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かなり攻撃的な脳腫瘍である

 高悪性の神経膠腫に罹患した患者さんによって治療方法は限定的である。それに対して今回のPhase I試験の結果は、ウイルスとプロドラッグの組合せが治療に有効であることを示していた[1]。神経膠腫は脳の中で、固形がんあるいは正常細胞に侵入するがん細胞として存在する。神経外科医は固形がんを除去することはできるものの、侵入物を除去することはできない。そのため手術の後患者さんは放射および化学療法で、拡散したがん組織を攻撃する治療を受ける。それでもそのための医薬品は、脳血液関門を通ることが難しいため、がん細胞に到達することがほとんどできない。そこで開発された新しい方法はトロイの木馬方式で、とろくはない。工学的に改変されたToca511と呼ばれるウイルスが患者さんの脳に注入された。ウイルスはがん細胞に感染し、細胞にシトシンデアミナーゼと呼ばれる酵素を製造させる遺伝子を送達する。これはプロドラッグである5-フルオロシトシンを5-フルオロウラシルに変換させる。前者は脳血管関門を簡単に通過するのもの後者は通過しない。ここでは45名の患者さんにこの方法を試し首尾よく酵素遺伝子を送達させることができた結果、従来の神経膠腫の治療法を受けていた患者さんのおよそ二倍生き延びた。結果、ウラシル製造の裏を知ることになった。[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 6, p. 7.

DOI: 10.1126/scitranslmed.aad9784

16.6.24

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