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窒素は

 炭素と違って、長鎖の化合物や環に多数が組込まれた分子をつくることは少ない。ただし後者のような環に窒素が、窒息するくらい組込まれると、この多窒素化合物は、高エネルギー材料として利用可能である。そのような化合物の一つが、シクロペンタゾールアニオンであり、それは芳香族性を示すために幾分安定ではないかと期待されていた。これまでの研究では、五員環のすべてが窒素の化合物は気相中で、競うわけではないけど、同定されていた。ただし溶液中での直接観測は報告例がなかった。その中今回フェニルペンタゾールをTHFNaで還元することで、シクロペンタゾールアニオンを発生させることができることが報告された[1]。この反応ではフェニルラジカルと対応するアニオンが生成していると考えられている。さらにこのアニオンを使った反応も期待されている。それ自体は-40 °C以下ではかなり安定で、室温でも数分は壊れずにそのままである。多窒素環に立ち入った感ありです。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 July 18, p. 8.

DOI: 10.1002/anie.201605400

16.8.2

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