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2016年11月

後学期から始めた

 分子模型を使った一年生向けの講義。一年程前にHGSの分子模型が製造中止。注意せずに8月になった頃に入手困難と判明。生協の方のアドバイスもあってモルタロウを採用した。全学共通教育で担当するその講義、環状化合物に入った。シクロプロパン、模型を作ろうとすると結合が折れてしまう。やむなくお話だけで過ごす。ピレスロイド系の殺虫剤、香取線香、右巻き、左巻き、社長のこだわり。巻いた長さおよそ75 cm、持続時間7時間ほど、お休みになって朝までの時間帯。シクロペンタンは封筒、シクロヘキサンなどなど講義が終わってクイズの時間。全員提出し終わったなと思って教室を出る。工学部棟近くまで来た。二人の学生さんが追いかけて来た。不覚にも未提出の女子学生さんがいた。でも一人からもらったのは前回の分。「今日の分も書いたんですけど」ということで、講義棟近くで待ち合わせ。そこには5段ほどの階段、急ぐ学生さんの身体が前のめりに、思わず受け止めなくてはという体勢・・・・・

16.11.30

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妊娠して

 五週間後、通常の子宮頸部細胞診の間に、胎児のDNAを正確に採取することができることが報告された[1]。これによって数千にも及ぶ出生異常の、早期遺伝子テストが可能になる。現在の技術では、10−12週の妊婦さんの絨毛生検(CVS)あるいは16-18週の妊婦さんの羊水穿刺のような侵襲の、危険さなあ、という検査をしなくてはならない。さらに母親の血液で、胎児のDNAの断片を検出するテストも開発されている。ただしこれらの方法では、胎児のゲノムの正確な絵を描くことが難しかった。今回、5から19週の妊婦さん20名の頸部の管の液から、栄養膜として知られている胎盤の細胞が単離された。栄養膜は、胎児のDNAを運んでいるために、母親のDNAとは異なる胎児のDNAを単離することができた。さらに胎児のDNAの質は、従来のCSVや羊水穿刺で得られたDNAのそれと同程度であった。この方法は、ある代謝症候群の原因となる遺伝子突然変異を特定しうる胎児のDNAのもとを解明するために開発した、とのことである。

胎児診断、さらに期待じています。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 7, p. 13.

DOI: 10.1126/scitranslmed.aah4661

16.11.29

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細胞や生命体の

 温度を微小規模で追跡することで、生理学、発生生物学、さらにはより正確なガン治療法のデザインの一助にもなり得る。このプローブをつくるために高分子ナノ粒子に二種類の蛍光染料(EuDTとローダミン800)が組込まれた。EuDTの蛍光強度は、21.5 °Cから44 °Cの間で変化する一方で、ローダミン800からのシグナルは幅広い領域でほとんど変化しない。これら二つの染料からの発光を積算して見ることで、生き物の自然の蛍光や動きによって引き起されるデータのノイズを除いた温度を決めることができる。これまで研究者らは、微小規模で、便乗性線虫やミバエの幼虫の温度を測定していた。ただしこれは外部から引き起された温度変化だった。比較的大きな生き物の自然に発生する熱をモニターできるかどうかを見るために、今回4 cmの長さのカブトムシが選ばれた。カブトムシに棒を取り付け、肩の筋肉の上の表皮を取り除いた。ついで、ナノ粒子センサーを筋肉表面に広げ、後ろ足の一つを、ピンセットでつまみ上げて、飛行前に筋肉で起こる応答を発生させて蛍光を測定した。その結果、温度変化を、赤外カメラより高い空間解像度で測定することができた。温度変化は、単一の金属繊維ごとに起こっているようだった。今回は組織を68 μmごとにモニターしたけれど、およそ200 nmまで精度を拡大することも可能で、これでミトコンドリアや別のオルガネラの細胞内の熱源にも到達できる。日本の研究者らが音頭をとって、温度研究が推進された。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 7, p. 9.

DOI:10.1021/acssensors.6b00320

16.11.28

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呼吸器系疾患は

 虚血性疾患や脳梗塞に次ぐ世界で第三位の死因である(WHO2012)。今回研究者らは、ヒト生細胞をマイクロ微小流体でできた人工呼吸器にとりつけたデバイスを開発した。これは、人の細かな喫煙習慣を模倣し、それによって慢性閉塞性肺疾患(COPD)で観測される生化学的な特徴を再現することができた[1]。さらに気っ風のいいことに、チップにした気道は、喫煙の、健常者の肺や、COPD患者の肺への影響の検証を可能にする。たとえばCOPD患者さんの細胞が、タバコの煙に触れると、免疫応答に含まれる信号伝達タンパク質であるインターロイキン8の量が、健康な細胞のおよそ二倍発生する。研究者らは、今回のチップによって得た結果で、これまでのCOPDに関する結果の検証も行い、単に生体内での新しいモデルを開発するだけではなくて、生体内の状況をどの程度実際のそれに近くミミックできているかも視野に入れている。ポリジメチルシロキサンでできた透明なチップによって、単細胞の解像度で細胞組織を観察することも期待される。チップだけではチップは手に入らない、多分。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 7, p. 8.

DOI:10.1016/j.cels.2016.10.003

16.11.27

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炭素—炭素単結合は

 不活性であるものの、シクロプロパンやシクロブタンのそれは金属触媒を使って解裂させることができる。そこでは強烈な条件は無用である。一方でひずみの少ない、より一般的な5あるいは6員環を使った同様の変換はさらに難しい。その中アリール置換のシクロペンタノンのC-C結合を切断し、有機合成ではよく見られる合成のモチーフであり部品でもあるα-テトラロンを導く方法が報告された[1]。ここではRh触媒とN-複素環カルベン配位子とアミノピリジン共触媒を利用している。研究者らはまた、アリール置換のシクロヘキサノンをα-インダノンへも変換している。発見は偶然であるとDong先生は言う。当初は違った反応を目的としていたものの、わずかにできる副生成物の収率を向上させるために反応条件の最適化を行った。シクロペンタノンの3位に芳香環を組込むと1位と2位の炭素—炭素結合が活性化されてRhが挿入、ついで芳香環のC-H結合も活性化されて還元的脱離によって生成物に至る。「途方もなく素晴らしい変換反応、頑丈な炭素—炭素結合、炭素—水素結合を切断して、それらを交換、全く違った骨格を導いている」みたいにM先生がコメントされている。Dong先生ら、新しい合成の道具をシカゴで籠に入れられた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 7, p. 8.

DOI: 10.1038/nature19849

16.11.26

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環状ペプチドを含む

 ペプチドは一般に細胞膜を簡単には通過しない。この特性のため、医薬品としての応用が制限されている。今回複素環を環に組込むことで環状ペプチドの薬としての可能性を引き上げる成果が報告された[1]A. Yudin先生とその友人らは、既存の反応を利用して、直鎖のペプチドを、複素環を含むペプチドミメティクスに組込んだ。この直鎖ペプチドの様々なアルデヒド、N-イソシアノイミノトリフェニルホスホランとの反応では、既知の環化反応では必要なペプチドを事前に活性化する必要はない。さらに15-, 18-, 21-, 24-員環で、1,3,4-オキサジアゾールやアミンを含むペプチドミメティクス大環状化合物も導かれた。高い細胞膜透過性と配座的に固定された構造が、生体利用性や治療に適用する場合の必要条件である。最終的には、細胞内のタンパク質—タンパク質相互作用の抑制剤として、ペプチドミメティクスを開発したいとしている。ホスホラン反応剤は市販であり、この大環状化反応は、他の合成分野でも利用されるだろうと述べられている。ホスホランがホームラン級の成果を導いた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 31, p. 8.

DOI: 10.1038/nchem.2636

16.11.25

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逆の電荷は

 引き寄せられ、同じ電荷は反発する。クーロンの法則である。苦〜労して覚えたかもしれない。それに対して今回、アニオンがペアをつくってお互いを安定化している系が報告された[1]。これまでリン酸二水素二量体の存在に関する間接的な証拠が指摘されていたが、直接の証拠はなかった。研究者らは、シアノスチルベンがベースになった大環状化合物のシアノスターと重硫酸塩HSO4-とを組合せることで、以前に報告された過塩素酸のように、二つのシアノスターの間に塩が一つ挟み込まれた錯体の形成を期待していた。ただし予想外にも、一対の重硫酸塩が水素結合し、二つの積み重なったシアノスターの中心に、それらが心地よく落ち着き、全体をテトラブチルアンモニウムがキャップした2:2:2錯体が得られた。アニオン二量体は、シアノスチルベン由来のC-H基との水素結合相互作用で安定化されている。錯体は、結晶でも溶液でも存在することがX線結晶解析ならびに1H NMRで明らかにされている。この成果はイオンを認識し閉じ込める新しい方法を暗示している。安心してください。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 31, p. 8.

DOI:10.1002/anie.201608118

16.11.24

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機械の力が

 化学反応を開始させる、高分子機械化学の大抵の例は、共有結合の解裂を含んでいる。ただしこの場で働く化学者は、あたかも身体が強い力を使って骨を再構築したり補強するが如く、機械力を使って、結合形成をやってみたいと考えていた。その中今回、この方向に沿った、期待の機械的に制御されたラジカル集合過程が開発された[1]。カリフォルニア大学アーバイン校の研究者らは超音波を使って、圧電性のBaTiO3ナノ粒子をかき混ぜて電位をつくり、これによって銅(II)錯体を還元した。還元された銅(I)錯体は、原子移動ラジカル重合開始剤である、α—ブロモイソブチル酸エチルと反応させ、アクリル酸ブチルモノマーの重合を引き起させた。超音波を長い時間使えば使うほど、高分子鎖は成長し、公文書に掲載したいくらいだった。さらに研究者らは、環境振動を使って重合反応を促進させる研究を展開している。いずれ工事現場の振動を使った重合反応が実現するかもしれない。そのときはその場に集合しましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 31, p. 8.

DOI: 10.1038/nchem.2633

16.11.23

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バイオマス製造プロセスでは

 年間数千万トンのリグニンが廃棄物として生産されて、負の遺産になる。この無駄な泥が、プロセスに単にホルムアルデヒドを加えるだけで回避できることが報告された[1]。ホルムアルデヒドで処理することは、化学的には天然のリグニンを保護することであり、それによって価値のあるフィードストックになり得る。リグニンは植物や木の30%を占め、価値のある芳香族ユニットでできており、芳香環は化学工業では不可欠である。この豊かな分子組成にも関わらず、リグニンが廃棄物になるのは、植物から有用なバイオ燃料フィードストックであるセルロースやヘミセルロース成分を分ける過程で、不可逆なC-C結合形成をリグニンの中で引き起こすためである。そのような中、研究者らはホルムアルデヒドが、鍵となる部位でのその反応を抑制することを発見した。ホルムアルデヒドはヒドロキシメチル基を求核的にリグニンの芳香環に付加させ、親電子的な1,3-ジオキサンを与える。奥さんにも教えてあげて下さい。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 30, p. 6.

DOI: 10.1126/science.aaf7810

16.11.22

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鉄とビスマスは

 周期表の多くの種類の元素と反応するもののこれらがお互い混ざり合うことはなかった。鉄は他の15族元素とは容易に反応し超伝導材料を形成するにも関わらずである。この二つの元素同士の反応性の低さは理解されていないものの今回、これらを1500 K(ケルビン)、30ギガパスカルで、ダイヤモンドアンビルセル内で結合させることでFeBi2が初めて合成された[1]。結晶構造は、それぞれの鉄原子が、その上下に四つずつ平面に配列したビスマスの配位を受けて、すますている。ビスマス原子の正方形は、お互いにねじれた状態になっている。高圧が、化合物中のFe-Bi結合を安定化し、それがBi-Bi結合で維持されている。Fe-Bi結合は0.2719 nmで、Bi-Bi間の相互作用は0.2948から0.3419 nmの幅である。FeBi2は、圧力条件が3ギガパスカルまでだと分解しない。このことは、急速な冷却とともに圧力を下げることで、常圧低温での利用が可能であることを示唆している。昔ドイツを統一したビスマルク、鉄血宰相と呼ばれていた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 30, p. 6.

DOI: 10.1021/acscentsci.6b00287

16.11.21

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披露宴会場の

 指定されたテーブルに着席。テーブル中央に飾られた花。よくみるとメスシリンダー、200 mLごとの目盛り。いいメモリーに。新婚の2人のテーブルにも様々なブーケ、こちらは三角フラスコにビーカーが花器、活気もある。それまで全く知らなかった2人が Department of Chemistry at Gifu Univ. を受験して合格。二年生の頃、何となく2人のChemistry(相性)がいいことに気づき始めて愛が芽生えた。来賓の挨拶、乾杯を終えて、ケーキ入刀。2人のための特別なケーキ、是非ご覧下さいとのことで出席者が集まる。響く歓声に鳴り止まないシャッター音。しまった〜この日カメラを忘れた。ケーキ周期表をガラケーに収めた。いくつかの元素の枠には、猫型チョコがちょこっとちりばめられている。そのいくつかは毒性元素だった。あでやかな赤っぽいオレンジドレスとダークブルーのタキシードにお色直ししてキャンドルサービス。一辺が2.5 cmほどの立方体のキャンドルと蓋が参加者全員に配られていた。まずそれぞれのテーブルから代表者一名に、2人から灯がパスされる。戻るとそれをリレーする。皆さんのキャンドルが点灯した頃、先ほどの蓋をかぶせて下さいとのこと。真っ黒だった蓋の部分が直ちに明るくなって、メッセージが浮び上がって来た。手書きのそれは自分へ向けたものだった。化学の日に入籍したS君とEさん、2人から元素記号Seでデコレートしたケーキもプレゼントしてもらった。Chemistryが駆動したストーリー、結婚おめでとうございます。

16.11.20

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ExoMars 2016は

 欧州宇宙機関とロシア連邦宇宙局の合同のミッションで、二つの宇宙船を3月に打ち上げた。ただし残念ながら、そのうちの一つTGOの着陸船が壊れて爆発してしまった様子である。クラッシュするまえに船から送られてきたデータによれば、コンピューターの突然の故障によってシステムが誤作動し、火星の表面に300 km/1 h以上の速度で衝突した模様である。一方で1021NASAは、以前の汚れのない火星表面の写真からのイメージと、黒い塵でダメージを受けた後の写真を公開した。これによって着陸船の故障から火星の軌道を今後四年間周回するTGOにシフトさせた。従来のカメラやスペクトル装置よりはるかに高性能なTGOのそれによって、酸化窒素、アセチレン、メタンのようなガスをトレースすることになる。科学者は特にメタンの生産に注目している。地球ではそれは微生物の役割、あるいは地質学的な過程で生産されている。2年前NASAの惑星探査機Curiosityが火星でメタンが急に増加することを検出しているものの、表面は謎のままである。TGOは、いつどこでメタンが生成するのかを同定する一助になることが期待されている。宇宙船、抽選では手に入りません。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 31, p. 6.

16.11.19

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エンジンの燃焼で

 生じる副生成物と、自ら自然に生じるヒドロキシルラジカルとの反応で二酸化炭素を与える大気中の反応について、43年前、励起ヒドロキシカルボキシルラジカル中間体(HOCO•*)が提案された[1]。さらに発生したHOCO•*は、別の分子と衝突することで不活性化し、HOCO•を形成し、これが別の反応に関わっていくと記されていたものの、実際に知るものはいなかった。これはHOCO•の反応性が高く寿命も短くて、直接の検出が出来ないためであった。その中今回、高感度な分析手法である、時間分解光周波数スペクトル(time-resolved frequency comb spectroscopy)を使って、重水素ヒドロキシルラジカル(OD)•COとから自然界の条件で発生するDOCO•を検出し定量化することに研究者らは成功した[1]。その結果、DOCO•(OD)•由来で大気中の水は関与しないことがわかった。これによってHOCO•*が中間体である可能性も示唆された。DOCO•は、(OD)•CODOCO•*に依存した速度で生成し、窒素やCOのような別の分子で不活性化される。しかもCOの方が二倍ほど効果的に不活性化させ、もとの化学種は、復活せいへんこともわかった。 

[1] DOI: 10.1039/f29736901617

[2] Chemical & Engineering News, 2016 October 31, p. 4.

DOI: 10.1126/science.aag1862

16.11.18

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コンクリート製の

 化合物や核物質の格納構造に裂け目が入り始めたり、腐食し始めたときに、設備技術者は直ちに警告を出さなくてはいけない。コンクリート構造が大丈夫であることをモニターする方法の一つは、電気インピーダンスを測定することであり、これは材料が裂けた時には変化する。ただしこの戦略は感度に課題があって、あかんど、のときもある。そこで今回それに変わって、コンクリート構造の亀裂や、そこからの化合物の漏れをモニターする別の方法が提案された[1]。そこでは、構造の表面にコートされた多層の電気インピーダンスを測定している。研究者らは、銀、天然ゴム、銅からセンサーとして作用する皮膚を作成した。銀の部分のインピーダンスは、亀裂に対して敏感で、銅のそれは、亀裂と、コンクリートを強化するために使われているスチールを腐食する塩化物イオンに鋭敏である。天然ゴムの層は二つの金属の層を分離し絶縁している。研究者らは、電気インピーダンストモグラフィーを使って、皮膚の二つの導電性の層のイメージングで、塩の溶液や、力を加えた被検査物の亀裂での、塩化物イオンの存在を、遠隔でも、明らかにしている。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 24, p. 11.

DOI: 10.1177/1475921716670574

16.11.17

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トマト好きの人は

 スーパーマーケットで販売されるそれらは、味が落ちていることに「困ったもんだ」と言う。この問題は、大抵の販売されているトマトは、それが柔らかくなるのを抑制するように、品種改良されている。それによって長距離の移動にも耐えることはできるものの、香りも落ちる。今回研究者らは、冷凍保存が、このトマトの味を低下させる別の要因であることを指摘している[1]。まずリコペンを、揮発性の香り物質に変換するトマト酵素の発現を探索した。その結果、トマトが12 °C以下の温度で保存されると、香りをつける成熟させる過程に含まれる遺伝子が、メチル化されてしまって、これらの遺伝子の発現が少なくなり、発言権も低下する。研究者らは同時に、トマトが冷やされると、香りを生産するのに関わる酵素のメッセッジャーRNAのコーディングのレベルが、低下することも発見した。ここでの香りは消費者が好む、イソバレロアルデヒド、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ブタノールを含む揮発性物質である。トマトを冷やしても冷やかしてもいけません。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 24, p. 11.

DOI: 10.1073/pnas.1613910113

16.11.16

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水に対して

 繊細な液相触媒を、疎水性の多孔質有機高分子の中に埋め込むことで、回避したい加水分解から保護できることが報告された[1]。水を排除した高分子骨格の中に触媒分子を包み込むことで、触媒の寿命を伸ばすことに加えて、利用できる反応の幅も増大する。研究者らは、ロジウムを埋め込んだ亜リン酸をもとにした材料を合成し、工業的に重要な反応である、オレフィンのアルデヒドへの変換についてテストした。亜リン酸ロジウム触媒は一般に、非常に活性が高いものの、P-O結合の加水分解で分解する傾向にある。超疎水性の亜リン酸(ありさんではないよ)をもとにした材料をつくるために、置換した亜リン酸トリフェニルモノマーを調製し重合した。ついで水をはじく多孔性高分子とロジウム前触媒とを組合せて、材料内で、亜リン酸部位にバインドしたロジウムを得た。この超疎水性材料は、水の存在下でも高活性で、一週間を超える期間14回利用しても活性を維持していた。対照的に、従来の不均一系、あるいは均一系ロジウム触媒は、数回の使用で失活し、しっかりはできていなかった。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 24, p. 11.

DOI: 10.1016/j.chempr.2016.09.008

16.11.15

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不斉合成反応で

 生成物の収率は単離によって決定し、鏡像体過剰率(ee)HPLC分析、絶対配置はNMRあるいはX線構造解析によって決定される。これらは時間のかかる作業で、溶媒や試薬も大量に必要であり、同時に数千の反応に適用するのは実際的ではない。その中今回、錯体化によってアミンを含む化合物のこれらを同時に、しかも単離することなく分析できる方法が報告された[1]。カルボニル基を含む配位子と酢酸パラジウムと反応後の生成物のアミンとからシッフ塩基をつくる。シェフでなくてもできる。ついでCDUVスペクトルによって1 mg程度の反応混合物を分析する。ここで錯体のほうが、もとのアミンよりも、より強くて短波長のCDUVを示し、CDによるeeの測定と絶対配置の決定を可能にし、他の化合物の干渉を受けずに、UVで収率計算もできる。この不斉合成反応の粗生成物の直接分析は、一つのゴールであったため、この新しい方法は、スピードアップとコストと廃棄物の削減に寄与出来そうである。とりわけ多くの重要なキラル化合物はアミノ基を含んでいる。そのためこのアミノ基を軸に、網の目状の分析が実現した。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 24, p. 8.

DOI:10.1021/jacs.6b08892

16.11.14

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醒ケ井には

 サメがいるんだよ」「へえ、強いのかなあ」「サメ見たことあるか」「うん、USJにジョーズがいた」「上手に作ってあったやろう」「船に乗って、やっつけるんだよ」という親子の会話で目がサメた。ここは養鱒場で有名である。サメはいない、多分。各駅に停車する東海道線の列車、醒ケ井は米原の次である。近江長岡にて高山行き特急を待つ。400年余り前、この辺りにはたくさんの武将が従える軍勢が配備されていたらしい。関ヶ原駅には東軍と西軍の武将の名前が列挙されている。北には伊吹山系、頂上辺りは秋の気配を感じさせるも麓は紅葉にはまだ早い。稲刈り中や、それを終えた田んぼも広がる。背丈ほどの柿の木。緑にオレンジ色が映える。通常だと大垣駅が終点で乗換なるも、米原発豊橋行きの特別快速。楽チン・楽チンと思っていたら、「どこかの駅の事故で乗車中の列車は大垣止まり変更になった」というアナウンス。乗客が一斉に階段、エスカレーターを上がる。疲れ〜た〜様子の人も混じる。相当に混雑する臨時列車岐阜行き。岐阜駅プラットフォーム、改札口、人で溢れていた。

16.11.13

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「有機硫黄化学」

 の講義の機会を得た。酸素化合物との違い、高配位化合物、多重結合化合物、オゾンの真ん中の酸素を硫黄に置換えたO=S=Oは酸化防止剤なども使われる。一方で両側の酸素を硫黄で置換えたS=O=Sはまだない。だれか助けてくれ〜。お寿司「わさび抜きは寂しい」イソチオシアナートの窒素上の置換基、アリル基が一押し。ジメチルスルフィド(スルファン)沸点37 °C、硫黄上に酸素を一つ載せたジメチルスルホキシド沸点189 °C、この大きな違い、合点がいかない。分子量78.13はヘキサンよりも小さい。化学構造式と融点・沸点との相関について、合理的な説明を自分は知らない。にんにくを食べてしばらく後の呼気、二日後の呼気、成分が違う。MeSMeからMeSeMeに。これらの化合物の分子軌道の広がりMeOMeとは対照的。時間配分を間違えて途中スキップ。気っ風のいい語りを続けよう。講義の後、学生さん主催の懇親会。先生方も交えて立食パーティー。「なぜ先生になろうと思ったんですか」という難しい質問。「昔々・・・」その後も先生方に大変お世話になりました。有難うございます。あのパフォーマンスも、忘れんでおまんす。

16.11.12

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乾いたコーヒーカップ

 特徴的な黒い筋が残る。これは水がどんなふうに蒸発するかに依存している。液体は液滴の中心よりも端のほうが速く蒸発し、ついで液体は中心から端に、浮かんだ粒子に沿って移動して、このロスを補充。それが端に退席せずに、堆積する。化学者は今回、小分子の化学反応とこのコーヒーリング効果を組合せて、蒸発している液滴から選択的に化合物を沈澱させる方法を開発した[1]。研究者らは、二つのアミン(AA')とアルデヒド(B)とからイミンを与える可逆反応に注目し、より溶解度の低いイミンABは、液滴の端に沈澱することを発見した。この沈澱は、平衡を移動させて、より多くのイミンABと、より少ないA'Bを導き、溶液中にはA'が優先して存在する。次に二つのイミンAA'、二つのアルデヒドBB'を組合せたとき、四つの生成物が平衡になるものの、そのうちABが先に沈澱し、反応の平衡がシフトしA'B'を与える。このような溶質の制御された沈澱は、インクジェットプリンティングや医療用診断など多くの応用が可能であるとのことである。液滴からの現象、素っ敵です。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 24, p. 10.

DOI: 10.1002/anie.201606546

16.11.11

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内分泌かく乱物質は

 消費者向け製品、包装でみられ、医薬品や農薬とも関連しており、ホルモン作用を干渉し、様々な疾病や健康被害をもたらす[1]。そのためのヘルスケアに係る費用が3400億ドル、米国のGDPのおよそ2.3% [2]EUで行われた同様の調査では2170億ドル、GDPのおよそ1.7%であることを示していた[3]。億ドルに驚く。今回さらに、参加者の血液と尿のサンプルから内分泌かく乱物質があるかどうかが分析されて、罹患率と主な疾病に対するリスク因子に関する情報が集められた。これをコンピューターモデルに入れて、健康に必要な費用とそれぞれの疾病によって生じる所得ロスが見つもられた。主な物質は、難燃剤であるポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)と有機リン殺虫剤であり、神経障害が主に、生まれ来る子供に引き起され、これに対しておよそ2660億ドル必要であるとした。この結果について米国化学工業会は、結果は未だに推論の域を出ず、不十分で不正確であるとしている。一方で大学の関係者は、内分泌かく乱について、化学者を教育し、時宜を得たやり方で取り上げることが不可欠であり、そのための基金も用意されていること、今回の情報はそれを理解する一助になり得ると述べている。今回は、内分泌かく乱について書く欄になりました。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 24, p. 5.

16.11.10

 

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アミノ酸の中の

 窒素上の水素とカルボニル酸素との間の水素結合、C5水素結合と呼ばれている。ただしこの結合のエネルギー的な寄与を、とりわけジペプチドのような,他にも色々なファクターがある中で、定量することが課題だった。それに対して今回、実験と計算化学の組合せで、この水素結合が特に重要である場合も明らかにされた[1]。研究者らは12個のアミノ酸が連結したβ-ヘアピンであるトリプトファンジッパーと呼ばれるモデルペプチドの量子力場計算とスペクトル測定を行い、C5相互作用が水素結合の様に振る舞うことを示した。ついでバイオインフォーマティクスを使って、プロテイン構造のデータベースを分析、出〜た結果は、相互作用は広く存在し、すべてのタンパク質の94%に影響しているとのことだった。C5H結合は平面構造の時に最も強く、β-シートでなければ、しようとしても、水素と酸素の距離が離れすぎている。またこの相互作用は、アルツハイマー病に含まれるようなβ-シートが多いアミロイドが形成するタンパク質の安定化にとって重要であるかもしれない。水素結合、推測から実証へ

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 24, p. 7.

DOI: 10.1038/nchembio.2206

16.11.9

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石炭を採掘

 している限り、退屈ではないかも、ただしメタンの発生に警戒する必要がある。これがガス検出のカナリヤをかなり痛めることになる。ただしメタンの元は何であるかは未だに謎であった。科学者はメタン発生微生物がかなり寄与していると考えていたものの、何が出発化合物であるかがわからなかった。少なくとも、ある古細菌株に対して、リグニンから誘導されたメトキシ化芳香族化合物が原料である可能性が報告された[1]。研究者らは、ある株存在下、研究室で30の工業的なメトキシ化合物や石炭そのものを反応させたところ、メタンが発生した。以前に同定されていた、メタン発生の経路とは異なり、微生物はメトキシ基の脱メチル化によってメタンを製造し、なぜか二酸化炭素の還元とも連動して、中間体としてアセチルコエンザイムAを含んでいる可能性がある。微生物はまた、別の表面下の沈殿している有機物質でメタンを生産しているかもしれない。メタンの生成経路が見えたんや。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 17, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aaf8821

16.11.8

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合成ガス

 (CO + H2)をメタノールに変換する反応のための銅触媒について、その結晶の表面構造が反応に影響するのか、あるいは単に触媒金属の存在が必要なのか、数十年に渡って議論になっていた。他の工業スケールの触媒では、触媒の性能を最大にするための鍵情報として、構造に繊細か、そうではないかという基準で判定されていた。なおここは、官邸は関与しない。そこで銅についてこの議論を収束すべく、研究者らは触媒製造業者と連携して、亜鉛を含むあるいは含まない担持触媒42を調製した。直径は2-15 nmの幅で、これは結晶表面の構造が結晶構造に強く依存していた。これらがX線回折と電子顕微鏡法によって分析されて、工業化されているメタノール合成条件で、触媒の試験が行われた。その結果、亜鉛があろうがなかろうが、直径8 nm以下の粒子は、より大きな粒子よりも活性がかなり低かった。これは小さな粒子は、触媒的に活性な原子の配座に適合することができないためである。活性は、粒子サイズの違いが理由やし、だった。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 17, p. 9.

DOI: 10.1038/ncomms13057

 

16.11.7

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岐阜から名古屋まで

 運賃は、JR東海470円、名古屋電気鉄道(名鉄)550円、名鉄は名鉄岐阜−豊橋間を走るものの、この料金をベースに考えると、JRのほうが割安と思ってしまう。豈図らんや、弟に聞いてみても同様。岐阜−豊橋、JR1940円、名鉄1470円。名鉄の走行距離が短くなった?そうこうするうちに、名古屋−豊橋もチェックしたくなった。JR1320円、名鉄1100円なり。では走行時間は?JRの新快速およそ1時間15分、名鉄特急およそ1時間25分。豊橋駅の改札は両社同じで、プラットフォームも一部共有している。バスで豊橋技術科学大学へ移動。中部化学関係学協会支部連合秋季大会の会場である。受付近くのポスター発表会場。熱気と活気が溢れる中、自分たちの実験結果・成果が披露される。ほとんどすべての発表を聞きたいと思うと、意気込んで説明している学生さんに「そこはいいんで、This workから」なんて言ってしまう。適切なアドバイスもできず「やばいっす」と思いつつ、「頑張って下さいね」と取り繕いつつ、ポスター発表のスターを探していた。

16.11.6

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化合物を励起状態に

 する光を取り除いた後も光る燐光発光材料は、エレクトロニクス、光学、生物分野での応用が期待できる。ただし室温で酸素存在下、燐光発光を達成することは、分子がこれらの条件に敏感であるために難しい。これまで室温燐光発光を示す化合物は大抵金属を含み、勤続年数はともかく、それによって費用がかかりしかも毒性を示す可能性もある。その中今回、空気中室温で一連の色の燐光を高い効率で継続的に発する五つの化合物が報告された。研究者らは芳香族カルボニル化合物を設計した。それらは励起状態の配座が調整できて、これによって燐光が誘起する。最も有望な化合物は、1-(ジベンゾ[b,d]フラン-2-イル)フェニルメタノン(BDBF)であり、その燐光発光の寿命は230ミリ秒で、34.5%の効率だった。研究者らはこの設計指針に基づいて、より良い有機燐光化合物を導くことを目論んでいる。燐光について輪講しましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 17, p. 9.

DOI: 10.1016/j.chempr.2016.08.010

16.11.5

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ポリロータキサンとして

 知られている機械的にインターロックした分子は、複数の大環状化合物が、中心のオリゴマーの軸を、胡麻〜を摺ることもなく、取り囲み、端には嵩高い置換基が存在する。これをつくることは化学者にとっては興味ある挑戦である。その中今回開発された反復するロータキサン合成によって、高効率かつ同じロータキサンに異なる大環状化合物を複数組込みことができるようになった.この方法は、銅が媒介するアルキン—アジドの環化付加、いわゆるクリック化学を利用している。鋳型法を採用し、アルキンとアジドから大環状化合物の空孔の中でクリックさせて、ロータキサンのコアでトリアゾールをつくる。出発のアジドを含む芳香環は保護されたアルキンも含まれるため、保護基を除去することで、この過程を何度も繰返すことができる。これによって、同じ五つの大環状部位を含むポリロータキサンがつくられて、それぞれが収率90%で機械的結合を形成している。また三つの異なる大環状化合物を特異的な順番で、同じ軸の部位に入れ込むことも行われている。ポリロータキサンが、たきさんになってきた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 17, p. 9.

DOI:10.1021/jacs.6b08958

16.11.4

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多くの生物種は

 生き延びるために、わずかな化合物を使った芸術的なだましを利用している。一方今回、だましの植物、盗み寄生ハエ、ミツバチが関わる、特別にずる賢いおとり針が明らかにされた[1]。この策略では、やり手は南アフリカのパラシュート植物であり、餌食は、いわゆる寄食するハエで、植物の花粉運び虫である。ハエをおびき寄せるために、植物は、クモや別の捕食動物で捕まえられたハエの餌であるハチのマネを化学的に行う。ハチは攻撃者を回避しようとして、分泌腺からたくさんの揮発性化合物を分泌する。これをハエは、栄えある食事のご招待だと解釈する。GCMSを使った分析では、苦しめられたハチによって放出される化合物の60%をその植物が放出していることもわかった、とりわけハエは、ゲラニオール、2-ノナノール、2-ヘプタノン、(E)-2-オクテン-1-イルアセテートを含む研究室でつくったカクテルに誘惑された。これらの四種類の化合物を一斉に放出するのは、ここで登場したミツバチと植物だけであるとのことである。アフリカの植物、フリが上手です。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 17, p. 8.

DOI: 10.1016/j.cub.2016.07.085

16.11.3

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海洋天然物である

 ペンタブロモシュージリン(pentabromopseudilin)は、50年前に同定されたけれども、その生合成経路は完全には理解されていなかった。今回、分子に臭素を付加させる酵素に加えて、それの生合成経路が臭素を脱離させる酵素も含むことが明らかにされた[1]。経路の中の一連の酵素は必要とする前駆体の合成を触媒する。ただしそれらの前駆体の一つは、臭素原子が過剰にある。これを収束させるために酵素は、2,3,4,5-テトラブロモピロールをまずは合成し、ついで実際に必要な2,3,4-トリブロモピロールに変換する。研究者らはBmp8を脱ハロゲン化の任を負う酵素として同定した。Bmp8が特定のシスエイン残基を含むレドックスチオール機構によって不必要な臭素を除去した後、別の酵素がトリブロモピロールを2,4-ジブロモフェノールとカップリングさせ、標的の化合物を導いている。人工の有機汚染物質の酵素による脱ハロゲン化は広く知られた反応である一方で、Bmp8は、ハロゲン化天然物の生合成に含まれる海洋微生物脱ハロゲン化酵素の最初の例である。酵素の玄関にはハロゲンがいた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 17, p. 8.

DOI: 10.1021/jacs.6b08512

16.11.2

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プリズムの形をした

 コバルトカーバイドナノ粒子が、Fisher-Tropschオレフィンプロセス(FTO)、すなわち合成ガス(CO+H2)を軽量オレフィンに、比較的低い温度で、効率的に高い選択性で変換できることが報告された[1]。コバルトカーバイド微結晶の球形のものがこの反応ではほとんど役に立たないこと、コバルト金属の球形の粒子は完全に異なる生成物を与えることから、この発見は驚きであると述べられている。この画期的な貢献は、化成品を製造するためにFisher-Tropsch過程が大きな可能性を有していることも示している。FTOプロセスは工業的に重要な、ポリマー原料でもあるC2からC4のオレフィンを導く。鉄カーバイドが触媒するFTでは340 °C付近で2.4%の軽量オレフィンを、硫黄で修飾した鉄触媒では325 °C60%の軽量オレフィンを与える。ただしこれらいずれもこれらの温度の職場では、触媒は失活する。それに対して今回のCo2ナノプリズム触媒のFTO250 °C61%の生成物を与える。この温度では触媒はより安定であることが期待できること、好ましくないメタン副生成物も抑制される。プリズムのリズムがコバルトに頑張ると言わせたのでしょうか。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 10, p. 11.

DOI: 10.1038/nature19786

16.11.1

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