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化学者は何年にも渡って

 ホウ素、炭素、窒素、酸素を様々な方法で連結させて六員環を組立ててきた。これは光電子工学の分野や有機触媒として利用できる多感な多環芳香族材料を拡大することができるのも一つの理由である。ただし窒素と酸素原子の両方が組込まれた化合物の例はなかった。その中今回B3NO2環を含むオキサアザボリナンが合成された[1]。このB3N3B3O3との間の化合物である1,3-ジオキサ-5-アザトリボリナン(DATBs)は、2,6-ジブロモアニリンから導かれて、ターフェニルテンプレート骨格がB3NO2環を支えている。研究者らは環の安定化のためにこの周辺構造が重要であることを述べており、単独のB3NO2は不安定で、そのためおそらくこれまで合成されてこなかった要因である可能性も高い。得られた化合物は複数のLewis酸部位を有するため触媒として高性能である。たとえばカルボン酸の直接アミド化を行っている。ただしフェニル置換のDATBでは中程度の結果であった。それに対してヒドロキシアザボリン部位を含む嵩高い置換基を組込んだDATBは幅広い基質に適用できて高効率で反応が進行した。有機触媒分野でのブレークスルーである。スルーしてはいけない。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 6, p. 8.

DOI:10.1038/nchem.2708

17.3.1

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