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ルテニウムビピリジンや

 関連する貴金属錯体は、超寿命でレドックス活性な励起状態を示すこと、それらが太陽電池や発光素子、光触媒有機反応の増感剤として利用できることから、広く知られている。ただしこの貴金属を、よりふんだんにある第一列遷移金属に置換えたいと化学者は探索しているが、励起状態の発光寿命が短かすぎて、身近にあっても使えなかった。錯体の性質を調整して長寿命化するためには、金属イオンを安定化できる配位子の設計が必要だった。その中、嵩高いキレートジイソシアニドターフェニル配位子が設計され、これがCr(0)の励起状態の寿命を改善している[1]。この配位子の効果とCr(0)イオンの周りのカゴ構造が、室温での励起状態の寿命を2.2ナノ秒に押し上げ、以前のFe(II)37ピコ秒を大きく超えている。加えてクロム錯体は、Ruトリス(ビピリジン)よりも強い光還元剤である。そこで光レドックス触媒としてCr錯体やMo錯体がテストされ、また色素増感太陽電池をつくるためにCr(0)錯体を半導体表面に接合することも行われている。課題解決には、配位子設計が早いし、である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 January 16, p. 7.

DOI: 10.1021/jacs.6b11803

17.2.12

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