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窒素原子を

 ふんだんに詰め込んだ分子は、普段から爆発性を示し、兵器や推進剤に利用可能である。その中長年合成の標的だった、全てが窒素原子の芳香環すなわちシクロペンタゾレートアニオンがTHF溶液中で昨年合成された[1]。今回その化合物が固体状態で単離・同定された[2]。研究者らは数百回の実験の後、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニルペンタゾールのC-N結合を、酸化的脱芳香族化することで切断し化合物を調製、(N5)6(H3O)3(NH4)Clとして単離した。ペンタゾーレトアニオンは、アンモニウムやヒドロニウムカチオンとの水素結合によって安定化されている。この白色の塩は、空気中室温でも安定で117 °Cまでは分解しない。ただし酢酸エチル中常温で保存すると結晶は6ヶ月の間に徐々に分解し、NH4N3を与える。Nanjing大学の研究者らによって達成されたこの成果、最初は難儀したに違いない。窒素だらけの環内で窒素原子が小っさくなっている。

[1] Chemical & Engineering News, 2016, July 18, p. 8.

[2] Chemical & Engineering News, 2016 January 30, p. 8.

DOI:10.1126/science.aah3840

17.2.22

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