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身体の中に棲む

 微生物が、肥満、心疾患、糖尿病、炎症性大腸炎など台帳のリストを満たすほど多くの疾患に影響を及ぼすことが明らかになっている。これらの微生物集団が、良くも悪くも健康状態を変える正確な機構は明らかにはなっていないもの、微生物によって生産される短い鎖の酢酸、プロピオン酸、ブタン酸のような酸が含まれていると類推されてきた。今回研究者らは、ネズミの腸で微生物集団によって生産された短い鎖の脂肪酸が、エピジェネティクス(後成的遺伝学)に影響しうることが報告された[1]。化合物は酵素の活性を変化させ、これによってアセチルやメチル基が、ヒストンタンパク質に付加し、転写のための近傍あるDNAの供給を変化させる。短い鎖の脂肪酸とヒストンアセチル化が直接関連していることは明らかにされた一方で、ヒストンメチル化との関連は直接的ではない。このことは別の微生物集団の代謝物が、ネズミのエピジェネティクスの修飾に含まれていることを示唆している。またネズミに高脂肪の西洋の食べ物を与えると、腸の微生物による短い鎖の脂肪酸の生産と、より健康的な繊維が豊富な食事では通常起こるエピジェネティック修飾が抑えられることもわかった。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 28, p. 9.

DOI:10.1016/j.molcel.2016.10.025

16.12.30

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