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キュウリ、マスクメロン、スイカが

 野生で育つと、そこには酸素原子がたくさん組込まれた四環性のトリテルペン化合物で、苦みのあるククルビタシン類が含まれる。それらは数百万年前に植物の中で発生した防衛化合物だけれども、人の味覚にあうように改良されてきた。今回研究者らは、抗がん剤、抗炎症剤、便秘薬としても研究されているククルビタシンの整合性ある生合成経路を探索した[1]。その結果、人が栽培することで、フルーツの中のククルビタシンの合成経路における重要な酵素の遺伝子発現が阻害されていることがわかった。例えばスイカでは、転写因子の単一点突然変異がタンパク質を機能不全にさせて、苦み化合物の生成が抑制されていた。それでも面白いことに、キュウリ、マスクメロン、スイカいずれも、根、葉、茎のような植物の別の場所で、別の転写因子を使って防衛化合物をつくり続けていた。これによって人も満足させることができて、しかも、防衛はもうええ、とはなっていない。

[1] Chemical & Engineering News, 2016 December 5, p. 10

DOI: 10.1038/nplants.2016.183

17.1.6

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