02856

16.6.6

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