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2002年

 Yu先生は勇敢にも、挑戦的課題としてカルボニル化合物のβ位にあるメチレンのC-H結合を切断し、そこに炭素置換基を導入する不斉触媒反応を達成することを掲げた。それから14年、学部生と大学院生15名、博士研究員30名が研究に参画し、それを触媒する反応を達成した[1]。二級アミドを出発化合物に、キノリンに光学活性二級アセトアミドが組込まれた二座配位子を設計しPd錯体触媒を発生させ、ヨウ化アリールを用いている。この飛躍的な成果はカルボニル基を有する基質の他へも適応できるとしている。また研究者らの共同研究先であるBristol-Myers Squibbではすでにこの反応を使った医薬品候補の合成を行っている。同じタイプの生成物を得る従来法は、α, β-不飽和カルボニル化合物を用いる方法だけど、アルケニル基を有する出発化合物の提供が常に簡単であるというわけではない。ちなみに配位子の設計には、実験の積み重ねに加えて、計算化学によるサポートも貢献している。途中、使うのが廃止になった配位子も多かったに違いない。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 September 5, p. 7.

DOI: 10.1126/science.aaf4434

16.9.23

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