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周期表の元素の中で

 触媒としてほとんど利用されていなかった元素であるビスマスのパーフルオロホスホン酸が、工業的な有機合成で利用できることが報告された[1]。ビスマスは、希少重金属で安定な最も重い元素であるが、銅や鉛、スズ鉱山で副生するために比較的安い。またよくある重金属と違って、食卓塩よりも毒性が低い。これらの点から化学者は、BF3のような腐食性で毒性のある触媒に代わって、ビスマス塩をルイス酸触媒として利用することを検討している。たとえばBi(SO3CF3)3は既に、触媒として良好に働くことが明らかにされている。ただしこれは湿気に対して敏感である。それに対して今回、カウンターアニオンをフルオロアルキルホスフィナートに置換えることで、空気や湿気に対して安定かつルイス酸性も同様であることがわかった。Bi(III)触媒を調製するために、市販品のBi(C6H5)3(C2F5)2P(O)OHとを反応させる。一方でBi(V)触媒調製には、Bi(C6H5)3Cl2Ag[C2F5]2PO2]を反応させる。得られたBi触媒は、Friedel-Craftアルキル化やDiels-Alder反応を含む一連の炭素—炭素結合形成反応で有用であることが示された。ビスマスなしで済ますことができなくなってきた。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 December 5, p. 11.

DOI: 10.1002/chem.201604914

17.1.7

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