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液相法を使って

 電気化学的に弱い材料から安価なリンの同素体を、非常に有望なものに変換する方法が開発された[1]。それは新しいリチウムイオンバッテリーのアノードとして活用しうる。電池の研究者らはこれまで、グラファイトがファイトしても、それよりもおよそ七倍高い赤リンの理論的な電荷容量を利用しようとしていた。ただしリンはほとんど伝導体ではなくてリチオ化のサイクルの間に劇的に膨張しアノードが割れてしまっていた。そこでリンと炭素を混ぜるアプローチで伝導性が改善されていたが、リンの含有量が減少し電荷容量の向上に限界があった。それに対して今回はPI3とエチレングリコールと臭化セチルトリメチルアンモニウムとを反応させることで、ヨウ素をドープした赤リンナノ粒子が調製された。ナノ粒子から得られたペレットは、市販の赤リンの100億倍の伝導度を示した。この新しい材料からつくったアノードは、赤リンの理論的な値に近い初期電気容量を示し、数百回繰返すことで徐々にそれが低下していった。責任ある人が赤リン改良に取組んだ成果である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 January 30.

DOI: 10.1021/acs.nanolett.6b05081

17.2.23

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