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ヤモリは

 壁をちょろちょろと上り下りすることができる。これはそれぞれの足の裏にある剛毛と呼ばれるおよそ50万の繊維による。それぞれの剛毛は、へらへらせずに、へらのようなナノ構造に分けられ、弱いvan der Waals相互作用を介して、個別に表面をしっかりとつかむ。でそれらが合わさった数百万の相互作用が強い接着性をもたらす。この粘着性に刺激を受けた研究者らは今回新しい接着パッドを開発した[1]。彼らは以前、キノコの形をしたポリジメチルシロキサン微細構造を開発しヤモリのような接着を製造した。ただしそれらを簡単に使うためには、脱着が思いのままに可能なシステムが必要だった。そこで光を駆動力として考えた。すなわち接着パットのうらに、アゾベンゼン分子を含む伸縮性のある液晶エラストマー層を組込んだ。アゾベンゼンは紫外光存在下トランスからシスへ異性化し、これが接着層を曲げることになる。紫外光を切ることでもとに戻る。接着表面が平面なときには物体にくっつくものの、紫外線照射でそれは曲がり、間借りしていた物体表面との相互作用が少なくなり、握りを手放すことになる。

[1] Chemical & Engineering News, 2017, January 23, p. 4.

DOI:10.1126/scirobotics.aak9454

17.2.14

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