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新規化合物を合成できた日

 化学者にとって、良き日である。特にキュンとくるキュートな構造で、それにニックネームをつけることができるとなおさらである。10年ほど前ロシアの化学者が、硫化炭素の一つであるオクタチオ[8]サーキュレンを合成して、それを'sulflower'(サルフラワー)と名付けた。ひまわりの花の形、花びらの色から硫黄粉末も連想できる。その後さらに別のタイプのsulflower合成が試みられてきたが成功例はなかった。その中MaxPlanckの研究者らが今回、第二世代sulflowerと呼べる分子の合成に成功した[1]。コロネンから始まり、多段階の塩素化・硫化が繰返された。新しい化合物に硫黄が多く含まれることから、リチウムイオン電池のカソードとして有望である。さらに今回の合成の成果は、硫黄原子がふんだんに含まれるグラフェンを導くガイドにもなり、それによって得られる化合物はエレクトロニクスや超伝導分野で利用される可能性がある。ひまわり分子合成、遠回りもしたに違いない。

[1] Chemical Engineering News, 2017 February 13, p. 11.

DOI:10.1021/jacs.6b12630

[2]「村井君のブログ」(2009.7.11)も、sulflowerから始まった。

2017.3.10

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