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ニトロニウムイオン

 (NO2+)によるトルエンのニトロ化は奇妙な位置選択性を示す。この反応はかなりの発熱反応であり、エネルギー障壁はほとんどゼロであることから、すべての位置で同様の比率で進行してもよいが、メタ位生成物はわずか2%みたいである。この選択性を説明する様々な機構が提案されているものの、どれも十分ではない。それは反応がトルエンとニトロニウム塩が出会った後に、中間体や遷移状態を含まないためであることが今回の研究結果は示していた[1]。すなわちトルエンとニトロニウムがお互いに出会った後すぐには反応しない。代わってニトロニウムは芳香族炭素上を徘徊する感じであり、これは、ランダムな振動が、カウンターイオンと溶媒分子を、安定化されているニトロニウムから安定化される生成物カチオンに再配列するまで続く。一旦再配列が起これば、ニトロニウムは、ダウンヒルのパスを通ってどの炭素とも反応しうるが、オルト位、パラ位での置換のほうが、メタ位やイプソ位置換よりも急勾配で簡単だった。ニトロ化のパス、何に似とるのか?

[1] Chemical 6 Engineering News, 2016 November 28, p. 11.

DOI: 10.1021/jacs.6b07328

16.12.25

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