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岩礁海岸に棲む

 イガイや他の海洋生物は、以外ではないけど、生物的な糊を使って柔らかな組織を岩礁に留めている。そこで研究者らは、医療用接着剤への応用も期待して、この粘着性のあるタンパク質の研究を行ってきた[1]。これまでの研究で、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(Dopa)とリシンのようなカチオン性アミノ酸が材料の機能には重要であることがわかっていた。そこでこれら二つの官能基は、カチオンπ—相互作用でお互いが繋がり、タンパク質が自己集積化するという仮説をたてた。これらの非共有結合相互作用は、Dopaの中のカテコールのような芳香環のπ軌道の電子と陽電荷の静電相互作用を含んでいる。この仮説を実証するために、イガイタンパク質に含まれるリシンと芳香環を含むDopa、チロシン、フェニルアラニンのいずれかを含む合成ペプチドが研究されて、固体NMRスペクトルの結果は先の仮説を支持していた。ここでの接着に決着がついたかな。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 20, p. 7.

DOI: 10.1038/nchem.2720

17.3.11

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