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2017年3月

DNAの住人として

 研究者らは、生体高分子を金属ナノ粒子と組合せて利用した数百の異なる形のマイクロメートルスケールのコロイド状の結晶を組立てた[1]。これは前例のないコロイド状の包接化合物であり、貯蔵、配達、センシングできる空洞として知られている包接化合物である。ここでのトリックは、ナノ粒子の形、長さ、DNA連結の配列をチューニングすることである。シミュレーションに基づきこの工学が導かれたが、研究者らは、びびらずに、異方性三角形のビピラミダル金ナノ粒子を調製、それらは四量体として配列していた。DNAの単一層を金に連結することで、ナノ粒子集合体ができて、それからコロイド状結晶を形成、その中が密につまるよりもむしろ、多角形の形をした穴を残している。DNAの修飾がポイントで、チオール部位を組込むことで金に単一あるいは二重で繋がり、長さや柔軟性、四つの塩基の端が最適化される。これによってDNA鎖が溶液中で包接化合物の連結と集合を促進する。この成果は、次世代型独自のナノ粒子構造の組立や、ホストゲスト認識や触媒を含む、それらの応用の範囲を拡大する可能性がある。風説だけじゃない包接である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 6, p. 10.

DOI: 10.1126/science.aal3919

17.3.31

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白金を含む

 医薬品は、様々なタイプのガンの治療に使われている。その中、カルボプラチンやオキサリプラチンが、古くからあるシスプラチンが引き起す副作用や治療の困難を避けるために開発され、これらはDNA損傷応答を引き起こすことで細胞を殺すと考えられてきた。ただしオキサリプラチンは、普通ではない副作用プロファイルを示し、他の医薬品ではほとんど効果のないガンに対しても作用する。そのためその作用機構は他とは違うと研究者らは考えた[1]。そこで細胞死のシグナル経路で、既知のあるいは役割を担っているかもしれない遺伝子を標的としてRNA干渉が使われた。結果はあかんでしょうではなくて、DNA損傷を通した細胞死ではなくて、オキサリプラチンはリボソームの生物発生ストレスを引き起こし、それで細胞は大量のタンパク質翻訳をし、タンパク質生産が正常に作用しなくなることがわかった。またわずかな悪循環の中で、リボソーム生物発生ストレスが細胞をさらにオキサリプラチンに敏感にさせていた。置き去りにされぬように学びましょう。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 6, p. 11.

DOI: 10.1038/nm.4291

17.3.30

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歯のエナメルの

 特性を有する新しい材料が開発された。これによって歯の治療や歯牙交換が進展する可能性がある[1]。歯を持つ生き物のエナメルを眺めると、ほぼ同等の構造である。やわらかいタンパク質マトリックスの中にミクロな大きさのセラミックの柱がある。そこでミシガン大学の研究者らを含む国際研究チームは、一連のマイクロメートルサイズの酸化亜鉛柱をつくり、ナノワイヤーのカーペットを作成した。ついでそれらをポリアリルアミンマトリックスに埋め込んだ。この過程を繰返すことで、高分子が浸透した柱ができた。材料は、剛性、密度、振動減彗性の点で、これまでの合成材料にはない、歯のエナメルと同等もしくはそれより優れた特性を示した。「欠陥のない歯のサイズのものをつくるためのスケールアップに向けた研究は必要だけれども、柱状なコンポジットの繰返しは、耐荷重性、振動耐性、老化耐性もあって軽い材料の設計の新しいアプローチである」と著者らは記している。耐性をつけて大成功へ向かっている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 6, p. 10.

DOI: 10.1038/nature21410

17.3.29

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副腎白質ジストロフィー(X-ALD)は

 1992年の映画「ロレンツオのオイル/命の詩」でも取り上げられた稀な疾患である。X-ALDと診断された少年は、神経系の機能が劇的に損なわれる。これはペルオキソソームと呼ばれる細胞小胞へかなり長い長鎖脂肪酸(VLCFAs)を運ぶタンパク質であるABCD1に対する遺伝子の突然変異に起因している。変異によってVLCFAsが脳や脊髄に異常に蓄積されて、脳にあるミエリン鞘や細胞小胞が破壊される。その中研究者ら以前見つけていた分子であるソベチロームがVLCFAの量を減少させる現象を引き起すことをみつけた[1]。化合物はABCD1の兄弟であるABCD2の遺伝子を活性化させることで作用する。ソベチロームはチロイドホルモン受容体を活性化し、脳に到達し、15-20%VCLEFaを幻想させることがネズミの実験で明らかになった。副作用もほとんど無いこの化合物をFDAは稀少疾病用医薬品と指定した。稀少疾病に貴重な医薬品である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 6, p. 8.

DOI: 10.1210/en.2016-1842

17.3.28

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アミド結合は

 ポリペプチドのアミノ酸を連結させる鍵となる部位である。自然界ではたとえば、大腸菌のリボソームは数秒以内に八つのアミド結合をつくることができる。それに対してフラスコ中では数分から数時間かかる。そこで研究者らはすべて自動化した固相ペプチド合成法を構想して開発、7秒以内にアミド結合をつくった[1]。ここではアミノ酸当り40秒の速さでペプチドが組立てられている。固相ペプチド合成では、アミド形成反応のサイクルを通して高分子ビーズの上にポリペプチド鎖を伸長させている。さらに2014のこの手動プロセスの自動化も行い、その装置を「the Amidator」と名付けた。それは天然、非天然アミノ酸を含む異なる反応剤50の溶液の棚で出来ており、三つのポンプが取り付けられている。装置は加熱したときに反応剤の量論を制御し、すべての反応剤は、80 mL1分で流される。フロー系はバッチ式の10から100倍速く、Amidatorがノンストップで稼働すれば、30個のアミノ酸が連結したペプチド数万、作りだすだけでは、す(う)まん世界が出来そうである。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 6, p. 7.

DOI: 10.1038/nchembio.2318

17.3.27

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70名余りの

 卒業生に集まっていただいた同窓会、出席どうしょうかいなあと思った方も近い学年で誘い合わせて来ていただいた。学生時代と変わらぬ姿、声、そのトーンに雰囲気。幸いにして名前が出てこない卒業生はいなかった。ただし学年の上下が曖昧である。研究室に在籍していた時に担当していた研究テーマ、こちらは顔を見た瞬間によみがえるとともに、当時は苦労させてしまったなあという場面も思い出す。先輩たちから順に近況報告など、村井君が話していた学生時代の記憶にある言葉。こちらが「記憶にございません」というのもあって気後れする。適宜、席を移動してたくさんの卒業生が話をしに来てくれた。中には驚きのプライベート話もあって、苦労したんだねえと思いを寄せるも、話を聞くこと以上には何もできなかった。直接お話できなかった卒業生もいたかもと心残り。一緒にラウンドしましょうとお誘いもたくさんもらって、バッグのプレゼント。前途有望な卒業生とプレイ出来る日は待ち遠しい。最後の「赤いちゃんちゃんこ」をちゃんと着る儀式、人生がほとんど一回り、酔いもまわる。還暦、感激した。

17.3.26

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ディーゼル燃料から

 硫黄を効率よく除去することで、乗り物のパフォーマンスが向上し、化石燃料を使った際の環境負荷も軽減できる。ガソリンやディーゼルには天然の有機硫黄化合物が残存し、これが触媒変換器を汚し二酸化硫黄が大気汚染する。精製業者はコバルトでドープした硫化モリブデンのような不均一系触媒を採用し高温・高圧で水素を使って出来る限り多くの硫黄を燃料から除去している。ただし大抵の扱いにくい化合物、特にアルキル化ジベンゾチオフェンは残ったままだった。その中今回、触媒を使わないKOBu-tとアルキルシランを使った温和な条件での溶液プロセスが開発された。ここではシリルラジカルが発生しこれが複素環化合物のC-S結合を切断する。研究者らがKOSi法と呼ぶこのプロセスで、ディーゼル燃料の硫黄を現在の目標値である15 ppmからさらに低い2 ppmまで削減することが可能である。この概念を実証するためには、連続精製プロセスとして稼働させる必要があるけど、いずれは現在の脱硫過程を補完できるとしている。傍観しているだけじゃないです。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 27, p. 11.

DOI: 10.1038/nenergy.2017.8

17.3.25

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平面四角形

 あるいは八面体の無機錯体では、強い電子供与性配位子はお互いに、トランスに位置するよりもシス配置を好む。この難しいなぞはともかく、いくつかのアクチニド錯体では、強いドナー配位子がトランスに位置するものがある。今回の結果はこれがそれほど珍しくはないことを示していた [1]。これまではUO22+のような堅い配位子を有する直鎖の高原子価アクチニル錯体でしかトランス配向は観測されていなかった。それに対して研究者らは、Ce(IV)U(IV)Th(IV)のビスカルベン錯体でC=M=C骨格と極端に短いC=M結合を有するものを合成した。このトランス配向は、ランタニド5pとアクチニドの6p軌道が電子を4f5f軌道に移動できて、電子の穴が形成し、そこがシス配位子よりトランス配位子からのほうが、電子が充填されやすいことに起因している可能性が高い。この現象はfブロック錯体の構造と反応性で明らかにされている以上のより広い役割を果たしていると提唱されている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 27, p. 11.

DOI: 10.1038/ncomms14137

17.3.24

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ガリウムと

 関連する液体金属の奇妙な特性、とりわけ空気中で瞬時にスズ酸化物被膜を涼しげにつくるため、これらの材料は近年化学パターンニングや伸縮性のある自己回復作用のあるエレクトロニクスとして使われている。今回これらの材料を使って、大きな超薄いパターン化した半導体フィルムが工業的にも利用可能な方法で調製された[1]。マイクロエレクトロニクスにおける利用の可能性のために、硫化金属や別の半導体カルコゲニド化合物が注目されている。特にそれらが原子的な薄さのフィルムとして調製されたためである。ただしこれらの多くの方法は、高温を必要とするか、小さな欠陥が生じることもあり、半導体工業では利用できなかった。それに対して液体金属を使うことでこれらを避けることができた。まずフッ素化化合物でパターン化したウエハーサイズの基質にガリウムを沈澱させ、ついで酸化ガリウムを高品質な硫化ガリウムの1.5 nmの厚さのフィルムに変換した。同様の方法を使って大きなIn2S3フィルムもつくられて、それがトランジスタ製作に使われた。ガリウムでがんばり生むです。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 27, p. 10.

DOI: 10.1038/ncomms14482

17.3.23

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ポリエチレン(PE)と

 アイソタクチックのポリプロピレン(iPP)は、世界のプラスチックのほぼ2/3を占めており、世界中で2000億ドルの売上げがある。ただしこれらを溶かしたときには、愛想もなく、混ざり合わずに壊れやすい材料になる。すなわち再利用したいときには、それらを分類しなくてはならず、付加価値の低いものになってしまう。その中今回研究者らは、PEiPPとの混ぜ合わせでより付加価値の高いプラスチックにすることに成功した[1]。すなわちPEiPPからつくられたテトラブロック共重合体を少量、およそ1%加えるとPEiPPの混ぜ物が機械的にタフな材料になった。共重合体は本質的に糊のように作用し、二つの混ざり合わない高分子をつないでいる。研究者らは、テトラブロック共重合体を、特許で報告済みであるピリジルアミドハフニウム触媒を使って調製している。さらに課題があるものの、プラスチックの再利用に、最良の方法を提供できる裁量も出てきた。

[1] Chemical & Engineering News, 2017, February 27, p. 10.

DOI: 10.1126/science.aah5744

17.3.22

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カタツムリの形をした

 内耳には、およそ15000の有毛細胞があり、これによって人は聞くことができる、人の話を聞かない人でも。で聴覚学者のドグマは、これらの細胞が死滅してしまうと、戻ることはなくて、聴覚が消失してしまう。ただし今回の新しい成果では、有毛細胞の死が不変ではないことを示していた。ネズミの内耳では、有毛細胞の消失を逆戻りさせる分子の混合物があった。有毛細胞はいわゆる支持細胞に囲まれており、それが幹細胞のように作用し、別の形態に増殖し成長しうる。ハーバード、MITさらにはいくつかの病院からの共同研究者チームは、皿で成長させたネズミの内耳細胞で低分子混合物の試験を行い、支持細胞が大幅に増加し、本物の有毛細胞に変化する組合せを発見した。ただしここでの混合物は複雑すぎて人間には適応できないものの、大量の内耳の蝸牛細胞を操作することで、単一分子で有毛細胞の数を一挙に増やすことが可能になるだろうと考えられている。「内耳治療法の内示がないじ」から飛び出せますように。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 27, p. 6.

DOI: 10.1016/j.celrep.2017.01.066

17.3.21

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地球上で

 穀物を成長させるために利用されている窒素肥料にも課題がある。それらのうち75%以上は、植物が吸収するまえに洗い流されて、経費も無駄になり、環境負荷も大きい。その中今回ナノ粒子肥料が開発された[1]。これは一週間以上かけて少しずつ栄養分が放出されて、穀物は、気持ちよく、それらを取り込むことができる。これまでのスロー放出肥料は、水に不要な硫黄や高分子にコートした尿素でできていた。この種の肥料は水路で、害のある青粉を導きうる水の流れを抑えることが出来るものの、穀物収穫量増加の効果がわからず、高価でもある。今回採用された化合物は、窒素原子を組込んだ尿素分子を、リン酸カルシウムの天然型であるヒドロキシアパタイトに、タイトに繋げている。水中では、尿素ヒドロキシアパタイトの組合せで一週間放出を達成しており、従来法では数分だったこととは対照的である。しかも使用料がこれまでの半分程度でも、収穫量がおよそ10%向上した。このナノ複合肥料が今後、トウモロコシや小麦、大豆生産でも、大事にされることが期待されている。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 27, p. 5.

DOI: 10.1021/acsnano.6b07781

17.3.20

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乗換駅はどこ

 「きくな」「教えてもらえないでしょうか」「だからキクナ」で東急東横線に乗車して慶応義塾大学着。5600件余りの講演、様々なイベントの一つ、元素ネイル。滅入ることはない。爪の形の上に元素記号を書く。5本までOKだけど自分は親指だけにした。Se•Teと記した。アンケートにはどの元素を書きましたかという質問、集計して公表して欲しい。好評に違いない。高い芸術性の分子がどんどん披露される。解析方法の進展やそれらの装置の汎用化もこれらの研究を後押している。その機器メーカーの方のお話。今年度は、装置の発注元が、官(大学・研究所など)より企業さんの方が多くなったこと、自分の記憶では初めてとのこと。自由闊達な研究を支援してきた体制を積極的に縮小しようとしている結果がここにもあった。一方で若い世代、ラインでネットワークをつくる。たくさんの大学の学生さんおよそ80名が一同に会してパーティーが開催されたとのこと。素晴らし過ぎて、ばらしてしまった。

17.3.19

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グレイヘアは

 あるタイプの人にはお似合いかもしれない。一方で多くの人は黒髪でありたい。そのためアジアでは、低分子有機化合物で作られた黒い染料が利用されているものの、これは髪の毛を痛める可能性もある。たとえばp-フェニレンジアミンは髪の毛に浸透し長時間とどまることができるけど、頭皮に刺激的で、そこから逃避も難しい。そこでポリドーパミン粒子を使う方法がより安全であると考えられた[1]。これは黒髪に存在する天然のメラニン色素と類似の合成高分子であるためである。たしかにこれで白髪を染めることはできたものの、韓国の方が期待するほどそこには長期間留まらなかった。さらに研究者らは液体染料からの合成メラニンを、固体の髪の房になじませる方法を探索した。その結果、鉄が特に効果的であることがわかった。鉄のキレートがポリドーパミンクラスターをお互いつなぎ止め、ポリマーのアミンとカテコール基を髪のケラチンになじませていた。得られた黒髪染料をネズミで試したところ、p-フェニレンジアミン染料と違って、複数回の洗浄でも落ちることはなかった。千両役者である。

[1] Chemical & Engineering News 2017 February 20, p. 11.

DOI:10.1021/acsbiomaterials.7b00031

17.3.18

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共役の有機基である

 C=C基を構造的に等価なB=N基で置換する技術を使って、新しい特性や機能を有する材料の合成が展開している。π電子の共役は、C=CB=Nで置換えることで、しばしば邪魔されるため、研究者らは、ポリ(パラフェニレン)のBN類縁体、それは有機−無機複合共役系になるが、が合成できるか、さらに得られた高分子のπ共役系は伸張するのかに興味を持った[1]。そこでまずBN類縁体であるポリ(p-フェニレンイミノボラン)が、ボロンとシリルアミンの二置換ベンゼンの多縮合反応で合成された。ついで高分子の光特性が明らかにされて、一連のオリゴマーのπ共役系がB=N連結を超えて広がっていることがわかった。ただしその程度は、すべてが炭素のポリ(P-フェニレンビニレン)ほどではなかった。ドイツ・アーヘンでは、あ〜へんとも思われず、新しい有機エレクトロニクスへの応用を期待して、この高分子BNドーピングの概念、「どんな概念がいいねん」と探索する段階に入った。

[1] Chemical & Engineering News 2017 February 20, p. 11.

DOI:10.1002/anie.201612476

17.3.17

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ヒドロアミノ化反応

 の新しいバージョンでは、様々な官能基の存在も許容、アンチマルコフニコフ型アミン、すなわち新しいC-N結合はより置換されていない炭素原子から伸びる。この成果はプリストン大学とブリストル・マイヤーズスクイブによってもたらされた「うまいや〜ず」とも言うべきものである。また従来法では困難な四置換オレフィンへの付加も達成している。反応はIr触媒とチオール共触媒存在下、二級アルキルアミンに光を照射、アミニウムラジカルカチオン中間体が生じる。この種の高い反応性によって、様々なオレフィンに付加し、かなり速い速度で多置換生成物を与える。ここで特筆すべきは、これまでアンチマルコフニコフ付加を達成している例は、活性の高いオレフィンを利用するか、配向基を組込んだ系、あるいはほしくない副生成物もできてしまう系であったが、今回は反応性の低いオレフィンを反応させている点であり、これは光触媒法でなくては、進行しない系である。Knowles先生らの能力で論文に載る()に至った。

[1] Chemical & Engineering News 2017 February 20, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aal3010

17.3.16

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1994年

 ノーベル化学賞を受賞されたOlah先生がご逝去された。享年89歳。40年前先生はアンチモンペンタフルオリドとフルオロスルホン酸を混ぜたマジック酸を開発したことで世界的に有名になった。それは硫酸の数十億倍強い酸であり、長寿命の炭素カチオンを調製することができる。この準安定な化学種の寿命を伸ばすことで、スペクトル的にこれらを実証することに成功、それによって反応性中間体や有機反応機構の研究を短期間で発展させて広めた。先生はまたメタンと二酸化炭素のメタノールへの変換にも注目、安価で豊富なメタノールのカーボンニュートラルな供給によるメタノールエコノミーを目指した。これによって水素を必要としないメタノール燃料電池を初めてつくり、温室効果ガスであるCO2のメタノール変換触媒も開発した。2012年アイスランドにこの工業プラントができてCO2が年間5500トンリサイクルされて、5百万リットルのメタノールが製造されている。1963年ハンガリーから移民してきた先生は、先見の明もある偉人であるだけではなく、よき指導者かつ、いつも陽気で大変フレンドリーだった。同じハンガリー出身のStang先生は「Georgeは、常時、最も高い独創性を持つ独自の化学者だった。本当の意味で、偉大な人物、偉大な科学者を失った」とコメントされている。ご冥福をお祈りします。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 13, p. 6.

17.3.15

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火星と木星の間の

 小惑星帯にある準惑星ケレスのケースを探索するために、宇宙船ドーンが軌道を回っている。そこから得たスペクトルは、クレーターの周り1000 Km2地域に有機物があること示していた[1]。低感度であるため、個別の分子の同定には至っていない。それでも鉱物であるアスパルタイトやゴム状化合物であるケライトのような脂肪族炭素が豊富な基質であることを支持している。これまですでに太陽系の星で地球外有機物が発見されていることに加えた今回の発見は、太陽系に複雑な有機物が存在することをさらに示す結果である。しかもケレスで見つかった有機物は、衝突によって他からもたらされた場合の成分分布よりも広く、その中でつくられた可能性が高い。ケレスの熱水の活動がクレイやアンモニアを有する水和鉱物がもたらしたと仮説が立てられている。さらに小惑星の中でもケレスは、誕生した頃の内部の熱が現在も残っていてかつ表面下に大洋が存在しているために、原子的生命がもたらされた可能性もある。小惑星を掌握できるかな?

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 20, p. 9.

DOI: 10.1126/science.aaj2305

17.3.14

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核磁気共鳴スペクトルは

 高分解能でなくてはならない。NMRシグナルを大きくする方法の一つは、動的核分極(DNP)を利用することであり、ここではマイクロ波照射で、スピンの分極が安定ラジカルの電子から対象とする核スピンに移動する。今回この方法を使って室温の13C NMRスペクトルのシグナル強度を、共同で、2~3倍向上させることができた[1]DNPは歴史的に固体NMRでは有効だったものの液体では課題も多かった。液体中での分子の動きが、高磁場におけるスピン分極の邪魔になると考えられてきた。そのため低温でラジカルを分極させてサンプルを温める方法もあったけどスキャンの回数に制限もあった。それに対してここでは偏光子としてニトロキシドラジカルが使われている。研究者らは、ラジカル電子スピンの分極が効率的に飽和できる条件などを最適化し、CCl4CHCl3さらにはピルベートやアセト酢酸エチルのような生体関連分子の格段に改良されたスペクトルを得た。数秒内 の繰返し実験で、シグナルが平均化し、よくなるのであった。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 20, p. 8.

DOI: 10.1038/nchem.2723

17.3.13

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多くの抗ガン剤は

 腫瘍に加えて正常細胞も攻撃し、ひどい副作用をもたらす。そこでその選択性向上のために今回、クリック化学を使った固定によって活性組織を標的とする方法(ATTACK)が開発された。二段階ATTACKの最初は、腫瘍を持つネズミに、アジド基を有しエーテル保護した糖鎖を与える。細胞は糖鎖を脱保護し代謝しうる。ついでそれが細胞膜にあるグリコタンパクと連結する。がん細胞は素早く増大し、それによってある種の酵素が過剰に発現される。これによってがん細胞は通常細胞よりも、生体分子には影響しないアジド基で標識されることになる。そこで第二段階として、ジベンゾシクロオクチン(DBCO)を有する抗がん剤をネズミに与える。DBCOのアルキニル基がアジド基と選択的なクリック反応を引き起こし、それに繋がっている薬が選択的にアジド修飾されたガン細胞に到達する。ネズミではATTACK法により選択性が50%向上するとともに、DBCOで修飾されていない薬よりも毒性も少なく、より効果的に結腸ガンや二種類の肺ガンを治療できていた。今回のATTACKは、現在静脈内投与されている抗体医薬に代わって、経口投与できる安価な薬になり得る。ATTACK, No. 1になる日も近いか。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 2017, 20, p. 8.

DOI: 10.1038/nchembio.2297

17.3.12

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岩礁海岸に棲む

 イガイや他の海洋生物は、以外ではないけど、生物的な糊を使って柔らかな組織を岩礁に留めている。そこで研究者らは、医療用接着剤への応用も期待して、この粘着性のあるタンパク質の研究を行ってきた[1]。これまでの研究で、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(Dopa)とリシンのようなカチオン性アミノ酸が材料の機能には重要であることがわかっていた。そこでこれら二つの官能基は、カチオンπ—相互作用でお互いが繋がり、タンパク質が自己集積化するという仮説をたてた。これらの非共有結合相互作用は、Dopaの中のカテコールのような芳香環のπ軌道の電子と陽電荷の静電相互作用を含んでいる。この仮説を実証するために、イガイタンパク質に含まれるリシンと芳香環を含むDopa、チロシン、フェニルアラニンのいずれかを含む合成ペプチドが研究されて、固体NMRスペクトルの結果は先の仮説を支持していた。ここでの接着に決着がついたかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 20, p. 7.

DOI: 10.1038/nchem.2720

17.3.11

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新規化合物を合成できた日

 化学者にとって、良き日である。特にキュンとくるキュートな構造で、それにニックネームをつけることができるとなおさらである。10年ほど前ロシアの化学者が、硫化炭素の一つであるオクタチオ[8]サーキュレンを合成して、それを'sulflower'(サルフラワー)と名付けた。ひまわりの花の形、花びらの色から硫黄粉末も連想できる。その後さらに別のタイプのsulflower合成が試みられてきたが成功例はなかった。その中MaxPlanckの研究者らが今回、第二世代sulflowerと呼べる分子の合成に成功した[1]。コロネンから始まり、多段階の塩素化・硫化が繰返された。新しい化合物に硫黄が多く含まれることから、リチウムイオン電池のカソードとして有望である。さらに今回の合成の成果は、硫黄原子がふんだんに含まれるグラフェンを導くガイドにもなり、それによって得られる化合物はエレクトロニクスや超伝導分野で利用される可能性がある。ひまわり分子合成、遠回りもしたに違いない。

[1] Chemical Engineering News, 2017 February 13, p. 11.

DOI:10.1021/jacs.6b12630

[2]「村井君のブログ」(2009.7.11)も、sulflowerから始まった。

2017.3.10

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2014年

 カリフォルニア工科大学のSharpless先生らは、硫黄フッ化物交換(SuFEx)、を開発し、好感が持たれた。これはフッ化スルフリル(SO2F2)を使う単純で速いクリック化学反応で、炭素—硫酸結合をつくることができる。この技術を使って、二硫酸塩やポリ硫酸ポリマーや別の直鎖の化合物がつくられた。さらに今回SuFExが別次元の反応に展開された[1]SO2F2に代わって、チオニルテトラフッ化物(SOF4)がまず一級アミノ基と反応し、二つのフッ素原子が硫黄原子上に残ったイミノ硫黄化合物を与える。ついで一方のフッ素原子あるいは両方が、芳香族アルコールあるいはアルキルアミンと反応し、中心のハブとなる硫黄原子はテトラヘドラルで、二つあるいは三つの異なる置換基が組込まれた生成物を与える。この反応様式の応用としては、官能基化した高分子や、低分子酵素抑制剤の合成などが挙げられる。迅速反応SuFExFedEx由来、多分。

[1] Chemical & Engineering News 2017 February 13, p. 10.

DOI: 10.1002/anie.201611048

17.3.9

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最初の核爆弾の

 テストの間に溶けた砂によってできたガラスの研究で、高温で亜鉛の同位体が分けられたことから、月の形成に関する巨大衝突説が支持された[1]。月は地球と比較して、亜鉛のような揮発性元素はその量がかなり少ない。科学者は、惑星の大きさの物体が数十億年前に原始地球に衝突し、揮発性物質は蒸発し、岩くずから、曰く付きではないけど、月ができたと考えている。ただし月のサンプルの分析では、亜鉛同位体の成分のパターンを巨大衝突説で解釈することが難しかった。その中研究者らは1945年にニューメキシコで行われた核爆弾テストの結果に注目したところ、爆発で生じる超高温と圧力は、惑星形成の際に生じるものと類位であった。爆発で、砂漠にあるシリカが溶解し、トリニタイトと呼ばれる緑のガラスが生じる。爆発中心のトリニタイトサンプルほど、亜鉛同位体が分画されていて、これが月形成の仮説を支持している。トリニタイト、取りにいきたいとのことです。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 13, p. 10.

DOI: 10.1126/sciadv.1602668

17.3.8

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ある種のバクテリアは

 酸素がそれほど無くても活発である。この能力を使って低酸素な標的である腫瘍を撃退したいと科学者は考えていた。その中、ネズミの腫瘍に蓄積できる改変したバクテリアが、殊勝に働くことが、報告された[1]。これまで細胞毒性タンパク質やがん細胞が自ら死滅する分子のような抗がん貨物を運ぶ微生物がつくられてきた。それに対してここでは、悪性のバクテリアの一部分であるFlaBと呼ばれるタンパク質を放出するネズミチフス菌の弱毒化株が開発された。ネズミに腫瘍を移植しここにバクテリアを入れると、それが腫瘍に蓄積し、免疫細胞ががん組織にしみ込んでいった。バクテリアによって放出されたFlaBが免疫細胞を活性化し組織の成長を抑制した。これまでサイトカインのような免疫を活性化する分子を放出するバクテリアは開発されてきたものの、FlaB放出の微生物はより飛躍的な抗がん効果を示しているようである。この効果に含まれる機構の解明と公開が次の課題である。後悔しないためにも

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 13, p. 9.

DOI: 10.1126/scitranslmed.aak9537

17.3.7

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人や動物が放出する

 二酸化炭素は、血に飢えた蚊(mosquitos)も好きという発信機のようなものである。蚊は、マラリアを引き起す寄生虫である熱帯熱マラリア原虫を広げる役割を果たすが、蚊はすでにマラリアに感染した動物により強く引きつけられる。今回研究者らは、原虫がつくる(E)-4-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-2-エニルピロホスフェート(HMBPP)が、このマラリアを広げる奇妙な現象を説明できることが報告された[1]。蚊は、HMBPPが混じった赤血球に引き寄せられて、HMBPPが入っていない細胞より、二倍ほど吸い取る。これは素早い速度で起こり胃腸が十分に満たされる。赤血球から放出される揮発物の分析では、HMBPPCO2放出を16%まで上昇させることを示していた。分子はまた、オクタナール、ノナナール、デカナールや、α-ピネン、β-ピネンやリモネンのようなモノテルペンの放出も増加させる。またこれらの化合物をブレンドしたものとCO2を血液細胞に加えるとHMBPPと同様の蚊を引き寄せる効果があった。加えてHMBPPは、蚊のニューロンにある遺伝子の転写を書換えること、これは寄生分子が蚊のふるまいや血を探す性癖に影響を与えていることを示していた。蚊とマラリヤかなりやなあ。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 13, p. 7.

DOI: 10.1126/science.aah4563

17.3.6

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ヘリウムは現在

 閉殻電子配置を有し、電子親和力がゼロ、イオン化エネルギーは他のどの元素よりも大きい。それでもヘリウムを含む分子の探索が行われてきたが、電荷を有するHeH+や準安定化合物であるHHeFくらいだった。Heと同族の希ガスであるXeKrは、気を利かすこともなく、安定化合物をつくることができる。その中今回、進化的構造予測として知られるコンピューター法を駆使してHe-Na相互作用が様々な圧力条件下で検証された[1]。その結果、地球の大気の100万倍も圧力の高いおよそ115 GPa以上でそれは安定であると結論づけられた。ついでダイヤモンド金床セルを使ってこの圧力下で合成が行われた。X線回折の結果と他の方法に基づき、Na2Heは鉱物であるホタル石と同様の構造であり電子的に絶縁であること、少なくとも1000GPaまでは安定で、陽電荷とアニオンとして作用する電子をコアに有している。またNa2HeOでは15GPa以上で安定である可能性も見出された。この発見は、木星や土星のような高圧のコアの中でのガスの化学プロセスの理解を拡大するものでもある。さらに難攻不落のヘリウムでさえも安定化合物を導くことができたため「不活性」とは反応条件の課題であることも明らかになった。不活性が復活でっせい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 13, p. 5.

DOI:10.1038/nchem.2716

17.3.5

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オレフィンのアンチマルコフニコフ

 水和反応は、推移はともかく、長年の化学の課題だった。それに対して今回、光レドックス反応を使った方法が開発された。オレフィンへの水の直接付加でアルコールを導く方法は工業的にも確立された化学反応である。通常は硫酸やリン酸のような酸触媒を使ってオレフィンの水和が行われるが、マルコフニコフ則に従い、水酸基は炭素原子がより多く置換された部位に組込まれる。すなわち末端オレフィンでは二級アルコールを得ることが出来る。それに対して、アンチマルコフニコフ型でオレフィンへ水を直接付加させるためには、ヒドロホウ素化と続く酸化あるいは高価な金属触媒が必要だった。これらはコスト面、廃棄物面でも課題があった。その中、メシチル置換のメチルアクリジニウム光触媒と水素移動触媒としてジメチルジスルフィドとを組合せて反応させることで、末端あるいは内部オレフィンから脂肪族、芳香族アルコールがグラムスケールで合成されている。このタイプのオレフィンの反応、あれふぃんかったねえ。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 6, p. 9.

DOI: 10.1021/acscatal.6b03388

17.3.4

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生命の起源を

 理解するために科学者はすでに、生化学的構成要素であるアミノ酸、核酸塩基、糖鎖は、原始地球の様な条件でも形成しうることを確定している。ただしこれらの単純な化学種が希薄溶液中でどのように結合して複雑な高分子になるかを理解することは、昔から、かなり難しい。その中新しい研究は、熱水噴出孔にあるミネラル構造の中にある微視的スケールの孔のネットワーク内で起こる流体動力学が重要な役割を果たしていることを示していた[1]。研究者らは、コンピューターならびに実験法を使って、孔を模倣した筒状の細胞のモデルシステムを対象に探索を行ったところ、アルカリ熱水噴出孔に特徴的な温度勾配が無秩序状態の流れを作り、これが有機分子をバルク流体から、触媒的に活性な孔表面に移動させること、そこで化学種が吸着し反応することがわかった。それと同時に、無秩序状態の流れはバルク混合も導き、化学種が局所的に枯渇することを防止し、その結果、構成部品が連続的に供給できることを保証している。流体の正体、見たいので招待してほしいなあ。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 6, p. 9.

DOI: 10.1073/pnas.1612924114

17.3.3

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紫外線によって

 引き起されるDNA損傷を避けるために日焼け止めを必要とするのは人類だけではない。シアノバクテリアや藻のような浅瀬に住む小さな生き物もそれを必要としているが、これら生き物は着物が如く自らでそれをつくっている。これにならって今回新しい化合物が設計された[1]。研究者らは、ミコスポリン様のアミノ酸(MAA)と呼ばれる一連の化合物に注目した。これらは中央にシクロヘキセノンあるいはシクロヘキセンイミン環を含み、それらがさらに様々な置換基で修飾されている。これらの分子は日焼け止め製造者が期待する様々な特性を有している。それらは低分子量で、熱的・光化学的に安定で、吸収した紫外光を熱として発散できる。分子のサイズをさらに小さくするために複雑な化学修飾も行われた。ただし実験室で12段階以上もかけてたくさんの誘導体を合成するのはコスト面でも割にあわない。そこでコンピューターモデリングによって、紫外線保護できる最も単純なコア構造を予測し、大量合成に適した類縁体群を導いた。新しい化合物はUV-AUV-Bの両方からの保護を達成していた。さらに高分子や樹脂、化粧品やコーティングの添加剤としてUV保護したいと考えられている。UV保護、武勇伝になるかも。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 6, p. 8.

DOI: 10.1002/anie.201611627

17.3.2

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化学者は何年にも渡って

 ホウ素、炭素、窒素、酸素を様々な方法で連結させて六員環を組立ててきた。これは光電子工学の分野や有機触媒として利用できる多感な多環芳香族材料を拡大することができるのも一つの理由である。ただし窒素と酸素原子の両方が組込まれた化合物の例はなかった。その中今回B3NO2環を含むオキサアザボリナンが合成された[1]。このB3N3B3O3との間の化合物である1,3-ジオキサ-5-アザトリボリナン(DATBs)は、2,6-ジブロモアニリンから導かれて、ターフェニルテンプレート骨格がB3NO2環を支えている。研究者らは環の安定化のためにこの周辺構造が重要であることを述べており、単独のB3NO2は不安定で、そのためおそらくこれまで合成されてこなかった要因である可能性も高い。得られた化合物は複数のLewis酸部位を有するため触媒として高性能である。たとえばカルボン酸の直接アミド化を行っている。ただしフェニル置換のDATBでは中程度の結果であった。それに対してヒドロキシアザボリン部位を含む嵩高い置換基を組込んだDATBは幅広い基質に適用できて高効率で反応が進行した。有機触媒分野でのブレークスルーである。スルーしてはいけない。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 6, p. 8.

DOI:10.1038/nchem.2708

17.3.1

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