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ケイ素は

 酸素に次いで地球の地殻、ここからは遠いかもしれないけど、そこに豊富に存在する元素である。ただし炭素—ケイ素結合が天然に存在するという話や、またそれを形成する生合成の例もない。その中研究者らは、非天然カルベンのN-HあるいはS-H結合への挿入反応を検討していた。さらに今回一連のヘムタンパクをスクリーンし、2-ジアゾプロパン酸エチルエステルのジメチルフェニルシランへの挿入反応を触媒できる一つを発見した[1]。このアイスランドで発掘したチトクロームcは、触媒回転数は高くはないものの97%eeで生成物を与える。一般にチトクロームcは、化学反応を触媒せず細胞内の生体分子間で電子移動させる。それでも研究者らは、変異させることで、鏡像体過剰率を99%以上に、触媒回転数1500回以上を達成している。変異の一つはメチオニン残基を含み、これがタンパク質の鉄中心へのアキシャル配位子になっている。ついでメチオニン部位はアスパラギン酸に置き換わり、これによって鉄—カルベノイド中間体が導かれてそれがSi-H結合に挿入する。たとえば4-(ジメチルシリル)アニリンを使った場合には、N-HSi-Hの挿入の可能性があるものの、有機ケイ素化合物が97%の化学選択性で得られている。チトクロームcの利用、ちと苦労するかもしれない。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 November 28, p. 7.

DOI: 10.1126/science.aah6219

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