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バナナ結合が解裂する

 って、微妙だけど、美味に聞こえる。ただしこれは表面化学での話で、特に光が駆動する水の分解で触媒から水素分子が解離する時のことである。通常解離は熱的に引き起されると考えられているものの、今回の研究結果は光によっても誘起されることを示していた[1]。燃料電池のための水素を水の分解でつくる一般的な方法は光電子を放出することができる半導体とRuO2のような共触媒とを組合せてレドックス化学を促進させる。これまでは発生した水素はσ結合からRu4dz2軌道に電子を供与することでRuO2に吸着していると考えられていた。これによって、三中心二電子系のまがったバナナ結合ができる。それに対して今回Ru(IV)上の分極したH2と反対に分極したRuO2との間の静電相互作用が同定された。さらに可視光照射によってRuO2で光学遷移が起こり、電荷の再配分が起こり、静電相互作用が弱まり水素が発生する。この発見は、これまで認識していなかった共触媒上での光学遷移があることを提案している。光学遷移、学生さんも学んでください、高額ではないので。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 18, p. 9.

DOI: 10.1021/jacs.6b05083

16.8.1

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