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C-H活性化を

 使って有機化合物のある特定の水素原子を複雑な官能基で置換える反応が知られている。この戦略は一般に、Pd原子のようなC-H活性化基を含む共有結合で連結した反応剤を使う。配向基がC-H活性化基を、期待のC-H結合に接近させる。一旦結合が切断されると新しい官能基が組込まれて、その後配向基が取り除かれる。それに対して新しい二金属系反応剤では、酵素にヒントを得た可逆な金属配位を利用し、窒素を含む複素環のC-H活性化と官能基化を行っている[1]。しかも配向基を再考して利用する必要もなく、従来法では行うことができなかった遠隔位のC-H結合が活性化される。通常複素環のC-H活性化では、ヘテロ原子が金属に配位してしまい、反応が阻害されるが、ここでは一つ目のPdに出発化合物のヘテロ原子が意図的にかつ可逆で配位し、二番目のPdが遠隔位のC-H結合を活性化する。酵素のような距離と配座の制限をかけた配位子が使われている。具体的には、フェニルピリジン、キノリンや抗がん天然物であるカンプトセシンを含む複素環のアルケニル化を達成している。酵素をみて構想した系である。

[1] Chemical & Engineering News, 2017 March 13, p. 8.

DOI: 10.1038/nature21418

17.4.4

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