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ボラジン

 (B3N3H6)90年前に、ベンゼンの無機化合物類縁体として発見され、化学者は炭素を含まない芳香族化合物をつくることができるという思いに至った。それ以来研究者らは13族と15族の元素のたくさんの可能性を探索してきたが、ほんのわずかなそれらが報告されたのみであった。その中今回二つの新しい仲間が加わった、一つはリン—ケイ素、もう一つはヒ素—ケイ素芳香族類縁体で同時に反芳香属性を示すシクロブタジエン類縁体も報告された。トリホスファベンゼンとトリアルサトリシラベンゼンは、取り調べもなく、リンあるいはヒ素を含むZrシクロペンタジエニル錯体と嵩高いクロロシリレンとのメタセシス反応で得られた。これらベンゼン類縁体は単結合と二重結合の間のP-SiAs-Si結合が、共役ベンゼン環で期待される少し歪んだ構造をしていた。計算結果から化合物の芳香属性も確認された。これらの新しいベンゼン類縁体は、ケクレの芳香族化合物の報告から150年ほど経過した今年、無機芳香族系や芳香属性についての新しい知見を加えることになった。長年、芳香族に奉公してきた化学である。この方向性は変わらない。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 August 8, p. 11.

DOI: 10.1021/jacs.6b07389

16.9.12

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