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油絵を描く

 画家は数週間、場合によっては数ヶ月、塗った層が乾くまで待って、次の筆を入れなくてはならなかった。そのため「watching paint dry」が退屈と同義語になった。19世紀になって、J. M. W. Turnerのような画家は、「gumtion」法を使い始めた。これによってペイントにゼリーのような粘度を、どの年度でも与えて、1日以内に描画を終えることが可能になった。今回研究者らは、現代のスペクトル法を使ってこの描画方法に含まれる化学を明らかにした[1]、研究者らは、酢酸鉛を,通常油絵で利用される、マスティック樹脂、アマニ油、テレピン油に加えることで、「gumtion」法を再現した。その結果、伝統的な油性ペンキが、酸化的フリーラジカル機構で乾燥するのと同様に絵の具がゲル化した。ただし酢酸鉛の存在がこの過程を促進した。金属イオンは乾燥の速度を向上させるだけではなく、ゲルの分子構築を統合していった。研究者らによれば、この技術的な進歩が、芸術家の能力に大変革をもたらし、感覚、感情、瞬間の光を捕える効果を表現するために、より流動性があって、のびのびとした緩やかな画法を使うようになった。がっかりしていた画家が躍動し始めた頃のことである。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 January 16, p. 6.

DOI:10.1002/anie.201611136

17.2.10

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