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老齢と若いネズミの血管を

 外科的に連結する実験では、認知障害や心臓機能障害など加齢によって生じる疾病に対する若い血のパワーを謳う、疑いのある、時に議論になる証拠が提供されてきた。今回の新しい実験結果は、過去の実験では血液に加えて他のものを年齢の違うネズミが共有していたことを指摘している[1]。すなわち老齢のネズミは若い動物の臓器にアクセスすることで恩恵を受け、血液の酸化やろ過のような過程を助けてもらっていた。実際、老齢と若いネズミの血液の交換は複雑である。若い血をもらった老齢ネズミは、筋肉組織の損傷の改善が見られた。一方で、若い血で神経再生が改善されることはない、さらに重要なことに、若いネズミが年上のネズミの血をもらった時には神経と肝臓細胞の再生が抑制された。これは古い血液には健康を害する物質を含んでいることを示唆している。そのため加齢の過程を防ぐには、その物質を同定し、それを古い血液から取り除く方法を開発する方が、若い血を入れるよりも、より確かな方法であるかもしれない。生き血研究で、行き違いがあったようである。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 28, p. 7.

DOI: 10.1038/ncomms13363

16.12.29

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