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沼地や動物の腸では

 年間、数億トンのメタンガスが生産されている。この反応の最後の段階を、メチル補酵素Mリダクターゼと呼ばれる酵素が触媒し、水素原子がメチル基に付加してガスになる。そこでこの段階について1990年代後半機構Iが提唱された。そこでは歩行するかどうかはしらないけど、補酵素Mと呼ばれる生体分子が電子をMe-Ni(III0中間体に移動させる。2002年にはDFT計算によって機構IIが提案された。それはNi(II)チオラートとメチルラジカルを含んでいる。メチルアニオンを含む機構IIIの可能性も示されたがこれはほとんど起こらないとされている。そこでIIIを明らかにしたかったもののNi中間体はかなり速く反応し分析手段による同定が困難だった。今回反応過程の速度が低下する補酵素Bの類縁体を使った実験が行われた[1]。電子常磁性共鳴スペクトル、磁気円二色性スペクトル、計算および実験による遷移状態エネルギー測定によって、機構IにあるMe-Ni(III)が検出できなかったこと、機構IIにあるNi(II)チオラートがあれば観測しうるスペクトルが観測されたことなどから、機構IIが確かめられた。機構をもっと聞こうという方は原著をどうぞ。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 May 23, p. 7.

DOI: 10.1126/science.aaf0616

16.6.12

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