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超強酸が必要なとき

 化学者は、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)や、トリフルオロメタンスルホニルイミド(CF3SO2)2NHあるいは(CF3SO2)3CHに行き着く。これらの酸やそれから導かれる塩は、燃料電池の電解液、活性種の安定化剤、触媒として高い人気がある。その中、この超強酸の一族を広げる研究で新しいC-H酸が報告された[1]。新しい有機超強酸は、だれかの協賛も受けてか、対応するアニオン部位の設計から始まり、標的となるC-H結合に隣接する場所に電子求引性置換基が組込まれた。これによって陰電荷が非局在化し塩基性が低下する。最も電子求引性の大きな置換基の一つであるCF3SO2基をより多く導入することでさらにC-Hの酸性度は向上する。そこでこの置換基を三個以上導入し、しかも陰電荷がまんべんなく広がるように対称性を維持した分子を、市販の(CF3SO2)2CH2から合成した。その結果、CF3SO2基を四つ組込んだプロペンが他の誘導体よりも、向山アルドール反応、Friedel-Craftアシル化や他の反応で最も高い活性を示した。超強酸も調教すべし。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 January 9, p. 9.

DOI: 10.1002/anie.201609923

17.2.3

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