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呼吸器系疾患は

 虚血性疾患や脳梗塞に次ぐ世界で第三位の死因である(WHO2012)。今回研究者らは、ヒト生細胞をマイクロ微小流体でできた人工呼吸器にとりつけたデバイスを開発した。これは、人の細かな喫煙習慣を模倣し、それによって慢性閉塞性肺疾患(COPD)で観測される生化学的な特徴を再現することができた[1]。さらに気っ風のいいことに、チップにした気道は、喫煙の、健常者の肺や、COPD患者の肺への影響の検証を可能にする。たとえばCOPD患者さんの細胞が、タバコの煙に触れると、免疫応答に含まれる信号伝達タンパク質であるインターロイキン8の量が、健康な細胞のおよそ二倍発生する。研究者らは、今回のチップによって得た結果で、これまでのCOPDに関する結果の検証も行い、単に生体内での新しいモデルを開発するだけではなくて、生体内の状況をどの程度実際のそれに近くミミックできているかも視野に入れている。ポリジメチルシロキサンでできた透明なチップによって、単細胞の解像度で細胞組織を観察することも期待される。チップだけではチップは手に入らない、多分。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 7, p. 8.

DOI:10.1016/j.cels.2016.10.003

16.11.27

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