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フェロセン研究の

 路線の一つは、複数のそれを連結することである。実際にこれまでフェロセンを鎖状あるいは大環状で連結した化合物が合成されているが、いずれもフェロセンの間にスペーサー基があって、それによって直接の相互作用が軽減されている。それに対して今回、五つから九つのフェロセンユニットが、シクロペンタジエニル基の炭素で直接連結した化合物が合成された[1]。それらの酸化・還元活性な第一さらには第二鉄のナノリングは、電荷がかなり非局在化し、以前合成されたフェロセンをもとにした大環状化合物よりも安定で、さらに六員環バージョンはベンゼンの有機金属類縁体の性質を示す。研究者らはヨウ素化フェロセンあるいは鎖状のフェロセンオリゴマーの希薄溶液を、銅が媒介するウルマンカップリング反応条件にさらして環を導いている。また分子内の空孔はホスト—ゲスト化学への展開も可能であり、電荷の非局在化は電子あるいは磁気的な応用ももくろむことができる。研究者らはこの環の直接連結した観覧車分子をさらに大きくしたいとしている。でも簡単じゃないよ。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 4, p. 10.

DOI: 10.1038/nchem.2553

16.7.22

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