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ホスフィン配位子は

 多くの遷移金属触媒反応を成功させるための脇役を演じている。これまで報告された中でトリ(ターシャリーブチル)ホスフィンが最も電子豊富なアルキルホスフィンであると、長い間特徴づけられていた。それに対してそのハードなハードルを、トリ(1-アダマンチル)ホスフィンPAd3で超えることに成功した[1]。これによって、より電子供与なN-複素環カルベン配位子とトリアルキルホスフィンの間を橋渡しすることができる。アダマンタンは、通常ではない堅いC10三環性アルカンである。これまでアダマンタンが二つ組込まれたホスフィンは知られていた。それはまたN-複素環カルベンでも嵩高い置換基として利用されている。ただしリン原子上に三つ目のそれを導入することは挑戦的な課題であった。それに対して今回は、市販のHPAd2AdCO2CH3を反応させることで調製されている。得られたPad3Pd錯体を形成することで高い安定性を示し、それを使った鈴木—宮浦カップリング反応では、塩素化ヘテロアレンも利用されて、医薬品中間体や誘導体を導いている。アダマンタン、満タンな力量発揮、まだまだこれからです。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 May 30, p. 10.

DOI: 10.1021/jacs.6b03215

16.6.19

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