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2016年7月

時代が過ぎても

 ジェダイ・コードは不変である。平安・知識・平静・調和そしてフォースがある[1]。ジエダイ・アカデミーで学んでヤング・リング(幼年生)、パダワン(弟子)、ナイト(騎士)、マスター(師範)になる。ジェダイのグランド・マスターであるヨーダ、強そうだを超えた奥深い慈悲、半端じゃないパワー。容態を見守られるヨーダ、ルーク・スカイウォーカーの前で900歳の天寿を全うした。このライトサイドと同様に弟子は一人しか持たないというダークサイド。シス・コードは、情熱・強さ・力・勝利によって、鎖がちぎれ、フォースによって自由を得る。恐怖と怒りで支配する。ハルカスで披露されるルーカスの世界。「千の顔を持つ英雄」(ジョセフ・キャンベル著)に強い影響を受けて叙事詩(サーガ)の作成に至った。すべてのシリーズに登場するアンドロイドC3-POR2D2、そのモチーフは「隠し砦の三悪人」(黒澤明監督)の太平と又七。監督への尊敬の念。世界中から人を集めてアートのグループをつくった。そのメンバーが描く、ルーカスの想像を超えた世界がストーリーの源泉にもなって聴衆も魅了した。

[1] スター・ウォーズ展(あべのハルカス美術館)16.8.30まで

16.7.31

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ポリマーを

 リサイクルするための分類スキームには、スキムミルクはない。またポリカーボネートも別のカテゴリーで埋立て処分が主である。これはコンパクトディスク、ヘッドライトレンズなどの用途で、年間数百万トン製造されているそれらを、通常の方法では簡単にリサイクルすることができないことを示している。その中これらの廃棄ポリカーボネートの埋立て以外の処理ができそうなプロセスが考え出された[1]。これによってポリカーボネートの、炭酸塩存在下簡単にポリ(アリールエーテルスルホン)とビス(アリールフルオリド)への変換が可能になる。炭酸塩はポリカーボネートの解重合を開始し、得られた反応性フェノキシド中間体は、スルホンを含むフッ化アリールと反応し、二酸化炭素の放出とともにポリ(アリールエーテルスルホン)を与える。研究者らは計算化学による研究も行い、炭酸塩が二重の作用を司っていることがわかった。求核攻撃によるポリカーボネートの分解と、後に形成するフェノレート二量体とフッ化アリールとの反応を促進している。苦心もしているかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 11, p. 10.

DOI: 10.1073/pnas.1600924113

16.7.30

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アスコルビン酸

 昨日も今日もアスコルビン酸、有用な還元剤である。たとえばそれをt-ブチル亜硝酸(t-BuONO)と組合せると複素環N-オキシドのC-H活性化とラジカルアリール化が進行し、ビアリール化合物を導くことができる。この反応が昨年、金属を使わない選択的なカップリング反応として報告された[1]。この成果を発表した研究者らはさらにこの系を探索、そこで見た光景は、アスコルビン酸が無くても同じ結果になることだった。アスコルビン酸はすでに確立された添加剤だったにも関わらずである。そこで研究者らは先の論文をゲラ段階で取り下げ、反応機構の掘り下げた調査を続け、今回新しいバージョンの論文を出した。そこにはアスコルビン酸の役割を当たり前のように採用してはいけないということも記されている。今回のことは有機化学における機構の理解の重要性も示している。また従来のこの化学がどのように修正されるかも次の課題である。寛大に見守りましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 11, p. 10.

DOI: 10.1021/acs.oprd.5b00231

DOI: 10.1021/acs.oprd.6b00117

16.7.29

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N-複素環カルベンを

 使った合成手法によって、アミンやアミナールをシリコン表面に近接して連結できる方法が提供された[1]。この手法は半導体工業で使われるシリコンチップの電子的な特性を調節するのに有用になりうる。研究者らはシリコンの官能基化の方法を、安定なカルベンのSi-H表面結合への挿入によって開発してきた。シリコンチップはすでに別の方法でアミノ化されていた。ただしカルベン挿入手法によって、従来の長いスペーサー基を介するのとは異なり、表面からわずか一炭素離れた部分にアミンを取り付けることに成功している。一炭素のみであるため、窒素原子はシリコン表面に近接し、電子の放出の容易さを調整できるため、特殊なマイクロエレクトロニクスへの応用のためのカスタム化も簡単か、である。加えてカルベンの十分に制御された反応性のために、副反応も抑制され、従来法に比較してよりよい部位選択的表面修飾が可能である。さらに研究者らは太陽電池に於けるシリコン上の新規なカルベン修飾した単分子層が、しそうな仕事の腕前を、出前しなくても、確認することを計画している。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 11, p. 10.

DOI: 10.1021/jacs.6b04962

16.7.28

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ヘリウムは現在

 天然ガス抽出の副生成物として集められている。ただしヘリウムの価格が10年まえの四倍まで上昇しているため試掘者らは、卑屈にならずに、新しい供給源を探索している。その中タンザニアにヘリウムが埋蔵されていることが発見された[1]。しかもその量は世界中で毎年消費される希ガスの7倍に相当するらしい。この新しい資源は、科学装置や医療用イメージング装置のヘリウム不足であかんわを緩和できる可能性がある。Helium One(会社)ならびに大学の研究者らは、タンザニアの東アフリカの地溝帯でそれを発見したがそこでは火山活動から生じる強い熱によって昔の地殻岩石にあるヘリウムが放出されていることが類推された。さらにオイル探索とガストラッピングの地震イメージと計算から、地溝帯のある一カ所に15m3のヘリウムが埋蔵されているとも推定された。なおこの発見は628日横浜で開催されたGoldschmidt 会議で発表された。地溝帯もっと近うかったらよかったい。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 12.

16.7.27

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窒素分子

 は強い窒素—窒素三重結合を有するために不活性であると考えられている。ただし一連の三重結合化合物で、アセチレンは、より強い炭素—炭素三重結合を有するにも関わらず反応性が高い。分子軌道理論はどちらの三重結合も、電子対を含むσ結合一つとπ結合二つを有することを示している。それに対して一般化した原子価結合理論は、分子の反応性を説明しうる電子構造の違いを示していた[1] 。すなわち窒素分子の三重結合は、従来の分子軌道理論からの見方に一致していた。一方でアセチレンの電子構造は、炭素原子上で対になっていないスピンの三つの電子を有する励起したC-Hからの寄与をかなり含んでいた。この寄与が、器用に、アセチレンの反応性に影響しているようである。電子スピンはラジカルや励起状態を表現するときには明確に考慮されるものであるけど、アセチレンではスピンがどのように対になるかが基底状態でも重要であると研究者らは考えている。スーピンが対になると麻雀では、アタマ(雀頭)になり得る。あたりまえか。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 11.

DOI: 10.1021/acs.jpca.6b03631

16.7.26

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チョコレートは

 最大60%の脂肪を含み、液体として加工されて、梱包の直前に、公開せずに、固化される。その液体は、おおよそ2-μmの広さの粒子の懸濁で、そこに液体の脂肪と主にココアバターであるオイルに、さらにココア、砂糖、ミルクの固体を含む。それに対して低脂肪チョコを製造するために、この懸濁液から脂肪を除去すると固体を濃縮することになり、液体の粘性が高くなり過ぎて、製造装置の中で流れ出してしまう。この粘性の問題を回避するためにマースチョコレート社にも一部支援を受けたテンプル大学の物理学者らは、チョコレートが流れる向きにそって電場をかけた。それによって粒子は凝縮し、流れの方向に配向した数μmの長さの鎖の様な構造が出来上がった。しかもこれによって研究者らは簡単で安価に、有名なブランドのチョコレートの粘性を40—50%減少させ、脂肪もおおよそ10%減少させて、素晴らしい味のチョコレートを完成させた。ただしそのレートを示す兆候はまだなかった。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 11.

DOI: 10.1073/pnas.1605416113

16.7.25

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触媒のペアが

 比較的効率よくかつ迅速に電気化学的にアルコールを酸化できることが報告された[1]。この触媒系は、バイオマスで電力供給される燃料電池で利用することができる。有機アルコールは木や他の植物の中で豊富に存在し、燃料電池は、それらを電気化学的に酸化することで電気が発生する。ここではTEMPOが酸化の触媒だけれども、燃料電池を動かすには高い電極電位が必要になってエネルギー効率としてはよくない。その中今回の二重触媒系では、すなわち2,2'-ビピリジンCu(II)TEMPOが協奏的に、アルコールの二電子酸化におけるレドックスパートナーとして作用する。二つの触媒による酸化は、還元の半分の電圧の電極電位で起こりTEMPOのみの場合のおおよそ5倍速く、TEMPOが進歩した感じである。電気触媒の専門家は、この共触媒を燃料電池に組込むこと、それが長寿命であることを実証することが次の段階であると述べている。TEPMO販売の店舗がどこかも調べてみよう。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 11.

DOI: 10.1038/nature18008

16.7.24

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プルトニウムのような

 アクチニド、奥地にあるかどうかは知らない。ただし使用済み核燃料の中のそれを回収・再利用できれば、核廃棄物も削減できる、その中研究者らはその回収に利用できる頑丈な配位子を開発した。配位子は、ピリジル基の2,6位にトリアジンが組込まれている。さらにトリアジンの窒素原子上には、ヒドロキシあるいはジヒドロキシプロピル基がぶら下がっている。これが、核分裂の間に生成し燃料に残存するランタニドや周期表にある別の元素を抑えて、アクチニドに選択的に配位する。そのバインド力のテストのために、核廃棄物のサンプルから抽出したアクチニドとランタニドの有機溶液に配位子を加えて、水で抽出した。その結果水層には配位子にバインドして放射性アクチニドが、もとの溶液中にある95%ほどが回収されていた。配位子のバインド能は、強酸中や、使用済み燃料が放出する通常の放射線の2000倍の200キログレイの放射線を浴びせても、保持されていた。なのでほじくらなくてもよい。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 10.

DOI:10.1021/jacs.6b03106

16.7.23

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フェロセン研究の

 路線の一つは、複数のそれを連結することである。実際にこれまでフェロセンを鎖状あるいは大環状で連結した化合物が合成されているが、いずれもフェロセンの間にスペーサー基があって、それによって直接の相互作用が軽減されている。それに対して今回、五つから九つのフェロセンユニットが、シクロペンタジエニル基の炭素で直接連結した化合物が合成された[1]。それらの酸化・還元活性な第一さらには第二鉄のナノリングは、電荷がかなり非局在化し、以前合成されたフェロセンをもとにした大環状化合物よりも安定で、さらに六員環バージョンはベンゼンの有機金属類縁体の性質を示す。研究者らはヨウ素化フェロセンあるいは鎖状のフェロセンオリゴマーの希薄溶液を、銅が媒介するウルマンカップリング反応条件にさらして環を導いている。また分子内の空孔はホスト—ゲスト化学への展開も可能であり、電荷の非局在化は電子あるいは磁気的な応用ももくろむことができる。研究者らはこの環の直接連結した観覧車分子をさらに大きくしたいとしている。でも簡単じゃないよ。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 10.

DOI: 10.1038/nchem.2553

16.7.22

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ジフルオロメチル基

 (CF2H)は、化学的に不活性な脂溶性の置換基で、医薬品や農薬が標的に到達するのを助け、速すぎる代謝を抑制することもできる。とりわけCF2Hはわずかに酸性のC-H結合を有し、それは、酵素やタンパク質のような生物学的な標的を認識する部位であるアルコールやチオールの代わりに作用できる。そのためCF2Hをつくる色々な方法が開発されているものの立体化学を制御するのは一体どのような方法があるのか未開拓であった。その中今回、フッ化水素とヨウ化アリール触媒、酸化剤の組合せがアミドやエステル基を有するスチレン誘導体のC=C結合を再構成させて、キラルジフルオロメチル基の導入が可能になった[1]。これまで二つの独立したチームがHF/ヨウ化アリール系がアルケンの1,2-ジフルオロ化を促進することを明らかにしていた、そのうち一方がここでは、二重結合上の置換基を選択することで、アリール基の移動を伴い、1,1-ジフルオロメチル基を形成する反応を達成している。アリールヨージド触媒が自動的に、アルケンアリール基の移動をありうる系に導いている。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 8.

DOI:10.1126/science.aaf8078

16.7.21

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1987年の

 モントリオール議定書には、冷媒、溶媒、エアロゾル高圧ガスに使われるハロ炭化水素の使用がオゾン層を破壊するため、これらの使用を制限することが記されている。それから30年たった今回の実験ならびにモデルは、オゾン層が確かに増大し「回復している」ことを示していた[1]。議定書の発効以来、オゾン層の破壊の速度は減少するものの2000年、南極のオゾンホールが最大の大きさになった。この難局を迎えるも、その後は平均的なサイズは安定していた。さらに今回南極では実際にオゾン層が増加していることが確かめられた。一般にオゾン層は地球を、太陽から届く害のある紫外線から保護しており、人間の出すハロカーボンが、遥か遠いオゾン層にダメージを与える。特に南極のような極端に低い温度では成層圏の雲の中でオゾンの破壊化学が助長される。ただしより温和な温度でもそれは進行する。また火山の噴火も影響し、実際に2015年の大きなホールが観測されたのは、チリの火山Calbucoの噴火によるものであることもわかった。オゾンホールできても、オゾン放る人は、存知あげないか。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 7.

DOI:10.1038/ncomms8233

16.7.20

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メタンスルホン酸(MSA)は

 酸工業の世界では隙間市場で、みんなが好きまでいかない。それでもBASFはその最大供給会社で年間3万トンのプラントをドイツで稼働させている。またさらに新しいプラント製造を模索している。BASFの製造過程は、メタノールと、粉末硫黄からジメチルジスルフィドを導きさらにその触媒的な酸化でMSAを導く。別の製造会社であるArkemaはメチルメルカプタンのクロロ酸化を含む二段階過程を経ている。それらに対して今回Grillo社は新しいプロセスとして、メタンと三酸化硫黄との反応を達成しプラント製造することを明らかにした。反応は30–60 °Cで進行し圧力も穏やかである。MSAは、酸市場最大で水と三酸化硫黄から製造される硫酸とは違って、腐食性は無く容易に生分解され、毒性も問題になるほどではない、また電気メッキ、エレクトロニクス、工業洗浄、医薬品工業など、さらにつねにBrønstedとしても、高い効率、選択性、精製の容易さもあって利用されている。加えてGrilloは、メタンを燃焼以外に利用するという点にも着目しており、その酸化によるメタノールや酸化的カップリングによるエチレン製造も探索している。MSAのまさかの製造法である。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27, p. 27.

16.7.19

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孤立電子対を

 有する中性の炭素であるカルベンはかつて化学反応の途中で生成する短寿命の化学種であると考えられていた。ただし時が経つにつれて、カルベンは短寿命から変わるべんく、単離するのに十分な収納できる分子骨格が設計されてきた。それらがN-複素環カルベンであり環状アルキルアミノカルベンである。これらの分子は今や配位子として金属にバインドしそれらを安定化し、また有機触媒としても働く。このカルベンのリン類縁体である短寿命のホスフィニデンが今回、Bertrandらによって室温で一週間安定なそれに生まれ変えられた[1]。カルベンと同様、安定なホスフィニデンには、π供与なリン置換基が結合しホスフィノホスフィニデンになり、さらに巨大な芳香族置換基が組込まれている。この立体保護がなければ、それは二量化し消滅してしまう。予備的な実験結果は、孤立電子対がアルケンやイソニトリルに付加反応できることも示していた。臨場感としては、リン上からホスフィニデンに電子が非局在化している様子である。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27, p. 9.

DOI: 10.1016/j.chempr.2016.04.001

16.7.18

 

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白ワインの

 ボトルを購入したときに、中身はリースリングブドウ、シャルドネ、ソービニョン・ブランブドウと、ラベルに記された通りかどうかを見分けることは難しい。実際にそうであっても、天候、地形、剪定が、その年に生まれた化合物の混ざり具合にかなり影響するため、同じブドウでも変化に富み、ワインを確実に同定できる分析手段が、ほとんどないん状態である。その中二つの逆の電荷を持つPPE1PPE2とよばれるポリ(p-フェニレンエチニレン)の蛍光消光に対するワインアルコール、糖鎖、天然色素の影響を利用した方法が報告された[1]。一連のアニオン性PPE1、カチオン性PPE2を、違ったpHレベルでテストすると白ワインに使われたブドウの種類の組合せを区別することができる。これまでワインのセンシングのための質量分析法、比色分析法などが報告されていたものの、決定的な方法ではなかった。今回の成果はより確かな方法の最初のステップであるらしい。面白い白ワインの分析法が誕生した。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27, p. 9.

DOI: 10.1002/anie.201602385

16.7.17

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残留性有機汚染物質

 (POP)には、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)、ポリ臭化ビフェニル(PBDEs)、多環芳香族炭化水素(PAHs)などがあるが、これらは風や川の流れで大洋へもたどり着く。今回の研究結果は、これらの物質が大西洋の深さ2500メートルまでも浸透するというこれまでの類推を支持するものだった[1]。海洋学者らは北大西洋や熱帯大西洋に停泊し、有機残留物を吸収できるポリエチレンフィルム入りの金属のかごを海の様々な深さに、過保護にならないようにセットした。説得された収集機はこれでサンプルを収集、研究者らは一年後フィルムを回収、化合物を抽出し水中の有機汚染物質の測定を行った。クロマトグラフィーと質量分析を使ってPCBs, PBDEs, PAHsを含む78種類の物質を探索した。その結果、深海ではこれらの化合物による高い濃度の汚染はなかった。ただしその辺りは原始の海のイメージだったのが、それらの物質はそこまでも広く拡散していた。このこと隠さんようにしたい。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27.

DOI:10.1021/acs.est.5b05891

16.7.16

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12500種類の

 多孔性金属有機構造体(MOF)の化学的・物理的特性がコンピューターによって解析された。その結果、そのうちの一つはガス混合物からキセノンとクリプトンの分離にかなり威力を発揮することがわかった。ついで実験的にこの予見が確認された[1]。キセノン、クリプトン、酸素、窒素、二酸化炭素などのガスは、価値のある核分裂性の材料を抽出するための使用済み核燃料の再処理の際に発生する。再処理施設では、極低温蒸留を経て放射性同位体を含むガスをトラップし分離するけど、この方法は効果的なるも高価でありエネルギー負荷も高い。そこで新しい気体分離が期待される中、燃料の再処理の間に、先のキセノンとクリプトンを分離できる吸着剤が探索されていた。非放射性キセノンは、商業用照明、イメージングや他の応用に利用でき、一方で回収されたクリプトンは長寿命の同位体を含み、隔離する必要がある。ここで研究チームは、カルシウムイオン、スルホニルジベンゾエートから作られたSBMOF-1が、サイズ排除によってガス分離できる最も優れた候補であると同定した。ただしキセノンから換気扇はできないノンである。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27.

DOI: 10.1038/ncomms11831

16.7.15

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今世紀の始め

 地球の表面温度の上昇が抑制された。この地球温暖化が緩和された主な原因を探るため、数十年間の時間軸で太平洋の表面温度変化が観測されている。ただしこのいわゆる太平洋10年規模振動(PDO)が冷たいフェーズにシフトするのは、すべて自然現象に由来するわけではない。別のケースとして化石燃料の放出の変化が引き起こす可能性を英国政府の関連オフィスが報告した[1]。二硫化炭素は化石燃料の燃焼で放出されるが、それが硫酸エアロゾルを生む。これが太陽光に影響し、結果としてある地域の冷却効果をもたらす。中国では放出とエアロゾルの増加を観測したある時期に冷却に入っている。一方、北米・欧州ではそれらの現象の減少で温暖化に至っている。すなわち太平洋の貿易風が熱を水面下に潜らせる役割を果たしているとも言える。そのためもし中国が放出を減少させ大気の質を向上させたときには、PDOは温暖化にシフトし地球上の表面温度がより速く上昇する可能性もある。温暖化の段階、懇談会でも話しましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27, p. 6.

DOI: 10.1038/nclimate3058

16.7.14

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柔軟性のある

 有機記憶素子で、光を使ってより多くの情報を蓄積し電子電流でそれらを放出する新しい例が報告された。これはデータの書込みと読み取りを異なる物理刺激で行う最初の例ではないものの、従来のそれは遅くて、より少ないデータしか扱えず壊れやすかった。今回その限界が克服されて、柔軟なデータ貯蔵光学電子センサーで着用できるエレクトロニクスが構築された。研究者らは、光に応答するジアリールエテン分子と半導体高分子であるポリ(3-ヘキシルチオフェン)とをブレンドして連動させた。光励起によって開いた状態が閉環し、これによってナノ秒レーザーパルスで素早く情報を書き込むことができる。ジアリールエテン分子は可視光で開環しデータが消去される。開いた分子と閉じた分子の割合は、ポリ(3-ヘキシルチオフェンが電子電荷を如何に往復させることができるかに影響する。それぞれの光パルス変化は、ある一定の間隔で電流を調整し、256の区別できる電流レベルあるいは記憶状態をつくることができ、これは以前の同様のデバイスを超えていた。しかも電源を切ってもこの素子は、素知らぬ顔で、データを数百日保存することもできる。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27, p. 7.

DOI: 10.1038/nnano.2016.87

16.7.13

 

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多くのガスプラントでは

 1800年代から、光や熱のための燃料を生産するために、石炭を蒸留しているが、そこは、コールタールによって相当に汚染されている。現状の改善方法は、残存の堆積物を掘り出し、それを運び出して、捨てるか,焼却処分するか、脱着させるかで、決着させている。それに対して今回残存の堆積物をポリスチレンペレットやトウモロコシグルテン粉末や麻から抽出したバイオ界面活性剤と混ぜることで、より安価に現場で堆積物をクリーンにできる可能性が報告された[1]。研究者らは、インディアナの川から取り出した堆積物を、家庭用のポリスチレン絶縁体をすりつぶしたものから作成したペレット、さらにバイオ界面活性剤と混ぜた。バイオ界面活性剤がタールを動かし、その化学成分がポリスチレンとのπ—π相互作用でペレットにくっついた。ペレットは、しれっと、混合物の表面に浮き上がり一方で堆積物は沈み容易に分離できた。堆積物から80%の多環芳香族化合物を除去する条件を使うことで、処理コストが28%削減できると見積られている。堆積物が遺跡に移籍する前に処理が可能になった。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 20, p. 8.

DOI:10.1080/15320383.2016.1190955

16.7.12

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リチウム硫黄バッテリーは

 理論的には現在使われているリチウムイオンバッテリーより、一桁大きなエネルギーを蓄えることができる。ただし硫黄の電気伝導性の低さのために、高エネルギーを貯蔵できるリチウム硫黄カソードを設計することが難しい。そのため技術者は導電性の炭素をもとにした化合物の添加を展開しているが、それによって硫黄の量が減少し、エネルギー密度が低下する。その中今回、従来のものよりも10倍密に硫黄が含まれたカソードが開発された[1]。アセチレンブラック、多壁カーボンナノチューブの組合せで高い導電性を確保しカソード内に硫黄を組込む空間が保持されている。従来のカソードでは1から2mg/1cm2だったのが新しいそれは1 cm2あたり10 mgの硫黄を含む。このカソードとリチウム金属アノードで作成されたバッテリーは、典型的な携帯電話のバッテリーのおよそ8倍のエネルギー容量だった。また50回の充電・放電のあとでも、それは91%の電気容量を維持していた。カソードが仮想ど的ではなくなってきた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 20, p. 7.

DOI: 10.1021/acsenergylett.6b00104

16.7.11

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ポリエチレンは

 世界で最も大量に使われているプラスチックで、プラスチック廃棄物の主な要因である。この廃棄物問題を解決する一つの方法は、ポリエチレンを有用な分子量の小さな化合物に変換することである。ただしそれは化学的には安定で効率的に分解させることは難しい。高温熱分解は可能であるものの、高価であり、炭化水素ガス、オイル、タールの複雑な混合物になっタールである。温和なリサイクル反応も開発されているものの、それらは反応性の高いラジカル反応を利用するもので実施するのが難しい。その中今回研究者らは、温和な条件でのクロスアルカンメタセシスでポリエチレンをより有用な液体燃料やワックスに分解する方法を開発した[1]。プロセスでは、ポリエチレンと容易に利用できる分子量の小さなアルカンの脱水素化でオレフィンを導く。オレフィンメタセシス反応では、これらのオレフィンを混合させ長鎖をさらに分解し、最後に水素化によってアルカンになり、反応後どこにでもあるかんなだった。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 20, p. 7.

DOI: 10.1126/sciadv.1501591

16.7.10

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ペルージャ

 と言っても南米の国ではない。イタリア中部の都市、中田選手が活躍していた頃そこの大学で修士、その後スペインに移動して学位を取得。ウィーン、マンチェスターさらにストックホルムで博士研究員として過ごす。数年前にウィーンに戻り、研究室をマネージすることになった。十数名の学生さんのうち女子学生が8割ほどを占める。スペインに出向いた時にガールフレンドができた。薬剤師、日本と同様に医師からの処方箋をもとに薬を集めて患者さんにお渡しする職。普段はウィーンとバルセロナを行き来する、今回は京都を訪ねた後に岐阜を講演先に選んでもらった。焼き肉屋さんにご招待。ホルモンなど内蔵系は食べないぞう、だった。それでも赤ワインを堪能。ほぼ終わりに近づいた頃、バーに行きたいとのこと。イタリアではカンパリが最もポピュラー、これでがんばるという。でもここではジン・トニックを注文。午後11時を過ぎた頃「そろそろ終わりに」「いやもう一杯だけ」終始パチェ(Pace)先生のペース、彼女とのスペースも小さくなっていた。

16.7.9

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分子内の元素の

 酸化状態は、電子を数えたり、構造・結合様式を決めるのに重要な手段である。そこで高酸化状態はどこまで高くなるかという好奇心が芽生える。実際-4から2014[IrO4]+が報告されて+9まで拡大している。これを報告したミネソタ大学の研究者らは、+10が見れそうだと今回予測している[1]DFT計算を使ってPd, Pt, Ds(ダルムスタチウム)化合物の電子構造が予測された。その結果、[PtO4]2+では+10が導かれた。 [IrO4]+のようにこれらは中心金属原子が十分な価電子を持ち、高い電荷はフッ素や酸素のようなサイズは小さくて電気陰性度の大きな配位子で安定化されている。さらに+10候補の分解過程を計算したところ[PtO4]2+は安定で、[IrO4]+と同様のテトラヘドラル構造で四つの末端Pt=O結合を持つ。合成は、酸素存在下、金属標的にパルスレーザーで衝撃を与えると、小劇場ではなくて研究室で可能であるらしい。

1[] Chemical & Engineering News, 2016 June 20, p. 7

DOI:10.1002/anie.201604670

16.7.8

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激しい運動を

 続けるために疲れた筋肉をリカバーしたくてもできない。リカーバーに行っても戻らない。そのときは身体の中の古い骨、特にオステオカルシンと呼ばれる骨ホルモンのせいにすればいいかもしれない。今回研究者らは、オステオカルシンは筋肉細胞が、運動で必要とされるエネルギー需要に順応するために必要であることを報告した[1]。骨ホルモンは、小さなタンパク質だけれども、筋肉細胞を活性化しグルコースと脂肪酸の摂取と異化作用を向上させて運動状態を維持することができる。ネズミと行った持久力に関する実験は、若ネズミで循環していたオステオカルシンのレベルが中年前あるいはそのころに極端に減少し、年嵩ネズミでは運動の間、若ネズミと同様には増加しなかった。さらに15歳のねずみにオステオカルシンを与えると運動能力が3歳のねずみに匹敵するようになった。もしこれが人でも働くとすれば、そのホルモンはジムに通うときの必需品になるとともに、国際ドーピングのリストで禁止薬物になる可能性もあるだろう。オステオカルシン、おってもっとわかるしん。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 20, p. 7.

DOI: 10.1016/j.cmet.2016.05.004

16.7.7

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共有結合が

 化学の基礎であるように、スイッチはエレクトロニクスの基礎である点、皆さん一致する。スイッチは電気を通し遮断する。一方で結合は分子をつくりそれをこわす。今回共有結合でジアリールエテンを二つのグラフェン電極に共有結合的につなげることで、結合解裂と形成のプロセスを利用した単分子スイッチが開発された[1]。頑丈なスイッチは室温でも働き一年以上安定である。分子が開いた状態では、ジアリールエテンのチオフェン部位の間には結合がなく分子は絶縁体として働く。ただし紫外線を照射すると二つのチオフェン環の間に結合が形成し、分子が電子を流すことを可能にしている。可視光は結合を解裂させ、もとの絶縁体に戻る。これまでジアリールエテン分子は知られていたものの、必ずしも可逆ではなく、時間が経つにつれて分解していた。分子スイッチは、相当に縮小化されてきた電子デバイスの要(かなめ)であり、それを叶えた成果である。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 20, p. 5.

DOI:10.1126/science.aaf6298

16.7.6

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地球上のすべての生物は

 アミノ酸の左巻きの鏡像異性体からほとんどのアミノ酸をつくっている。科学者は長い間、なぜ右巻きに優先して左を自然が選択したのかを右往左往せずに探索している。太陽の回りで形成されて1969年オーストラリアに落下したマーチンソン隕石には多くのアミノ酸が含まれていたけど、その中は左巻きがわずかに多かった。これはわずかな鏡像異性体の差が生命を左か右にするかをきめるのに十分であることを示している点で重要である。このキラルの優位性が銀河系の歴史のどこまで遡るのかも明らかにしたいとしていた。その中今回、星間のプロピレンオキシドが、最初のキラル分子として発見されたことが614日に発表された[1]。研究者らは、星間雲であるSagittarius B2North、そこでは180の既知の星間分子の内の1/3を発見しているが、その中に分子を検出した。さらに三つの特徴的なラジオ波吸収があり、それによってプロピレンオキシドであると同定した。ただしこの観測では鏡像異性体の区別はできず、今後は円偏光を使った観測を行う予定である。精悍な人たちが星間に挑んでいる。静観するしかない。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 20, p. 4.

DOI: 10.1126/science.aae0328

16.7.5

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法医学の

 血液検査の新しい手法が開発された。研究者らはアルカリホスファターゼ(ALP)に注目した[1]ALPは女子では17歳、男子では18歳でピークに達しその後急激に減少する血液中にある酵素である。研究者らは、年少者や成人に見られる天然の酵素レベルにマッチする濃度のALPを加えた人の血清100サンプルのテストを行った。ALPの濃度は、既知の酵素によって触媒されるアッセイで、あっせいらずに、決定された。すなわちp-ニトロフェニルホスフェートのp-ニトロフェノールへの変換である。このフェノールは黄色でその量をスペクトルで測定できる。測定の統計的検定は、若い男性とより年をとった男性の区別を99%の確からしさで、また若い女性とより年をとった女性の区別を、100%の確からしさで、アッセイできることを示していた。さらに実際の犯罪シーンをまねるために、48時間窓に近い実験台の上に放置したサンプルでも同様だった。加えて犯罪が起きてからの経過時間の予測方法も同時に開発された。血液で強気に捜査もできそうである。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 13.

DOI: 10.1021/acs.analchem.6b01169

16.7.4

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三級アルコールを

 ケトンから合成する場合、通常有機金属反応剤をカルボニル炭素上に攻撃させる。ただし有機金属反応剤が標的のカルボニル以外にも反応する場合もあり、反応で利用できる基質に制限があり威厳も縮小する。加えて医薬品候補を導くための不斉反応に展開する場合には、化学量論量のキラル添加物を加えなくてはならない。これらの課題を乗越えるために今回、触媒量の水素化銅とキラルホスホラン配位子を用いて、エンインのような複数の不飽和部位を有する炭化水素をケトンに付加させる反応が開発された[1]。反応は様々なカップリングパートナーを利用でき、高収率・高エナンチオ選択性で進行する。多くの例では、二つの隣接するキラル中心を有する複雑な化合物が構築されている。さらに配位子を最適化させることで、オレフィン由来の求核剤の不斉付加の、よりパワフルなツールとして利用範囲の幅広い合成法になり得る。三級アルコール合成、Thank you

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 13, p. 8.

DOI: 10.1126/science.aaf7720

16.7.3

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クラウンエーテルは

 環状ポリエーテルでカチオンに強くバインドし、安定な塩を形成するのを助けることができる。それに対してアンチクラウン、あんちゃんが考案したわけではないけど、それも環状化合物なるもののアニオンを強くバインドする。ホウ素やアンチモンを含むルイス酸系に加えて水銀アンチクラウンも研究されている。これらはハロゲン、シアン化物、アジドアニオンのセンシングに応用でき、水の品質をモニターできる。そのうちHgを三原子含む(HgC6F5)3が最も広く研究されている化合物の一つである。それは隣接するアンチクラウンユニットの間の原子の水銀への親和性によって安定化され、オリゴマー様のアセンブリを形成する。ただしこれまでフッ素原子を含む二量体が単離されることはなかった。その中ロシアの研究者らは、(HgC6F5)3BF4塩とを混ぜることで、安定なフッ素錯体を導いた[1]。スペクトルならびにX線構造解析の結果、フッ素原子一つが二量体の六つの水銀原子に配位していることがわかった。このフッ素をサンドイッチした構造の美しさが賞賛されている。このアンチクラウン、次は何を食らうんでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 13, p. 7.

DOI: 10.1021/acs.organomet.6b00231

16.7.2

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シクロペンタジエニル配位子は通常

 反応に参画することなく金属に電子を供給するものであると考えられてきた。その中二つの研究チームが、容器の中で、予期していなかった反応を発見した[1]。水素化反応や水素形成反応にしばしば利用されているCp*Rh(ビピリジン)錯体の反応を行っていたところ、ヒドリド錯体を形成した後、Rh上の水素がCp環に移動する反応が起こった。二つのチームに加えて他の研究者らも、このRhからのプロトン移動で可逆的にC-H結合形成が起こることは驚きであるとしている。また一方のチームはこの現象を、細胞の酵素の補助因子であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)のヒドリド移動による還元型NADHの形成を研究している間に、先のCp*H中間体がよぎった。もう一方のチームは、Cp*Rh(ビピリジン)を酸と反応させてプロトンのカップリングによる水素形成を探索している間に発見した。今回はRhに関する例だけれども様々なCp金属錯体が知られていることから、この可能性は別の金属も巻き込んで広がる可能性も高い。Cpのことカナディアンプレスでも掲載されたでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 13, p. 6.

DOI: 10.1039/c6cc00575f

DOI:10.1073/pnas.1606018113

16.7.1

 

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