« 火星と木星の間の | トップページ | ヒドロアミノ化反応 »

1994年

 ノーベル化学賞を受賞されたOlah先生がご逝去された。享年89歳。40年前先生はアンチモンペンタフルオリドとフルオロスルホン酸を混ぜたマジック酸を開発したことで世界的に有名になった。それは硫酸の数十億倍強い酸であり、長寿命の炭素カチオンを調製することができる。この準安定な化学種の寿命を伸ばすことで、スペクトル的にこれらを実証することに成功、それによって反応性中間体や有機反応機構の研究を短期間で発展させて広めた。先生はまたメタンと二酸化炭素のメタノールへの変換にも注目、安価で豊富なメタノールのカーボンニュートラルな供給によるメタノールエコノミーを目指した。これによって水素を必要としないメタノール燃料電池を初めてつくり、温室効果ガスであるCO2のメタノール変換触媒も開発した。2012年アイスランドにこの工業プラントができてCO2が年間5500トンリサイクルされて、5百万リットルのメタノールが製造されている。1963年ハンガリーから移民してきた先生は、先見の明もある偉人であるだけではなく、よき指導者かつ、いつも陽気で大変フレンドリーだった。同じハンガリー出身のStang先生は「Georgeは、常時、最も高い独創性を持つ独自の化学者だった。本当の意味で、偉大な人物、偉大な科学者を失った」とコメントされている。ご冥福をお祈りします。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 13, p. 6.

17.3.15

|

« 火星と木星の間の | トップページ | ヒドロアミノ化反応 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。