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海洋天然物である

 ペンタブロモシュージリン(pentabromopseudilin)は、50年前に同定されたけれども、その生合成経路は完全には理解されていなかった。今回、分子に臭素を付加させる酵素に加えて、それの生合成経路が臭素を脱離させる酵素も含むことが明らかにされた[1]。経路の中の一連の酵素は必要とする前駆体の合成を触媒する。ただしそれらの前駆体の一つは、臭素原子が過剰にある。これを収束させるために酵素は、2,3,4,5-テトラブロモピロールをまずは合成し、ついで実際に必要な2,3,4-トリブロモピロールに変換する。研究者らはBmp8を脱ハロゲン化の任を負う酵素として同定した。Bmp8が特定のシスエイン残基を含むレドックスチオール機構によって不必要な臭素を除去した後、別の酵素がトリブロモピロールを2,4-ジブロモフェノールとカップリングさせ、標的の化合物を導いている。人工の有機汚染物質の酵素による脱ハロゲン化は広く知られた反応である一方で、Bmp8は、ハロゲン化天然物の生合成に含まれる海洋微生物脱ハロゲン化酵素の最初の例である。酵素の玄関にはハロゲンがいた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 October 17, p. 8.

DOI: 10.1021/jacs.6b08512

16.11.2

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