« 共役の有機基である | トップページ | 乗換駅はどこ »

グレイヘアは

 あるタイプの人にはお似合いかもしれない。一方で多くの人は黒髪でありたい。そのためアジアでは、低分子有機化合物で作られた黒い染料が利用されているものの、これは髪の毛を痛める可能性もある。たとえばp-フェニレンジアミンは髪の毛に浸透し長時間とどまることができるけど、頭皮に刺激的で、そこから逃避も難しい。そこでポリドーパミン粒子を使う方法がより安全であると考えられた[1]。これは黒髪に存在する天然のメラニン色素と類似の合成高分子であるためである。たしかにこれで白髪を染めることはできたものの、韓国の方が期待するほどそこには長期間留まらなかった。さらに研究者らは液体染料からの合成メラニンを、固体の髪の房になじませる方法を探索した。その結果、鉄が特に効果的であることがわかった。鉄のキレートがポリドーパミンクラスターをお互いつなぎ止め、ポリマーのアミンとカテコール基を髪のケラチンになじませていた。得られた黒髪染料をネズミで試したところ、p-フェニレンジアミン染料と違って、複数回の洗浄でも落ちることはなかった。千両役者である。

[1] Chemical & Engineering News 2017 February 20, p. 11.

DOI:10.1021/acsbiomaterials.7b00031

17.3.18

|

« 共役の有機基である | トップページ | 乗換駅はどこ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。