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がん細胞を

 抑制し成長を鈍化させるために研究者らは、マグネシウムケイ素化合物ナノ粒子を設計した[1]。これによって腫瘍内の酸性環境の脱酸素化を可能にする。ここでは腫瘍内の酸素は除去できるものの正常細胞には作用しない材料で、毒性を示さないものが欲しかった。その結果、直径100 nmMg2Si粒子をポリ(ビニルピロロリドン)で修飾した反応剤が開発された。この反応剤、酸性条件下でマグネシウムイオンとシランに分裂する。ついでシランは、知らんふりして、酸素と反応し、水と二酸化ケイ素を与える。封をした透析袋で、粒子は溶解した酸素ともヘモグロビン内の酸素とも反応する。二種類の腫瘍を移植したネズミで、一方にはMg2Si粒子を、もう一方にはケイ素化合物を注入した。8時間後の血液中の酸素濃度は、前者では後者のそれよりも75%も低かった。一方で正常細胞での酸素レベルはそれほど変化しなかった。ただしナノ粒子の直接投与に代わって静脈内投与した場合には、腫瘍細胞の酸素のレベルはわずかに低下しただけであった。これは粒子が腫瘍を標的に出来るようには最適化されていないためらしい。腫瘍を殊勝にしなくてはいけない。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 January 16, p. 6.

DOI: 10.1038/nnano.2016.280

17.2.9

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