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孤立電子対を

 有する中性の炭素であるカルベンはかつて化学反応の途中で生成する短寿命の化学種であると考えられていた。ただし時が経つにつれて、カルベンは短寿命から変わるべんく、単離するのに十分な収納できる分子骨格が設計されてきた。それらがN-複素環カルベンであり環状アルキルアミノカルベンである。これらの分子は今や配位子として金属にバインドしそれらを安定化し、また有機触媒としても働く。このカルベンのリン類縁体である短寿命のホスフィニデンが今回、Bertrandらによって室温で一週間安定なそれに生まれ変えられた[1]。カルベンと同様、安定なホスフィニデンには、π供与なリン置換基が結合しホスフィノホスフィニデンになり、さらに巨大な芳香族置換基が組込まれている。この立体保護がなければ、それは二量化し消滅してしまう。予備的な実験結果は、孤立電子対がアルケンやイソニトリルに付加反応できることも示していた。臨場感としては、リン上からホスフィニデンに電子が非局在化している様子である。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 June 27, p. 9.

DOI: 10.1016/j.chempr.2016.04.001

16.7.18

 

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