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クモの糸は

 その強さから珍重される。ただし工業的に利用するための強靭な繊維をクモは十分にはつくらない。でも雲隠れもしない。そこで研究者らは遺伝子工学で改変した細胞や動物を使って、バイオエンジニアリング糸をつくることにした[1]。研究者らはまず、クモが行っている方法を真似て糸をつくるアイデアに至った。クモの糸のタンパク質はアミノ酸の繰返し領域をひとまとめにするN末端ドメインとC末端ドメインから出来ており、これが強靭さを付与する。N末端ドメインがメインなところは水溶性でありC末端はほとんど溶けない。そこで、ある種のクモからのN末端と繰返し領域に加えて、別の種の比較的水に溶けるC末端領域を使った。研究者らはバクテリアを遺伝子操作しタンパク質をつくった。これは最大500 mg/mLの溶解度を示した。絹の繊維を1 kmほど引き延ばすために、クモが行っているプロセスを真似て、このタンパク質のpH7.5溶液を、ガラスキャピラリーを通してpH 5の水溶性緩衝液に流した。これによって繊維の会合が促進された。苦心の跡も見える。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 January 16, p. 5.

DOI: 10.1038/nchembio.2269

17.2.7

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