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紫外線によって

 引き起されるDNA損傷を避けるために日焼け止めを必要とするのは人類だけではない。シアノバクテリアや藻のような浅瀬に住む小さな生き物もそれを必要としているが、これら生き物は着物が如く自らでそれをつくっている。これにならって今回新しい化合物が設計された[1]。研究者らは、ミコスポリン様のアミノ酸(MAA)と呼ばれる一連の化合物に注目した。これらは中央にシクロヘキセノンあるいはシクロヘキセンイミン環を含み、それらがさらに様々な置換基で修飾されている。これらの分子は日焼け止め製造者が期待する様々な特性を有している。それらは低分子量で、熱的・光化学的に安定で、吸収した紫外光を熱として発散できる。分子のサイズをさらに小さくするために複雑な化学修飾も行われた。ただし実験室で12段階以上もかけてたくさんの誘導体を合成するのはコスト面でも割にあわない。そこでコンピューターモデリングによって、紫外線保護できる最も単純なコア構造を予測し、大量合成に適した類縁体群を導いた。新しい化合物はUV-AUV-Bの両方からの保護を達成していた。さらに高分子や樹脂、化粧品やコーティングの添加剤としてUV保護したいと考えられている。UV保護、武勇伝になるかも。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 6, p. 8.

DOI: 10.1002/anie.201611627

17.3.2

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