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ヘリウムは現在

 閉殻電子配置を有し、電子親和力がゼロ、イオン化エネルギーは他のどの元素よりも大きい。それでもヘリウムを含む分子の探索が行われてきたが、電荷を有するHeH+や準安定化合物であるHHeFくらいだった。Heと同族の希ガスであるXeKrは、気を利かすこともなく、安定化合物をつくることができる。その中今回、進化的構造予測として知られるコンピューター法を駆使してHe-Na相互作用が様々な圧力条件下で検証された[1]。その結果、地球の大気の100万倍も圧力の高いおよそ115 GPa以上でそれは安定であると結論づけられた。ついでダイヤモンド金床セルを使ってこの圧力下で合成が行われた。X線回折の結果と他の方法に基づき、Na2Heは鉱物であるホタル石と同様の構造であり電子的に絶縁であること、少なくとも1000GPaまでは安定で、陽電荷とアニオンとして作用する電子をコアに有している。またNa2HeOでは15GPa以上で安定である可能性も見出された。この発見は、木星や土星のような高圧のコアの中でのガスの化学プロセスの理解を拡大するものでもある。さらに難攻不落のヘリウムでさえも安定化合物を導くことができたため「不活性」とは反応条件の課題であることも明らかになった。不活性が復活でっせい。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 February 13, p. 5.

DOI:10.1038/nchem.2716

17.3.5

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