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フッ素原子が

 空間を通して親電子芳香族置換反応を促進させることが報告された[1]。研究者らはDiels-Alder 反応を利用して、フッ素原子が芳香環のπ電子雲に入り込んだ分子を組立てた。ついで分子のニトロ化を行ったところ、同様の分子でフッ素原子が反応点より遠い位置にあるものの1500倍反応が速く進行することがわかった、一般にフッ素原子は、芳香環に共有結合した場合には芳香族置換反応の速度へはほとんど影響を及ぼさないこととは、対照的である。これはπ電子雲上が、運動場が如く、フッ素原子が活性化剤として作用している。フッ素原子の孤立電子対が、陽電荷を帯びた中間体を安定化し、ニトロ化や他の親電子置換反応が促進する。この効果は低分子だけではなくて、フッ素化アミノ酸を含む突然変異酵素でも利用しうると指摘されている。「フッ素原子が異空間に、行くかんな」で反応促進、得心しましたか。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 May 16, p. 11.

DOI: 10.1002/anie.201601989

16.6.10

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