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コロンビアの森林に棲息する

 明るい色のカエル。現地の人は、それが持つ毒であるバトラコトキシンを吹き矢に使っている。またその毒は心臓や神経系に対しても作用し、電位依存性のナトリウムイオン・チャネルを開かせる、いわゆるアゴニストである。この特性が心臓や疼痛知覚にとって重要であることから生化学的にも重要であり、医薬品としての可能性も探索しうる毒である。ただし数が減少しているカエルから毒を取り出すのは、気の毒なため化学合成が期待されていた。今回それがラジカルカスケード反応を含む24段階で達成された[1]。従来の合成は40段階以上あったことから相当な短縮に成功している。これによって天然の(-)バトラコトキシンに加えて、非天然の(+)体のそれも合成された。しかも興味あることに、この(+)体も同じ部位にバインドするものの、全く異なる効果を示した。すなわちそれは拮抗薬(アンタゴニスト)として作用し、ナトリウムチャネルを遮断していた。社団法人さんにもお伝えを。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 21, p. 5.

DOI: 10.1126/science.aag2981

16.12.15

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